昨夜、石巻赤十字病院の震災からの日々の番組をテレビで見た。
今朝、日曜美術館で、仙台在住の作家の方が震災後、ある絵画を見ての思いの特集を見た。
日曜美術館 音なき世界 再生の青
石巻の病院の医師も、仙台の作家の方も、
知らない間に桜が散っていた日々を送っていた。
私自身も、五月中旬から
ようやく日常が帰ってきた・・との思いがある。
三か月半経って、また日々のいろんな事に追われだして、
震災後の日々を改めて思い返すなんてことはなかった。
もちろん、震災後の日常は変わってしまったことが多々あるんだけれど、
やっぱり、あの日からの一、二か月は、
気持ちが完全に止まっていて、
ここにいた誰もが、生きていくのに精いっぱいな日々だったんだなあ・・
久しぶりに震災の番組を見て
ふわっと、その事を思い出した。
時が経つにつれ、
思いが変わってくる。
がんばろうの言葉は、もちろんなんだけど、
絶対にまだ頑張れない気持ちを今も抱えている人達がたくさんいて、
そういう人達は、言葉を発さない。。
こういった人の手触り、ぬくもりのある静かな風景が
二度と戻らない何かを、思い起こさせる・・・と
その作家はおっしゃっていた。。
まだ悲しんでいて当然の、失ったものが大きい人達がいて
頑張れの言葉なんてかけられない。
空の青さに、希望をつなぎたいと静かに思っている人間の思いのような物が
この絵から私にも感じられて、
黙って、時間をかけて寄り添うことの大切さを思うのだ。
究極の体験をしたからこそ、
好きだった絵に、心がより吸い寄せられるというのは
わかる気がしますね。
(東山魁夷の代表作、「道」は青森八戸の種差海岸がモチーフだそうです)
東京国立近代美術館 緊急特集 東北を思う
そういうたぐいのドラマだとかが見られなくなっていた・・・
そういう番組を見て 涙する人はどこか他人事に受け止められる人なんじゃないか?
・・・と 感じたことあるよ
全てがそうではないと思うけれど・・・
言葉を発さない・・・・というのは そうだろうと思う
この『道』は
昔っから 東山魁夷さんの作品の中で 一番に心惹かれます
ぬくもりのある静かな風景・・・・
そうそう ひたすら道なんだけれど 『ぬくもり』だから 喉が乾かないんだよね
ずっとなぜかと思っていたけれど 腑に落ちた^^
どんなことでも、当事者になってみなければわからない事ってたくさんあるのだと思います。
究極の不便さの中で、ケーキが食べたくなったり、花が買いたくなったり、とにかく、腹の足しにならない物がどんなに大切か、私は身に染みました。
心が欲するものってそんなものですね。