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兵庫と伊織の捕物帖/伊藤致雄

2008-08-11 23:43:31 | 本と雑誌
先日しばらくぶりに伊藤致雄さんで検索したら新作(新シリーズ)が来てた。
突然文庫オリジナルで新刊出してたなんて知らなかったよ…。
阿南の本屋さんでもこっちの本屋さんでも,なぜかは知らないけれど文庫の扱いが(ワタクシ的には)非常に悪いのです。レイアウトが悪くて文庫の新刊はちゃんとチェックできないんだよね。
と,伊藤致雄さんの新刊をチェックできていなかったことの言い訳おわりw
つーわけで,慌てて買い込み3冊(「吉宗の偽書」「蜻蛉切り」「吉宗の推理」)読了しました。

ほのぼのとしてて良い話なんだけど,正直いって今のところはまだ…。って感じです。
ですが!乾の一族がちらりと出てくるんですよ!
ちらりとしか出してくれてないんですよっ!!
乾の名前も出してくれてないんですよっっ!!!
ヨサムだってジュジュだって出てきてくれてないんですってばっっっ!!!!!
まっっっったくっっ,なんというモドカシサだ…。

3冊目でかなり前面に出てきてくれてはいるんですが,基本的にはまだ謎の(重要な)脇役でしかないみたい。ま,連作長編なので,そのうち「乾」の名前とともに主人公を食ってくれるはず!と期待していますよ,伊藤さん!!



マイガール/佐原ミズ

2008-03-18 00:15:49 | 本と雑誌
Mygirl_2
さらさらの涙を流してみませんか?
ねばねばの悔し涙とかじゃなくて,さらさらで愛おしくって優しくしてあげたくって切ない涙って云うのは,流せば流すほどココロが綺麗になるような…。
そんな気がするのです。

土曜日にふと本屋で買ったマンガだったのですが,マンガでこれほど泣いたのは「奈緒子」以来ですかね?
多くは語りません。語りすぎると自分のあの時やこの時や,至らなかった空回りの優しさ風の馬鹿な選択に切なくなってしまうから。

この物語できちんと泣ける自分でいて良かったと思います。
たったひと言 親に「大丈夫だ」と 言ってもらえたら

少年も青年も中年も,そんなものです。

まあ,そーゆーわけで,最近読んだ物語の中で,コレには参った泣くしかねえだろ?という話でした。

他に何か無いのかというと少々古いけど
Temeraire
「テメレア戦記」ですかね?
こっちも気持ち的にはかなり打ちのめされまして,ホントウに参った。面白いのだよ。
打ちのめされ具合は「さらば愛しき鉤爪」以来かも知れません。
ドラゴンで空軍で海軍士官で貴族で伝奇小説で架空戦記で歴史小説で博物学でみにくいアヒルの子で…これで面白くないわけがないよなあ。早く2巻プリーズ!だ!!

Taspo
taspoが届きました。
何という不景気な顔をしてるんだろう(笑)
ま,不景気顔の写真を送ったからアタリマエといえばアタリマエなんですけどね。これで10年使うのかと思うと,もっと写真写りの良いヤツをデジカメ写真から選べば良かったかもね…。


聖灰の暗号/帚木蓬生

2007-10-08 22:23:35 | 本と雑誌
Seihainoangou
先日本屋さんで見つけて今頃読了しました。
 教会の暗部を学者(とおにゃのこ)が暴く!
なんて書いちゃうと「ダ・ヴィンチ・コード」の二番煎じか。なんて思われちゃうのかも知れませんが。いや,面白かったです。昨日読み始めて一気読みでした。
私は帚木さんのファンではありますが,彼の冒険小説・歴史小説的なものが好きなのです。んなわけで,名著「総統の防具」と「逃亡」「国銅」ぐらいしか読んでなかったり…。

面白くていい話ではあったものの不満はあります。この物語,埋蔵経を探し当てるだけの(笑)話なのですが,探し当てる行為のギミックが簡単すぎて…。もう少し書き込めなかったものでしょうか?探し出す部分の冒険小説的リアルが弱かったように思います。もっと長くても良かったよな気が…。クリスチーヌが捕まる必要もなかったような気もするし,埋蔵経の内容が素晴らしかっただけに残念なものを感じました。
ホントウにマルティの手稿には泣けました。人間とは何か信仰とは何か宗教って何なのか,深く考えさせられます。この手稿が本物であったなら…。と思わないでもありません。
私自身が「無宗教」と言われるニッポンジンのさらに被差別地域である東北人ですので,人間をヒトとヒトでないものに分けることを許容するような考えに与することは出来ません。

