平成筑豊鉄道「優良」一転、赤字続き : 鉄道ニュース : 鉄道ひろば : 九州旅行情報 : 九州発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)2009年5月10日
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少子化による乗客数減などで02年度に経営が悪化、沿線9市町村から経営安定化補助金を受け始めた。03年度までは赤字を回避したが、三井鉱山が輸送事業から撤退した04年度から赤字に転落。その額は07年度には過去最悪の約5100万円となった。
08年7月には9市町村に対し、毎年度計約2100万円の補助金を約4700万円に増額するよう要請、同12月に了承を得た。それでも、08年度は約3000万円の赤字見込みという。
=====【引用ここまで】=====
○細る「地域の足」どう守る 平成筑豊鉄道の大幅減便 / 西日本新聞 2012年3月19日
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福岡県の筑豊、京築地方を結ぶ第三セクターの平成筑豊鉄道(本社・同県福智町)は17日のダイヤ改正で、初めて平日と土日曜(祝日含む)を分けて編成し、それまで1日206本だった運行を平日は44本、土日は92本も減らした。過去最大の減便となった今回の改正は経費節減が目的。本年度から沿線自治体による新たな支援も始まっているが、なお経営改善の見通しは立たない。
~~~~(中略)~~~~
旧国鉄の民営化に伴い、1989年に開業した平筑鉄道。かつてはセメントなど貨物輸送も手掛け、96年度まで8期連続で単年度黒字を計上するなど「三セク鉄道の優等生」と呼ばれた。
だが、2003年度に貨物輸送が終わって状況は一変した。乗客数は92-94年度の年間各342万人をピークに減少に転じ、収入も右肩下がり。04年度から10年度まで7期連続で単年度赤字だ。
20年度までの中長期資金計画に基づく試算では、10年間の合計で15億円の不足が予想され、沿線9市町村は補助金の上積みに合意。11年度から毎年、計1億5千万円ずつ支出する。ただ、現状では地域の少子高齢化などを背景に試算を上回るペースで乗客数が落ち込み、21年度以降はさらなる経営悪化も予想される。行武専務は「鉄道の将来を考えると、この10年間は本当に大事な期間になる」と厳しい表情だ。
=====【引用ここまで】=====
○福岡県庁ホームページ 平成22年度 公社等外郭団体経営評価結果
○(株)平成筑豊鉄道(エクセルファイル)
=====【引用ここから】=====
・設立目的等:国鉄再建法で廃止対象となった伊田線、田川線及び糸田線の運行を存続させることにより、地域住民の足を確保するとともに田川地域の振興を図る。
・代表者名 :代表取締役社長 伊藤信勝
区分 :田川市長 非常勤
・常勤役員名:代表取締役専務 行武嘉則
区分 :県派遣 常勤・総務部長兼務
・営業損益(単位:千円)
H17 △ 50,101
H18 △ 71,467
H19 △ 95,466
H20 △ 101,636
H21 △ 115,954
=====【引用ここまで】=====
○温故創新 伊藤信勝プロフィール
=====【引用ここから】=====
昭和33年弓削田小学校卒業
昭和36年弓削田中学校卒業
昭和39年西田川高校卒業
昭和44年北九州大学卒業
昭和45年福岡県上級職員
昭和58年自治大学卒業
昭和62年矢部村助役
平成15年田川市長初当選
=====【引用ここまで】=====
2009年と2012年の新聞記事を並べてみた。
沿線各自治体から平成筑豊鉄道への補助金合計が、
年間2100万円→4700万円→1億5000万円
と、うなぎ登りに増えているのが分かる。
10年間で15億円もの資金不足を出す見込みとなっている第三セクター、平成筑豊鉄道。「地域住民の足を守る」という大義名分の下、沿線自治体は平成筑豊鉄道を支援することを決定している。この資金不足分を埋めるため、沿線自治体は持ち株等に応じて約300万~4000万円を毎年負担する。
構造的な赤字体質であり、破綻を避けて運営を続けるのであれば、沿線自治体からの支援が不可欠な状況となっている。
さて。
このご時世、どの自治体も潤沢な予算があるわけではない。
そんな中、
もし自分の財布であれば、「地域住民の足を守る」では納得しないだろう。
「地域住民と言うが、どの地域の人がどこまでの区間を利用しているのか」
「投じた資金に見合うだけの利用者が存在するのか」
「割安な代替輸送手段は出来ないのか」
「他に資金を必要とする分野があるのではないか。優先度はそこまで高いのか」
を、自分の納得がいくまで詳細に検討するはずだ。
通常、自分の納得や満足が無ければ自腹を切らない。そのため、消費者、顧客、支援者、出資者からお金を得ようとする経営者は、消費者を満足させ、支援者に納得してもらおうと懸命な努力をしなければならない。
ところが、「地域住民の足を守る」という漠然とした説明で、
ということが罷り通っている。
なぜか?
