SPIDERS IN LOVIN' COOL

ケロロ軍曹(主にクルドロ)や、名探偵コナン(主に平和)の小説。
毎週土曜日は「今週のクルドロ萌え」を予定。

40.流星群(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】)

2008-03-24 18:41:56 | クルドロ50のお題
『人は死んだら星になる、だから、完全に死ぬわけじゃない。』


まだ幼い俺に、そう教えてくれたのは、俺の両親だった。
なのに、その後すぐに、両親自身が星になっちまった。


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「クルルくん、今日は、流星群がペコポンに近づくんだって。
ケロロくんたちが、流星群見に行こうって!クルルくんも行くでしょ?」

「ん~?なんだって?」

「もう、人の話はちゃんと聞こうよ。流星群、クルルくんも見に行くでしょ?」

「ん~。俺は行かねぇよ。」

「どうして?」

「どうしてもだ。」

「つれないなあ・・・」

「そんなに行きてえなら、隊長たちと行ってくればいいだろ?」

「クルルくんが行かないんじゃ、ケロロくんたちと行ってもつまんないよ」

「二人だったらいい・・・」

「えっ?」

「俺とあんた、二人っきりで見に行くんだったら別に行ってやってもいいぜ」

「ほんと?」

「あぁ・・・」

「判った。じゃあ、ケロロくんには断っておくね。」


流星群か・・・そういや、もう何年も見てない気がする。
見てないっていうよりは、出来るだけ見ないようにしていたのかも知れない。
星を素直に見れなくなったのは、両親が死んでからだった。


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「この山はね、よく修行に使うんだけど、
星がすごくきれいに見えるんだ」

「そうか・・・」

「どうしたの?クルルくん。あんまり乗り気じゃないね?」

「ん~、そんなことないけどな」

「クルルくん、星は嫌い?」

「嫌いじゃないけど・・・」

「じゃあ、どうしたの?」

「・・・・・・・・・・」

「???」

「死んだ奴は星になるって、両親から教わったんだ・・・」

「僕も、小さいころよく聞かされていたよ。」

「『死んだら星になる。だから完全に死ぬわけじゃない』って」

「うん」

「俺の両親は星になった。」

「うん・・・」

「だけど、せっかく綺麗な星になれたのに、
こうやって流れて宇宙の塵となって消えちまうなんて、あんまりじゃないか?」

「クルルくん?」

「流れ星に願い事をしたら、願いが叶うなんて言うけど、
その流れ星にも・・・死んだ奴らにだって、願い事はあるんじゃないか?
なのに・・・なのに、一瞬で燃え尽きちまうなんて、おかしいだろ?
平等じゃねえ、他のやつの願い事は叶えられるのに、
自分の願い事は叶えられないなってよぉ!!!」

「・・・違うよ、クルルくん・・・」

「・・・・・・・・・・」

「クルルくん、願い事があるのに燃え尽きるんじゃないよ。
願い事が叶ったから、燃え尽きるんだよ。
だから、他の人の願い事を叶えられるんだ。」

「そんなの、判らねえよ」

「ううん、クルルくんの両親がなった星は、
クルルくんをずっと見守ってるんだ。
クルルくんが立派になったら、流星になるんだよ。
だから、流星になることは悲しいことじゃない、むしろ嬉しいことなんだよ」

「じゃあ、俺の両親は、流星になれたかな?」

「なれたよ!クルルくんは立派な大人になった。
だから、クルルくんの両親の星は、綺麗に燃え尽きることが出来たんだ」


なんの確証もない、そんなこと、誰にも判るわけがない。
だけど、ドロロの言葉がすごく嬉しかった。
これからは、素直に星を見れるような気がする。


Fin


【あとがき】
まとまらね~まとまらね~。
1000文字超えると失速するね(えぇ?短編でも失速してるって?
えぇ、そうですわ/爆)

39.甘い言葉を吐き出して(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】超短編)

2008-03-23 08:08:09 | クルドロ50のお題
「先輩って、綺麗だよなぁ。綺麗っつうか、可愛いっつうか、
そこいらの女よりずっと魅力的っつうか…」

