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米韓軍事同盟に日本は参加すべきではない (追補版)再掲

2024-06-26 | Weblog

米韓軍事同盟に日本は参加すべきではない (追補版)再掲

(はじめに)

 米海軍原子力空母‘セオドア・ルーズベル’が、2024年6月22日、韓国釜山に入港した。韓国側は、今月末に予定されている米韓両国による軍事訓練‘フリーダム・エッジ’に日本が参加し共同軍事訓練が実施するためと発表した。

 北朝鮮の対韓国挑発行動が繰り返される中、プーチン・ロシア大統領が訪朝し、6月19日、北朝鮮の金正恩総書記と平壌で首脳会談後、‘包括的戦略パートナーシップ条約’に署名した。この包括条約には、一方への第三国による攻撃が行われる支援することが含まれており、事実上の軍事同盟化を意味する。これにより、北朝鮮は、休戦中の朝鮮戦争が再発した場合には、既に相互軍事援助に合意している中国カードと共にロシア・カードを手に入れたことになる。また軍事、経済面での相互交流、協力が活発化することになる。

 他方、米国は、中国に加えロシアが軍事同盟国として控えているため北朝鮮に侵攻することは実態上極めて困難な情勢になった。

 韓国メデイアは「北とロシアが関係を深める中、米韓及び日の共同軍事訓練が北への警告のメッセージになる」旨報道している。北挑戦との紛争当事国である韓米両国にとってはその通りだ。しかし、北朝鮮攻撃を念頭に置いた米韓共同軍事訓練に日本が参加することは、紛争を招き入れるだけであり、自衛どころか国家国民の安全保障を著しく損ない国益に反する。ましてや日本が米韓軍事同盟に参加することは、休戦中の朝鮮戦争が再発する場合、北朝鮮だけでなく、中・ロ両国との軍事対立に巻き込まれることになり、論外である。このような重要事項を防衛当局や安全保障専門家等だけで判断出来るものでもない。このような情勢を念頭に、本稿を再掲する。(2024/06/26)

 

米韓軍事同盟に日本は参加すべきではない 再掲

 Ⅰ、岸田首相は2023年5月7日訪韓し尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談した。2013年以降安倍政権の下で靖国神社参拝問題、従軍慰安婦問題、戦時における韓国人徴用工問題など歴史認識問題を巡り停滞していた日・韓関係が改善されることは歓迎されるところである。
 その中で、地域情勢、特に北朝鮮問題については、『日米同盟、韓米同盟、日韓・日韓米の安全保障協力により抑止力・対処力を強化することの重要性について一致した』とされ、5月19日より開催されるG7広島サミットの際にユン大統領を招き、日韓米首脳会合を開催することとなった旨公表されている。
 核、ミサイル開発・配備を含む北朝鮮問題については、朝鮮半島情の緊張を激化すると共に、核拡散を助長するものとして強く非難されるところであるが、北朝鮮への『抑止と対処』については、次の通り米韓両国と日本とは立場を異にしていることを認識すべきであろう。
(1)朝鮮戦争は現在休戦状態にあるだけで、南北両国は敵対関係にあり、朝鮮戦争が再発する可能性がある。日本は朝鮮戦争の当事国ではなく、また日本の安全保障・防衛上このような地域紛争に関与すべきではない。従って日・韓が北朝鮮との関係においた協力して『抑止、対処』すべきものではない。
(2)米国は当初より韓国の庇護者として朝鮮戦争の当事国であり、韓国と共に休戦協定の当事国である。また米国は韓国軍隊の指揮権を有しているので、米韓は軍事的に一体となって軍事同盟を形成している。日米同盟は日本の防衛に主眼を置いたもので、基本的に米韓軍事同盟とは性格を異にすると共に、朝鮮半島における紛争当事国である米韓との安全保障上の具体的な協力や同盟関係は、朝鮮戦争を引き寄せ、飛んで火に入る虫のような結果となるので、日本の安全を著しく損なうことになる。日本側外交・防衛当局にこの認識が欠けている。
 北朝鮮を巡っては日本としては米韓両国との情報交換を越えることは望ましくない。日本海における米韓・日の海空合同軍事演習も北を挑発する防衛当局の拙速行為であり望ましくない。
(3)北朝鮮の核開発、生産・配備は核拡散をもたらし、国際的な緊張を激化すのみであり非難される。しかし核不拡散の実態は、インド、パキスタン、イスラエル及び北朝鮮が核保有しており、既に核拡散防止条約(NPT)の枠外で拡散している現実がある。またNATO諸国の内、ドイツ、ベルギー、イタリア、オランダなどが米国と核共有(核シェアリング)していることが知られており、核NPTで禁止されている「非核兵器国による核兵器の獲得又は保有」に実態上違反しているとも言える。従って国際的な核不拡散レジームは後退しているのが現実である。更に5核兵器国(国連常任理事国)はNPT上核軍縮を行う義務があるが、実行されていない。
 その上5核兵器国は核の生産・保有・使用を禁止する核兵器禁止条約にも反対している。日本もこの条約に反対しているが、岸田首相が安倍政権下の外相だった時だ。広島で開催されるG7首脳会議では、この条約を支持する非核兵器諸国にどのような『橋渡し』が出来るのだろうか。

