響きあうA"LIFE & ~『ピッコロの冒険』~

ピッコロの自分探し、広大な内なる意識へと冒険の旅の物語
&つれづれの内なる対話、 A"LIFE&ONENESS

グレイトゲーム(The Great game) 3.パリジェンヌのラサ旅行(アレキサンドラ.ダヴィット=ネール)

2010-09-18 23:26:33 | 冒険者たちへのオマージュ



私はキップリングが現した、あの世界情勢と時代にわくわくするんです。
というの世界はまさに”冒険探検”の時代に突入するからです。

その頃は、まだ、ヒマラヤやチベットなど西洋諸国には、
日本人にもまた..ほとんど知られていませんでした。
グレイトゲ−ムをきっかけに未知の秘境の存在をかいま見た瞬間に、
考古学的調査に、イギリスはもちろん、それぞれ西欧諸国は、国の威信をかけて、探検合戦も展開されるんですね。

グレイトゲームのプレイヤーである軍人たちや、
駒であるパンデットたち..。
おなじみ、桜蘭 、さまよえる湖ラブノールを発見した、
スエーデンのヘディンや、
スタイン、日本からは大谷探検隊など。

また、遥かな秘境にあるという,シャンバラとか、プレスタージョンという伝説的なキリスト教の国があるらしいとか....
ラサをめざして、宗教心に駆られた修行者、
また逆にキリスト教化をもくろむイエズス会の伝道師やら...
そして、考古学的価値に目がくらみ...のトレージャーハンターや商人たち。

噂に想像力と冒険心をかきたてられて、
国の威信を背後に、
一斉にアフガニスタン、中央アジア、チベット、
ヒマラヤに向かって、探検に出かけたのです。ブームですね。

そして、目的の色は違えど、我こそはと走破した..発見と苦難の、
興味深い
旅行記が残されたのです。


日本人だと河口慧海の「チベット旅行」これは有名、ですね。三巻までは実に面白い。語り口が愉快で、時をおいて三たびくらいは楽しめる。


なかでも、異色なのは、
「パリジェンヌのラサ旅行」(東洋文庫 )
これは面白いというより、ともかく、このアレキサンドラという女性が凄いんです。

雲南からラサまで、フランス人女性、アレキサンドラ.ダヴィット=ニールが、若いラマ僧を養子にして、巡礼を装って....

顔にすすを塗って変装し、4度も捕まっては国外退去を余儀なくされたりしながら、鎖国中のチベットを猛烈な意思力をもってラサへと向かう。そのとき彼女は50歳。
(私も51歳のとき、6ヶ月のインド一人旅をしましたが..私なりの大冒険!)


これはもう..そこまでやる!?...
彼女はチベット密教や、その総本山であり神秘的な”ラサ”に憧れ、信仰心に裏打ちされた、修行、道を行く、修める!という狂信的なまでのモチベーションとそれに見合う
体力と知力の持ち主だったんしょうね。
猛烈を爽やかに超えてるんです。

そういえば、彼女は、もともと裕福な生まれなのですが..
若い頃、オペラ歌手をやっていて、
時に旅の資金を得ていたんだそうですが、

それって..なんとなく..違和感を感じるほどのキャパというか..
能力の幅がすごい人だな....

幼い頃から冒険、真理への憧憬を抱いて、
肉体も精神も鍛えることが、好き!
そんな人だから、結婚して一週間後には旅に出てしまったそうですよ!

それはそうと
ラサの旅から無事にフランスに帰国したとき、
大歓迎と大興奮が待ち受けていたそうです。

その後、有名なギメ美術館での講演や、研究、執筆、
そして度々の旅行など...その後も充分な時を..。

というのも..
彼女は信仰と冒険にほとんど幼い頃から全人生をかけて、
たくさんの書物も残して..
100歳と10ヶ月、生き抜いたんですから!

人生という旅の達人でもあったんですね?!

修行者としては..高レヴェルの成就者だったのかもしれません。
100歳という長寿は、密教の教えを体現し証明したと言えるでしょう?

なんとも..凄い人です!



東洋文庫
A.ダヴィッド.ネール
『パリジェンヌのラサ旅行1.2』


この方の日本語の翻訳がほとんど無いのが残念です。(他に一冊だけ)
著書は多いのででフランスではかなり著名のはず。


ラサへの雲南から出発前に、日本にも立ち寄っています。京都と鎌倉に滞在したんだそうで、河口慧海とも再会して、写真入りの新聞記事が残っています。






ちょっとかっこいいスウエン.ヘディンの写真発見!








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