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野球のみかた

露骨な世論誘導は犯罪です。NHKの1箱1000円妥当報道。

2008年10月13日 | ■社会
【社会:禁煙運動】 今朝のNHK「おはよう日本」の中で、未成年者の喫煙経験についてのアンケートの結果が紹介されていた。高校生の喫煙経験ならびに現在の喫煙状況の結果とともに、「1箱の値段がいくらなら禁煙するか」との問いと実際のインタビュー映像(もちろん顔伏せしてますが)も流していました。「1箱500円くらいだと分からないけど、1000円なら禁煙する」との声とともに大学教授の「1000円程度が妥当か」との声も紹介していました。全体で3分程度だったように思いますが、この報道だけでも「たばこ1箱1000円は妥当」との空気をつくることが出来てしまいます。そもそも未成年者の喫煙防止と1箱の値段とは、一体どんな関係があるというのでしょうか。安価だから喫煙が蔓延するとでもいうのでしょうか。この項目の最後で男性キャスターから、「そもそも未成年の喫煙はいけません」と強い調子でコメントされたのは救いでしたが・・・。
 さらに先日(日時失念)の同番組でも、たばこが1箱1000円になると肺がんの死亡率が●%改善される・・・という趣旨の報道がなされていました。この時も「値段が上がると喫煙率が減り、それにともなって・・・」というものでした。しかしこの時は、この調査結果を発表した研究機関の担当者が「禁煙したうえで医療機関において検査して、治療した場合ですけれど」というコメントを最後に付け足していました。ここでも「だったら1000円にしたら・・・」という空気を醸成しています。NHKの報道センター内に「たばこは1箱1000円にするべきだ」と強い信念を持つ方がいるようです。
 たばこ税は昨今の禁煙ブームによる消費量の減少にともない減収傾向にあります(参考記事)。それでも、たばこ特別税も含めて年間2兆円超が納税されています。中途半端な増税は税収増につながらないとみた既得権者の露骨なロビー活動の一環から「1000円妥当論」の定着が画策されていると感じます。
 たばこの健康被害については改めて論じることではないかとも思います。ただしそれは喫煙者自身に言えることで、非喫煙者の受動喫煙の被害についてはかなり眉唾です。特に肺がんの罹患率については、火のついているたばこに鼻を近づけて直接吸い込む場合(そんな光景は見たことがありませんが)以外は、たばこの煙の量とは比べようもない自動車や航空機、工場の排煙による大気汚染の方が、はるかに被害が大きいのは明らかです。しかもそうした健康被害を無くすためであれば、たばこの値段が500円なら不十分で1000円なら妥当なんて議論が成り立つはずもありません。
 もう一つ言えば、喫煙による健康被害で最も危険なのは肺がんではなく、喫煙による末梢血管縮小と、その他因子(肥満による高コレステロールや社会的ストレス)による血行不良にとの合わせ技による脳疾患だと言われています。脳溢血なり脳梗塞の危険の方が高いのだそうです。「たばこ被害=肺がん」の図式は当に過去のものだということです。
 街中や公共の場での喫煙マナーの向上のためのキャンペーンは大いに賛成です。しかし喫煙そのものに対してのネガティブキャンペーンには生理的な嫌悪感で一杯になります。その活動自体が私にはとても不愉快です。過ぎたるは及ばざるが如し…扇情的な報道は厳に慎んでもらいたいと思っているのは私だけではないはずです。


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