タッカの夢 ~VOICE~ 2013

シンガーソングライター タッカ の夢路日記
ユメこえショップ オーナーの日記
ユメこえ農園 オーナーの日記

ある男性の出来事

2008-01-31 15:44:34 | Weblog

 ある男性は5年前、雨を傘でしのいで、視界のままならない状態での信号待ちで、曲がってくる車に、巻き込まれた。

 頭からの出血も見られた、かなりの打撲は間違いない、しかし脳のレントゲンでは、異常なし、体の外傷も治り、そして退院。

 しかし、何かが違っていた・・・。

 交通事故が原因と結びつける事は出来なかったらしが、何年かたち、自分の体の変化に、病院生活が始まった。頭が痛い、体がしびれる、怒りっぽくなった、いらいらする、近くにいる身内をはげしく口撃するようになった。現在それは、全て、薬で鎮めている。

 人事ではない交通事故。後々まで、影響を与える、激しすぎる衝撃。
 私は、そういった経験を持っている方と時間を過ごす。

 治るわけではない・・・元にも戻れない・・・
 でも、私は、彼らの笑顔が見たい。

 彼は帰りぎわ、「今度、会いに行くよ。地図を書いてくれ」と、封筒の裏に、ボールペンを添えて、私に渡してくれた。
 

とても素敵なバイオリンの調べ

2008-01-30 16:26:08 | Weblog
 
 本日、特別養護老人ホーム愛泉寮にて、N響のバイオリン演奏家の一家が来て素敵な演奏を披露して下さいました。りぼんも、聴きに行ってきました。
 私は、このような、間近でのバイオリンの生の音色を聴いたのは初めてでした。音色はストレートに、心に届き、熱い感情が、溢れそうでした。
 演奏家の大松様、本日は、素敵な音色をありがとうございました。

笑顔の見える景色に⑬

2008-01-29 22:51:24 | Weblog
 職場の前は、今日も、道路工事のバリケードで塞がれていた。ガードマンが、僕に気付いて、駐車場へと誘導してくれた。このところの冷え込みは、現場の進み具合にも大きく影響するだろうなと、想いながら、ありがとうのサインをガードマンに送った。
 職場の裏玄関の鍵穴にカギを入れようとした時、携帯のバイブが僕を動揺させた、カギを落としてしまった。僕は、後ろポケットから携帯を取り出し開いた。登録していない番号だった。「もしもし」
 「もしもし、FMいるかです・・・」本当に来た。結果は・・・。電話の声のトーンも何故か変わっていた。僕は、一生懸命の自己紹介をした、つもりだ。
 「大体の、お話は、聞いているのですが、街の、頑張っている人を番組で取り上げて行きたいとか。」その他にも、色々な想いを、僕は、伝えた。というより、「一度、会って、お話しを聴いて下さるとありがたいのですが。」と伝えた。
「はい、是非。週に一度、短い時間なのですが、市民の方にご参加可能なコーナーがありますので、前向きに検討できるかと思いますので。」早速、明日、会う約束を取り付け、電話をきった。
 音さん、早く姿を、現して下さい。FMいるかの番組、実現できるかもしれません「ポケットの中の虹」ですよね。現場の、地面を打ち砕く、重機の振動音が鳴り響いていた。色々なことが、僕の周りで動き出しているのを感じる事が出来た。次々と、何かがおきそうだ。そして、予感は的中した。僕は、裏玄関からいつものように、靴を脱ぎ、中から、正面玄関のシャッターのカギを解除して、上へと持ち上げた。現場の振動音が中へと進入してきた、そして、誰か人が、シャッターが開くのを待っていた・・・。

笑顔の見える景色に⑫

2008-01-29 15:17:59 | Weblog
 音さんのノートを見ていた。見ていると不思議な感覚に落ちていくのがわかった。音さんは、このノートの中、この行間、この言葉に紛れてしまったのかと。

 ノート・・・
 僕の旅は続く、つらい季節でも花の時でも、ぼくは、ぼくで独り、ぼくの道を行く。たった一人ぼっちで、歩いてくる君にいつか、その道で出会うために。その時は、あなたは微笑んでくれるかい。また、あの深い瞳で僕をつかまえてくれるかい。

