若年寄の遺言

リバタリアンとしての主義主張が、税消費者という立場を直撃するブーメランなブログ。面従腹背な日々の書き物置き場。

議会不要論を通り越した議会有害論 ~ 翼賛地方議会 ~

2013年06月18日 | 地方議会・地方政治
ここ数年、地方議会では「議会改革」がブームとなっている。そんな中で、

議会とは何か?
議員は何をやっているのか?
議会・議員の役割を、住民は認識してくれていない。

・・・というのが、多くの地方議員にとって悩みの種であり、共通する問題認識のようだ。

○市議会の役割(5/27): 創ろう!元気な浜松&静岡県
=====【引用ここから】=====
浜松市では、現在、定数削減を進めることを「議会改革」の重点において議論していますが、本来、議会とは何か、市議会議員の役割は何か、を論じてこそ「議会改革」と言えるのではないでしょうか。
よく「国民の政治離れ」といわれますが、実態は「政治の国民離れ」ではないでしょうか。

=====【引用ここまで】=====

○議会改革特別委員会 アンケート: こんにちは 徳永克子:です
=====【引用ここから】=====
私がこのアンケートから感じたことは、市民の皆さんは議会・議員のことを、よく分かって頂いていない。裏を返せば、議会として市民の皆様に理解していただく努力が不足していたことだと思います。貴重なご意見がたくさんありました。今、「議会改革特別委員会」がつくられ、改革を行っていくわけですが、私は委員長として、「議会とは何か、議員とは何か」「市民の願っている議会」へ、真剣に取り組んでいかなければと、改めて決意を強くもったところです。
=====【引用ここまで】=====

○市民と議会の条例づくり交流会報告Ⅰ 松井雅宏の「日暮つづり」
=====【引用ここから】=====
菅沼さんは、特に議会の生き残りをかけて懸命になって取り組んでいるのは町村レベルの議会であるとも述べておられました。
議会とは何か、議員とは何かを徹底的に議論した上で、議会基本条例を制定する自治体も増えてきています。それによって一問一答、議会報告会、通年議会、市長の反問権など目に見える改革がされてきています。

=====【引用ここまで】=====

○【矢印:「↑」 ~行橋市議会アンケートから思うこと~】 ※行橋市民の皆さん、是非お読みください。|工藤政宏のブログ
=====【引用ここから】=====
さて、アンケートの率直な感想としては、やはり、議会と市民の方々との間には、大きな溝があるということ。特に、「議会、議員が何をやっているのか見えない」というご意見が多数よせられました。このことは本当に真摯に受け止めねばならないことです。
=====【引用ここまで】=====

○地方分権時代の「議員定数・報酬」公開セミナー開催 | 愚公移山 - 人生再出発! 花巻市議会議員 細川宏幸
=====【引用ここから】=====
議員の報酬や定数は住民自治にとっての議会とは何かを考える良いテーマです。議会に対する住民の一番の不満は、議会が何をやっているのかよく分からないことですが、その反面、住民は議会(議員)の役割と活動を知っているようで十分に理解していない傾向があります。
=====【引用ここまで】=====

○首長と議会(河村名古屋市長・橋下大阪府知事・竹原阿久根市長から学ぶこと)|奥出雲を、元気に。
=====【引用ここから】=====
さて出来事、この問題。一地方議員としても相当に考えさせられる問題です。
議会とは何か?
議員とは何か?
二元代表制とは何か?
本来、二元代表制は、首長や議会の暴走を止めるため、首長と議会、お互いに監視し、チェックしあうということが期待された役割です。

=====【引用ここまで】=====

「議会とは何か?」という問いに対しては、議員の数だけ回答がありそうだ。

「議会とは何か?」という問いに対し、私は「議決機関」と答える。予算案、条例案を議決する、確定させるのが議会の役割である。首長が出すのは、予算「案」、条例「案」という一つの提案に過ぎない。

首長の提案を見て、全面的に良いと認めるのであれば、表決の際に議員は賛成票を投じる。
首長の提案を見て、おかしいなと思う点があれば、議員は案のおかしい点を修正する案を提出する。
首長の提案を見て、おかしいなと思う点が多いのであれば、表決の際に議員は反対票を投じる。

資料要求や委員会での審査、議案質疑は、議決権に付随する二次的なもの。議決の際に賛成すべきか反対すべきか、修正の必要な点は無いかを探す作業が委員会審査や議案質疑であり、そのために必要なものに限り資料要求は正当化される。全ては議決権を軸にしたものである。

一般質問も議決とは無関係でない。一般質問は、議決した事柄がどのように執行されているかを問い質しチェックするのが本来である。
予算の裏づけが無いままに、
「○○を新規事業として実施してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか」
「□□に人員を配置してください」
「△△の建設は地域の願いでありますが、その計画を考えていますか」
というのは一般質問ではなく、ただの陳情・要望。議決の際の可否の判断に結びつかない陳情・要望であれば、議決権を持った人間が議場ですべきでない。ただの陳情・要望なら、一般住民でもできる。

また、膨大な量の資料要求をしても、
一般質問や委員会審査の日程を長期間確保しても、
議決結果が毎度のように「原案可決」では意味が無い。
議案に悪い点があれば議会として修正すべきだし、悪い点が多いのであれば否決すべき。議案に賛成し、原案可決するのであれば、議会として「修正点はありませんでした。提出された議案には何ら問題ありません」と宣言した上で、議決通りに執行された事については全面的に責任を負うのが、最終決定権者たる議会のあるべき姿だ。

修正はしない、否決もしない。全議案を原案どおり可決させるが、賛成理由は述べない。これらを貫徹する追認機関、首長と一体となった翼賛議会であれば、議会独自の責任は生じることはない。だが、こうした議会であれば不要である。首長と議会を別々に選んでいる意味がない。

ましてや、一般質問等を通して陳情・要望するだけの「クレクレ集団」であれば、議会は、不要を通り越して有害である。一般質問を通した陳情・要望には、首長側の無駄な支出を正当化する効用がある。「この事業は、○○議員の一般質問にあった分でして」と言い訳することができるようになってしまう。

昨今の
「議員定数を減らせ!」
「議員報酬が高すぎる!」
という声は、「議会不要論」を通り越した「議会有害論」が背景にあるのではないか。無責任にクレクレの声を上げるだけの翼賛議会は、無駄な支出に大義名分を与え、財政を悪化させ、後々の住民負担を増やすことになる。そんな議会は要らないし、個人の自由、財産にとって危険な存在でしかない。


○議会とは何か?議員とは何か?:ナギの会ホームページ
=====【項目の引用ここから】=====
その1――――――――――――
議員と一市民には本質的な違いはない! 議決権の有無だけ!
その2――――――――――――
議会や議員は、行政を監視していない!
その3――――――――――――
議員に調査権はない!
その4――――――――――――
議会は低俗な素人審議会と化している!
その5――――――――――――
議員は特権的に行政情報を入手出来ない!
その6――――――――――――
議会・議員不要の流れが加速している!

=====【項目の引用ここまで】=====
コメント (1)
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