響きあうA"LIFE & ~『ピッコロの冒険』~

ピッコロの自分探し、広大な内なる意識へと冒険の旅の物語
&つれづれの内なる対話、 A"LIFE&ONENESS

カール セーガン『エデンの恐竜』2

2010-12-29 00:38:35 | カールセーガンへのオマージュ



もうひとつ、
R複合体という古い脳に連なる脳の変化の考察は、とても興奮しました。
人類が常に平和を提唱しながら、戦争,抗争が絶えないという
アンビバレンツな葛藤をベーシックに理解し、受け入れやすくしてくれましたっけ。


『エデンの恐竜』というタイトルの由来というのが、
私たちの脳の一番深い所のほんのわずかなポイントに宿しているというR複合体、
そこは、恐竜的脳の名残りであるということ。

R複合体のRというのは、爬虫類=reptolの頭文字だそうですが、
それは攻撃性、順位序列性、縄張り性などを司っていると。
(それは大脳辺縁系の中に位置している古い脳。
もっと奥の古い脳になると人になる前の部分もあるそうですよ!
やっぱり?!って、わくわくものです。)


人間が理性を獲得する前の、排他的暴力的脳というのが、
人類として、個人的にも民族的にも国家的にも、連綿と..今も、あるわけで、
これって、いつまでたっても人類って愚か!..と思っていたのが、
なるほど..それってR複合体を宿してるわけねと、とりあえずあるわけね...
という認めることができましたね。もちろん自分の中にもね。

思うに、平和というのは、ダイレクトな反応としては争いより、
ずっと自然的ではないってことかもしれないですね。
”護る”という軸から起きる反応なんですね。

平和とは、強固な意図と、高貴で健気な努力の上に、
やっとなんとか..造り上げていくものなんですね。
この本能との葛藤をかろうじてコントロールしようとするのは前頭葉の発達の
おかげでしょうか。

しかし、
宇宙的調和というのも、創造と破壊を一組にしているし..。
人間の営みの範囲での勝手な幸福というのも、
宇宙や、地球レヴェルから見たら,なかなか難しいですね。


「エデンの恐竜」はピューリツア賞を受賞、
その後、テレビシリーズにもなった『コスモス』日本でも大々的に放映され、
まさに科学の伝道師として面目躍如でした。
このシリーズはユーチュブで見ることができます。
また、SF小説『コンタクト』は映画化されて、
主演をジョディ フォスターが演じていましたね。


下の映像は『Pale Blue Dot』 宇宙に浮かぶほのかな青い点、
それが、それがかけがえのない地球である..という..
感慨深い、写真です




ここに、カールセーガンの感動的なメッセージを!
Pale Blue Dot - Japanese sub (カール・セーガン、日本語字幕)


私たちの遺伝子中の窒素も、歯の中のカルシウムも、

血液中の鉄も、かつて収縮した恒星の内部で作られた。

私たちの体は、すべて星の物質でできている。

私たちは、きわめて深い意味において“星の子”なのである

カール・セーガン





カールセーガンのそのパーソナリテイゆえの素晴らしい働き、輝かしい業績は、
前ページにウィキペディアのサイトを書き込みましたが、

ここにもうひとつあげておきます。
http://www.planetary.or.jp/Sagan/


カール セーガン『エデンの恐竜』1

2010-12-25 03:25:09 | 冒険者たちへのオマージュ



  カール・エドワード・セーガン       
  (Carl Edward Sagan 1934-1996 )

  ”エデンの恐竜 ”ー 知能の源流をたずねて
          はるかな記憶 - 人間に刻まれた進化の歩み 
          百億の星と千億の生命

                              
  この本には随分と思い入れがあります。
  もう30年近く前?!になりますが、
  この本を読んだ時,とても興奮しました。
  目からウロコ!がこの本にいっぱい詰まってました。

  私はカールセーガンのファンです!
 「僕も!」そんな自己紹介で親友になったボーイフレンドもいましたね。

 『エデンの恐竜』は、
  人の意識を含めた私なりの宇宙観の科学的考察の基盤になった本のひと
  つです。今,久しぶりに思い出してみると、
  あらためて"カール セーガン"へのオマージュ..大きいなあ..と感じ
  ます。


  宇宙の歴史150億年を一年間の年表にした    
  あの「宇宙カレンダー」の発明!それは衝撃的でした。

  あのとき始めて、ビッグバーンから、人類が出現した悠久の150億年
  のスパンを一年のカレンダーから把握することができました。
  人類の出現が、12月31日の大晦日とは!