「どうしたのでござるか?クルル殿」

「だから…男が放っておく訳ねぇってことだ」

「??」

「いや、だからよぉ、その…」

「あっ、そうか。拙者が食べてるおはぎ、クルル殿も食べたいのでござるな。
そういうときは素直に言えばいいのでござるよ」

「ちが…」


なんて鈍感な人なんだ。
俺がここまで褒めるのは、あんただけだってのに。
甘い言葉を吐き出して、口の中が甘ったるくなった。
もちろん、先輩に貰ったおはぎは、これ以上口の中が甘ったるくなりそうで、食えるわけがない。


Fin


【あとがき】
つき合う前設定のクルドロ。
しかし、なぜおはぎ?(笑)。
知らないうちにクルルの気持ちを弄ぶ鈍感ドロロくんの巻。

38.「じゃあね」(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】)

2008-03-20 21:27:14 | クルドロ50のお題
「じゃあね、クルルくん」
「おいドロロ!どこに行くんだよ?待ってくれよ!!」


ガバッ。


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「ぜぇ、ぜぇ」


なんだ、夢か。


「どうしたの?クルルくん」
「んあ…なんでもねえよ…」
「なんか悪い夢でも見たの?」
「そんなんじゃねぇよ…」
「大丈夫?」
「あっ、あぁ、なんともねえ」


本当はすごい動揺してる。
夢でよかったという気持ちと、夢じゃなかったらどうしようという不安。


「じゃあね、クルルくん」
「…はっ??」
「今日はね、ママ殿にお遣いを頼まれてるんだ。
すぐ戻ってくるからね。」
「ちょ…待て!!!」


思わず声を荒げてしまった。


「どうしたの?」
「今日は…どこにも行くな…」
「えっ?」
「どこにも行くなっつってんだよ!!」


ドロロは困惑した顔で俺を見る。


「どうして?」
「いいから、どこにも行くな」
「答えになってないよ」
「俺の傍から離れんな…」


まさか


「あんたがいなくなる夢を見た…」


だなんて言えない。


「お遣いは、二人で行こう…」


精一杯な、子供みたいな一言だった。


Fin


【あとがき】
すべては秋ママの気の利いた作戦だったのです(笑)

37.戦闘開始(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】超短編)

2008-03-19 18:35:39 | クルドロ50のお題
「気をつけろよ」
「うん、クルルくんも」
「俺は天才だ、絶対負けねえ」
「では、行ってくるでござる」


ドロロがいつも俺と会話しているときの口調から、忍者口調に変わる。
その瞬間がどうしても好きになれない。
だって、そのときは、少なからず危険が迫っているってことだから。
力で戦えない俺は、ここに残るしかないのだ。
出来れば、一緒にいって戦いたいし、護ってやりたい。
こうやって顔を合わせるのも、言葉を交わすのも最後だなんて思いたくない。
信じているけど、どこかで不安な気持ちを抱えている俺がいる。
期待してもしも…なんてことがあったら、ショックが大きそうだから。


「ドロロ…」
「どうしたのでござるか?クルル殿」
「また帰って来れたら…結婚してやるよ。」


ケロン星でも同性同士の結婚は認められてないけどな。


「心得た!必ず戻ってくるでござる。」


そういい残して、ドロロは戦場に旅立った。


Fin


【あとがき】
クルルのプロポーズは「結婚しよう」じゃなくて、
「結婚してやる」の、上から目線(実際は素直じゃないだけ)だよな~という妄想から生まれた短編(爆)

36.幸せの時を(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】超短編)

2008-03-17 19:01:30 | クルドロ50のお題
抱いているときより、抱き締めてる時の方が好きだ。
ギュゥ~~って、腕に力を入れると、
ドロロも同じくらいの力で抱き締めてくれる。
これ以上力を入れたら、骨が折れちまうんじゃないかってくらいハグする。
後ろから抱き締めているときも好きだ。
頬と頬がくっついて、ドロロの顔が赤くなって熱を帯びていくことが判るから。


