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~ 越の蔵元華ごよみ ~
・・ 越の華酒造メールマガジン 2005.3月(下) No.042 ・・
【 毎度ご購読ありがとうございます m(_ _)m 】
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ Sake-Koshinohana ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
冒頭からお詫びと訂正がございます。先号のマガで、*1*で風間スペシャルをご
紹介しました。その中の作り方の説明文で、4箇所に"?"がはいっておりました。
本当は1)2)3)4)とすればよかったのですが、ワープロ打ちをしてしまい、
丸1、丸2と書いた為に認識できず"?"マークになりました。
更にもう一箇所、*4*で新潟市の合併の話をしました。面積の部分で726K?
になっておりました。これもメールソフトが認識きない"平方メートル"を入力して
しまいました。
メールマガジン発刊時に使ってはいけない文字を学習していたのですが、"ついうっ
かり"ワープロ感覚でキーボードをたたいていてしまいました。お見苦しかった部分
を訂正してお詫びいたします。m(_ _)m
さて、仕込みも終盤をむかえ、仕事も忙しいなりにもマガのマンネリ化を打破して
もらう為にも鎌田くんにマガに復活してもらいました。今号からまた彼なりの勉強
ネタで楽しませてくれると思いますのでご期待ください。
では今号もお付き合いよろしくお願い致します。
~今号のおしながき~
……………………………………………………………………………………………
*1* 蔵元近況<甑が倒れます>
*2* 仕込み19号のすべて<とりあえず終了!>
*3* 今年は酉年、あれ?馴染み深い<酉って字は?>
*4* 越の華の旬の酒<純米吟醸 生 "酒に心あり"の意>
……………………………………………………………………………………………
*5* 読者様だけの特権です。<お役立てください>
*6* 編集者を代表して雑話します(わたなべつとむ)
……………………………………………………………………………………………
*1* 蔵元近況<甑が倒れます> (吉田)
週末ごとに寒がもどり、スタッドレスタイヤをノーマルタイヤに替えることのない
まま4月に突入しそうです。25日も風が強く朝から雪が舞ってました。しかし、
最高気温も10℃前後まで上昇する日も増えてきました。
この造りの甑倒し(こしきたおし)は3月31日となります。先週末行なわれた朱鷺
メッセでの"にいがた淡麗・にいがた酒の陣"で他の蔵元の仲間に結構会うことができ
ましたので、話しを聞いていると「年々仕込みが減ってるよ~」と口を揃えて話しま
すが、越の華ではお蔭様で仕込みの本数も増え、他の蔵元に比べましても比較的遅
い甑倒しとなりました。
甑倒しとは、"お米を蒸す仕事が終わる"ことを指します。蔵の残作業としては仕込
まれたモロミの温度管理と精製・火入れ作業、そして後片付け、掃除!掃除!となる
わけです。そして甑倒しの夜には、仕込みが無事に終わったことを祝い、宴が開か
れます。かなり身体が疲労していますので、酔っ払うことが予想されます。
"……気をつけます"。
次号で渡邉くんが"にいがた淡麗・にいがた酒の陣"についてを総評のようなかたち
で話してもらいますが、私は2日目の午後からイベントに参加しました。アルビ
観戦仲間と2時間半ほどまわったのですが、他の蔵元の仲間も多く、彼らは仕事で
お酒を振舞う立場で参加しており、私を見つけては、「これちょっと新商品なんだ
けど飲んでくれ!、どうだ?…」と仲間と目があうと必ず迫られ感想を求められて
いました。
なんかお金を払って、仕事をさせられて飲んでいるようなイベントでした。しかも、
よその蔵の酒の評価を本人に言うのは大変難しいです。「ん?」とか「あっ」とか言え
ないですし、「あら?」と思ってもそれぞれの蔵の特徴・個性ですから"いい部分を評
価する"しかないですよね。(雰囲気なんとなくわかっていただけますよね)でも、
確かに美味しいお酒は多いです。
このイベントは来年もあるでしょうから、今年行かれなかった読者様がいらっしゃ
