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薄暗がりの中は、とても広かった。壁際と思えるあたりを、恐る恐る手探りして歩き出した途端
に、足下に光が点滅して、ふっと消えた。何だろうと、又同じところに足を踏み出してみたら、又
点灯し、そこから光が点滅しながら壁の奥の方へと少しだけ伸びて、そして又ふうっと消えた。
でも、今度はピッコロの足下の光は消えないで点滅したままだった。
その瞬間、何かが聞こえたような気がした。ぞくぞくっと身震いがした。
知りたかった事へのきっかけが、そこに有るという確信...。
そして一瞬にして理解した。ピッコロは自分が何を求めていたのかを。それはひとつの道だったの
だ。幼い頃から星空を見ては、感じた憧憬の地。そこへと辿っていく道。今、彼は知った。ここが
その出発点だと。ピッコロは感動と喜びで一杯になった。
そう思った瞬間に、足下の光の点滅はさっき伸びたあたりまでくっきりと点滅を始めた。
まわりはそのおかげで、今までより、いくらか明るくなった。
ピッコロのそれまでの緊張がふとやわらいだ。どうやら正しい地点にいるらしい。
いよいよ、ピッコロはその謎を解く冒険へと踏み込む決意を新たにした。
とりあえず、ピッコロは、足下の光の点滅をなぞって、光が伸びていく方へと進む事にした。
そのうちに、何度か踏み慣らすと、光は点滅を止めて安定した光になった。
そのとき、くぐもったような音の断片が聞こえたような気がした。ピッコロは勢い込んでその先の
点滅を踏んでみた。
それは声のようだった。もう、ピッコロは、点滅の周りを夢中で踏んでいた。
光はアメーバーのように筋を複雑にしながら広がり、その先端の方は点滅を繰返している。
そして、その声は自分をとりまく全体から発されているようだった。
ピッコロはその響きにすっぽり包み込まれた感じがした。空洞はなにかで充ちていた。
’ひょっとしたらこの空間は、波動で出来ているのだろうか?’とピッコロは思った。そのうちに
響きが調整を終えたらしく、耳障りのいい、聞き取れる声となった。親しみと、懐かしさを感じさ
せる声は、ピッコロに語りかけ始めた。
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