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野良暮らし ねこ暮らし

田舎暮らしを夢見て、こつこつとお金を貯めています。

仁田元沢派生尾根から塔の峰へ

2014-05-27 21:44:26 | 山歩き・山の写真
中倉山登り口を見送り、仁田元沢を渡ってひとつ目の橋を渡りきったところから、南西へ弧を描くように派生する尾根がある。
等高線の美しく並んだその尾根を今回は登ってみることにした。
地図を見れば顕著な尾根の形が見て取れる。しかしここは足尾、このように等高線が並んだ尾根には必ず岩稜があるはずだ。
がしかし、等高線を追う限り登れなくもなさそうだ。 それに以前、どなたかのHP記事に仁田元沢から派生する尾根で塔の峰へ行かれたことが書かれていた。
もしかしたらこの尾根のことだろうか?たしかスリットダムがどうのこうのと・・・
登れないはずがない。

というわけで、無料駐車場を6時10分ころに出発。
家を出るときにはどんより曇り空だったが、ここ足尾は快晴だ。 清々しく気持ちが良い。
左奥に見えるのがこの日歩く予定の尾根、塔の峰から東へ派生している尾根だ。




中倉山への登り口を見送り、先へと進むと間もなく仁田元沢を渡る橋へさしかかる。
真正面に見える岩尾根が目指す尾根だろうか? なんだかやばそうだ。その右側の尾根も・・・  やばそうだな。


ヘアピンを越して最初の橋を渡る。この沢が向山(こういう名前の山だったんだぁ)方面へ続く尾根と塔の峰方面へと続く尾根とを分けている。
目指す尾根は林道によって切り開かれ、コンクリ吹き付けの法面になっている。法面の端っこ、橋のたもとから登れそうだが、その先まで偵察に行ってみる。
あれ? スリットダムはあるにはあるが、ずっと先の方だ。記事はこの尾根のことではなかったのかな? ま~いい。
出来れば尾根末端でなくても、簡単に尾根に登れそうな斜面がよい。 先に見える岩崩れのところまで行ってみた。
ここから登れないかしばし思案していると、落石の音が上のほうから聞こえてきた。
大きくは無いが、このガレ沢の上部からかなりの数の石ころが勢いよく落ちてきた。
急いでその場を去り、落石の直撃は免れた。と斜面を見上げればこれまた枯れ沢になっている。
尾根の末端からは50m以上上流側へ離れているが、ここなら登れそうだ。途中の斜面を左へ登ればどこかで目的の尾根へ出られるはず・・・   だ。


で、登りだしたのがこんな感じの枯れ沢。これならば楽に尾根に出られるかもしれない・・・   
今回は地図無し、尾根取り付きの場所しか頭に入っていない。
もちろんこの沢の上部がどんな地形になっているかなんて、まったく分からない。
前日、地図を見ていた限りでは、上部に岩などの記号は無いし問題はないだろう。
ただ、林道から見た目指す尾根は明らかに岩稜のところが見えた。  
多少不安はあったが、末端の法面のところまで戻ることはせず、このまま沢を詰めてみることにした。


しばらく行くと二股となった。右へ行けば主尾根(舟石峠と塔の峰とをつなぐ尾根)のかなり上まで登ることが出来るだろう。
だが、それでは目的を果たすことにはならない。あくまでも当初の予定通りの尾根へ出たいのだ。
ゆえに左へ進むことにした。が、程なくして水の滴る、苔むした岩壁に行き当たってしまった。
登ろうと試みたが滑って登れない。 ならばここから右岸尾根へ出てみることにすする。
右岸側は乾いた垂壁になっているが、基部ならトラバースできそうだ。岩壁の向こう側へ回りこんでみれば、目指す尾根は近いかもしれない・・・

甘かった。 回りこんだ先もやはり岩壁になっている。
仕方ない、二股まで戻って右側を詰めることにするか・・・
だが、目の前の岩壁も潅木も生えているし、垂直の壁ではない。  行けそうだ・・・  だが行き詰ってしまったらヤバイ、どうするおれ。
とりあえず登っちまえ~ どうにかなるべ~
で、登り始めて最初の棚に着いたが、やはり今週も足がすくんでしまった。 カメラはぶら下げたまま、邪魔だがそのまま登って行くことにする。


右手側は先ほどの沢側へ切れているし、左手側は岩壁になっていてとてもトラバースして目指す尾根側へエスケープなど出来ない。
上部がどうなっているのは見当も付かないが、このまま上を目指すしかない。レンズフードは岩にぶつかり、がちがちになってしまている。
上に行くにつれ、潅木も心細くなってくる。細く貧弱なツツジ類の枝が頼りとなるが、過信は禁物。
ここでも下を見ないようにする。完全にロッククライミングになっている。
傾斜のゆるくなったところでは記念撮影もする。確保はされていないので、気をつけてファインダーに目を当てる。
一瞬でも平衡感覚を失ってでもしたなら命取りになってしまう。