それは、出資側も経営側も役所の人間だからだ。
支援する側は、自分の財布から負担し支援するのではない。徴税で他人の財布に手を突っ込み、集めた金をバラまくだけの首長。支援を要請する側の経営者も、首長の充て職や県職員の派遣。
どちらも、自分の懐を痛めることなく他人の金を左右する役所の人間。同じ穴の狢同士で役所特有の無責任さを発揮するため、いい加減な理由の公金支出がまかり通る。一旦通ってしまえば、法律上は瑕疵がないため、支出を止めることは困難になる。
鉄道は、決まった時間に決まった地点Aから決まった地点Bまで大量の人や物を一度に運ぶためのもの。一度にAからBへ行く人や物が少なければバスとかの方が効率が良いだろうし、鉄道路線を維持する必要性は低い。赤字3セクへの補助金は、手続き的には合法の支出だが、必要性の低い不当な支出だ。
赤字路線の鉄道を税金で維持することは、長期間にわたって膨大な赤字を納税者に押し付けることを意味する。それだけの覚悟を、3セクの経営者や支援自治体首長は持っているだろうか。
持ってないだろうな。
彼等にとって、税金はどうせ他人の金なんだから。
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少子化による乗客数減などで02年度に経営が悪化、沿線9市町村から経営安定化補助金を受け始めた。03年度までは赤字を回避したが、三井鉱山が輸送事業から撤退した04年度から赤字に転落。その額は07年度には過去最悪の約5100万円となった。
08年7月には9市町村に対し、毎年度計約2100万円の補助金を約4700万円に増額するよう要請、同12月に了承を得た。それでも、08年度は約3000万円の赤字見込みという。
=====【引用ここまで】=====
○細る「地域の足」どう守る 平成筑豊鉄道の大幅減便 / 西日本新聞 2012年3月19日
=====【引用ここから】=====
福岡県の筑豊、京築地方を結ぶ第三セクターの平成筑豊鉄道(本社・同県福智町)は17日のダイヤ改正で、初めて平日と土日曜(祝日含む)を分けて編成し、それまで1日206本だった運行を平日は44本、土日は92本も減らした。過去最大の減便となった今回の改正は経費節減が目的。本年度から沿線自治体による新たな支援も始まっているが、なお経営改善の見通しは立たない。
~~~~(中略)~~~~
旧国鉄の民営化に伴い、1989年に開業した平筑鉄道。かつてはセメントなど貨物輸送も手掛け、96年度まで8期連続で単年度黒字を計上するなど「三セク鉄道の優等生」と呼ばれた。
だが、2003年度に貨物輸送が終わって状況は一変した。乗客数は92-94年度の年間各342万人をピークに減少に転じ、収入も右肩下がり。04年度から10年度まで7期連続で単年度赤字だ。
20年度までの中長期資金計画に基づく試算では、10年間の合計で15億円の不足が予想され、沿線9市町村は補助金の上積みに合意。11年度から毎年、計1億5千万円ずつ支出する。ただ、現状では地域の少子高齢化などを背景に試算を上回るペースで乗客数が落ち込み、21年度以降はさらなる経営悪化も予想される。行武専務は「鉄道の将来を考えると、この10年間は本当に大事な期間になる」と厳しい表情だ。
=====【引用ここまで】=====
○福岡県庁ホームページ 平成22年度 公社等外郭団体経営評価結果
○(株)平成筑豊鉄道(エクセルファイル)
=====【引用ここから】=====
・設立目的等:国鉄再建法で廃止対象となった伊田線、田川線及び糸田線の運行を存続させることにより、地域住民の足を確保するとともに田川地域の振興を図る。
・代表者名 :代表取締役社長 伊藤信勝
区分 :田川市長 非常勤
・常勤役員名:代表取締役専務 行武嘉則
区分 :県派遣 常勤・総務部長兼務
