さて、広島からフェリーではるばる2時間半、
たどり着いたのはこちら松山観光港。
観光港と名乗るだけあって見渡してもビジネス客らしき人の姿はゼロ、
オール観光客だらけの観光港……かと思ったら、
地元の高校生らしき男子たちのグループもいたりして、
手にしたスポーツバッグには「加計高校」とあって、
きっと日頃から肩身の狭い思いをしてるんやろなあ……と思ったけど、
念のために後で調べてみたら加計高校というのは広島県立の公立高校で、
問題の加計学園は創始者が加計さんなので加計学園なんやそうな。
でもその加計さんは広島の加計出身なんやそうで、
出身地名を名字につけてるんやろか?
その辺はようわからんけどとにかく、
加計高校の生徒さんには、誤解して白い目で見てたことをこの場を借りてお詫びいたします。
そんなわけでこの高校生たちも広島から愛媛に観光に来てたんだろうということで、
その名の通り観光客のみが利用していることが判明したこの松山観光港、
ターミナルビルもまだ新しい感じで、なかをあちこち散策してみたいところやけど、
表を見るとちょうどバスが来てたので、上の写真だけそそくさと撮って乗車。
ここから松山市中心部へはリムジンバスで行けるんですけど、
僕の乗ったのは路線バス、
乗車時間2分余り、あっという間に終点の高浜駅着。
これやったら歩いても来れたがなってなもんやけど、
まあ初めての土地なので……そう、
実は愛媛県を訪れるのは今回が初めてで、
これまで四国というと香川県しか来たことがなかったけどこれで2県め、
四国の半分を制覇したことになるわけでして、
のどかな駅からどこか懐かしい感じの電車に乗って、
海沿いを少し走ったかと思ったら間もなくビルの建ち並ぶ市街地に入り、
終点の松山市駅へ。
そこから暑いなかを少し歩いて、
やって来たのはこちら愛媛県美術館。
現在ここで開催中の企画展「坊っちゃん展」を見るのが今回の旅の目的でして、
さっそく入館、まず最初は梅佳代ちゃんの写真群、
現代のガキども……いや、坊っちゃんたちが道後温泉で戯れてる様を活写していて、
まあ彼女らしい趣きではあるけど正直、
「坊っちゃん」には太刀打ちできなかったような印象も無きにしも非ずでしょうか。
続いては浅田政志の写真群、
こちらは「坊っちゃん」のストーリーをイメージ映像的に再現したもの、
プラス様々な資料群で、例えば「ターナー島」なら、
その島の写真とターナーの描いたのとを共に展示してあったりして、
面白いけどしかしこのターナー島、
フェリーで松山観光港に着く手前辺りで似たような島を見かけたけど、
でもモデルの四十島はもっと南のほうにあるはずやしなあと、ぼーっと眺めてただけやったけど、
しかしその四十島は高浜駅からの沿線から近いところにあって、
ということは電車から見えてたんやろか?
