ある男性は5年前、雨を傘でしのいで、視界のままならない状態での信号待ちで、曲がってくる車に、巻き込まれた。
頭からの出血も見られた、かなりの打撲は間違いない、しかし脳のレントゲンでは、異常なし、体の外傷も治り、そして退院。
しかし、何かが違っていた・・・。
交通事故が原因と結びつける事は出来なかったらしが、何年かたち、自分の体の変化に、病院生活が始まった。頭が痛い、体がしびれる、怒りっぽくなった、いらいらする、近くにいる身内をはげしく口撃するようになった。現在それは、全て、薬で鎮めている。
人事ではない交通事故。後々まで、影響を与える、激しすぎる衝撃。
私は、そういった経験を持っている方と時間を過ごす。
治るわけではない・・・元にも戻れない・・・
でも、私は、彼らの笑顔が見たい。
彼は帰りぎわ、「今度、会いに行くよ。地図を書いてくれ」と、封筒の裏に、ボールペンを添えて、私に渡してくれた。