・営業損益(単位:千円)
H17 △ 50,101
H18 △ 71,467
H19 △ 95,466
H20 △ 101,636
H21 △ 115,954
=====【引用ここまで】=====
○温故創新 伊藤信勝プロフィール
=====【引用ここから】=====
昭和33年弓削田小学校卒業
昭和36年弓削田中学校卒業
昭和39年西田川高校卒業
昭和44年北九州大学卒業
昭和45年福岡県上級職員
昭和58年自治大学卒業
昭和62年矢部村助役
平成15年田川市長初当選
=====【引用ここまで】=====
2009年と2012年の新聞記事を並べてみた。
沿線各自治体から平成筑豊鉄道への補助金合計が、
年間2100万円→4700万円→1億5000万円
と、うなぎ登りに増えているのが分かる。
10年間で15億円もの資金不足を出す見込みとなっている第三セクター、平成筑豊鉄道。「地域住民の足を守る」という大義名分の下、沿線自治体は平成筑豊鉄道を支援することを決定している。この資金不足分を埋めるため、沿線自治体は持ち株等に応じて約300万~4000万円を毎年負担する。
構造的な赤字体質であり、破綻を避けて運営を続けるのであれば、沿線自治体からの支援が不可欠な状況となっている。
さて。
このご時世、どの自治体も潤沢な予算があるわけではない。
そんな中、
・「地域住民の足を守る」という漠然とした理由で支援を要請した鉄道会社。
・支援要請を受け、「地域住民の足を守る」という漠然とした理由で負担金を支払う沿線自治体。
・支援要請を受け、「地域住民の足を守る」という漠然とした理由で負担金を支払う沿線自治体。
もし自分の財布であれば、「地域住民の足を守る」では納得しないだろう。
「地域住民と言うが、どの地域の人がどこまでの区間を利用しているのか」
「投じた資金に見合うだけの利用者が存在するのか」
「割安な代替輸送手段は出来ないのか」
「他に資金を必要とする分野があるのではないか。優先度はそこまで高いのか」
を、自分の納得がいくまで詳細に検討するはずだ。
通常、自分の納得や満足が無ければ自腹を切らない。そのため、消費者、顧客、支援者、出資者からお金を得ようとする経営者は、消費者を満足させ、支援者に納得してもらおうと懸命な努力をしなければならない。
ところが、「地域住民の足を守る」という漠然とした説明で、
3セク「赤字だから、補助金ちょうだい」
自治体「オッケー」
3セク「赤字膨らんだから、補助金増やして」
自治体「オッケー」
自治体「オッケー」
3セク「赤字膨らんだから、補助金増やして」
自治体「オッケー」
ということが罷り通っている。
なぜか?
それは、出資側も経営側も役所の人間だからだ。
支援する側は、自分の財布から負担し支援するのではない。徴税で他人の財布に手を突っ込み、集めた金をバラまくだけの首長。支援を要請する側の経営者も、首長の充て職や県職員の派遣。
どちらも、自分の懐を痛めることなく他人の金を左右する役所の人間。同じ穴の狢同士で役所特有の無責任さを発揮するため、いい加減な理由の公金支出がまかり通る。一旦通ってしまえば、法律上は瑕疵がないため、支出を止めることは困難になる。
鉄道は、決まった時間に決まった地点Aから決まった地点Bまで大量の人や物を一度に運ぶためのもの。一度にAからBへ行く人や物が少なければバスとかの方が効率が良いだろうし、鉄道路線を維持する必要性は低い。赤字3セクへの補助金は、手続き的には合法の支出だが、必要性の低い不当な支出だ。
赤字路線の鉄道を税金で維持することは、長期間にわたって膨大な赤字を納税者に押し付けることを意味する。それだけの覚悟を、3セクの経営者や支援自治体首長は持っているだろうか。
持ってないだろうな。
彼等にとって、税金はどうせ他人の金なんだから。