  あの宇宙カレンダーは、それ以来、あたりまえのように引用されています
  よね。

  宇宙の広大さ、銀河や星の数は、まさに天文学的数字そのものですが、
  私がその時に感銘したのは、脳細胞もまた、天文学的数字だという..
  その実感をもてたこと。


  それって?!
  感じたのは...宇宙のスペースと脳のスペースは同じじゃないかという..

  それ以来、私が内視野で描く広義の意識のイメージは、
  自分の脳から広がり出て、宇宙へとスペースがつながっている、
  そんなイメージになってます。

  そのように私たちは、宇宙とスペースを共有してるんだろうと。
  つまり、すべてはひとつ..


  そして、もうひとつ、
  脳細胞の情報回路シナプスがビットという二乗、二乗で広がっていくと
  いうこと。

  このことをイメージできたのも、興奮!でした。
  脳の神経細胞の伝達のすごいスピード感と広がりを想像したりして!


  私は、その伝達のスピードって、ひょっとしたら光速を超えているんじゃ
  ないだろうか?!などと思ったりして、かってにわくわくするんです。

  それもまた、私の中で、何かが『解った!』と思う時、今まで使ってな
  かった記憶の回路がビット、ビットで繋がり広がっていくというイメージ
  するようになりました。


  自分に、いろんな問いを発したら、どれだけ可能性があるだろう。
  私の体験では、解らないことを問うと、かならず、なんらかの答えが出て
  きます。

  だから、もともと私たちは”知ってる”状態なんですね。
  脳の使われていない所はOFF状態になっていて、求めれば、きっとそれが
  ONになるんだと..。脳というのは、おおかたコンピューターと同じ仕組み
  ですね。(自分がもう、必要としない古い観念や、ネガテブな想念パター
  ンなど、解除できたり..しますし)

  ただ,私たちの意思、求める..、選択する.. 、
  その私の、その意識、意思こそが脳のオーナーであって、脳自体は私たち
  の素晴らしい道具なんじゃないでしょうか。

  そう考えると、

  私たちの本質は、
  脳も肉体も超えたところの、意識、エネルギー、
  というのが真実なんじゃないのか。

  そして、その俯瞰した意識から、自分を、世界を、投影している..。

  まあ、わたくし的哲学はそのように理解しているわけです。



  そういえば、ニューロンと宇宙のこんな画像があります。

  脳細胞と宇宙構造 The New York Timesより

   左、マウスの脳細胞、ニューロンが伸びていく様子
   右、宇宙の構造をコンピュータでシュミレーションした画像




 ほら、やっぱりそう?!



http://www.carlsagan.com/
これは英語のサイトですが、追悼の感じがして、しみじみ美しいです。



科学の伝道師と言われたカールセーガンの略歴はWikipediaで。
http://ja.wikipedia.org/wiki/カール・セーガン


ガートルード.ベル&アラビアのロレンス

2010-12-11 02:41:20 | 冒険者たちへのオマージュ

上のコラージュはイラク建国の立役者たちです。

 

『砂漠の女王 イラク建国の母ガートルード・ベルの生涯 』

この本を読んだとき、
イラクに関して、今までの自分の理解の漠然度!に驚きました。

もともと、ヴェドインなどの砂漠の部族として、放浪と点在の民の土地であり、彼らは国家という概念を持ったことが無かったんですね。(二度の湾岸戦争後の現在も、国としての秩序を見いだせない理由(わけ)が分かる気がします。)