こちらも、ああ海やなあとぼーっと眺めてただけやったんで、
いまとなってはその辺は不明なんですけども、
そんなこんなでお次は「坊っちゃん」の主人公坊っちゃんを演じた俳優たち、
本の挿絵、さらには漫画化された際に描かれた坊っちゃんたち、
それらを年代順にずらずらずらーっと並べたコーナーで、
これが顔の部分だけ切り取った形で天井近くまで並べてあるから圧巻でして、
僕の好みで言うとやはり池辺良が坊っちゃんらしくていいかなあ。
あと、モンキー・パンチが漫画化したものもあって、
これは後のコーナーで単行本も展示されてたけど、
ちらっと見た感じ、結構イメージに似合ってるみたいで、
読んでみたいなあって思いました……と、
ここまでの展示は言わば前菜のようなもの、
この後に壮大なるメインディッシュが待ち受けていようとは、この段階では思いもしなかったわけでして、
それは何かというと「坊っちゃん」出版の歴史、
最初の単行本から現在の各社のものまで、恐らくすべての書籍版「坊っちゃん」を収集したものなのでしょう、
その本の実物と、さらにはページを拡大したパネルが展示してあって、
そしてすさまじいことにそれらに赤ペンチェックが施されていて、
最初の版から見逃され続けていた誤植が改められるまでの経緯、
版組、字体、仮名遣いなどの変遷などなどが事細かに記されていて、
もうその作業の緻密さにとにかく頭が下がりますわ。
とくに鍵括弧がつけられるセリフの部分、
これが何文字か下げて始まるかどうかやら、
子供向けは文末にも「。」がつけられるやら、
さらには行頭に”」”が来てしまう杜撰さへのツッコミやら、
とにかくそのあまりの細かさに笑いを禁じ得なくって、
それでいてやっぱり頭が下がる、本当に大した仕事ですわ。
この部分だけどこかで常設展示してもらいたいもんですわ、ホンマにもう。
しかし残念やったのはその大いなる愛情に裏付けられた赤ペンチェックが途中で途絶えてしまってるんですよねえ。
これはぜひ最新のものまで続けてほしかったけど、間に合わなかったんかなあ。
それと気になったのはその展示されてる書籍の実物、
これは透明のセルロイドっぽいケースに入れられてて、
「手を触れないでください」みたいな注意書きがあったんですけど、
このとき、何やら女子高生っぽいグループが来館していて、
手分けしてあちこちからその触れてはいけないはずの書籍の実物を取り出しては、
ソファーのところに持って行って何やら調べて、ノートPCに入力するという作業を続けてたけど、
これってもちろん許可を取ってやってるんやろけど、やはり気になるもんで、
こういうのはできたら休館日に彼女らだけを入れてやらして欲しかったですけどねえ。
って、ちょっとうるさすぎるでしょうか。
でもって、まさに圧巻のそのコーナーの後はデザート、
数々の「坊っちゃん」映画のポスターや、先に触れたモンキー・パンチ版も含めた漫画などなどの展示で、
やっぱり池辺良はええなあって惚れ惚れさせられたり、
それから「坊っちゃん」以外のいろいろな漱石にまつわる展示、
正岡子規との交流を示す手紙などなど、
さらには愛媛県やったか松山市やったか、ちょっと忘れてしまったけど、
そのどちらかに寄贈されたという漱石千円札の「A0000003A」番のものとか、
まあとにかくいろんなのが楽しめましたけど、
脳裏に強く刻まれるのは赤ペンチェックなのでした、はい。
でもって、そんな企画展の会場を後にして、
それのチケットで入場できる収蔵品展の会場へ。
こういうのっていつもオマケみたいなもんで、
まあここもそんな感じやなあと思いながら眺めてると、
やがて現れたコーナーは題して「星新一×真鍋博=本、ふたりの仕事」。
なんでも真鍋博が愛媛県出身ということで、彼の作品を多数収蔵してるそうで、
そのなかから星新一作品につけられたイラストの原画と、印刷された書籍とがずらーっと展示されてまして、
最近は和田誠のイラストのイメージが強いけど、そういえば昔は真鍋博でしたよねえ。
あの幾何学的な印象と、しかしどこかほのかな温かみとを併せ持った独特のタッチ、
それらをたっぷり鑑賞出来て、ここはなかなかのもんでした。
そうやってたっぷり堪能した愛媛県美術館、
外に出ると向かいにはNHK松山放送局。
だいたいNHKの女性アナウンサーってとくに誰のファンってことはないけど、
転勤したりして全く見られなくなるとそれはそれで寂しかったりすることがちょこちょこあって、
でも首藤さん、松山で大活躍のご様子で安心いたしました。
そうそう、首藤さんでは一度「ブラタモリ」のスペシャル版のアシスタントを務めてたのがよかったですけど、
ここはその「ブラタモリ」でも紹介されてた、
日本で唯一、鉄道の線路が直交するところ……と言っても、
この写真じゃわかりにくいですねえ。
でもとにかく暑かったので、うまく撮ろうという意欲が減退してしまってたんですわ、この頃。
ちなみにこの場所は滞在中、合計3回通ったけど、
いつも誰か必ずカメラ構えてる人がいましたわ。
ホンマ暑いなかご苦労なこって、ってまあ僕もそのひとりやったんですけどね。
というわけで猛暑の旅はまだまだ続く。
たどり着いたのはこちら松山観光港。
観光港と名乗るだけあって見渡してもビジネス客らしき人の姿はゼロ、
オール観光客だらけの観光港……かと思ったら、
地元の高校生らしき男子たちのグループもいたりして、
手にしたスポーツバッグには「加計高校」とあって、
きっと日頃から肩身の狭い思いをしてるんやろなあ……と思ったけど、
念のために後で調べてみたら加計高校というのは広島県立の公立高校で、
問題の加計学園は創始者が加計さんなので加計学園なんやそうな。
でもその加計さんは広島の加計出身なんやそうで、
出身地名を名字につけてるんやろか?
