
元々はすぐ下の妹から「上智大名誉教授のアルフォンス・デーケン先生の講演が良いんだって。」と聞いて。
妹の知人がデーケン先生のお話を聞いて感銘を受け、妹に上京する機会があれば聞いてみてはと勧めたそう。
それで検索したら、NHK文化センターで東日本大震災被災者への寄付を兼ねた講演をするとあって。
申し込む前にたまたま母と話す機会があり、講演会へ行く話しをしたら両親も行きたいと言い3人で行ってきました。
デーケン先生はドイツ人でカトリック司祭で哲学者。来日されて50年以上なので流暢な日本語。
ユーモアのある話を沢山され、10分に1回は笑いを取ってました。
先生はナチスが台頭していた時代に幼少期を過ごされ、反ナチ運動をしていた家庭で育ったのに祖父が連合軍に射殺されたという経歴。
これまで世界各国のホスピスを訪問され、今も医療従事を志す生徒さん達と海外のホスピスへ行かれているそう。
講演で心に残った事の覚書き。
ヨーロッパでは Art of dying 自分なりの死を考えるという思想が発達している。
日本語では人が死んでも動物が死んでも同じ「死」という漢字で現す。
しかしドイツ語では違う。
人の死は sterben 動物の死は verenden
それは人と動物の死は違うから。
動物は死に向かってそのまま進むだけである。自分の死をコントロールしない。
人は死が迫っていてもそこから他人の為にと精神的活動を発展させる事ができる。
人は自分の死に方を選択しコントロールできる。
世界のホスピスでは生命や生活の質を高める療法が積極的に行われている。
音楽療法、読書療法、芸術療法など。
若い頃に好きだった音楽を聞いて、過去の幸福体験を再体験する。
死には4つの側面がある。
1)心理的な死 2)社会的な死 3)文化的な死 4)肉体的な死
社会的な死について先生が挙げられた具体例。
親がホスピスに入ると最初は毎週子どもは会いに来るが段々と来る回数が減る。
全く来ない状態になりスタッフが子ども達に電話をかけて会いに来て下さいと頼むが
一番多い返事は「仕事が忙しいので行けません。」。
子ども達が親を見捨てた段階で親は社会的に死ぬ。
先生は「親は一生懸命子どもを育てたのです。そんな親を子どもはもっと大切にして欲しい。」と。
死への過程の6段階。
1)否認 2)怒り 3)取引【不安を取り除くためのコミュニケーション】 4)抑鬱 5)受容 6)期待と希望
「大きな苦しみを受けた人は、恨むようになるか優しくなるかのどちらかである。」ウィル・デューランド
「暗闇を呪うより1本のろうそくに火を灯す。」 チャールズ・M・シュルツ
同じ状況の人達と気持ちを分かち合うのも癒し。
ボランティア活動も有意義。
配偶者の死に備える事も必要。
配偶者の死という衝撃は特に男性にとっては大きい。
又相手がどういう葬儀を行って欲しいのかあらかじめ聞いておく。
死と対峙している人には傾聴の姿勢を。相手の気持ちに寄り添う。
HUMORとは心と心の触れ合いで愛の表現。
他人の失敗は笑わず、自分の失敗を認めて笑い話にする。
JOKEとは知性ある言葉をタイミングよく言う事で相手を傷つける事もある。
沢山喪失した後にユーモアを再発見する。
「ユーモアとは『にもかかわらず』笑うことである。」ドイツの有名な格言。
笑いながら、怒る事はできない。
先生がアメリカ留学時代に友人から聞いた話。
入院していた友人の母親が危篤状態になり、子ども達は母親のベッドを囲み一生懸命お祈りをしていた。
すると母親が突然起き上がり「みんなありがとう。所で私はウィスキーが飲みたい。」と。
母親は普段あまり酒を飲まない人だったので子ども達は驚いたが最後の望みだと思い急いで買いに行き飲ませた。
すると次に「煙草が吸いたい。」と。
以前から煙草を吸う人でもなかったし、さすがにそれはまずいだろうと思い長男が
「お母さん、煙草は体に悪いから医者がダメだと言っていたよ。」と言うと母親は
「死ぬのは医者じゃなくて私なんだから良いんだよ。」と返事し、子ども達は爆笑。
子ども達が笑う姿を見届けて、母親は亡くなった。
先生曰く、自分の死に際して悲しんでいる子ども達をなんとか元気づけようとした母親最後の渾身のユーモアだったと。
私も死ぬまでに、自分の死を悲しんでくれる人達を笑わせるユーモアのある話を用意しなくちゃ。
デーケン先生の無料講演会が4月11日より岐部ホール(最寄り駅JR四ツ谷)にて行われます。
詳しくはデーケン先生のHPをご覧下さい。
私の覚書は講演のほんの一部です。
是非、デーケン先生のユーモアたっぷりの「死を考える。」お話を生で聞いてください。
話を聞いて感動した母がデーケン先生と一緒に記念撮影。
父は先生の本を買ってサインしてもらいました。
先生曰く古本屋へ持っていけばサイン入りの本は倍の値段になると。(笑)
私は先生に握手をして頂き、パワーをいただきました。
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