経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

今週のポイント

2020-10-26 06:46:29 | 株価
◇ 株価はきれいなジグザグ型に = ダウ平均は先週271ドルの値下がり。日経平均は106円の値上がりだった。ところが日足をみると、ダウも日経平均も上げと下げを規則正しく繰り返している。グラフに描けば、きれいなジグザグ型になった。こんなことは珍しい。先々週に続いて、上にも行かれず下にも動けずの膠着状態に陥っているわけだ。

株価が上昇すると、高値警戒感が出て売られる。警戒感の裏には、アメリカの大統領選挙と世界的なコロナ禍が存在する。そこで株価が下げると、こんどは買いが入る。あり余る投資資金が、あふれ出てくるわけだ。こうしてダウ平均も日経平均も、狭いレンジのなかで規則正しい上下動を繰り返した。

大統領選挙が終わると、霧が晴れて株価は上昇するという見方が強い。ただニューヨーク市場にとっては、大統領が誰であっても議会が野党に握られるケースだけは最悪となる。また東京市場は割安感が見直され、年末に向かって強気相場が展開するという予想も出ている。しかし問題となるのは、円相場が上昇しそうなこと。大きく上がれば、年末の株高は危うくなるかもしれない。

今週は26日に、9月の貿易統計と企業向けサービス価格。29日に、9月の商業動態統計。30日に、9月の労働力調査、鉱工業生産、住宅着工戸数。アメリカでは26日に、9月の新築住宅販売。27日に、8月のFHFA住宅価格、10月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。29日に、7-9月期のGDP速報、9月の中古住宅販売。また中国が31日に、10月の製造業と非製造業のPMI。EUが30日に7-9月期のGDP速報を発表する。なお26日に臨時国会が召集され、菅首相が所信表明演説を行う。

       ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

死者が語る コロナ肺炎の危険度 (33)

2020-10-24 07:38:21 | なし
◇ ついに再ロックダウンの国が = 新型コロナ・ウイルスの世界的な流行は、少しも衰えをみせていない。日本時間23日午前0時の集計。アメリカの感染者は834万人、死亡者は22万2239人に達した。次いでブラジルの感染者は530万人、死亡者は15万5403人。インドは感染者770万人、死亡者11万1616人となっている。いずれも死亡者の増加数はやや少なくなっているが、ピークを越えたという感じはない。

ヨーロッパに押し寄せた第2波は、第1波の3倍の高さになった。49か国で、感染者数が過去最大となっている。全体の感染者は560万人、死亡者は20万人を超えた。感染者数でみると、アメリカとインドに次ぎ世界3位、死亡者でみるとアメリカに次いで2位ということになる。特に人口当たりの感染者数が異常に上昇したチェコとアイルランドが、国全体のロックダウン(封鎖)に踏み切った。

その他の地域をみると、イラン・ロシア・南アフリカ・インドネシアの4か国でコロナが拡大している。死亡者数は、イランが3万人、ロシアが2万5000人、南アフリカが1万8000人、インドネシアが1万3000人を超えた。特にロシアと南アフリカの死亡者数が、急激に増加している。さらにWHO(世界保健機関)が指摘しているように、感染者や死亡者の数が報告されていない新興国も多い。

日本の感染者は9万5746人、前週より3721人増えた。死亡者は1711人で、48人の増加だった。規制を次々と解除している割には、落ち着いているとも言える。重症者や死亡者が少ないのは、検査の充実で早期に発見できるようになったこと、医療技術が進歩したためと考えられている。だが安心は禁物だ。

       ≪23日の日経平均 = 上げ +42.32円≫

       【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】     

100倍に薄めよう : 汚染水の海洋放出 (下)

2020-10-23 07:21:59 | 原発
◇ 徹底的な安全対策を = 原発敷地内の海岸沿いに、巨大なプールを建設する。ここへ処理水を移し、海水を注入。トリチウムを国際的に安全とされる濃度の40倍にまで薄める。よく撹拌したあと、ホースで海中に流す。――政府が考えている処理水の海洋放出は、こんな方式になるようだ。世界中の原発が海に放出している処理水の40倍も安全。だから風評被害も起こりにくいというわけだ。

でも念には念を入れたら、どうだろう。思い切って100倍に薄める。海水を使うだけだから、コストはほとんど変わらない。さらにプールではなく岸壁を造って、小型のタンカーを横付けする。そこで処理水の100倍希釈も行えばいい。タンカーは黒潮の先まで航行して、処理水を放出する。こうすれば、風評被害は激減するだろう。

