シリーズ平成の「変」-消費税増税論と“行政メタボ”の「変」-
6月17日、福田総理は、主要8カ国の通信社とのインタビューの中で、消費税に関し「日本は世界有数の高齢化社会で、その国が5%でやっている。だからこそこれだけの財政赤字を背負っており、決断をしないといけない」との趣旨を述べたが、その後「国民世論がどう反応するか」を考えて判断すると述べ、また、財政支出の「無駄ゼロ」を表明するなど、慎重な姿勢も見せている。
なるほど。多くの与党議員は実体的には既に選挙モードに入っているが、何時行われても不思議でない衆院総選挙において与党が勝利すれば、消費税増税も当選確実であるということか。
同月15日のテレビ番組で、自民党の古賀選挙対策委員長は、政権担当能力の重要性に触れつつ、「消費税を議論することは国民に対する責任」と述べている。
「変」である。と言うか、絶妙のバッド・タイミングウ~な発言だ。
6月9日、政府(内閣府)は、4月の景気動向指数(速報値)において、景気の判断基準を「弱含み」から「局面が変化」に下方修正している。要するに、多くの企業が景気の先行きが悪いと判断しており、景気の後退局面に入った可能性があるということ。
そんなことを言わなくても、既に4月の完全失業率は4.0%と4%台に乗せている。また、4月の全国消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合で前年同月比が0.9%上昇し、7ヶ月連続で前年を上回った。4月に一時的にガソリンの暫定税率が下がったにも拘わらず、小麦はじめ食料などの上昇が物価を押し上げた。5月からは、暫定税率が10年間再引き上げされ、7月以降には電気、ガス料金や航空料金など軒並みの値上げが予想されている。国民、消費者は、年金不安と医療費問題で将来不安を感じている上に、物価高を日常的に体感しており、生活防衛、消費節約のモードに入っている。一部大手デパートがそれを察知して、夏のバーゲンを前倒し実施する予定だそうだ。
失業対策やガソリン代、輸送費を含む物価対策も打ち出さず、消費税増税論。経済担当大臣自身が、日本経済は「一流国ではない」と言っているのが何故かうなづける。
「変」である。他人事のように言っているのが「変」である。失業対策や物価対策なども政府の役割である。
また多くの国民の意識からすれば、総理がその後述べているように、行政の「無駄」をゼロにし、“行政メタボ”を解消することが先決なのであろう。バブル経済期とバブル崩壊後の公共支出、膨大な公的債務の増加により、溜まりに溜まった“行政メタボ”をまず解消すべきだ。それを解消する以前に増税等をすれば“行政メタボ”に栄養を与えるようなものだ。この点は地方公共団体も同様と見られる。
更に、その後に消費税等の増税を検討するとしても、単純に欧米等の消費税より低いということだけでフェアーな議論ではない。確かに日本の消費税は相対的に低い。しかし、それだけで国民の総公的負担が低いとは言えない。
国民は、消費税以外にも、所得税と地方税や年金保険料、労働保険料、健康保険料、介護保険料などの税金に準じる負担をしている上、NHK視聴料、免許取得その他の特定の行政サービスに対する諸手数料などを支払っており、総公的負担は決して低くはない。更に重要なことは、国民の公的負担に対する福祉の内容など、行政サービスの内容と質が問われなくてはならない。
今増税すれば、“行政メタボ”を更に太らせるだけになりそうだ。消費税増税論の「変」である。“行政メタボ”の「変」である。(08.06) (Copy Right Reserved.)
6月17日、福田総理は、主要8カ国の通信社とのインタビューの中で、消費税に関し「日本は世界有数の高齢化社会で、その国が5%でやっている。だからこそこれだけの財政赤字を背負っており、決断をしないといけない」との趣旨を述べたが、その後「国民世論がどう反応するか」を考えて判断すると述べ、また、財政支出の「無駄ゼロ」を表明するなど、慎重な姿勢も見せている。
なるほど。多くの与党議員は実体的には既に選挙モードに入っているが、何時行われても不思議でない衆院総選挙において与党が勝利すれば、消費税増税も当選確実であるということか。
同月15日のテレビ番組で、自民党の古賀選挙対策委員長は、政権担当能力の重要性に触れつつ、「消費税を議論することは国民に対する責任」と述べている。
「変」である。と言うか、絶妙のバッド・タイミングウ~な発言だ。
6月9日、政府(内閣府)は、4月の景気動向指数(速報値)において、景気の判断基準を「弱含み」から「局面が変化」に下方修正している。要するに、多くの企業が景気の先行きが悪いと判断しており、景気の後退局面に入った可能性があるということ。
そんなことを言わなくても、既に4月の完全失業率は4.0%と4%台に乗せている。また、4月の全国消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合で前年同月比が0.9%上昇し、7ヶ月連続で前年を上回った。4月に一時的にガソリンの暫定税率が下がったにも拘わらず、小麦はじめ食料などの上昇が物価を押し上げた。5月からは、暫定税率が10年間再引き上げされ、7月以降には電気、ガス料金や航空料金など軒並みの値上げが予想されている。国民、消費者は、年金不安と医療費問題で将来不安を感じている上に、物価高を日常的に体感しており、生活防衛、消費節約のモードに入っている。一部大手デパートがそれを察知して、夏のバーゲンを前倒し実施する予定だそうだ。
失業対策やガソリン代、輸送費を含む物価対策も打ち出さず、消費税増税論。経済担当大臣自身が、日本経済は「一流国ではない」と言っているのが何故かうなづける。
「変」である。他人事のように言っているのが「変」である。失業対策や物価対策なども政府の役割である。
また多くの国民の意識からすれば、総理がその後述べているように、行政の「無駄」をゼロにし、“行政メタボ”を解消することが先決なのであろう。バブル経済期とバブル崩壊後の公共支出、膨大な公的債務の増加により、溜まりに溜まった“行政メタボ”をまず解消すべきだ。それを解消する以前に増税等をすれば“行政メタボ”に栄養を与えるようなものだ。この点は地方公共団体も同様と見られる。
更に、その後に消費税等の増税を検討するとしても、単純に欧米等の消費税より低いということだけでフェアーな議論ではない。確かに日本の消費税は相対的に低い。しかし、それだけで国民の総公的負担が低いとは言えない。
国民は、消費税以外にも、所得税と地方税や年金保険料、労働保険料、健康保険料、介護保険料などの税金に準じる負担をしている上、NHK視聴料、免許取得その他の特定の行政サービスに対する諸手数料などを支払っており、総公的負担は決して低くはない。更に重要なことは、国民の公的負担に対する福祉の内容など、行政サービスの内容と質が問われなくてはならない。
今増税すれば、“行政メタボ”を更に太らせるだけになりそうだ。消費税増税論の「変」である。“行政メタボ”の「変」である。(08.06) (Copy Right Reserved.)
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