 なお、北朝鮮による日本人拉致問題については首脳会談で言及された趣だが、日本国民の生命と財産の安全ということであれば、ソウルに本部がある国際統一家庭連合(=統一教会)の活動が多くの日本国民の財産と安寧な生活を奪っていると共に、多額の金が韓国や北朝鮮などに送金されているので、統一教会の日本での非社会的な活動の是正に言及されていないことは、この問題を黙認した形となり問題が残る。この時期にソウルで開催された統一教会合同結婚式についても、日本から600人ほど男女が参加したと言われるが、既に農村部に5千人以上の日本人が韓国農村部で生活していると言われているので、邦人保護の観点からこれらの人々の人権、人道、そして尊厳が守られているかも問題であり、韓国側の善処を求めると共に、調査することが望ましい。(2023/05/09追記)


 Ⅱ、韓国の対応

韓国の康京和(カン ギョンファ)外交部長官は2017年10月30日、議会での外交関係の国政監査において、対北朝鮮防衛強化のため配備された米国の迎撃ミサイルTHAADを巡り悪化している中国との関係について、中韓首脳会談開催への期待を表明しつつ、次の3つの立場を明らかにした。
・THAADの追加配備は行わない。
・米国のミサイル防衛(MD)システムに参加しない。
・韓日米安保協力は軍事同盟に発展しない。
 これはTHAADの配備を巡り悪化している中韓関係の‘復元’、正常化を狙った発言と見られており、‘三不’政策とも言われている。
 これに対し中国外務省は、同日午後に報道官が康長官の発言に関連して、「韓国側のこうした3つの立場を重視する」とし、韓国側がこれを実際に行動に移すことを願う旨述べた。しかし中国側が、韓国外交部長官の発言を‘約束’との表現を用いたため、韓国内でも議論となっている。
 中国側は、韓国におけるTHAAD配備と共に、米韓日の軍事同盟化を強く警戒していると見られ、中国が10月の全人代で習体制を固めて以降、日本との関係を改善する姿勢になっているのはこれを阻止するためとも思われる。
 韓国が、米韓日の軍事同盟を望んでいなければそれに参加する必要はない。日本側がそのような意向を表明したこともない。もっとも軍事同盟については、一方の同盟国への北朝鮮を含む第三国からの攻撃は日本への攻撃とみなされ、参戦しなくてはならなくなるので、日本の現行憲法ではそのような軍事同盟に参加することは困難であろう。従って韓国側から言われるまでもない。
 そもそも朝鮮戦争は1953年の休戦協定により軍事対決こそ回避されているが、米韓両国と北朝鮮は現在でも敵対関係にあり、北の核、ミサイル開発は基本的に米韓への対抗措置として進められているものである。日本は、朝鮮戦争の当事国でもない。また第二次世界大戦後、北朝鮮とは平和条約を締結していないが、2002年9月に小泉首相(当時)と金正日総書記(当時)とで調印された日朝ピョンヤン宣言において、拉致家族問題の他、日朝国交正常化交渉の開始などが盛り込まれており、この宣言は自・公連立政権において破棄はされていない。
従って政策論としても、朝鮮半島有事の場合には米軍への必要な後方支援は行うことになろうが、日本及び日本国民の安全のためにも、米韓との軍事同盟に参加しないことが賢明な選択肢と言えよう。(2017.11.23. )

