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シリーズ平成の「変」-耳障りな所信表明演説、麻生の「変」-

2008-09-30 | Weblog
シリーズ平成の「変」-耳障りな所信表明演説、麻生の「変」-
 9月29日、麻生首相が就任に当たっての所信表明演説を行った。
 基本的には景気対策の必要性を強調しつつ、年金制度の確立や後期医療制度の「必要な見直し」などを行うとしており、諸問題への取り組みへの意欲を示したことは評価される。
 しかし、現下の景気の後退や年金・医療制度問題など、現在日本が直面している問題を他人事のように指摘し、取り組むとしているが、これらの問題は自・公政権の下で積み上げられた「積年の問題」であり、その自覚と反省が見られない。それで「景気対策は通されなくてはならない」と決め付けられても、そのような状況にした責任は誰が負うと言うのだろうか。またこれらの問題をどのように解決するのかの道筋が示されていない。
 「経済成長なくして、財政再建なし」というのはその通りではある。だが、「経済成長」はどのようにして達成するのか。「改革なくして成長なし」と言われた改革路線を放棄し、2011年での財政の「プライマリー・バランス達成」目標を放棄し、公債発行と消費税を含む増税により、財政出動を繰り返し、国民にツケを回す政策に戻るということか。「3年間」はそうだと言われても、3年間で経済が立て直される保証は無い。「変」である。
 政策を転換するのであれば、まず国民に信を問うべきであろう。既に2代に亘り国民の信を問うておらず、国民の信託を得ていない政権の脆さが明らかになっている。
 それをしないで、その責任を野党に押し付け、政局にしたと非難するのは、責任政党としての見識に欠けるのではないだろうか。改革路線にブレーキを掛け、規制の緩和・撤廃への流れを止め、市場を混乱させたのは誰か。「後期高齢者医療制度」や「社保庁改革法案」などなどを、野党の審議要求を拒否し、「審議は尽くされた」として強行採決を繰り返したのは誰か。
 外交面では、国際テロとの闘いへの国際協力とインド洋での給油活動継続の重要性を強調し、中・韓・ロシアとの関係増進や拉致問題を含む北朝鮮との関係に言及し、外交課題への意欲を示している。しかし、ここでもどのようにするかという道筋を示しておらず、課題の列挙にとどまっている。
消費者庁の創設についても、当面は農水省他の省庁が誠意を持って対応することが大切であり、拙速で創設すれば弊害となる恐れもある。
 そもそも首相は、参議院では指名されなかったとしても、国会で指名された首相であり、単なる与党自民党の総裁ではない。政党を超えた日本国民を代表する首相ではないのだろうか。その認識に欠ける。与党党首として野党を国会本会議の場で攻撃する姿は日本国民を代表する首相にふさわしくなく、政策の相違を調整し、日本国民をまとめ、国民全体の利益や関心に沿うようを努力すべきではなかろうか。
 総選挙の場であれば与野党対決でよい。しかし、首相という立場で国会の場で国民に所信を表明する以上、政党を超えて日本国民全体に対し現状につき責任ある説明をし、政策を問うて欲しいものである。「変」である。
近々の総選挙が行われることを前提とした短期政権の所信表明をとも映る。支持率云々の問題ではない。政権として国民の信を得るか得ないかの問題であろう。
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