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日本の新聞の見方

時事問題の視点ー今の新聞テレビの情報には満足できない人のために

山口補欠選挙の新聞見出し

2008-04-28 07:51:50 | マスメディア
 今朝のアサヒドットコムでは「山口補選、民主大勝」と報じていた。大勝というからダブルスコアほども差が開いたのかと思って両者の実際の得票数を探したが中々でてこない。

 しようがないので読売オンラインニュースで調べたら両者の得票数は以下の通り。ちなみに読売では「大勝」ではなく単に「当選」となっていた。

◆衆院山口2区補選確定得票
当 116,348 平岡 秀夫 民前   
    94,404   山本繁太郎 自新
 この得票差からどうして「大勝」という見出しになるのか不思議だ。  
 世間はもう『椿事件』(注)を忘れたと朝日新聞は思っているのかな。「無冠の帝王」とは、今では主にスポーツで力があるのにタイトルと縁がない人を指すが、元々非公式の権力を行使する新聞(テレビがない時代)を指した言葉である。
「羽織ゴロ(羽織を着たごろつき)」という言葉もあった。読者も政治ニュースでは公正中立客観的報道などありえないと知るべし。そう言えば新聞はスポーツ欄しか読まないと言った首相がいたっけ(安倍晋三のおじいさん)。
 
 プロ野球報道でも偏向があるが、これは新聞社及びテレビ局系の球団が数社あるので勘弁してあげよう。英字新聞(勿論あちらの)しか読まない首相もいた(宮沢さん)。彼らの気持ちはよくわかる。 
 ところが今や世界のメディアでNHKと朝日新聞がいちばんエライと信じていらっしゃる御仁が衆議院議長をつとめているのは日本人の知的劣化の証か?

注:『椿事件』(『つばきじけん』で入力)について詳しくはウィキペディアの説明を参照されたい。1993年の7月の衆議院議員選挙の際、テレビ朝日の報道局長が社内の会議で「自民党単独政権をテレビの力で倒そう」とアジッたのが公になった事件。この選挙の結果連立政権の首相となったのは奇しくも新党ブームの立役者の一人で朝日新聞OBでもあった細川護熙(もりひろ)であった。

 尚、朝日新聞とテレビ朝日とは資本的にも人的にも密接な関係にある。ところでNHKラジオを聞いているとニュース解説でNHKのOB(大学の先生など)がやたらに多い。NHKには現役の人材が乏しいのか、それとも経費節減が目的?
 

若松城の歴史クイズ問題、TBSが謝罪の放送へ

2008-04-06 23:27:05 | マスメディア
 TBSが2月に放送した戊辰戦争に関するクイズ番組に対し、福島県会津若松市が抗議している問題で、同社が謝罪放送を行うことが6日までに分かった。同社から市に連絡があり、8日昼の生活情報番組の時間帯で、会津若松市民に不快な思いをさせたことについて、アナウンサーが謝罪すると伝えたという。

 同市は「放送内容を見て判断したい」としているが、単発番組のため、訂正が難しいとしていた同社が、事態を重く見たと評価。全国放送での異例の謝罪は、市民の注目を集めそうだ。

 番組は2月16日放送の「歴史王グランプリ2008まさか!の日本史雑学クイズ100連発!」。旧幕府軍が若松城を明け渡した理由を尋ねる問題で、「糞尿(ふんにょう)が城にたまり、不衛生だったから」という答えが正解とされた。TBS側は、先月末に菅家一郎市長を訪ね、バラエティー番組の性質上「糞尿…」を正解としたと経緯を説明、謝罪した。しかし、訂正放送には応じないとの回答だったため、市側は「バラエティーでも『ならぬものはならぬ』だ」と再検討を求めていた。

 市によると、謝罪放送は8日午後0時53分前後で、午前11時からの生活情報番組の終了を早めて行うと見られる。ただし、突発的な事故などがあれば延期する可能性もあるという。
             2008年04月06日19時28分 アサヒドットコムから

コメント:テレビの歴史番組のお粗末さは話にならない。NHKも例外ではない。
以前、NHKの歴史番組でどっかの歴史家が薩長聨合は坂本龍馬が仲介したものではないと言っていた。その唯一の根拠というのが当日の京都薩摩藩邸の留守居役の記録に坂本が来たという記述がなかったからというものであった。薩長聨合の締結は薩摩藩家老小松帯刀の屋敷で行われたもので、薩摩屋敷ではない。それにこの時の模様は桂小五郎(木戸孝允)の克明な手記が残されている。会談に同席した大山巌(当時弥助、後元帥)、高杉晋作が坂本のボディガードとして同行させた槍の達人三吉慎蔵ら関係者の証言も多く残されている。坂本が桂の求めで同盟の保証人として裏書署名した薩長聨合の証書も残されている。