いましたら来年参加してみてください。旅行会社のツアーで来てるお客様もいたよ
うです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*2* 仕込み19号のすべて<とりあえず終了!> (吉田)
仕込み19号も年末の酒母用の麹造りから始まり、搾り、滓を引き、火入れを行う
までに約4ヶ月かかりました。モロミ日数がかかったこともあるのですが、搾って
から滓をからめて2次発酵の時間を他の本命モロミよりも長く置いた方が良い。
との判断の元から搾ってから3週間の後に滓引きを行いました。搾った直後にあま
りにもお酒の味がキレイでしたので、再発酵させたわけですが、これが功を奏して
丸みにある味のはいったお酒となってきました。仕込み17号から20号までの中
でも優劣をつけ難い、いいお酒となりました。
滓引きですが、一週間もすれば濁った部分と澄んだ部分に分離します。そのお酒を
高い位置に上げ、その高さよりも低い位置に空の瓶を置きます。ホースを2本にま
たがせ、低い瓶のほうに澄んだお酒だけを移し入れます。
サイホン方式です。吸い上げ管(越の華ではゴムではない細いホース)を使い、圧力
差により、高い位置から低い位置に移し変える方式です。低い方のホースからエア
ーを引き入れると、お酒がつられて低い方の瓶に流れ落ちて行きます。上の瓶の澄
んだお酒のみを吸い上げて、滓を吸い込む手前でホースを抜き取ります。これで、
滓引きが終わります。
1本だけなら簡単に終わりますが、商品でいう"中澄み袋雫斗瓶囲い"の販売分の量
を処理するとなるとなかなか手間がかかります。滓引きが終わると即、火入れとな
ります。
新鮮のうちに火入れ殺菌を行い、生の状態の熟成を止めなければいけません。火入
れ温度は63℃で、イメージとしては瓶ごとお燗をする感じだと思ってください。
そして63℃まで上がったら急冷します。急冷することにより、品質を維持するこ
とができます。
そして冷蔵庫に入れて、今後はアミノ酸による化学的反応をゆっくりをさせるよう
な形で熟成させ、お酒の熟度を見て年2回出荷します。熟成の度合いにより、発売
時期が例年よりズレることがありますが、品質にこだわる上でございますので、
ご理解ください。
これで12月から特集してきました。"仕込み19号のすべて"は一応終わりとなり
ます。来年の造りでは、もちろん大吟醸の造りもリポートしますが、普通酒につい
てもリポートしたいと考えています。かなり温度経過も異なりますし、大吟醸の製
造技術があるうえで、普通酒も美味く造れると考えておりますので、次の造りでは
大吟醸と普通酒の造りを比較して楽しんで頂ければと思います。
尚、今号では写真の編集が間に合わず、UPすることができませんでした。楽しみに
されていた読者様もいらっしゃることと思います。お詫び致します。仕事が落ち着
き時間に余裕ができましたら、製造期の写真をまとめてUP致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*3* 今年は酉年、あれ?馴染み深い<酉って字は?> (鎌田)
今年は酉(とり・ひよみのとり)年ということで、酉偏(とりへん)といえば私達が
普段使う酒造用語には、必ずといっていいほど酉偏の文字を使います。例として
"醸造"・"酵母"・"発酵"(醗酵)などがあります。
"酔う"も酉偏ですね。他にも「醸造には関係ないんじゃないの?」と思う"酪"・"配"
などの漢字も有ります。このネタをお話するにあたり、"酉年"の"酉"って酒の偏に
使われているけど「なんで?」と休憩中に蔵人の間で話題となり、「調べてみよう!」
から始まりました。で、漢字に弱い私が担当することとなりました。
"酉"偏は象形文字から生まれた漢字で、成り立ちは酒を入れる壷の形から変化して
作られたそうです。私だけかと思いますが、日本酒業界人で有りながらまったくそ
んな事は知りませんでした。
では、これから"酉"偏を使った漢字を紹介します。私達が最も良く使う文字で、
この文字をみると"よだれ"がでる読者様もいらっしゃる(笑)と予想されますが、
"酒"の形声と成り立ちを話させて頂きます。
"形声"と話ましたが、"形声文字"というのがあります。"形声文字"とは何ぞや?
