
何年ぶりかで獏さんの新しい物語をむさぼるように読むことが出来ました。
物語を読む至福の時というのが未だ慥かに私の人生に存在するということが確認できてとても嬉しいのです。
まだ2巻までしか出ていないので,物語が終わる感動というものは少し先ではあるのですが,いやはや,ほんとうに待ち遠しい。
ところでこの物語ですが,獏さんの文体というか,学校で教わる国語では「間違ってます」と指摘される獏さんの癖をそのまま直さずに使っていますね。
獏さんの間違いで有名なのは「三っつ」「決っする」といった「ちいさい”つ”」があるのですが,この本では「回わす」「回わる」と「余剰の”わ”」が出てきていました。
だいたいは単行本の校正の時に修正が入るのだろうと思うのですが,今回は直っていませんでした。
あと,この単行本,個人的にフォントに違和感を覚えました。漢数字のゼロ「〇」の形が横書き用なのではないか?というデザインで,どうにも…。
まあまあ,とにかく面白い物語なので,「自重してください」と注意したくなる「肘が伸びきってガラスの…」フレーズも気になりません(笑)。
「ちいさい”つ”」で思い出したのですが,富山では「を」のことを「ちいさい”お”」と学校で教えるらしいです。