ジャスミンのひとりごと

甘い香りにつつまれて、気のむくままに

紫草

2007-01-30 14:43:45 | 雑学
という名をご存知だろうか?
今は絶滅に瀕しているが、昔は武蔵野に咲き誇り
古今集や万葉集にも詠まれているという。

1センチほどの小さな白い花を咲かせる紫草は
根が濃い紫色で「紫根」とよばれる染色の材料になる。

これで染められた[青みがかった紫色」は
「江戸紫」と呼ばれる。
歌舞伎の「助六」で助六が頭に巻いている
伊達鉢巻の色がこれだという。

同じ紫草でも使う水によって色が異なり
京の水を使うと赤みがかった紫になり
「京紫」と呼ばれる。
東北の水だと小豆色に近い色で「南部紫」という。

紫草は染色だけではなく鎮痛剤としても使われ
華岡青洲により「紫根」を使った軟膏「紫雲膏」
が作られている。

昔の時代劇で病に臥す殿様が頭に紫色の鉢巻を
まいた姿をしていたことを覚えている方も
多いのではないでしょうか。
私も子供心に不思議に感じていた謎が
漸く解明された思いです。