響きあうA"LIFE & ~『ピッコロの冒険』~

ピッコロの自分探し、広大な内なる意識へと冒険の旅の物語
&つれづれの内なる対話、 A"LIFE&ONENESS

ピッコロの冒険3

2007-11-30 16:19:58 | スピルチュアル 連載小説





「そうだよ、ここは波動でできている。私は誰かと?まあ、誰でもなく、誰でもある。つまり、私

は君でもある、そういうところかな。だから、ここでは私が私だとということも、君が君というこ

とも、ほんとは成立ないんだ。ここには一人称は成立しないんだよ。」


’僕はあなたで、あなたは僕で、それに他のものでもある..?ってこと?’

「その通りだ。意外とわかりが早いじゃないか。まあ、それじゃあ、話はめんどうになるから、君

と私をひとつのつながりとして、始めるか。言うなれば、私は君の素なんだよ。」

’僕の素?’

君は此処からさいころのように振り出されたんだ。

’僕がさいころだって?!失礼じゃないか。

「まあまあ、聞きなさい。それだって、自分でそうしたくって、飛び出していったんだから。

ほら、君の持ち前の冒険心ってやつさ。今、ここにいることだって、その冒険心のせいだろう?

そういう意味では、魂は変わらないのさ。ここは折り返し地点だ。今まで君がいた世界は同族が

いっぱいいたし、みんながこうあるべきとか、教えてもくれたりしただろうが、しかし、今度は道

は用意されていないよ。それに道連れも無しだ。君は独りで発見することで道を作るんだ。」


’それってどういう事なの?’

「この見えない道は君が知ることでその瞬間に道となる。つまり、薄暗がりという未知の領域が、

知る事で照らされて道として見えてくるんだ。未知なる状態を無明と言うじゃないか。ここ全体が

ぼんやりとした暗がりなのは、自分自身にまだ知らししめていないからだ。」


’僕が踏み付けたところに光がついたけど?’

「そう、そう。そのせいで私は呼び出されたというわけだ。まあ、少々乱暴なノックだったがね。

別にあんなにがむしゃらに踏み付けたりする必要はないんだよ。軽くノックすれば私は応えるん

だ。しかし、確かにこの回路は随分長く使われていなかったから、あのぐらいの力は必要だったか

も知れないな。そのうちコツはつかめるさ。」


発見か!とりあえず何を発見すべきなのかピッコロはかいもく見当がつかなかった。

そうだ!ノックしたら応えるっていってったけ..。

ピッコロはさっき踏み付けてところから少し離れたところを足でポンポンと叩いてみた。と、そこ

からふっと光がまたたいた。

さあ、今の内に何を問えばいいのか、思いつかなくちゃ!焦って心の中でこう呟いていた。

’何かを知りたいんだけれど、いったい何から始めていいのか解らないよ。’