また同じくNHKの別の日の番組では「坂本が薩長聨合に奔走したのは薩摩のエージェントとしてであった」と、なんとかという歴史家が語っていた。勝麟太郎の神戸海軍操練所が閉鎖され、行き場がなくなった坂本らを薩摩海軍の手先として使ったらいいという小松帯刀の手紙をその根拠としている。この手紙の真実性は疑いないが、これは小松が坂本に会う前のものである。身分意識の強い当時、大薩摩藩の家老としては土佐藩の最下級武士に過ぎなかった坂本のことなどほとんど取るに足りない存在であったことは容易に想像できる。しかし西郷らから坂本のことを聞き、また直に会ってその認識を改めたであろうことも又容易に想像できる。従ってこの手紙から坂本が薩摩のエージェントであった結論づけることなどできない。

人目を引こうとして、ろくに通説の根拠を調べもせず、片々たる資料にこだわり大局を見失い、いい加減な思い付きを語る自称「歴史家」を出演させるテレビ局の見識を疑う。



各紙文字拡大

2008-04-05 07:55:07 | マスメディア
先月末から主要三紙(朝日、読売、日経)は新聞の文字を拡大した。それでは盛込む情報が減るのではないかと心配になる。

そこで提案だが、八方美人的で結局何を言いたいのかわからない社説とか、人畜無害、無色透明でまったく記憶に残らない読者の投書欄など廃止したらどうだろう。先ず社説について。数百万人のお客様を相手にする商売で自己の主張を明確に出すことなど所詮できやしない。まして複数の論説委員が合議して書くとなれば当り障りのないものになってしまう。入試に出るという評判の某新聞の社説を大学受験生が読むくらい。
次ぎに投書欄は特定の投書マニアのためにあるという噂もちらほら聞く。

仕事のなくなった論説委員や投書欄担当の方には取材のため現場に出ていただくのがいいと思う。大学出たての若造だけに取材をまかせるべきではない。取材力こそ新聞の生命だと思うからである。それも記者クラブに頼ることなく各社が独自の取材を競ってほしい。


NHKが深夜放送の休止時間拡大を検討

 NHKの福地茂雄会長は3日、二酸化炭素の排出量削減を図る取り組みとして、教育テレビとラジオ第2放送の深夜休止時間の拡大を検討することを明らかにした。休止時間帯の番組は総合テレビなど他波に吸収させる方向。現在、教育テレビは午前2時前後から5時まで、ラジオ第2放送では1時前後から6時までの間、放送を休止している。開始時期や休止時間などは今後検討する。
                   2008.4.3 20:53  産経ニュース

コメント:「放送を減らすことよって二酸化炭素排出が削減できる」とは、「風が吹けば桶屋がもうかる」話よりわかりにくい。二酸化炭素排出削減と言えばなんでも正当化できるわけ?そんなカッコつけないで受信料収入が減って経営が苦しいので経費を削減したいと正直に言えばいいのに。経費を削減したければ、やめた方がいい番組は他にいくらもあると思うけど。




村上龍氏のメルマガJMM

2008-04-01 21:09:57 | マスメディア
Q.904 配信日:2008年03月31日 NEW
海外のメディアや投資家の中には、日本の改革が停滞・後退しているという批判があるようです。改革、改革とまるで呪文のように唱えられていたころもありました。さまざまな分野での日本の改革の停滞・後退ですが。どのような要因によるものなのでしょうか。そして、どの程度...

Q.903 配信日:2008年03月24日 NEW
円高が進んでいるようです。現在の円高を阻止する金融・経済政策というのは、実際のところ、存在するのでしょうか。

以上村上龍氏のメルマガ「JMM」から

Q.904についてのコメント
氏は「改革の停滞、後退はどのような要因によるものでしょうか」と言っているが、一体これまでどんな改革(取分け小泉改革)が行われてきたのか、それは改革の名に値するのかを検証するのが先決だろう。

Q.903についてのコメント
「円高を阻止する金融経済政策は存在するのでしょうか」だと!こうした問いの前提には円高は日本に取って悪いものという思い込みがある。今時、円高が悪いなんていう政治家、経済学者は一人もいない。せいぜい「急激な円高は企業業績に悪影響を及ぼす」という人がいるくらい。村上龍の作品は読んだことがないので作家としての力量は知らないが、少なくとも経済はまるでわかってない。彼には下手に経済問題に口をはさまないように忠告する。

このようなとんちんかんな設問に付き合わされるエコノミスト諸君には同情する。