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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

国際刑事裁判所(ICC)がネタニヤフ首相らを捜査し逮捕状を出すかもしれないとバイデン米大統領に懇願し、米政府が「ICCの捜査についてはわが国は支持しない。ICCに管轄権があるとも考えていない」と発表

2024年04月30日 | イスラエル・パレスチナ戦争
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 国際刑事裁判所(ICC)がパレスチナ地区ガザでの戦闘について、イスラエル政府当局者に逮捕状を発行する準備を進めている可能性があり、イスラエル政府内で懸念が強まっています。
 
 アメリカのニューヨークタイムスやイスラエルのメディアなどによると、ICCは2024年10月7日に起きたイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲とその後イスラエル軍のガザでの軍事行動を巡り調査を進めており、ネタニヤフ首相らイスラエル政府高官は戦争犯罪や人道に対する罪などに問われる可能性があるというのです。
 
 もちろん、1200人もの市民を殺害したハマスの指導者に対する逮捕状の発行も検討されているということです。
 
 これについてイスラエルのカッツ外相は4月28日、ICCが近く、政府および軍の高官に対し逮捕状を発行する可能性があるという報道について、そのような状況にならないことを期待するとして、
 
「われわれが頭を下げることはない。戦い続ける」
 
と宣言しました。
 
プーチン大統領にも逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)のカーン主任検察官が、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ住民への支援物資供給を妨害することは戦争犯罪に該当する可能性があると警告!

 

 
 
 しかし、ネタニヤフ首相はロシアのプーチン大統領にICCから逮捕状が出て、プーチン大統領が外国に行くこともままならない状況を目の当たりにしているからビビっているようです(笑)。
 
 米ニュースサイト「アクシオス」は4月29日、複数のイスラエル政府関係者の話として、ネタニヤフ首相がバイデン米大統領と4月28日に電話協議した際に、ICCが自身を含む政権や軍の幹部に逮捕状を出す懸念があるとして、逮捕状の発行を阻止するよう助けを求めて懇願したと報じました。
 
 それが証拠に4月30日、さっそくホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官は記者会見で、
 
「ICCの捜査についてはわが国は支持しない。ICCに管轄権があるとも考えていない」
 
と述べたんです。
 
 ちなみに、アメリカもロシアと同じくいつでも戦争犯罪を犯す気満々でICCにそもそも加盟していないのですから、ICCの管轄権云々を言う資格はありません。
 
イスラエル軍のガザ侵攻について「民間人の死傷者数が多過ぎる」と国連安保理での停戦決議に拒否権を使えなくなったバイデン米政権が、裏ではイスラエルへの戦闘機25機や2300発以上の爆弾の売却を承認した偽善
 
 
 
 さて、イギリスの元首相であるキャメロン外相は、イスラエル政府がハマスに対して、人質の解放と引き換えに40日間の戦闘休止と数千人のパレスチナ人を釈放する案を示していると明らかにしました。
 
 この提案について、アメリカのブリンケン国務長官が4月29日に
 
「イスラエルによる非常に寛大な提案をハマスは目の前にしている。彼らが正しい決断をすることを期待する」
 
と述べて、ハマスにただちに決断するよう訴えました。
 
イスラエル軍の無差別攻撃で3万人以上のパレスチナ人が死亡。ガザ地区で飢餓が発生して子どもたちが死亡。食料を求めて集まった民衆を100人以上射殺。ネタニヤフ政権がやっていることはまさにジェノサイドだ。

 

 
 
 別にイスラエル政府が寛大なわけではなくて、イスラエルとそれをかばうアメリカ政府に対して国際世論の風当たりが強すぎて両政府とも耐えられず、アメリカ国内では大統領選挙にも影響が出ているから何とかしたいというだけの自分ファーストの判断です。
 