そうすると出し抜けに声が応えた。

「私は、君が知りたい事は全て知ってるよ。だって私は君でもあるんだから。だけれど君と私を結

ぶ通路が詰まっているから、君は自分の問いそのものも発見しなければならないな。」










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ピッコロの冒険2

2007-11-30 15:58:23 | スピルチュアル 連載小説






薄暗がりの中は、とても広かった。壁際と思えるあたりを、恐る恐る手探りして歩き出した途端

に、足下に光が点滅して、ふっと消えた。何だろうと、又同じところに足を踏み出してみたら、又

点灯し、そこから光が点滅しながら壁の奥の方へと少しだけ伸びて、そして又ふうっと消えた。

でも、今度はピッコロの足下の光は消えないで点滅したままだった。

その瞬間、何かが聞こえたような気がした。ぞくぞくっと身震いがした。

知りたかった事へのきっかけが、そこに有るという確信...。

そして一瞬にして理解した。ピッコロは自分が何を求めていたのかを。それはひとつの道だったの

だ。幼い頃から星空を見ては、感じた憧憬の地。そこへと辿っていく道。今、彼は知った。ここが

その出発点だと。ピッコロは感動と喜びで一杯になった。


そう思った瞬間に、足下の光の点滅はさっき伸びたあたりまでくっきりと点滅を始めた。

まわりはそのおかげで、今までより、いくらか明るくなった。

ピッコロのそれまでの緊張がふとやわらいだ。どうやら正しい地点にいるらしい。

いよいよ、ピッコロはその謎を解く冒険へと踏み込む決意を新たにした。


とりあえず、ピッコロは、足下の光の点滅をなぞって、光が伸びていく方へと進む事にした。

そのうちに、何度か踏み慣らすと、光は点滅を止めて安定した光になった。

そのとき、くぐもったような音の断片が聞こえたような気がした。ピッコロは勢い込んでその先の

点滅を踏んでみた。


それは声のようだった。もう、ピッコロは、点滅の周りを夢中で踏んでいた。

光はアメーバーのように筋を複雑にしながら広がり、その先端の方は点滅を繰返している。

そして、その声は自分をとりまく全体から発されているようだった。

ピッコロはその響きにすっぽり包み込まれた感じがした。空洞はなにかで充ちていた。

’ひょっとしたらこの空間は、波動で出来ているのだろうか?’とピッコロは思った。そのうちに

響きが調整を終えたらしく、耳障りのいい、聞き取れる声となった。親しみと、懐かしさを感じさ

せる声は、ピッコロに語りかけ始めた。










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ピッコロの冒険 1

2007-11-30 12:19:56 | スピルチュアル 連載小説







黄金色に染まった空の下にたたずみながら、そろそろこの古びた石

の門をくぐらないととピッコロ思った。

夕暮に別れを告げて、土にまみれた石段を3段上がると、もう開い

た門に入るんだ..。

そこはもう、ただひたすら空間だった。

上も下も、左右にも全く区切りがない。

それに空洞なんだが、何かで充されているような感じもする。


そこは暖かかった。不思議と空気も新鮮だった。まったくのからの

空間でもないようだ。

本当は、入る前から、ピッコロはなんとなく分っていた。そこは今

までいた世界と違うって事が。

だからこそ、門を入る前に、少しばかり、気を落ち着け、あらため

て覚悟をが必要だったんだ。

(実は、そこには普通の眼には見えない、いろいろなもので満たさ

れているのだが、入った者が手探りで、そしてそれが何なのか、理

解した瞬間に立ち現れる...そういう世界だった。)

勇気ある者、本当の事を知りたいものだけがその門に入る決意を抱く。

まさにピッコロは本当の事を知りたかった。勇気が必要だと気づきす

らしなかった。既にピッコロは知る為には充分な勇気を持ち、それ以

上に知る事へのがあったから。



ピッコロは毎日、毎日空を見ながら、どうも何かが足りないと感じていた。


それが何なのかまったく見当もつかなかった。

空の星を見ては、そこに答があるような気がして、むしょうにそれとひとつ

になりたい気分に圧倒され、強い憧れと愛を感じた。

古い古い、遠い昔の物語や言い伝えを聞くと、なにやら心がうずいた。

何かわからないけれど、何かを知りたい!毎日過ごしているこの状態、楽しくても、忙しくても、

落ち込んでも、そういう日々がずっとずっと、もっとずっと繰返される。

そんな毎日は何となく腑におちない。上辺だけをぐるぐる生きているような気がしてならなかった。


何かが有るはず...。いつかこの謎めいた気持ちを解き明かせる時が来るの

だろうか?こうしてはいられないと、そこへと踏み込む時が来るるのだろうか...。

その思いに直面しなければ、本当に生きているという実感を味わえないんじゃないだろうか。

ピッコロは心に深く、独りその予感を抱いて、今日までみんなと同じ生活をしてきたのでした。







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はじめに

2007-11-30 01:55:39 | スピルチュアル 連載小説





さて、私はこれまでの内なる自己の学びのプロセスや、内的宇宙の様を語るにあたって、

とても一人称では表せないというジレンマを感じている。

そこで物語という形式にのっとる意外には手立てが無いだろうという事に至ったのだ。

そういうわけで、ここにピッコロを誕生させたという次第だ。

そういえば、可愛いものには旅をさせろと昔から言われてたのではなかったかな..。


私はピッコロに密かに息を吹きかけ、大いなる意識インナースペースへと冒険の旅路を促したの

である....。







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ramni わくわくワールド<本.アート.冒険者たち>

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