「クルルくん、あったかい…」


俺も熱を帯びていくらしく、ドロロは毎回こんなことを言ってくれる。
俺にも、まだ温かいものが残っていたんだ。
そう思うだけで幸せな気分になれる。


神様なんか、信じちゃいねえけど、このときばかりは感謝する。
もし、いるんだったら、幸せな時を、いつまでも俺にくれ。


Fin


【あとがき】
短編が多いのは持久力が続かないからです(爆)

35.風邪(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】)

2008-03-15 14:03:01 | クルドロ50のお題
ペコポンに来てからというものの、風邪を引きやすくなった。


「ゴホゴホッ」
「クルルくん、また風邪引いたの?」
「あぁ、ちょっとな…。」


ドロロはと言うと、ペコポンに来てからは、風邪を引きにくくなったらしい。
喘息持ちなのに、俺より健康ってどういうことだ?


「クルルくんはさ、生活が不規則すぎるの。
毎朝同じ時間に起きて、同じ時間に食事して、同じ時間に寝れば、
それだけで風邪引きにくくなるよ?」
「めんどくせぇ…ゴホゴホッ」
「そういえば、ケロロくんも昨日まで風邪引いてたな。
移されたんじゃないの?」
「確かに…」


そういえば、隊長の奴、


「自室でガンプラを作るなんて、部屋が汚れてしまうであります!
だからクルル、お願~い!!ここでガンプラ作らせて~」


とか訳わかんないこと言って、ラボでガンプラ作ってたっけ。
咳をしながら…隊長の執念は恐ろしいぜぇ。


「ねえ、クルルくん。ツライ?」
「あぁ、元々健康体だから、病気に対する抗体ねぇからな…」
「じゃあ、僕に移してもいいよ」
「はっ?」
「僕、病気に対する抗体はすごく強いんだ。
小さいころ、色んな病気にかかったから。
だから、僕に移してもいいよ。
人に移せば治るでしょ?」
「何言ってんだよ?」
「クルルくんだけツライなんて不公平だもん。
僕もクルルくんのツラさ、味わいたいな?」


そういうと、ドロロは俺に深く長いキスをした。


Fin


【あとがき】
そしてクルルが治ってドロロが風邪引いて、
ドロロが治ってクルルが風邪を引く(リピート/爆)。
本人たちは、相手が風邪を引いてる方が、
自分が風邪引いてるよりツライんです(断言)

34.マスク(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】)

2008-03-14 17:26:27 | クルドロ50のお題
マスクの上から軽く口づける。
その後、後頭部に手を回してマスクを剥ぐ。
いつものことだ。
だけど、マスクを外したドロロの口元に、毎回ドキッとする。
艶やかで、滑らかで、小さくて…。
ギュッと結んだ唇を、無理矢理こじ開けると、
ドロロもそれに応じてくれる。


「…ンっ…」
「…フっ…」


息苦しさから、お互い息が漏れて言葉になる。
唇同士が離れると、糸を引いて、
二人が繋がっているということを、目の当たりにすることが出来る。
ドロロの唇に指を当てると、その指先をまるでキャンディのように舐める。


「あんた舌づかいすっげぇエロい…」


そういうと、ドロロは


「だってクルルくんが教えてくれたんでしょ?」


と微笑む。


「嬉しいこと言ってくれるじゃねえの。
あんた、そのセリフでどれだけ俺が萌えて燃えるか判ってんの?」
「そうなの?」
「おいおい、無意識かよ。だったら尚更だな」


そんなにお望みなら、今夜も情熱的にしてやるぜ。


Fin


【あとがき】
なんじゃこりゃぁあ!!
ここのマスクはゼロちゃんマスクじゃなくてドロちゃんマスク。
服着てないぶんマスクぐらいクルルに脱がしてあげないとね(笑)

33.二人乗り(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ+小雪】)