その辺はようわからんけどとにかく、
加計高校の生徒さんには、誤解して白い目で見てたことをこの場を借りてお詫びいたします。
そんなわけでこの高校生たちも広島から愛媛に観光に来てたんだろうということで、
その名の通り観光客のみが利用していることが判明したこの松山観光港、
ターミナルビルもまだ新しい感じで、なかをあちこち散策してみたいところやけど、
表を見るとちょうどバスが来てたので、上の写真だけそそくさと撮って乗車。
ここから松山市中心部へはリムジンバスで行けるんですけど、
僕の乗ったのは路線バス、
乗車時間2分余り、あっという間に終点の高浜駅着。
これやったら歩いても来れたがなってなもんやけど、
まあ初めての土地なので……そう、
実は愛媛県を訪れるのは今回が初めてで、
これまで四国というと香川県しか来たことがなかったけどこれで2県め、
四国の半分を制覇したことになるわけでして、
のどかな駅からどこか懐かしい感じの電車に乗って、
海沿いを少し走ったかと思ったら間もなくビルの建ち並ぶ市街地に入り、
終点の松山市駅へ。
そこから暑いなかを少し歩いて、
やって来たのはこちら愛媛県美術館。
現在ここで開催中の企画展「坊っちゃん展」を見るのが今回の旅の目的でして、
さっそく入館、まず最初は梅佳代ちゃんの写真群、
現代のガキども……いや、坊っちゃんたちが道後温泉で戯れてる様を活写していて、
まあ彼女らしい趣きではあるけど正直、
「坊っちゃん」には太刀打ちできなかったような印象も無きにしも非ずでしょうか。
続いては浅田政志の写真群、
こちらは「坊っちゃん」のストーリーをイメージ映像的に再現したもの、
プラス様々な資料群で、例えば「ターナー島」なら、
その島の写真とターナーの描いたのとを共に展示してあったりして、
面白いけどしかしこのターナー島、
フェリーで松山観光港に着く手前辺りで似たような島を見かけたけど、
でもモデルの四十島はもっと南のほうにあるはずやしなあと、ぼーっと眺めてただけやったけど、
しかしその四十島は高浜駅からの沿線から近いところにあって、
ということは電車から見えてたんやろか?