まあそれはさておき,第二の手稿の発表後の第三の手稿発表を書かずに終わってどうすんだよ!と。


鈴木先生(3)/武富健治

2007-07-17 14:01:41 | 本と雑誌
Suzukisensei
えーと,やっと出ました。「鈴木先生」の3巻です。
今回は2巻目から引っ張っている「小川をめぐる恋のさや当て」でまるまる一冊。
つーか,コレはまだ4巻まで引っ張るようです。しかし,まだ麻美さんと再会できていないんだよなあ。4巻では会ってもらえるのだろうか?他人事ながら心配ですわ。

それにしてもコレ3巻目なのにまだちゃんと面白いのがスゴイですね。中学教師のタダの日常を描いているだけだしね。「だけ」なんだけどなぜか途轍もなく面白いのが不思議だったり。ただの日常なのにナニカとんでもなく重いこのとように描き,重い(?)テーマなのにむやみに面白かったり,トニカク不思議です。
画面から「目力」が飛び出してきます。鈴木先生の脂汗とか,3巻では竹地のハウリングポイントを超えた顔がスゴイです。しりあがり寿さんの絵みたい(笑)。

3巻まで読んで個人的に印象深かったのは顔をニマニマさせて足子先生にたしなめられるところ。自分も思っていることと違う表情をつくる練習をしたもので,妙に納得してしまったのを思い出しました。


威張りますw

2007-06-24 23:30:03 | 本と雑誌
いや,ジツは先日大感動した「鎌倉繚乱」のblogに作者の伊藤致雄さんからコメントをいただいたのでありますよ!!!
本好きの人はみんなそうだと思うんだけれど「自分こそは日本一の伝奇小説読みだ!!」って自負があると思うわけです(まあナニ小説読みでも良いんですがねw)。自分ほど伝奇小説を,エスエフをホラーを,正しく楽しく読んでいる人間はいまい!ってね。
トリッキーでゲリマンダーなミステリーを褒めちぎったり(パズルがしたいんなら数学でもやっておけ!),萌えな挿絵がなければ成り立たないような凡作を褒めちぎってみたり(挿絵を褒めろ,バカが),物語好きとしては「?」な気持ちです。物語読みなんだから,物語で身もだえするような至福の時間を感じていたいではないですか。小説には小説の,マンガにはマンガの,ドラマにはドラマの,アニメにはアニメの,楽しみ方があるんだよっ!ライトのベルの名作は挿絵なんか無くても名作なんだよ!と,思います。「猫の地球儀」しかり「ロケットガール」しかり「ハルヒ」しかり「星界」しかり。
そんな自分の読み方で書き散らした感動を作者のセンセイに喜んでいただけたのだとしたら…そらぁもう,天にも昇る気持ちだったりしますです。
仕事でもプライベートでも,検証するまでもなく「をいをい,間違ってるだろ,それぁ」ってなことが多いです。で,そーゆー指摘をすると疎まれるんだよなあ,昔っから…。直観だけでそっちのベクトルがダメだってこと分かんないのかなあ?? まあ「みんなの幸せ」よりも自分のちっぽけな立場を守るためにゴマすってすってすってすって他人の苦労を見て見ぬふりする輩は…しょーがねーのかな。

で,「鎌倉繚乱」なんですが,なんと作者の伊藤致雄さんってば,仕事をリタイアしてからフルタイムの作家になったらしいです。しかも理系の人です。作中に異星人やら「神」やら出ては来ますが,ストーリーは純粋に時代小説風です。きっと歴史や芸術や文学を技術論文のように語って技術論文のように楽しめる人なんだろうなあと思います。
サイエンスを文学のように語る寺田寅彦のような巨人,歴史や文学や芸術をサイエンスの目でもって分解しておきながらなお「面白い」と云える柳田国男のような人。どちらも同じ道路を逆向きに歩いているだけのような気がしてみたりみなかったり…。
いつ頃からこうなったのかは知りませんが「理系」と「文系」のように二分された世界で生きてきたアタクシ達のような若造よりも,分化されていなかった世代の方の方が遙かに好奇心が旺盛で,素晴らしい物語りをされるような気がします。どうにもタマランのが小松左京さんの「虚無回廊」です。未完ですけどネ。失礼ながらあんなおじいちゃんがこれほどまでにスケールの大きい人とか神とか全部引っくるめて人間の本質って何なんだよ??と読者にボールを投げるような物語は反則でしょう? しかも,その物語は十代の若者が読んでも三十後半の私のようなモノが読んでも「サイエンスフィクション」であって,なおかつ美しい物語でもあるのですよ。

というわけで,アタクシはもう伊藤致雄さんの目線というモノに惚れてしまったのだから,どうしてもこの方の次の物語を読んでみたいのでありますよ。