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野球のみかた

東京ビッグサイトでエスカレーター事故。

2008年08月05日 | ■社会
【社会:事故】 3日午前に有明の東京ビッグサイト西館の1Fアトリウムと4F展示ホールを結ぶエスカレーターで事故が起きました。4F展示ホールで行われるフィギィア展の来場者が一斉にエスカレーターに乗り込み、その過重にエスカレーターが耐えきれず停止し、さらにその重さにブレーキも利かずにステップが降下して大勢の人が将棋倒しとなったというものです。幸いケガ人は10名程度で重傷者はいなかったようです。人気の展示会ということで我先にとエスカレーターに殺到した結果、何と1つのステップに3人も乗り込むという異常事態。事故当時の映像を今朝のNHKで流していましたが、エスカレーターはすし詰め状態。そのエスカレーターが意図せず降下始めたので、次々と人が倒れこみ、それを助け出そうと警備員・イベントスタッフが駆けつけていました。

■エスカレーターの安全基準って…。
 [参考] http://revilog.com/2008/08/011341.html
 難しい計算はともかくも(苦笑)、1ステップあたり108kg、54kgの人が2人乗ったらアウトだそうです。こんな甘い基準なのでしょうか。私が暮らしている地域でも、事故の起きた東京ビッグサイトだけでなく池袋の芸術劇場、地下鉄新お茶の水駅、南北線後楽園駅など各地いたるところに長尺エスカレーターは存在します。混雑しているエスカレーターに乗らないという自己防衛はできるものの、一度乗ってしまったら、後ろから乗ってくる人については自分の意志ではコントロールできません。気づいたら安全基準を超えている人が乗っていたなんて考えたらゾっとします。
 エスカレーターの乗り方って表示がありますよね。足もとの黄色い線は踏まない。子供は真中に乗せる。手すりにつかまる。エスレーターでは走らない。前の人との間は詰めて乗るなどなど。でも実際は、片側に寄って乗ることがマナーのようになっているので、その時点で子供の乗せ方は意味がありません。そういう私も急いでいる時はエスカレーターをとっとと歩いてしまいます。どんなに急いでいても走りはしませんけどね。難しい計算はともかくも、仮に片側の全てのステップ人が詰めて乗り、片側を人が整然と歩いて進んでいたら、1ステップあたりの荷重は基準内かなという気もします。しかしせめて全てのステップに2人ずつ乗っていても基準内というくらいの安全性はほしいものです。日本人の平均体重は60kgを超えていると思うので安全基準はその倍、1ステップあたり240kg超えても大丈夫というくらいの性能がほしいところです。

■東京ビッグサイトの警備体制について。
 警察は事故が起きたイベントの主催者と警備会社に警備の実態について事情を聴いているそうです。東京ビッグサイトはもともと東京都の施設です。今は株式会社として運営されていますが、実際には都の天下り役人が幹部におさまり、新しい担当者が赴任するたびに運営要領が変更されています。数年前より施設警備の権限が強化されて、イベントごとに主催者が契約した警備会社との取り合いで警備員同士のトラブルが頻発しているのが実態です。今回の現場で警備にあたっていたのが施設警備か主催者手配の警備員かは分かりませんが、どちらにしても危険を予知して監視するのは会場警備の方が長けているはず。あんな状態を放置したのは問題です。しかし、イベントの運営会社によっては、かなり雑な運営が行われ、「何とかなるでしょ」なんて危機意識が低いのも実態かと思います。現場の様子をテレビでみた限りでは、エスカレーターへの乗り込み制限は行われていませんでしたし、あんなすし詰めのエスカレーターなんて私は見たことがありません。それほど酷い状態でした。事故が起きても不思議ではない状況だったと思います。誰が担当されていたかは分かりませんが、会場の担当者は主催者に注意喚起したとしていますが、主催者側はそんな注意は受けていないし記録も残っていないと話しているようです。注意喚起があったかどうかではなく、あんな状態にエスカレーターに人を乗せたということは事実です。
 もう一つ問題があります。数年前に起きた神戸の花火大会での死亡事故をきっかけに、警備会社でなければ警備を請け負えなくなりました。意味が分かりにくいと思いますが、例えば今回のイベントでの会場警備は、以前はそのイベント全体運営を請け負うイベント会社が警備業務も請け負っていました。しかし実際には運営会社から専門の警備会社に委託(下請け)されるので、現場には専門の制服警備員が配置されるのですが、イベント会社が警備業の認可を受けていなければ、いくら現場を専門会社にまかせるとしても警備業務を請け負えなくなったのです。仕方なく主催者は、イベント運営とは別に警備会社に直接発注しなければならなくなりました。結果としてイベントの運営と警備の指揮系統が分断されました。主催者にコントロールできる機能があればよいのですが、たいていの場合はそんな立派な主催者は存在しません。仮に会場担当者が主催者に対してそうした注意喚起があったにしても、主催者としてはチンプンカンプンだったかもしれません。ましてや「施設のエスカレーターの安全基準が…」なんて理由を明示した説明があったとも考えられません。漠然と「注意してください」くらいのコメントがあったかもしれませんけどね。イベントの会場運営は、警備・受付・誘導・整理と様々な業務が有機的に連動してこそ機能するのです。先の警備業法の改定は、警備会社が警備会社に下請け・孫請けする場合は、アルバイト警備スタッフをかかえるトンデモ警備会社の存在を正そうというものでしたが、その煽りをイベント業界が受けたというものです。
 どんな状況であれ、来場者の安全を確保することは主催者として、そしてそのイベント運営を請け負ったイベント会社の責任であることは間違いありません。一方で、少しでも早く来場したいからといってエスカレーターにぎゅうぎゅうに乗り込む来場者も、実に大人げありません。オタクなフィギィア展だから仕方ないなどとは言っていられません。どんなに高い安全性が確保されていたとしても、無茶な乗り方をしていたら危険です。
 危険を回避する究極の手段は危険なものに近寄らないことだそうです。当たり前ですがそれが一番です。世の中実はどこで危険があるのか分からないというのが現実なのだなと改めて感じたのは、私だけではないはずです。



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