それを、現在地図で見るようなアラビア半島、
そして、部族というものから国という枠組みの民となったのは1921年のイラク建国の時でした。

今のイラクは、この時代にイギリスを筆頭の列強の思惑が絡んで...このように出来ていたんですねえ。

そして、机上でアラビア半島の国々の国境の直線ラインを引いたのが、大英帝国の情報部員だった、このガートルード.ベルでした。

随分以前に、ロレンスに関する本を読みんでみたことがありましたが、このような、ひときわ大きな存在として活躍した女性がいたことは、まったく知りませんでした。

イギリスの鋼鉄王の娘として生まれ、その頃まだ、高学歴の女子は敬遠される時代に、オクスフォード大学を優秀な成績で卒業、社交界デヴュウはしても、恋愛は悲恋に終わり、結婚には至らず、登山や、考古学、アラビア語などに傾倒し、時の大英帝国の権威をバックに
中東への旅に....つまり、ハマったんですね。

父親の冒険心と気性を受け継いでいて、言うなればファザコンでしょうか。日々のほとんどの出来事を父親に逐一、手紙で書き綴っています。
その他、継母、その他.政府の高官など..
手紙が多いので、この彼女の伝記が、この土地の、時系列的な状況の流れを伝え、彼女の波乱の人生を伝え、伝記として充実してるんですね。


ベルとロレンス、イラク建国の舞台裏で、それぞれ重要な働きをしています。
ロレンスとベルの最初の遺跡での接触...、
ロレンスは、彼女に比べると、小僧っ子という年齢差でした。
ロレンスが幾分エキセントリックでちょっとユニークなファッションしてたんじゃないの?って感じられるくだりがあります。うんうん、わかるわかるって感じ。

ロレンスの「知恵の七柱」を読むと、感情や価値観の襞など、彼の全体像、個性が見えてきます。

二人とも、中東の考古学から、砂漠に導き入れられたんですね。

奇しくも二人は、砂漠に魅せられ、砂漠の民に共感し、働き方は違いましたが...

共にイギリスの情報部員として、ベルは部族の有力者達と対等に付き合って、人望を得つつ、見解にそって根回しし、ロレンスは、ご存知「アラビアのロレンス」映画でもおなじみで、トルコ軍の鉄道爆破など、ファイサルと同行したり、ゲリラ的な作戦にも従事ています。

ふたりとも、ファイサルをイラクの国王にすべき、そして彼らの国を彼らが治めるように願うのですが、イギリス政府は結局、裏切るんですね。


いやはや、どの本を読んでも..、
その頃の大英帝国というのは...傲慢というか..つまり、
後の時代に自国に於いても批判に晒されるところの、まさに帝国主義!なんです。

この時代、国民がいかにイギリス国民であることに誇りと奢りを持っていただろうか....そして、狭い国土を地球中に大きく広げ、統治したエジプトやインドへと、そして日本まで優雅な周遊の船旅に繰り出しただろうかと..。

たとえ、私の好きなキプリングであれ、この二人の心の中にも、そんな心情をかいま見ることができます。
しかし、その時代背景のまっただ中にいる場合、人々の心ってそういうものですよねぇ..。


イラク建国へ向けて、彼らのいのちの輝きはピークだったんですね。
その後ふたりの運命は次第にフェードアウトしていきます。

そうしてベルは、睡眠薬過剰摂取で、ロレンスはオートバイ事故で命を落としています。





翻訳の文章は、ひっかかりぎみで、お気に入りではありませんが、政治的な逐一の成り行きや,交錯する,行き届いた情報の、時にそった流れが、彼女の人生と、イラク建国へと向かう波乱の歴史とが,充実していて興味深く、どんどん,先を急がされました。

砂漠の族の精神性や気性も、今、私たちが,ニュースで見たりする..それゆえの、問題なのかと、つながって、なるほど、なるほどと、心に頭脳に,しっかりと刻まれ、読んで良かったと思える一冊です。

 

『砂漠の女王 イラク建国の母ガートルード・ベルの生涯 』

 
   
 

  

 

ガートルード・ベル(1868 - 1926

T.E.ロレンス (1888-1935)

 

 

 

 

 

 

 


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