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シリーズ平成の「変」-衆院総選挙もさせてもらえなかった福田総理辞任の「変」―

2008-09-04 | Weblog
シリーズ平成の「変」-衆院総選挙もさせてもらえなかった福田総理辞任の「変」―
 9月1日、福田総理は辞任の意向を表明した。
 記者会見で述べていた通り、安倍前総理だけではなく、長期に亘る自民党政権で積み上げられた「負の遺産」を引き継ぎ、また参議院が民主党など野党に多数を占めている中で、大変苦労をされた。「負の遺産」は、福祉失政であり、経済失政、経済無策であり、行政のメタボ体質や公務員の綱紀の乱れ、そして閣僚の失言と不明瞭な政治資金など、根は深い。その中で、道路特定財源の一般財源化や消費者庁の設置などに先鞭を付け、一定の功績を残したと言える。ご苦労様でしたと言いたい。
 しかし、「自前の」内閣改造、党役員の入れ替えを行って1ヶ月にもならない中での辞任である。「変」である。今回の内閣改造、党役員人事の裏には森元総理が居ることで知られている。
 内閣改造をしても支持率は上がらず、党内では改革外しや反改革抵抗勢力の巻き返しの中で、これでは選挙が出来ないと「福田おろし」が吹き荒れていた。石油の他、諸物価高騰の中での景気後退により、景気対策が声高に叫ばれ、赤字国債の発行による大型の財政出動論が飛び出し、その先には消費税増税論が見え隠れする。路線の転換圧力である。「改革」による成長の恩恵は、反改革路線で消えた。経済失政とも言える。それをまた大型の公共事業や財政出動で浮揚させようというわけだ。バブル崩壊後、その積み重ねで800兆円以上の公的債務が積み上げられた。当時頻繁に公共投資を売り込んでいたリチャード・クー氏(野村総研主任研究員)がまた顔を出し始めている。800兆円の国の借金はどう処理するのかと問いたい。更に公債を積み上げてどうする積もりなのだろうか。
「変」である。路線転換の「変」である。
 不思議なことに、安倍前総理が政権運営に行き詰まり辞任したのは麻生太郎自民幹事長の時である。今回も、党役員人事で返り咲いた同幹事長の下での福田総理辞任である。同幹事長は2つの政権を党として支えられなかったという結果となっている。党内の路線の不一致から、党として政権運営を支えられなくなって来ているのであろう。
 これから新しい自民党の総裁が選ばれ、国会で首班指名が行われることになろう。衆議院では指名が得られても、参議院では否決される。民意を問うべき時期であろう。 (Copy Right Reserved.)

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