おっさんのライフサイズ(classic)

- 過ぎていったこと 選ばなかった道 何もかも、覚めてしまった夢と同じ -  『この世界の片隅に』より

サイレンススズカ

2006-10-28 18:35:40 | 競馬
明日は秋の天皇賞(東京・芝2000m)。

競馬を知っている方なら一度は聞いたことがあるかと思うけど、サイレンススズカという、1998年の競馬を席巻した衝撃的な逃げ馬がいた。スタート直後からとにかく逃げる。そして、そのまま逃げ切って(しかも後続を引き離して)ゴール。
あんな馬はその時まで見たことなかったし、今もサイレンススズカを超える、快速の逃げ馬はいない。2000mまでなら、たとえディープインパクトであっても、その逃げ足を捕らえられなかったかもしれない、と思えるほど。
天皇賞の前哨戦レースである毎日王冠で、1999年の凱旋門賞2着馬、エルコンドルパサーにその影さえ踏ませなかった。

秋の天皇賞は距離、展開がすべて、この馬の勝つためにあるようなものだった―1998年11月1日、東京11レース1枠1番。単勝1.2倍。

しかし、いつものように先頭をぶっちぎっていたけど、4コーナー手前で突然、鞍上の武豊が手綱をおさえ、馬を止めた―左前脚の骨折。その後、治療しても直る見込みがないと判断され、その日のうちに安楽死…。
自分のスピードに体がついて行かなかったのだ、と多くの人は語っていた。自分もそう思う。

あのとき、自分は大阪にいて、友達の車の中でラジオ実況を聞いていたけど、アナウンサーから『競争中止』とだけ伝えられ、その状態が分からない中「骨折ならまた走れるんじゃないか…」と楽観的に思う自分がいたけど、夜になってスポーツニュースで"予後不良"と聞いた時、その思いを後悔した。

それに、勝っても600円しか戻ってこない単勝に賭けていた。不謹慎って言われるかもしれないけど、その戻ってこない3000円は《香典》として納めたと、本当に思っている。

それ以来毎年、秋の天皇賞を見ていると、東京競馬場の『大ケヤキ』の向こうを過ぎた後、勝負所の4コーナーに差し掛かるたびに、あの日のサイレンススズカを思い出してしまう…思い出さずにはいられないのだ。

もうすぐ、あの日曜日から8年。

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2 Comments

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天皇賞 (企鵝 改め 猟虎)
2006-10-30 11:31:49
秋の天皇賞(以下 秋天 また、春の天皇賞を春天とする)は「サイレンススズカ」、春天は強かったが騎手がヘボかった「サクラローレル」騎手 横山典弘(←より我が乗った方がまだいい競馬が出来るくらいと自負)が印象に残有。 マニアな話だ。

おっさん「サクラローレル」「横典」についていつか本文よろしく!



名前は飽きたら戻します。
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サクラローレルは (おっさん)
2006-10-30 22:44:22
特別な思い入れはないんやけどなぁ…それに個人的に「横典」はあまり好きじゃないし。気が向いたら、書いてみますわ。

たしかにローレルが出た秋の天皇賞は、明らかに騎手(横典)のミスやったもんなぁ。あの時、馬券取ったんで(1着バブルガムフェロー、2着マヤノトップガンで2000円ついた)、特別、イヤな思いはしなかったけどね
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