10月1日に「かわとしグループ」へ事業譲渡された石村萬盛堂。
事業譲渡される直前に発売した新製品の「祝うてサンド」。「博多手一本」をイメージしたお菓子らしく「手のひらの形のクッキー」に「手を叩く時の音」をイメージするクルミをサンドするという、徹底したこだわりよう。ジャパニーズモダンなパッケージデザインも「博多なら手をたたこう」というキャッチコピーも絶妙です。
試食品で頂いた時は「ピーナツクリームが甘ったるくなくて良いね」「今話題の塩スイーツかな」という位の感想だったのですが、博多手一本とは、宴会の最後に「宴たけなわではございますが、そろそろ、お開きにしましょう」という時にするものだった事を思い出しました。
良い企業様に救われ、結果オーライだったとは思いますが、明治時代に創業された石村家が最後に企画開発した商品だった事を思い起こすと「祝うてサンド」には色々な思いが込められているようで、塩辛いピーナッツクリームが「涙の味」であるようにも思えてきました。
また、箱に使用されている金色模様は、金色インクによる印刷ではなく(コストの掛かる)「箔押し」という技術を使って作られており、包装用のシールには「きれいに剥がせる糊」が使われているため、空き箱も楽しむ事が出来ます。
クリームサンドクッキーで1個270円(税込)という価格設定は、ゴディバチョコ並みだと思いますが、和菓子のようなアートだと思えば、決して「高すぎる」という事はないのかもしれない。