貫之集 747
河原の大臣亡せたまひてのちに、いたりて、塩釜といひしところのさまの荒れにたるを見てよめるきみまさで けぶりたえにし しほがまの うらさびしくも みえわたるかな君まさで 煙絶えにし 塩釜の...
貫之集 746
主亡せたる家に桜花を見てよめるいろもかも むかしのこさに にほへども うゑけむひとの かげぞこひしき色も香も むかしの濃さに にほへども 植ゑけむ人の 影ぞ恋しき...
貫之集 745
山寺に行く道にてよめるあさつゆの おくてのやまだ かりそめに うきよのなかを おもひぬるかな朝露の おくての山田 かりそめに 憂き世の中を 思ひぬるかな...
貫之集 744
紀友則亡せたるときによめるあすしらぬ いのちなれども くれぬまの けふはひとこそ あはれなりけれ明日知らぬ 命なれども 暮れぬまの 今日は人こそ あはれなりけれ...
貫之集 743
あひ知れる人の亡せたるによめるゆめとこそ いふべかりけれ よのなかは うつつあるものと おもひけるかな夢とこそ いふべかりけれ 世の中は うつつあるものと 思ひけるかな...
貫之集 742
人の国へ下るに、旅にてよめるいとによる ものならなくに わかれぢの こころぼそくも おもほゆるかな糸による ものならなくに 別れ路の 心細くも 思ほゆるかな...
貫之集 736
ひとはいさ われはむかしの わすれねば ものへとききて あはれどそおもふ人はいさ われはむかしの 忘れねば ものへと聞きて あはれとぞ思ふ...
貫之集 717
きみがゆく ところときけば つきみつつ をばすてやまぞ こひしかるべき君が行く ところと聞けば 月見つつ 姥捨山ぞ 恋しかるべき...

花粉の和歌と、黄砂の和歌
「 世の中にたえて花粉のなかりせば 春の心はのどけからまし」 (花粉がすごいです🐻)※今...
貫之集 705
藤原惟岳が武蔵になりて下るに、逢坂の関越ゆとてかつこえて わかれもゆくか あふさかは ...
貫之集 703
音羽の山のほとりにて人に別るとておとはやま こたかくなきて ほととぎす きみがわかれを をしむべらなり音羽山 木高く鳴きて 時鳥 君が別れを 惜しむべらなり...