右前方に奥壁が見えてきた。 沢をそのまま詰めたとしても、行き着いた先はあの奥壁だったわけだ。
さて、この位置からもうひと登り、見上げるフェースはホールドもスタンスも十分に取れそうだ。


すくむ足でどんどんと高度を上げてゆく。 おっかね~ 心の中で叫びっぱなしだぁ~
と、ひょいと出たのが、真ん中辺の尖った岩の辺り。


林道脇から登りだしてここまで30分ちょい、やっと先が見えてきた。
目指すはあの奥壁の上、さらに右上の岩峰のてっぺんだ。
左側のピークまでこのまま稜線に沿って登ればよい。


すぐ左手、向山が間近に見える。


目の前の岩峰を左へ回り込めば、たぶん樹林の中に巻道も取れそうだが、このまま稜線伝いに登ろう。
これが最後の岩登りであってほしい。



岩峰の取り付きで後ろを振り返り記念撮影。 なかなか美しいところだ。中倉の一本ぶなも良く見えている。


はいつくばって登りきったところでも記念撮影を、ここにケルンは無し。よしよし今回はオリジナルのケルンを作ってみたのだ~ ほれっ


立ち上がってみるが、やはり足がすくむ。 もう危険個所は無いはず、ここからは写真を撮りながらのんびりと登ることにする。
が気を抜くことはできない、右側はさっきの奥壁側にスパッと切れ落ちているのだ。


登った岩場はこんなところ。奥壁はピンクの線の向こう側。岩壁基部からてっぺんまで標高差で50mくらい、いやもうちょっとあるかな?
二股を右へ進めば、中央の岩峰のずっと右へ出られたのにね。



岩稜は奥壁の真上を歩くようになる。


よじ登ってきた岩稜(岩壁)を振り返り見る。 こっちから見ると緩やかに見える が・・・


樹林の中には、なんとなく踏み跡のようなものもある。


沢を離れてから、ず~っと展望が良い。


やはりケルンがある。登っている方はやはりいらっしゃるのだ。もしかして彼のRR氏作によるものかな?
失礼ながら、上に4つばかり参加させてもらった。



気持ちの良い岩稜はまだまだ続く。 向山とほぼ同じ高さになった。


樹林の中には踏み跡らしきものも認められるが、せっかくだ岩稜を歩いて行く。
風はどこまでも爽やか、最高に気持ちがいい!


よじ登った岩稜がず~っと下になった。


気持ちの良い岩稜ももうすぐ終わり。



最後の岩稜で改めて記念撮影。新緑も青空も何もかもが美しい。 
遠くの景色もここで見納め、ここから樹林の中を登るようになる。


ここまで、オレンジ色のヤマツツジがたくさん咲いていた。
樹林の中に入って、トウゴクミツバツツジそれとシロヤシオを見かけるようになる。
やがて向山からの主尾根に合流する。 
この辺りはツツジ山公園になっている。標高でいえば1300から1400m辺りになるだろうか。

シロヤシオとトウゴクミツバツツジ


この辺りから全く前へ進めなくなる。1時間以上もあっちこっちふらふらと、シロヤシオを撮影しながら歩く。

1490m付近だろうか、 踏み跡もしっかりついているし、小さいケルンも積まれている。


塔の峰がようやく見えてきた。 ・・・遠い  たどり着けるだろうか
1500mを越した辺りからそれまでのツツジに代わってアカヤシオが見られるようになる。
もう終わってしまったと思っていたアカヤシオ、この先が期待できそうだ。

やがて日ヶ窪峠からの尾根に合流する。
4月に歩いた尾根だ。今はその時とはちがい雪はすかっりなくなり、丈の低いササ尾根になっている。


もうひと登り


塔の峰山頂到着だ。10時25分  ずいぶんと寄り道っしてしまった。


山名板も新しくなっている。作者のセンスの良さが現れた秀作、この山への思い入れがうかがえる。
ただし巻きつけてある針金が少しきつい、2、3年後には世の奥様方のお腹のように・・・  てしまうかもしれない。
それに引き替え、この先お目にかかることになるオロ山と沢入山の真新しい山名板は・・・・  自己主張が強すぎる。言葉を変えれば「下品」だ。

ちょいと言い過ぎたかな。まさか同じ方の作じゃ~ないよね。


それから 塔ノ峰ではなく塔の峰なんだ~   記事を訂正しておかねば・・・
それから 同じルートを登っちゃだめ、危険すぎますよ。
どうしても登りたい方はロッククライミングの装備を使って登ってね。

Nikon D700  AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR

つづく