こちらも、ああ海やなあとぼーっと眺めてただけやったんで、
いまとなってはその辺は不明なんですけども、
そんなこんなでお次は「坊っちゃん」の主人公坊っちゃんを演じた俳優たち、
本の挿絵、さらには漫画化された際に描かれた坊っちゃんたち、
それらを年代順にずらずらずらーっと並べたコーナーで、
これが顔の部分だけ切り取った形で天井近くまで並べてあるから圧巻でして、
僕の好みで言うとやはり池辺良が坊っちゃんらしくていいかなあ。
あと、モンキー・パンチが漫画化したものもあって、
これは後のコーナーで単行本も展示されてたけど、
ちらっと見た感じ、結構イメージに似合ってるみたいで、
読んでみたいなあって思いました……と、
ここまでの展示は言わば前菜のようなもの、
この後に壮大なるメインディッシュが待ち受けていようとは、この段階では思いもしなかったわけでして、
それは何かというと「坊っちゃん」出版の歴史、
最初の単行本から現在の各社のものまで、恐らくすべての書籍版「坊っちゃん」を収集したものなのでしょう、
その本の実物と、さらにはページを拡大したパネルが展示してあって、
そしてすさまじいことにそれらに赤ペンチェックが施されていて、
最初の版から見逃され続けていた誤植が改められるまでの経緯、
版組、字体、仮名遣いなどの変遷などなどが事細かに記されていて、
もうその作業の緻密さにとにかく頭が下がりますわ。
とくに鍵括弧がつけられるセリフの部分、
これが何文字か下げて始まるかどうかやら、
子供向けは文末にも「。」がつけられるやら、
さらには行頭に”」”が来てしまう杜撰さへのツッコミやら、
とにかくそのあまりの細かさに笑いを禁じ得なくって、
それでいてやっぱり頭が下がる、本当に大した仕事ですわ。
この部分だけどこかで常設展示してもらいたいもんですわ、ホンマにもう。
しかし残念やったのはその大いなる愛情に裏付けられた赤ペンチェックが途中で途絶えてしまってるんですよねえ。
これはぜひ最新のものまで続けてほしかったけど、間に合わなかったんかなあ。
それと気になったのはその展示されてる書籍の実物、
これは透明のセルロイドっぽいケースに入れられてて、
「手を触れないでください」みたいな注意書きがあったんですけど、
このとき、何やら女子高生っぽいグループが来館していて、
手分けしてあちこちからその触れてはいけないはずの書籍の実物を取り出しては、
ソファーのところに持って行って何やら調べて、ノートPCに入力するという作業を続けてたけど、
これってもちろん許可を取ってやってるんやろけど、やはり気になるもんで、
こういうのはできたら休館日に彼女らだけを入れてやらして欲しかったですけどねえ。
って、ちょっとうるさすぎるでしょうか。
でもって、まさに圧巻のそのコーナーの後はデザート、
数々の「坊っちゃん」映画のポスターや、先に触れたモンキー・パンチ版も含めた漫画などなどの展示で、
やっぱり池辺良はええなあって惚れ惚れさせられたり、
それから「坊っちゃん」以外のいろいろな漱石にまつわる展示、
正岡子規との交流を示す手紙などなど、
さらには愛媛県やったか松山市やったか、ちょっと忘れてしまったけど、
そのどちらかに寄贈されたという漱石千円札の「A0000003A」番のものとか、
まあとにかくいろんなのが楽しめましたけど、
脳裏に強く刻まれるのは赤ペンチェックなのでした、はい。
でもって、そんな企画展の会場を後にして、
それのチケットで入場できる収蔵品展の会場へ。
こういうのっていつもオマケみたいなもんで、
まあここもそんな感じやなあと思いながら眺めてると、
やがて現れたコーナーは題して「星新一×真鍋博=本、ふたりの仕事」。
なんでも真鍋博が愛媛県出身ということで、彼の作品を多数収蔵してるそうで、
そのなかから星新一作品につけられたイラストの原画と、印刷された書籍とがずらーっと展示されてまして、
最近は和田誠のイラストのイメージが強いけど、そういえば昔は真鍋博でしたよねえ。
あの幾何学的な印象と、しかしどこかほのかな温かみとを併せ持った独特のタッチ、
それらをたっぷり鑑賞出来て、ここはなかなかのもんでした。
そうやってたっぷり堪能した愛媛県美術館、
外に出ると向かいにはNHK松山放送局。
だいたいNHKの女性アナウンサーってとくに誰のファンってことはないけど、
転勤したりして全く見られなくなるとそれはそれで寂しかったりすることがちょこちょこあって、
でも首藤さん、松山で大活躍のご様子で安心いたしました。
そうそう、首藤さんでは一度「ブラタモリ」のスペシャル版のアシスタントを務めてたのがよかったですけど、
ここはその「ブラタモリ」でも紹介されてた、
日本で唯一、鉄道の線路が直交するところ……と言っても、
この写真じゃわかりにくいですねえ。
でもとにかく暑かったので、うまく撮ろうという意欲が減退してしまってたんですわ、この頃。
ちなみにこの場所は滞在中、合計3回通ったけど、
いつも誰か必ずカメラ構えてる人がいましたわ。
ホンマ暑いなかご苦労なこって、ってまあ僕もそのひとりやったんですけどね。
というわけで猛暑の旅はまだまだ続く。