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Pitch Black Progress / SCAR SYMMETRY

2006-09-08 | HM/HR
1 The Illusionist 2 Slaves to the Subliminal 3 Mind Machine
4 Pitch Black Progress 5 Calculate the Progress 6 Dreaming 24/7
7 Abstracted 8 The Kaleidoscopic God 9 Retaliator
10 Oscillation Point 11 The Path of Least Resistance
12 Carved in Stone 13 Deviate from the Form


スウェーデンのメロディックデスメタルの新星、SCAR SYMMETRYの2nd。前作で提示した流麗なツインリードと普通/デス2色の声によるアグレッシブなメタルサウンドを引き継ぎつつ、哀愁部分はより悲哀を増し、エクストリームな部分はより激しさを増している。

哀愁に関していえばVoであるところのクリスチャンが、相当普通声を増やし、さらにそれが歌い上げる部分を増していることにより、ボーカルラインが普通のメロディックハードロック、もしくは米国の哀愁ロックにも聴こえるまでに聴きやすくなっている。冒頭①からしてその提示がされ、この曲は特にメロディが秀逸なこともあってその歌い上げの印象が深い。他にも⑥あたりも普通のロック的なメロディラインだし、⑩での熱唱も曲の叙情性と相まって素晴らしい出来である。勿論デス声もあちこちに入っており、この2色声は一番の武器であると再確認。

そして攻撃性は前作同様ヘンリクのDsが安定しつつも暴力的であり、随所に見られるGの速弾きもあり、スピーディなパートが今回はかなり魅力的に感じた。たとえば⑤は歯切れよいリズムに絡む速弾きかつメロディアスなバックGがたまらない良曲だし、⑧はブラストビート全開で、かつGソロも叙情性を含みこれまた良し。続く⑨なども爆走するデスメタルの攻撃性はそのままに、サビ部分のメロディが素晴らしい。要所要所のメロディと攻撃性という点は今作で効果的だったかな。

全体的に普通声パートにおいてゴシックな雰囲気が増え、それゆえ曲の色合いが似通ってしまっている部分もあり、捨て曲がないわけではないのが弱みかな。その点前作の方が完成度は高かった気もする。デス声の割合がもうちょいあっても良かった。個人的には尖鋭的なアグレッションと普通声のバランスをこれ以上崩して欲しくないとは思う。しかしエクストリームかつメロディックなサウンドを求めるなら買い。攻撃性は本当に魅力的だったし。

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