人生は上々だ

管理人ののんべんだらりとは言いがたい日常を、のんべんだらりと綴るサイト。タイトルは自己暗示。

紳士の試金石。

2004-11-13 21:45:40 | Weblog
11月11日(木)

今日の舞台は静岡県の西部に位置する浜松市。

この浜松市、
何だかやたらと静岡市に対抗意識を燃やしているらしい。
今年静岡市が清水市と合併して日本一広い市となり
来年度政令指定都市になるといった途端
周りの4~5町村を取り込み、
広さ・人口ともに静岡市を上回ろうという計画を立てた
漢気溢れる都市である。
なんて大人げない。

その合併の影響もあってか、道路改築などの発注が増えており
私も飯にありつけるので
あまり滅多な事は言えない。
ありがとう浜松市。
頑張れ浜松市。

そんなわけで今日私は朝から浜松市に居る。


お昼時となり、
近くのスーパーへ行って弁当を購入する。
勿論食事は車の中だ。

寂しいとか言うな。

さて駐車場から出ようとしたその時
先に曲がった前の車から何かが落下。
前の車は気付かず走り去っていく。


財布。


・・・・・・・・・・・・・。

おかしい。
不可解である。

何故走行中の車から
こんな大きな財布が落ちるのか?
しかも窓から落ちたように見えた。
窓から落ちたにしてもすぐに気付く筈である。
ひょっとして盗難か?
それにしてももう少し気の利いたところに捨てるはずだ。
となると残る線は実験か?
いや、それならどこかで隠れて見ていなければ意味が無い。
分からない、不可思議過ぎる。

2秒ほど考慮し、
とりあえず拾って警察へ届ける事にする。


ネコババ?とんでもない。
紳士ですから。


財布はというと
白のちょっとオシャレっぽい女物。
他人のプライベートなので中身は見ない。
紳士ですから。


警察へと赴き拾得物対応の窓口へ。
受付はゆったりした服を着た
癒し系の美人さんである。
お昼時にすいません、と言うと
とても優しい笑顔で対応してくれる。

素敵なご褒美をありがとう神様。



あの、
ところでお姉さん、
そんなゆったりした服で前屈みになると、
その~・・・・・・。


とりあえず目線を逸らす。
紳士ですから。
素敵なご褒美をありがとう神様。


それはともかく、
拾ったときの状況を
正確な時刻
落とした場所と状況
落とした車の車種と色
載っていたのは若い女性で髪に少しウェーブがかかっている
自分の後ろにいた車の車種と乗っていた人の表情
など事細かに説明する。

「・・・・・・すごいですね。」
「ええ、自分でもそう思います。」

何だか妙にウケた。


それから財布の中身の確認に移る。
出てきたのは
免許証
キャッシュカード
商品券1000円分
さっき行ったスーパーのレシート
これで盗難の線は消えた。
テニスクラブの会員証

ふと免許証に目を落とす。
!!
可愛い!
生年月日を見ると昭和59年
と言う事は二十歳!
ぬかった!よしっ!

最後に確認ということで
自分の連絡先と
相手に連絡先を教えても良いかと尋ねられる。

良いですよ~むしろ教えれ

お礼について聞かれる。
「いえ、結構ですよ。紳士ですから。」

ウケた。
俺の勝ち。


その後現地での仕事を終え
会社に戻って財布を拾った話を披露する。

「くぉーつ君、出会いだよ出会い☆」
そんな事分かってますそうだと良いですね~。」

10分後
携帯に見知らぬ番号からの着信が。
とりあえず試験室に退避。

くぉーつさんでしょうか?先ほど財布を拾っていただいた者です。
 一言お礼を言わせて頂きたいと思いまして。

来た!

「どうもどうも、わざわざご丁寧にありがとうございます~。」

勿論紳士の対応である。

いえいえ、とんでもないです。本当にありがとうございました~。
 親切な方に拾って頂いて本当に良かったです☆

「いえいえ、本当に良かったですね、って自分で言うのも何か変ですね。」

あはははは☆

よし!つかみは上々だ。
その後5分ほど色々と世間話などをした後
あの不可解な落とし方について聞いてみる。

「ところで、もんのすごく気になってるんですが、
 どうやって車の中から財布落としたんですか?」

それがですね~、覚えてないんですよ。
 多分財布をボンネットに置いたまま気付かなかったんじゃないかと。
 しばらくして財布がない!って気付いたちょうどその時に警察から電話があったんですよ。

なるほど、窓から落ちたように見えたのはそういう事か。
それにしても、しばらく気が付かないとは
なかなかの天然っぷりだ。

それにしても本当に良い方に拾って頂いてよかったです~。

「紳士ですから。」

ウケた。
俺の勝ち。


その後また10分ほど話して終了。
いやー、楽しかった。

あ、名前聞くの忘れた。残念!



ふと頭をよぎるハイムさんの台詞。



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