 そしてさらに、ICCがネタニヤフ首相らに逮捕状を出しそうだということで、イスラエル・アメリカ政府とも尻に火が付いただけなんですよ。
 
 偽善と欺瞞に満ちたバイデン政権とネタニヤフ政権はさらに我々国際社会が追い詰めていく必要がありますし、それが効いているのがわかります。

プーチン大統領もICCに逮捕状を出されて、開催国の南アが同条約に加盟していて逮捕義務があるため、一番重視しているBRICSの会議に出られなかった。

国際刑事裁判所が戦争犯罪容疑でプーチン大統領らに逮捕状発令。国連人権理事会が殺害・性的暴行・子どもの連れ去りなどロシア軍の戦争犯罪があったとする調査報告書を公表。橋下徹氏、伊勢崎賢治氏らは沈黙。

国際刑事裁判所(ICC)に逮捕状を出され南アでのBRICS首脳会議にはビデオ出席となってしまったプーチン大統領が、ICCの赤根裁判官を指名手配。法の支配を守るためにロシアの戦争犯罪は見過ごせない。

 

 
反米拗らせ論者はロシアのプーチン大統領だけに逮捕状を出し、ネタニヤフ首相には出さないICCは不公平で偏っていると盛んに言っていたのですが、ICCがプーチン大統領に逮捕状を出したのはウクライナ侵略が始まってから1年以上経過した2023年3月17日のことでした。
 
これに対して、ハマスの蛮行とそれに対するイスラエル軍の報復が始まってからまだ200日余りです。
 
アメリカのけん制にもかかわらず、こんなに早くICCが動いて画期的なネタニヤフ首相への逮捕状を出したら、反米拗らせ論者はどんな顔をするんでしょうね。
 
偏っていて不公平なのは反米しか判断軸がない拗らせ論者の方なんです。
 
そして国際法秩序維持によって平和を守るという知恵がない彼らは、ICCの逮捕状なんて何の意味もないと言っていましたが、現にイスラエル政府がネタニヤフ首相らへの逮捕状発布をこれだけ恐れていること1点を見ても、ロシアやイスラエルのような侵略国家に対して国連の裁判所の威力は絶大だとわかってもおかしくない。。。。のですが、認めようとしないでしょうね。
 
なにせ拗らせてるんだから(笑)。
 
 
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イスラエル首相らに逮捕状準備か、ICC 政府内で懸念

国際刑事裁判所(ICC)がパレスチナ地区ガザでの戦闘に絡みイスラエル政府当局者に逮捕状を発行する準備を進めている可能性があり、イスラエル政府内で懸念が強まっている。写真はネタニヤフ首相。2023年9月撮影(2024年 ロイター/Ammar Awad)
[エルサレム 29日 ロイター] - 国際刑事裁判所(ICC)がパレスチナ地区ガザでの戦闘に絡みイスラエル政府当局者に逮捕状を発行する準備を進めている可能性があり、イスラエル政府内で懸念が強まっている。
イスラエルのメディアなどによると、ICCは昨年10月7日に起きたイスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲とその後イスラエル軍のガザでの軍事行動を巡り調査を進めており、ネタニヤフ首相らイスラエル政府高官は戦争犯罪や人道に対する罪などに問われる可能性がある。ハマスの指導者に対する逮捕状の発行も検討されているという。
イスラエルのカッツ外相は28日、ICCが近く、政府および軍の高官に対し逮捕状を発行する可能性があるという報道について、そのような状況にならないことを期待するとし、「われわれが頭を下げることはない。戦い続ける」と言明した。
カッツ外相はさらに、イスラエルの大使館に対し「深刻な反ユダヤ主義」に直面するリスクがあるとし、警備を強化するよう警告した。
 
 
2024年4月30日 06時19分 (共同通信)
 バイデン米大統領、イスラエルのネタニヤフ首相(いずれもロイター=共同)

 バイデン米大統領、イスラエルのネタニヤフ首相(いずれもロイター=共同)

 【ワシントン共同】米ニュースサイト、アクシオスは29日、イスラエルのネタニヤフ首相がバイデン米大統領との28日の電話会談で、国際刑事裁判所(ICC)が自身に逮捕状を出そうとしていると懸念し、阻止するよう懇願したと報じた。複数のイスラエル政府当局者の話としている。
 イスラエルはICC非加盟国で、身柄が引き渡されることはないが、ICCが昨年10月からパレスチナ自治区ガザで続く戦闘を巡り、ネタニヤフ氏、ガラント国防相、ハレビ軍参謀総長に逮捕状を出せば国際的な孤立が深まると警戒している。
 米国もICCに加盟しておらず、イスラエルの働きかけが奏功するかどうかは不透明だ。ICCは2014年のガザ大規模戦闘以降、イスラエルとイスラム組織ハマス双方に戦争犯罪の疑いがあるとして捜査している。
 米政府当局者はICCが逮捕状を出す明らかな兆候はないが、捜査担当者が非政府組織(NGO)や加盟国から逮捕状発付に向けた圧力を受けているとの見方を示した。
 