と思う方もいらしゃいますよね。ご存知の読者様も学生の頃の復習だと思い聞いて
ください。
これは広辞林にでていた内容です。二字を合わせて作った漢字で、一方が音を、
他方が意義を表します。例えば、"江"、"河"は"さんずい"によって水を表し、"工"、
"可"により、音を表しています。
"酒"は"酉"が酒壷を形どった字で、"しゅ"と読み、そこに液体を表す"さんずい"が
入り、"さけ"と表している文字になります。熟語を紹介すると"酒豪"や読者様の大
好きな"酒宴"など、さまざまな使い方がされている漢字かと思います。
とこれから先、まだ話は長く続きますので、今号はこれくらいにさせて頂き、続き
は次号にてお話させて頂きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*4* 越の華の旬の酒<純米吟醸 生 "酒に心あり"の意> (渡邉)
酒に心ありは、旬の酒でも桂清水と同様、直売店だけにしか置いていない特別なお
酒です。問屋さんには出荷しておらず、何処にでもあるわけではないですので、
希少価値の高い旬のお酒といえます。
"純米吟醸 生 酒に心あり"は私が入社した年と同じ年に発売され、今年で9年が過
ぎます。とはいえ"酒に心ありは3月発売で、私の入社は4月ですので、私よりは
少々先輩となります。
しかもその発売年は発売後、即、完売となったようで、実際に先輩に会ったのは
1年後となりました。当時、事務所でお客様からの問い合わせに「もう在庫ないよ~」
と事務所で会話されていた"あの商品"は私にとって1番最初に気になったお酒です。
そんな"酒に心あり"の商品特徴は、新酒の生酒です。酒米は最高峰の山田錦。精米
歩合55%、とてもまろやかな香りで旨みもあるお酒です。9月には"酒に心あり"の
火入れ酒も発売します。半年間熟成させた、"酒に心あり"と生のお酒を比べてみるの
も楽しいかと思います。
<酒質>
原料米…山田錦 精米歩合…55% アルコール度数…17%
日本酒度…+5 酸度…1.4
<価格>
(小売希望価格)1.8L 3,045円(税込み)
720ML 1,575円(税込み)
<発売日>
大吟醸なみの長期モロミとなり、例年より発売が遅れてしまいました。吉田さんと
鎌田くんが瓶詰め工場に24日に移動したので、近日中の発売となります。ホーム
ページにて告知致します。
*6* 編集者を代表して雑話します。(わたなべ つとむ)////////////////////
今号も最後までお付き合いして頂きまして、誠にありがとうございました。お久し
ぶりですので、更にお付き合いお願い致します。
私は、仲間と共に時間を楽しむことが好きな人間ですが、私の趣味の1つに料理が
あります。ひとりで試行錯誤しながら料理をしている時間がとても大好きです。料
理といってもたくさんのレシピがあるわけではないですが…。
子供の頃から料理をする事に興味を持っていました。私の友人には大学時代に一人
暮しで自炊をしていたり、料理屋さんで板前をしていたりと、不思議と料理が出来
る男が多いのです。
電子ジャーでケーキを彼女に作ってあげた強者もいます!そこで私は『料理が出来
る漢(おとこ)はカッケー!!』と思い、最近では毎休日の暇を見て料理をしてます。
最近ハマっている料理は"パン"です。先日、某テレビ番組である芸能人が薄力粉か
らパンを作っているのを見て自分も作ってみようと思いました。パンといっても食
パンやバターロールではなく、イタリア料理?の"カルツォーネ"という少し固めの
パンです。
そしてテレビを見た週末の土曜日に早速、初パン作りを決行!、材料はテレビで見
た通り、薄力粉・ドライイースト・塩・砂糖・水・を使用し手でこねます。生地がまと
まったらマーガリンを加え、更に手でこねパン生地を作ります。
ただテレビと違い、生地には酒蔵らしく若干ですが大吟醸の酒粕を混ぜました。こ
ねり終わったら生地を耐熱のボールに移し、ラップをかけオーブンを38度に設定
し発酵を開始。待つこと約30分。
発酵をしている間に、カルツォーネの中に入れる具を作ります。具は、玉ねぎ・ジ
ャガイモ・キャベツ、鶏肉を炒め塩・コショウ・醤油・酒で味付け。マヨネーズとケチ
ャップを混ぜソースを作り、発酵が終わったら生地を丸く薄くのばします。
生地の片面にソースを塗り、具をのせその上にスライスチーズとトマトをのせます。
生地の片側を折り返し、上から被い具がはみ出ないように押さえつけ、オーブンを
200度にして約15分焼き完成となります!!
さて、その出来栄えは…!!