俺のパフォーマンス

2008-01-29 09:50:48 | Weblog
 高次脳機能障害を抱えたnami
彼の音楽活動に対し、周りの人は心配する。

彼の欠けている左の視野・・・を。
続かない体力・・・を。
見失う楽譜の進行・・・を。

 namiは言い切った。力強く!!
「全部、含めて、俺のパフォーマンスなんだ。」

私は、そうだと、彼の肩をたたいた。とっても、嬉しかった。

 障害を抱えた今でも、彼の、芸術の想いは色褪せない。むしろ強くなっているのかもしれない。彼の、書く詩・文章は、心の底から生まれる、僕も敵うものではない、追いつけないレベルだ。決して褒めすぎの言葉ではないと思う。

namiの芸術に対する想いは、今年に入ってスピードを上げている。ギター、作曲、溢れんばかりのパワーを燃やしている。

今の全部の俺、それを見てもらうんだ。俺のパフォーマンスなんだ。

namiは、きっと、青い月の下でワルツを踊るだろう。君に会えるその日まで・・・。

地域で暮らす

2008-01-27 22:01:52 | Weblog

 「地域で暮らす」をテーマに取り上げた、講演会に出席しました。内容としては、障害を抱えた方達が、施設や病院を出て、地域に暮らすには・・・です。
 
 この、函館に於いても、行政、各機関との連携の下、時間をかけながらの話し合いの下で実践に向け動いていくらしいです。
 
 とても、良い事と、考えるのですが、これから、行われるのであろう、関係機関との話し合いが、どんなメンバーでなされるのかが、心配ではあります。
 
 私は、テーマ「地域で暮らす」に「楽しく」をプラスして、「地域で楽しく暮らす」をテーマに話しを進めてほしいなと考えました。
 

笑顔の見える景色に⑪

2008-01-25 22:49:30 | Weblog
 ある日、彼女は、突然僕の前に姿を現した。まちづくりセンターの裏口を出ると彼女が目の前に立っていた。言葉が出なかった。太陽を見たけど虹は円を描いてはいなかった。わりと暖かい雪解けの進む午後1時だった。

 「こんにちは、お久しぶり」
 「どうしたの」愛想のない返事を後悔した。
 「店開いてるかな・・・」
 「行ってみようか」僕達は、マスターの店へと向かった。

 店は、ランチの客で、賑わっていた。用意されていたかのように、客が1組タイミング良く立ち上がった。彼女は肩をすぼめて、微笑んでいた。マスターも久しぶりというように、眉をちょこっと上げて、頭を下げた。

 彼女は、キャンティクラシコを注文した。白身魚のカルパッチョ、カニみそグラタン、トマトクリームパスタを楽しそうに注文した。

 極上の香りが、時間の隙間を埋めてくれた。「乾杯」心地よいグラスの触れ合う音。モノクロの風が真ん中から左右へと消えて無くなった。

 「彼が、長くないの・・・」
 「そうなんだ・・・どうするの」
 「最後までそばにいる。色々と片付ける物事も増えるけど、私のやらなければな  らない、恩返しでもある・・・」
 「全てが、片付いたら・・・また・・・一緒に・・・」
 「ありがとう。姉のところに行くことに決めているの。ここに、いる縛りもなく  なる訳だから」
 「さよなら・・・か」彼女は笑顔で、僕の言葉をかき消してしまった。出て来た料理を、おいしそうに、なつかしんでいた。そして、何度も、乾杯をした。僕の未来にも乾杯をしてくれた。大きなお世話だが・・・。音さんとの出会いの話やノートの話し、消えていなくなった話し、さようならの虹の話しも彼女に教えた。そして・・・そして・・・

 あっという間の時間は、徐々に、目の前の彼女をモノクロに染めて行った。酔った僕は、テーブルの上の彼女の手を握っていた。

 「何も、後悔していないし、あなたが、いたから彼のそばにいる事も出来た。あ  りがとう。今まで本当にありがとう。この店を出たら、本当のさよならをしま  しょう。」僕の手から、彼女のぬくもりは静かに引いていった。

 店のドアは静かに閉じた。「そうそう、FMいるかの話し、話しておいて上げる。大丈夫なようであれば、あなたの連絡先、教えるから、あとは、頑張って。」

 「さようなら。大好きだよ」

 「さようなら」それ以上の言葉が出てこなかった。引きつる顔を精一杯の笑顔で埋めて、彼女は、手を振って、後ろを向いた。追いかけて、背中を抱きしめたら、僕のそばにいてくれるだろうか・・・。

 いや、これが正しいんだ。きっと、そうすべきなんだ。

 彼女は、振り返ることはなかった。雪が、僕の涙に落ちて、さよならと音をたてた。
 

笑顔の見える景色に⑩

2008-01-25 22:30:38 | Weblog
 僕は、もうすぐここからいなくなる。別に後悔はしていない。仕方のない事だ。
こんな、体になってから先の道が狭い事は、わかっていた。

 出会いは、愉快なものだ。こんな僕にも出会いはあった。無責任かもしれないが、彼に想いを託すことが出来たから。これで、リボンの役を果たすことが出来そうだ。そして、僕の、本当のRe bornが始まる。

 これから、待ち受ける、もう一つの素敵な出会いを見届けて、僕は、虹となる。

 僕の、ポケットの中の虹は、輝きを増しているよ。