「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

筑波へ

2017-12-20 | 雑記
筑波へ行きました。久しぶりにつくばエクスプレス(TX)に乗りましたが、相変わらず運賃がすこし高額だなと感じました。とはいえ、常磐線しかなかった頃と比べれば、秋葉原から急行で45分ちょっとで筑波大学の入り口まで到着できるのはやはり便利と言えるでしょう。実際、私が利用した時間帯では、乗客も多いように感じました。
共同研究者の先生方と進めている実験に立ち会ってきたのですが、さすが世界有数の放射線実験施設というべきか、日本が有する技術力に素直に感嘆する光景がありました。私は英国と日本をたびたび移動しながら放射線研究を進めていますが、研究設備の充実さでは日本は決してひけをとらないというか、むしろ日本の方が水準が上ではないかと感じています。しかしながら、放射線研究の業績において英国の後塵をはいしているのだとしたら、残念ながらそれはおそらく日本の研究者たちの質に原因があるのかもしれません。私も含めて、もうすこし頑張らないといけないのではないかと思っています。

日本に滞在する時はいつものことですが移動が多く、今回も研究関連先に足を伸ばすだけで精一杯でした。研究助成制度の旅費サポートを利用して日本へ戻ってきているので、当然ではありますが、共同研究者の先生方と打ち合わせを行うのが最優先です。しかし、せっかく日本に滞在しているのだからということで私に対して「あれを進めてほしい」「これをしてほしい」という要請があちこちから寄せられて、スケジュール管理はてんてこまいになりました。中には弁護士さんに助言を仰ぐような案件もあり、正直、研究だけにはなかなか集中できない日々でした。もうすこし滞在期間を長くとるべきだったのかもしれませんが。

今回、日本に帰ってきてよかったのは、とても興味深いデータが得られたことです。今すぐに福島原発被災地や放射線治療の現場に還元できるかというと、それにはもう少し時間を要するでしょうが、きっと新しい知見を提供できるものと思われます。自分の感覚では、あともう少しで、放射線科学の教科書を書き換えるような成果が出せるのではないかと期待しています。
良い報告が早く出来るように頑張ります。