「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

STAR WARS と読書

2017-12-16 | 雑記
『スターウォーズ エピソードⅧ 最後のジェダイ』を観ました。
昨夜の「金曜ロードSHOW!」でエピソードⅦを放映していたのがきっかけで映画館へ観に行こうと思いました。つまり、完全に日テレの罠にかかったのでした。実際、私以外にも多くの方々が劇場に来ていて、スターウォーズの人気の高さを改めて感じました。
振り返ると、私はエピソードⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅶ、外伝(ローグ・ワン、2016年)を劇場で観ており、いわゆるスターウォーズファンと言ってもいいのかもしれません。Ⅳ、Ⅴ、Ⅵはテレビやビデオなどで幼少期に観ていた記憶があります。オタクな知識はありませんが、ストーリーや設定はだいたい判っているつもりです。面白いかというと正直微妙ですが、有名だから一応は観ているという程度でしょうか。『銀河英雄伝説』なども読んでいましたし、銀河が舞台となる所謂スペースオペラが好きなのかもしれません。
今作はタイトルからしてルーク・スカイウォーカーの回になることは予想していましたが、なんというか、まあ、「だいぶ綺麗さっぱりしたなあ~」という感想です。旧作の主要人物が次々と消えていくストーリー展開は寂しいものがありました……
May the force be with you.

話は変わりますが、日本に帰ったら、本を一冊読みたいと思っておりました。
読書は心の栄養です。しかし、留学してからというもの、あまり日本語の本を手に取るということをしていませんでしたから。

仙台の丸善でたまたま目についたのが『天皇家と生物学』(朝日新聞出版)でした。
出版社ははっきり言って嫌いですが、著者が毛利秀雄先生でしたし、皇室と生物学の関わりが気になって購入したのでした。言うまでもなく、昭和天皇、今上天皇、秋篠宮は生物学者としても名高く、私は分野が違うので皇室の方々の業績の詳細を知りませんでしたが、本書によって大凡を把握することが出来ました(といってもまだ読了していないのですが)。
国際生物学賞(International Prize for Biology)の授与など、皇室は自ら生物学に携わるだけでなく、生物学の振興や顕彰にも力を入れています。このような我が国の皇室の学問への携わり方は世界的にも希有です。しかし、その根底にある皇室の生物学への熱い情熱はどこから来たのか。本書はとても判りやすくまとめていると思います。毛利先生は、東京大学教授、基礎生物学研究所長などを歴任した高名な生物学者であり、国際生物学賞の運営などを通じて皇室の方々との関わりも深い方です。生物学者としての昭和天皇、今上天皇、秋篠宮の非常に多岐にわたる素晴らしいご業績を的確に論評できる数少ない人物といえるでしょう。
個人的に驚いたのは、秋篠宮のご業績です。遺伝学研究所(総合研究大学院大学遺伝学専攻)で理学博士号を取得されたのは存じ上げておりましたが、その成果ははっきり凄いと思います。皇室だから所謂「殿様研究者」なのかと思いきや、そうではなく国立大学の教授に就任できるくらいの能力はお持ちなのではないかと感じました。研究者としても、もしかすると大成できたのではないかと思いました。
子供の頃に昭和天皇が執筆に関わった書籍を読んで、その凄みはすでに知っていましたし、今上天皇の文章がScienceなどに掲載されているのも存じ上げていましたが、秋篠宮も同様なのですね。はっきり言って、皇室は学者家系と言えるでしょう。御三方とも、分野は異なりますが、私よりも業績は上と思います。私はすでに査読付き論文を20報以上書いており、某旧帝大学の講師就任基準にはもう届いていることを先日知りましたが、それでも御三方には届きません。
シャッポを脱ぐしかありません。