将来のことも考えておきたい。巨大なプールを造っても、役割が終われば再利用する可能性はない。一方、岸壁ならば、今後も資材の搬入や廃材の搬出に役立てることが出来る。またタンカーの数を増やせば、処理水の処分スピードを上げることは容易だ。100倍に薄めた処理水ならば、外洋で投棄しても国際的に非難されることはないだろう。

もう1つ、漁業関係者の反対について、政府は補償を考えているとも伝えられる。これまでも原発関係では、政府や電力会社が使ってきた“奥の手”だ。しかし今後は原発の廃炉などに伴い、数々の放射性廃棄物を処理しなければならない。ここでは悪しき前例を作らないように努力すべきだろう。もちろん実際に風評被害が起こったら、補償は必要だ。事前にカネで解決しようとするのは、止めようという意味である。
      
       ≪22日の日経平均 = 下げ -165.19円≫

       ≪23日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

100倍に薄めよう : 汚染水の海洋放出 (上)

2020-10-22 07:41:19 | 原発
◇ 政府がようやく決断へ = 福島第1原発の敷地内に林立するタンク。なかには放射性物質を含んだ処理水が貯蔵されている。処理水というのは、原発事故で冷却に使われた水や、炉心溶融が起きた建屋に地下水や雨水が流入して発生した放射性物質を含んだ汚染水を、一応は浄化した水。この水をどう処分するか。長いこと議論を続けてきたが、政府はやっと近く関係閣僚会議を開いて、海へ放出することを決める。

林立するタンクの数は約1000基。貯蔵されている処理水は約120万トンで、1日に約180トン増加している。この調子で増え続けると、2年後にはタンクを増設する敷地がなくなる見込みだ。その処分方法については専門家会議が、蒸発させる案と海に放出する案を提示。政府は最終的に海洋放出案を採用することになった。

実は汚染水を浄化装置にかけても、トリチウムという放射性物質だけは取り除けない。三重水素と呼ばれるこの物質は水の分子と結合しやすく、分離が難しいからだ。ただトリチウムは自然界にも存在しており、微量なら人体への悪影響はない。現に日本をはじめ世界各国が、原発から出るトリチウムを含んだ浄化処理水を海に放出している。

ところが福島県の場合は、原発事故による風評被害が収まりつつあるところ。ここでトリチウムを含む処理水を海中に流せば、また風評被害が起こりかねない。この心配があるため、漁業関係者は強く反対している。政府はどのようにして風評被害の再燃を抑え、漁業者を説得しようとしているのか。

                               (続きは明日)

       ≪21日の日経平均 = 上げ +72.42円≫

       ≪22日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

次期5か年の成長目標は? / 中国

2020-10-21 07:53:56 | 中国
◇ 順調な回復を続けているが・・・ = 新型コロナ・ウイルスの再拡大に悩む欧米諸国を尻目に、中国経済は順調な回復を続けている。国家統計局が19日発表した7-9月期の実質成長率は、前年比で4.9%だった。1-3月期のマイナス6.8%、4-6月期のプラス3.2%から着実に回復しているとみていい。成長率を押し上げた原動力は、政府が主導した国有企業によるインフラ投資と輸出だった。

鉄道・道路・工場・ビルなどを一括した固定資産投資額は、1-9月で前年比0.8%増とプラスに転じた。民間の不動産投資額も5.6%増に伸びている。輸出は7-9月で7126億ドル、四半期としては過去最大となった。小売り売上高は1-9月で前年比7.2%の減少。まだ回復は鈍いが、1-6月の11.8%減よりは改善した。消費の戻りが鈍いのは、雇用の回復が進まないためとみられている。

こうした状況下で、中国共産党は26日から中央委員会第5回全体会議を開く。ここでは20-25年の次期5か年計画が討議される予定。現在の16-20年計画では、年平均GDP成長率を6.5%以上とする目標が決められている。このまま進行すると、20年の成長率は2%前後になる見込み。共産党としては、次期5か年の目標を平均5%以上に設定したいところだろう。

だが米中の経済関係は、悪化の一途を辿っている。最大の輸出先であるEUも、コロナに苦しんでいる。輸出が不安定なら、国内需要に頼らざるをえない。ところが雇用の改善が進まないと、消費は伸びない。雇用をどうやって増大させるか。全体会議での大きなテーマになるだろう。その結果、平均5%以上の成長目標が承認されるかどうか。世界が注目している。

       ≪20日の日経平均 = 下げ -104.09円≫

       ≪21日の日経平均は? 予想 = 上げ≫

Zenback

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