次号にて発表(ちゃんちゃん)
~ 越の蔵元華ごよみ ~
・・ 越の華酒造メールマガジン 2005.3月(下) No.042 ・・
【 毎度ご購読ありがとうございます m(_ _)m 】
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ Sake-Koshinohana ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
冒頭からお詫びと訂正がございます。先号のマガで、*1*で風間スペシャルをご
紹介しました。その中の作り方の説明文で、4箇所に"?"がはいっておりました。
本当は1)2)3)4)とすればよかったのですが、ワープロ打ちをしてしまい、
丸1、丸2と書いた為に認識できず"?"マークになりました。
更にもう一箇所、*4*で新潟市の合併の話をしました。面積の部分で726K?
になっておりました。これもメールソフトが認識きない"平方メートル"を入力して
しまいました。
メールマガジン発刊時に使ってはいけない文字を学習していたのですが、"ついうっ
かり"ワープロ感覚でキーボードをたたいていてしまいました。お見苦しかった部分
を訂正してお詫びいたします。m(_ _)m
さて、仕込みも終盤をむかえ、仕事も忙しいなりにもマガのマンネリ化を打破して
もらう為にも鎌田くんにマガに復活してもらいました。今号からまた彼なりの勉強
ネタで楽しませてくれると思いますのでご期待ください。
では今号もお付き合いよろしくお願い致します。
~今号のおしながき~
……………………………………………………………………………………………
*1* 蔵元近況<甑が倒れます>
*2* 仕込み19号のすべて<とりあえず終了!>
*3* 今年は酉年、あれ?馴染み深い<酉って字は?>
*4* 越の華の旬の酒<純米吟醸 生 "酒に心あり"の意>
……………………………………………………………………………………………
*5* 読者様だけの特権です。<お役立てください>
*6* 編集者を代表して雑話します(わたなべつとむ)
……………………………………………………………………………………………
*1* 蔵元近況<甑が倒れます> (吉田)
週末ごとに寒がもどり、スタッドレスタイヤをノーマルタイヤに替えることのない
まま4月に突入しそうです。25日も風が強く朝から雪が舞ってました。しかし、
最高気温も10℃前後まで上昇する日も増えてきました。
この造りの甑倒し(こしきたおし)は3月31日となります。先週末行なわれた朱鷺
メッセでの"にいがた淡麗・にいがた酒の陣"で他の蔵元の仲間に結構会うことができ
ましたので、話しを聞いていると「年々仕込みが減ってるよ~」と口を揃えて話しま
すが、越の華ではお蔭様で仕込みの本数も増え、他の蔵元に比べましても比較的遅
い甑倒しとなりました。
甑倒しとは、"お米を蒸す仕事が終わる"ことを指します。蔵の残作業としては仕込
まれたモロミの温度管理と精製・火入れ作業、そして後片付け、掃除!掃除!となる
わけです。そして甑倒しの夜には、仕込みが無事に終わったことを祝い、宴が開か
れます。かなり身体が疲労していますので、酔っ払うことが予想されます。
"……気をつけます"。
次号で渡邉くんが"にいがた淡麗・にいがた酒の陣"についてを総評のようなかたち
で話してもらいますが、私は2日目の午後からイベントに参加しました。アルビ
観戦仲間と2時間半ほどまわったのですが、他の蔵元の仲間も多く、彼らは仕事で
お酒を振舞う立場で参加しており、私を見つけては、「これちょっと新商品なんだ
けど飲んでくれ!、どうだ?…」と仲間と目があうと必ず迫られ感想を求められて
いました。
なんかお金を払って、仕事をさせられて飲んでいるようなイベントでした。しかも、
よその蔵の酒の評価を本人に言うのは大変難しいです。「ん?」とか「あっ」とか言え
ないですし、「あら?」と思ってもそれぞれの蔵の特徴・個性ですから"いい部分を評
価する"しかないですよね。(雰囲気なんとなくわかっていただけますよね)でも、
確かに美味しいお酒は多いです。
このイベントは来年もあるでしょうから、今年行かれなかった読者様がいらっしゃ