2008-03-13 19:32:33 | クルドロ50のお題
珍しい客人だ。
俺はこいつが苦手だ。
ドロロの保護者(っつってもまだ中学生だ)東谷小雪。


「んで、何の用だい?」
「クルルさん、ドロロのこと、隠したりしてませんか?」
「ぶはっ……」


突拍子ない言葉に思わずコーヒーを吹いてしまった。


「何で俺がそんなこと…。
隠しておきたいのは山々だが、
ドロロは今朝もあんたのとこに帰っていったぜ?
文句ねえだろ?」
「それが…帰ってきてないんです…」
「はいっ?」
「遅くても朝にはちゃんと帰ってくるのに、
今日は帰ってきてないんです」
「どっか行ってんじゃねえの?」
「そんなことありません。
ドロロは出掛ける度に私にどこに行くって言ってくれますから」


ということは俺のとこに来ることも、だだ漏れってことか…?
あのバカ…。


「ちゃんと探したのか?」
「思い当たるところは全部探しました。だけど見つからなくて…
だからここに来たんです」
「残念だが、マジでここには居ねぇ」
「クルルさん、ドロロを探してくれませんか?」
「ドロロだっていい大人なんだから、
そのうちひょっこり帰ってくると思うぜ?」
「クルルさんは、ドロロが心配じゃないんですか?」


そりゃまあ…心配だけど…


「ああ!!判った、探してやっから。
あんたはドロロがいつ帰ってきてもいいように、
水車小屋に戻ってな」
「ありがとう、クルルさん!!」
「礼には及ばねえよ」


とりあえずコマワリのGPSで、
ドロロが今どこにいるか調べてみる。
ん?近くもないが遠くもない、微妙な場所に反応あり。
そんなとこで何やってんだよ?


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「お~い、ドロロ~」


おかしい、GPS反応があったのは確かにこの辺だったのだが…。
元アサシンな上に忍びと来たら、
そう簡単に見つかるわけがなかった。


「ドロロ~この辺にいんだろ?」
「………ル…く…ん…」
「おい!どこに行んだよ?」
「……ここ……にいる…よ」


気のせいだろうか?声がやけに弱々しい。
とりあえず声がした方を探す。


「今見つけてやっから!そこにいろよ!!」
「う…ん」
「何かあったのか?」
「ちょっと…ね」
「もうすぐだから、待ってろよ」
「う……ん」
「ドロロ!!」


草むらを分け居ると、傷だらけのドロロが倒れていた。


「どうしたんだよ?その傷」
「撃たれた…」
「誰に?」
「多分、猟師…」
「アンチバリア使ってたんだろ?」
「こんなとこ、誰もいないと思って……」
「バカか!!あんたらしくもない!!!!」
「うん…ごめん」
「立てないのか?」
「ちょっと、キツい」
「じゃあ、俺の背中に乗れ」
「うん…ごめん……重くない?」
「こんくらい、楽勝だ」


俺はソーサーを置いてきた場所までドロロをおぶった。


「座ってろ」


俺は、ソーサー付属のイスを初めて使った。


「よかった…クルルくんのソーサーが二人乗りで。
迎えに来てくれたのがクルルくんで、よかった…」


その逆だ。あんたと一緒に乗りたいから、
俺のソーサーだけ二人乗りに設計したんだ。
今度は、楽しい思い出を作りに二人乗りしような。


Fin


【あとがき】
前々からクルルのソーサーだけ何で二人乗りなのか考えてたんです。
迷わずドロロと乗るためだ!と結論づけました(笑)。

32.実験台(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】)

2008-03-12 17:32:59 | クルドロ50のお題
「この薬なぁに?」
「過去のイヤな記憶をすべて消去できる薬だ。
危険すぎてまだ実験も出来てねえ」
「ふぅ~ん」


ドロロは興味深そうに試作中の薬を見ている。


「それって、トラウマも消せちゃうってこと?」
「ああ、そういうことだ。
トラウマだけじゃない。ちょっとした記憶も消せるぜ」
「クルルくんってほんと、何でも作れちゃうんだね?」
「まあ、俺様天才だからな、クック~~」
「僕、実験台に立候補しようかな?」
「だっ…ダメだ!絶対ダメだ!!」
「どうして?」
「さっきも言ったろ?危険すぎんだよ、この薬は。
もしかしたら記憶全部が吹っ飛んじまうかもしれないんだよ。
イヤな記憶だけじゃなく、いい記憶もな。」
「そっか…」


