◇ 原油安なので、しない公算 = 円の対ドル相場が先週末、145円にまで下落。関係者の緊張が一気に高まった。というのも昨年9月に政府は24年ぶりの介入に踏み切ったが、そのときの円相場が145円だったからである。またもや円の買い介入をするのか、しないのか。鈴木財務相は「行き過ぎた動きがあれば適切に対応する」と、まずはやんわり口先介入した。
ことし初めの円相場は130円前後。その後はじわじわと下がって、6月中旬には140円にまで低落した。そこから2週間で5円も急落したのは、アメリカの長期金利が3.8%に上昇、日米間の金利差が一段と開いたことによる。1-3月期のGDP確定値が大幅に上方修正されるなど、FRBによる金融引き締めが長引くと考えられたためだ。
ただし昨年秋と現在では、いくつかの大きな相違点もある。まずFRBの金融引き締め政策が終局に近付いていること。またコロナ規制の解除で非製造業に活気が戻ったこと。さらに株価が当時は2万7000円だったが、いまは3万3000円に上昇していること。そのうえ原油の国際価格が1バレル=70ドルを割り込む水準にまで下がっていること。これが非常に大きい。
円安がもたらす最大のデメリットは、原油や食料などの輸入価格を押し上げてしまうことである。だが原油価格の下落は、このデメリットをかなり相殺してくれる。したがって、政府はまだ行動は起こさない。1ドル=150円まで下がれば介入するだろうが、それまでは様子見だろう。アメリカ財務省と協議しているという報道も流れたが、これも一種の口先介入だろう。
≪4日の日経平均 = 下げ -330.81円≫
≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
ことし初めの円相場は130円前後。その後はじわじわと下がって、6月中旬には140円にまで低落した。そこから2週間で5円も急落したのは、アメリカの長期金利が3.8%に上昇、日米間の金利差が一段と開いたことによる。1-3月期のGDP確定値が大幅に上方修正されるなど、FRBによる金融引き締めが長引くと考えられたためだ。
ただし昨年秋と現在では、いくつかの大きな相違点もある。まずFRBの金融引き締め政策が終局に近付いていること。またコロナ規制の解除で非製造業に活気が戻ったこと。さらに株価が当時は2万7000円だったが、いまは3万3000円に上昇していること。そのうえ原油の国際価格が1バレル=70ドルを割り込む水準にまで下がっていること。これが非常に大きい。
円安がもたらす最大のデメリットは、原油や食料などの輸入価格を押し上げてしまうことである。だが原油価格の下落は、このデメリットをかなり相殺してくれる。したがって、政府はまだ行動は起こさない。1ドル=150円まで下がれば介入するだろうが、それまでは様子見だろう。アメリカ財務省と協議しているという報道も流れたが、これも一種の口先介入だろう。
≪4日の日経平均 = 下げ -330.81円≫
≪5日の日経平均は? 予想 = 下げ≫