いましたら来年参加してみてください。旅行会社のツアーで来てるお客様もいたよ
うです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*2* 仕込み19号のすべて<とりあえず終了!> (吉田)
仕込み19号も年末の酒母用の麹造りから始まり、搾り、滓を引き、火入れを行う
までに約4ヶ月かかりました。モロミ日数がかかったこともあるのですが、搾って
から滓をからめて2次発酵の時間を他の本命モロミよりも長く置いた方が良い。
との判断の元から搾ってから3週間の後に滓引きを行いました。搾った直後にあま
りにもお酒の味がキレイでしたので、再発酵させたわけですが、これが功を奏して
丸みにある味のはいったお酒となってきました。仕込み17号から20号までの中
でも優劣をつけ難い、いいお酒となりました。
滓引きですが、一週間もすれば濁った部分と澄んだ部分に分離します。そのお酒を
高い位置に上げ、その高さよりも低い位置に空の瓶を置きます。ホースを2本にま
たがせ、低い瓶のほうに澄んだお酒だけを移し入れます。
サイホン方式です。吸い上げ管(越の華ではゴムではない細いホース)を使い、圧力
差により、高い位置から低い位置に移し変える方式です。低い方のホースからエア
ーを引き入れると、お酒がつられて低い方の瓶に流れ落ちて行きます。上の瓶の澄
んだお酒のみを吸い上げて、滓を吸い込む手前でホースを抜き取ります。これで、
滓引きが終わります。
1本だけなら簡単に終わりますが、商品でいう"中澄み袋雫斗瓶囲い"の販売分の量
を処理するとなるとなかなか手間がかかります。滓引きが終わると即、火入れとな
ります。
新鮮のうちに火入れ殺菌を行い、生の状態の熟成を止めなければいけません。火入
れ温度は63℃で、イメージとしては瓶ごとお燗をする感じだと思ってください。
そして63℃まで上がったら急冷します。急冷することにより、品質を維持するこ
とができます。
そして冷蔵庫に入れて、今後はアミノ酸による化学的反応をゆっくりをさせるよう
な形で熟成させ、お酒の熟度を見て年2回出荷します。熟成の度合いにより、発売
時期が例年よりズレることがありますが、品質にこだわる上でございますので、
ご理解ください。
これで12月から特集してきました。"仕込み19号のすべて"は一応終わりとなり
ます。来年の造りでは、もちろん大吟醸の造りもリポートしますが、普通酒につい
てもリポートしたいと考えています。かなり温度経過も異なりますし、大吟醸の製
造技術があるうえで、普通酒も美味く造れると考えておりますので、次の造りでは
大吟醸と普通酒の造りを比較して楽しんで頂ければと思います。
尚、今号では写真の編集が間に合わず、UPすることができませんでした。楽しみに
されていた読者様もいらっしゃることと思います。お詫び致します。仕事が落ち着
き時間に余裕ができましたら、製造期の写真をまとめてUP致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*3* 今年は酉年、あれ?馴染み深い<酉って字は?> (鎌田)
今年は酉(とり・ひよみのとり)年ということで、酉偏(とりへん)といえば私達が
普段使う酒造用語には、必ずといっていいほど酉偏の文字を使います。例として
"醸造"・"酵母"・"発酵"(醗酵)などがあります。
"酔う"も酉偏ですね。他にも「醸造には関係ないんじゃないの?」と思う"酪"・"配"
などの漢字も有ります。このネタをお話するにあたり、"酉年"の"酉"って酒の偏に
使われているけど「なんで?」と休憩中に蔵人の間で話題となり、「調べてみよう!」
から始まりました。で、漢字に弱い私が担当することとなりました。
"酉"偏は象形文字から生まれた漢字で、成り立ちは酒を入れる壷の形から変化して
作られたそうです。私だけかと思いますが、日本酒業界人で有りながらまったくそ
んな事は知りませんでした。
では、これから"酉"偏を使った漢字を紹介します。私達が最も良く使う文字で、
この文字をみると"よだれ"がでる読者様もいらっしゃる(笑)と予想されますが、
"酒"の形声と成り立ちを話させて頂きます。
"形声"と話ましたが、"形声文字"というのがあります。"形声文字"とは何ぞや?