ドロロはちょっと残念だな、みたいな顔をする。


「そんなに試してみたかったか?」
「興味はあるよね。」
「危険を冒してまでも試したいか?」
「だって、クルルが作ったものだもん。
絶対成功するって、僕は信じてるよ」
「あんなことしたのにか?」


あんなこと…とはドロロがペコポンで合流して、
一番先にやった街を花でいっぱいにする作戦のことだ。


「うん、僕はクルルくんを信じる」
「でも、ダメだ。
あんたを少しでも危険な目に遭わせるなんて出来ない」
「そっか…そこまで言うなら、しょうがないね」
「代わりに媚薬を…」
「もう、クルルくんのバカ!」


本当はこの薬、成功率100%確実だ。
じゃあ、何で飲んじゃだめかって?
決まってんだろ?
トラウマ入ったドロロが可愛いからだよ。
その姿をもう見れなくなるのはごめんだ。
隊長にイジめられて、


「クルルくぅう~~ん」


って泣きついてくるドロロを
いい子いい子してやりてぇんだよ。
ギャップ萌えもドロロの魅力の一つだからな。
クーックックック~(@皿@)。


Fin


【あとがき】
じゃ、その薬は誰のために使うんだって話…。
機会があれば書きます(をぃ)

31.言葉遊び(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ←ケロロ】)

2008-03-10 19:29:36 | クルドロ50のお題
ただの幼なじみ…と言う単語では、片付けられなくなっていた。
相手の気持ちなんてどうでもよかった。
ただ、素直な気持ちを言葉に…。

「我輩じゃ、ダメ?」
「うん…、ごめん」
「どうしてあいつなの?」
「どうしてだろう?分からない」
「じゃあ、我輩でもいいってことじゃないの?」
「ごめん、ケロロくんじゃ…ダメなんだ」
「どうして?」
「それも分からない」

こんなの、無意味な言葉遊びだ。
どんな質問をしたって、いくら質問したって答えなんかでやしない。
ドロロはただ、“分からない”だけを繰り返す。
自分のものに出来ない、こんなに近くにいるのに。
我輩が、一番君の近くにいたのに。
幼いときの君は、泣き顔ばかり見せてた。
身体が弱くて、一人にしておくと死んでしまいそうで、

「俺が守ってやるからな!」

って言うと、君は微笑んで、

「ありがとう、ケロロくん」

って言ってくれた。
そんな君が…まさかあいつを選ぶなんて…。
あいつより、我が輩の方が、君を幸せに出来るのに。
あいつより、我が輩の方が、君を愛しているのに。

「最後にもうひとつ、なんであいつのことが好きなの?」
「分からない、でも、分からないのが恋愛なんじゃないのかな?」
「それで…今幸せなの?」
「うん、今すごく幸せ」
「そう…」
「僕はね、クルルくんが望むんだったら、なんだってしてあげたいんだ。
だから、クルルくんがもし、消えろって言えば僕は消えると思う。」
「クルルが、“俺を殺せ”って言ったら?」
「うん、きっと殺すと思う。
殺して、僕も後を追うよ。
クルルくんのいない世界なんて、僕にとっては
何にも意味がない場所だから…」

ペコポンを守らなくちゃ…って言ってたドロロが
そんな結論を出すなんて、よっぽどのことなんだろう。

「小雪殿に反対されても、クルルといる?」

意地悪な質問だった。少し間を空けて、結論を出される。

「……うん……世界中が敵に回してでも、
クルルくんを好きでいたい、愛したいんだ。
味方がクルルくんだけでも構わない」

そういうとドロロは、ラボの方に向かっていった。

「そんなこと…言うなであります…」

ぼそっと呟く。言葉は、涙になって、頬を伝う。
納得できる答えではなかったが、
少年のころ、細く弱弱しかった君の背中が、
一つの答えを見つけて、逞しく歩いてゆく。
こんなゲーム、もう終わりにしよう。
いくらやったって、クリア出来ないままだ。
いくらやったって、あいつを倒すことは出来ない。


Fin


【あとがき】
って、クルル出てねえ!!(爆)。
誤解がないように言っておきますが、
私ケロロも大好きであります(笑)