「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

英語の辞書をめぐる思い出

2018-04-28 | 雑記
今の学生さんたちはもしかしたら電子辞書が主体で、紙媒体の辞書というものにあまり触れたことがないかもしれません。
私も大学時代を振り返ると、すでに教科書や資料は電子媒体が主流になっており、メモはPDFに直接書き込むなど、ペーパーレス化がだいぶ進んでいた思い出があります。しかし、私も昔は紙媒体の辞書を使って勉強していたものです。英語ではジーニアス系の英和、和英を使っていました。最近、英語の勉強法について、日本の方と話す機会があったのですが、どうやって英語を勉強していたかということで、久しぶりにジーニアス辞書のことを思い出したのでした。

このジーニアスですが、「トリビアの泉」というテレビ番組でも紹介されたことがあるように、実に「阪神タイガース」贔屓の辞書でした。なんでも編集スタッフに神戸外国語大学の先生方が含まれていて、全体的に関西贔屓な内容になってしまったとのことですが、私は巨人ファンでしたので、ときどきイラッとする例文に出くわしたもんです。

上原の力投空しくジャイアンツは2対1でタイガースに敗れた
Uehara pitched brilliantly, but it was all for nothing as the Giants fell to the Tigers, 2-1.

おそらく、この上原とは今シーズン巨人に復帰した上原浩治投手のことですね。この例文は「力投」の項目にあったものですが、なんというか、むりやり阪神タイガースの勝利に結びつけた内容となっており、もはや何を説明したいのかよく判らないことになっています。

ああ、なにもかもが懐かしい…

最近の私は、知らない単語や、判らない綴りを辞書で調べるのではなく、ググって解決するようになってしまいました。google検索でどのようなニュアンスで使われているのかなどを確認するのが主です。論文を書く時や読む時も、わざわざ辞書を引くということは、ほとんどなくなってしまいました。
それは良いことなのか、悪いことなのか…
いずれにせよ、紙のぬくもりは失われました。

あまり意識しない間にも、時は流れ、生活様式は変わり、いつの間にか大事なモノをどんどん失っているのではないかと、ふと懼れを抱くことがあります。


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