と思う方もいらしゃいますよね。ご存知の読者様も学生の頃の復習だと思い聞いて
ください。
これは広辞林にでていた内容です。二字を合わせて作った漢字で、一方が音を、
他方が意義を表します。例えば、"江"、"河"は"さんずい"によって水を表し、"工"、
"可"により、音を表しています。
"酒"は"酉"が酒壷を形どった字で、"しゅ"と読み、そこに液体を表す"さんずい"が
入り、"さけ"と表している文字になります。熟語を紹介すると"酒豪"や読者様の大
好きな"酒宴"など、さまざまな使い方がされている漢字かと思います。
とこれから先、まだ話は長く続きますので、今号はこれくらいにさせて頂き、続き
は次号にてお話させて頂きます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*4* 越の華の旬の酒<純米吟醸 生 "酒に心あり"の意> (渡邉)
酒に心ありは、旬の酒でも桂清水と同様、直売店だけにしか置いていない特別なお
酒です。問屋さんには出荷しておらず、何処にでもあるわけではないですので、
希少価値の高い旬のお酒といえます。
"純米吟醸 生 酒に心あり"は私が入社した年と同じ年に発売され、今年で9年が過
ぎます。とはいえ"酒に心ありは3月発売で、私の入社は4月ですので、私よりは
少々先輩となります。
しかもその発売年は発売後、即、完売となったようで、実際に先輩に会ったのは
1年後となりました。当時、事務所でお客様からの問い合わせに「もう在庫ないよ~」
と事務所で会話されていた"あの商品"は私にとって1番最初に気になったお酒です。
そんな"酒に心あり"の商品特徴は、新酒の生酒です。酒米は最高峰の山田錦。精米
歩合55%、とてもまろやかな香りで旨みもあるお酒です。9月には"酒に心あり"の
火入れ酒も発売します。半年間熟成させた、"酒に心あり"と生のお酒を比べてみるの
も楽しいかと思います。
<酒質>
原料米…山田錦 精米歩合…55% アルコール度数…17%
日本酒度…+5 酸度…1.4
<価格>
(小売希望価格)1.8L 3,045円(税込み)
720ML 1,575円(税込み)
<発売日>
大吟醸なみの長期モロミとなり、例年より発売が遅れてしまいました。吉田さんと
鎌田くんが瓶詰め工場に24日に移動したので、近日中の発売となります。ホーム
ページにて告知致します。
*6* 編集者を代表して雑話します。(わたなべ つとむ)////////////////////
今号も最後までお付き合いして頂きまして、誠にありがとうございました。お久し
ぶりですので、更にお付き合いお願い致します。
私は、仲間と共に時間を楽しむことが好きな人間ですが、私の趣味の1つに料理が
あります。ひとりで試行錯誤しながら料理をしている時間がとても大好きです。料
理といってもたくさんのレシピがあるわけではないですが…。
子供の頃から料理をする事に興味を持っていました。私の友人には大学時代に一人
暮しで自炊をしていたり、料理屋さんで板前をしていたりと、不思議と料理が出来
る男が多いのです。
電子ジャーでケーキを彼女に作ってあげた強者もいます!そこで私は『料理が出来
る漢(おとこ)はカッケー!!』と思い、最近では毎休日の暇を見て料理をしてます。
最近ハマっている料理は"パン"です。先日、某テレビ番組である芸能人が薄力粉か
らパンを作っているのを見て自分も作ってみようと思いました。パンといっても食
パンやバターロールではなく、イタリア料理?の"カルツォーネ"という少し固めの
パンです。
そしてテレビを見た週末の土曜日に早速、初パン作りを決行!、材料はテレビで見
た通り、薄力粉・ドライイースト・塩・砂糖・水・を使用し手でこねます。生地がまと
まったらマーガリンを加え、更に手でこねパン生地を作ります。
ただテレビと違い、生地には酒蔵らしく若干ですが大吟醸の酒粕を混ぜました。こ
ねり終わったら生地を耐熱のボールに移し、ラップをかけオーブンを38度に設定
し発酵を開始。待つこと約30分。
発酵をしている間に、カルツォーネの中に入れる具を作ります。具は、玉ねぎ・ジ
ャガイモ・キャベツ、鶏肉を炒め塩・コショウ・醤油・酒で味付け。マヨネーズとケチ
ャップを混ぜソースを作り、発酵が終わったら生地を丸く薄くのばします。
生地の片面にソースを塗り、具をのせその上にスライスチーズとトマトをのせます。
生地の片側を折り返し、上から被い具がはみ出ないように押さえつけ、オーブンを
200度にして約15分焼き完成となります!!
さて、その出来栄えは…!!
次号にて発表(ちゃんちゃん)