 

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は28日、ジョー・バイデン大統領との電話会談でこの問題を提起したとされる。

 米紙ニューヨーク・タイムズはイスラエル政府当局者の話として、ICCはネタニヤフ氏のほか、イスラム組織ハマス指導部の訴追を検討していると伝えている。

 ホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官は記者会見で、「ICCの捜査についてはわが国は支持しない。ICCに管轄権があるとも考えていない」と述べた。

 米ニュースサイト・アクシオスは、ネタニヤフ氏がバイデン氏に対し、ICCがイスラエル政府関係者に逮捕状を出すのを阻止するよう求めたと報じている。これについてジャンピエール氏は、「電話会談の主要議題は言うまでもなく人質に関する合意と停戦、ガザへの人道支援だった」と答えるにとどめた。

 米国、イスラエル両国ともにICCには加盟していない。【翻訳編集AFPBBNews】

〔AFP=時事〕

 
 

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2 コメント

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Unknown (暗黒大将軍)
2024-05-01 23:18:40
まったくイスラエルってとこはアホのネタニヤフに取って代わる人材がそうまで見当たらんのか、と嘆く人は多いでしょうが、世間的に言う「受け皿」なら2人はいるんだと思います

中道系野党党首のベニー・ガンツ(前国防相)、ヤイル・ラピド(前首相)の2人ですが、支持率ならガンツが先行してますかね
選挙予測でも議席増を確実視されてるのはガンツの党「ナショナル・ユニティ」のほうです

でもガンツは中道とはいってもシオニズムの枠内でですから極端な現状変更は期待できませんし、対するラピドのほうも近いインタヴューで「ハマスを説得する」という高いハードルの発言をしてますし追い風は弱そうです

しかし何らかの契機でこの2人が登板すれば、ネタ公がのさばってる現状よりはパレスチナの無辜の死を減らせるのでは、と思うのですが
返信する
“アメリカの所業”のせいで国連総会でロシア非難決議案の提出見送り (ロハスな人)
2024-04-30 20:44:43
シオニスト政権イスラエル建国以来『英米が後ろ盾』だったからこそ、『イスラエル政府は民族浄化をし続けることができた』…つまり、イスラエルの民族浄化を事実上『支えてきた』という不都合すぎる事実があるからこそ、アメリカ政府は『イスラエルの悪事を糾弾』することに踏み切れないのでしょう。

そして、イスラエルと二人三脚の虐殺行為はイスラエル、アメリカ(イギリスも?)だけでなく、『ウクライナ政府をも追い詰める』結果になっているようです。

“利権の完全な傀儡”であるバイデン政権のままだと、イスラエル、アメリカ、ウクライナの政府が軒並みガタガタになる未来になりそうな気がしますね。

※『狡猾な悪人』トランプ氏が大統領になったら、イスラエルとウクライナの両方を早急に見捨てる保身に走るかもしれませんが…。その選択が適切かどうかも…。

https://www.yomiuri.co.jp/world/20240225-OYT1T50028/
☆国連総会でロシア非難決議案の提出見送り、米に「二重基準」批判…イスラエル擁護に反発
2月25日 読売新聞

◎ウクライナ侵略開始から2年に合わせた国連総会と安保理でロシア非難決議案の提出を見送った。ウクライナの最大支援国である米国がパレスチナ自治区ガザでイスラエルを擁護し続け、反発を招いた

昨年は露軍撤退決議案賛成は国連加盟全193国のうち141ヵ国に上った。しかし、昨年10月以降、状況は一変。米国は、戦闘継続にこだわるイスラエル擁護で、即時停戦に反対し続けた結果、反発を招き、苦境に立たされた。
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