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石油価格高騰、なぜ特別税率を停止しないのか? (再掲)

2024-06-26 | Weblog

 石油価格高騰、なぜ特別税率を停止しないのか? (再掲)
 <はじめに>2023年5月にコロナウイルスへの対応がインフルエンザ並となり、各種の補助金事業が真直され、同年6月よりガソリン高騰を緩和するための石油元売りへの補助金が徐々に削減され、9月には廃止になる方向にある。これにより7月よりのガソリン価格が高騰し始めており、広範な影響が予想されるので、対策が急務となっている。ロシアのウクライナ侵攻への対抗措置としてロシアからの天然ガス輸入を含む経済制裁措置からエネルギー価格が高騰した2021年の状況が再燃したと言える。
 現在政府自民党が石油元売り企業への補助金とするか検討中だが、2重にも3重にもなっている石油税の暫定税率を中止することを世論は主張し始めている。補助金はかなりの部分が元売り企業の利益となり、消費者への効果に還元せず目減りしていない。事実大手石油元売り3社の2022年4~6月期の決算は、売上高と最終利益が同期比で過去最高となっている!それが企業の内部留保となり、自民党への献金等となっている。補助金は選挙ビジネス化しており、政策目標の効果を減殺している。
 このような状況から、本稿を再掲する。(2023.8.6.補足)

 石油高騰により、レギュラーガソリンが170円/リッターに迫る中、政府(経産省)は、レギュラーガソリンが170円を超えた場合、卸売業者にリッター当たり5円の補助金を出す方針を明らかにしている。
 それにより少しでもガソリンが安くなれば多くの国民、運送業者、物流業者等にとって喜ばしい。しかし補助金分だけガソリン代が下がるとは限らない上、
補助金の財源は所詮国民の税金であるので、税を徴収して配るという施し政治、金権政治をまた行うことになる。所得960万円以下を対象にして、18才以下の子供に10万円給付という施し政治についても、その目的の不明朗さを含めて批判が多い。
 ガソリンには、消費税の他、いわゆるガソリン税が課されている。その1つが「特別税率」(道路財源確保のための旧暫定税率)で、ガソリン税の約半分の25.1円となっている。旧暫定税率は1970年代の高度成長期に、自動車の普及と共に国中で道路建設が行われていた時代の名残りで、「暫定」と言いながら2011年ころまで継続していたが、東日本大地震を契機に批判が高まり、民主党政権時代に一時廃止されたものの、福田(康)自民党政権で「特別税率」と看板を変えて復活された。財源確保のためでしかない。
「特別税率」については、トリガー条項があり、ガソリン価格が3カ月連続でリッター160円を超えた場合、上乗せ分25.1円の課税を停止することが出来る。
現在正にトリガー条項を適用すべき時期ではないだろうか。ところが松野官房長官は11月16日の記者会見で、財源確保の観点から否定的意見を表明した。
コロナ禍で経済が停滞する中で、一部野菜や小麦、牛肉などが値上がりし、カソリン代の高騰で多方面に亘り困っているのに、法律で決められていることを拒否する政府というのは一体どういう政府なのだろう。
もっとも日本の経済全体を見るべき日銀総裁が、ガソリンや一部価格の上昇の影響は、余り大きくないなどとしているのも違和感を覚える。
 明年夏の参議院選挙を前にして、補助金や給付金等の施し政治、金権政治を継続する空気が自・公政権内に強いことを受けてのことであろうが、何時までこんなことを続けているのだろうか。(2021.11.18.)

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