観てきました、ソンジェのフォン王。
やっぱり素敵でした。
ソンジェだけでなく、ミュージカルそのものがとってもダイナミックできらびやかで、想像以上に素敵な舞台でした。
それに、歌と踊りのなんと素晴らしかったこと。
中でも一番印象に残っているのは、踊りです。
情景を物語っている群舞ももちろんですし、登場人物の愛や苦悩を表現するように後方で踊っているソロの踊り。
言葉では言い尽くせない思いを語っていました。
照明での演出も幻想的で、その舞台演出に魅了されました。
それから女性たちの澄んだ歌声。
とても素晴らしかったです。
私、初めて天上智喜のリナさんの歌を聴きましたが、とっても透明感のある軟らかいけど力のある歌声なんですね。
聡明で明るくて思慮深いヨヌの印象とよく合っていて、ほんと、きれいでした。
ストーリー自体は細かいところはかなりはしょっているので、初めて観るときにはちょっとわかりにくい部分もありそうです。
私はドラマを見ていたので「?」なところはなくすんなり観ることができ、ただただ舞台の美しさにどっぷりと浸かってきました。
ソンジェ、とっても楽しそうで、余裕さえ感じられました。
少年期のフォンが兄ヤンミョンと市中に遊びに出たときに、まだ帰りたくない!って言って駄々をこねる無邪気なしぐさ。
ヨヌを失った後の悲痛な毎日を送っている時の切なさ。
巫女ウォルにだんだんと惹かれていく時にみせる、昂揚感。
ヨヌを再び取り戻し、王として国と民を守るために戦った時の凛々しさ。
いろんなフォンを見せてくれました。
名場面はたくさんあるのですが、みなさんはどこが良かったですか?
私が一番“ドキッ”っとしたのは、フォンとウォルが夜更けに散歩している時、
王妃がそんな二人に嫉妬してウォルに「顔を見せなさい!」と詰め寄った場面です。
フォンが王妃に対して怒りをこめて制止するように、「중전(中殿)!!」と叫んだその声がとても力強く、
妻である王妃へではなく、人間札である巫女のウォルへの愛情を強く感じさせる一言でした。
私、もちろんウォルではないですが、その一言で充分幸せになれました。
こんな風にフォンの溢れ出る愛で守ってもらえるウォルは幸せだろうな~なんて。
ドラマのキム・スヒョンが演じたフォンもとても魅力的でしたが、
ソンジェのフォンは、一見ひ弱そうに見える外見の美しさの奥にある力強さを兼ね備えた、
とても男気のあるフォンだったように思います。
最後にちょっと余計な一言。
カーテンコールの時、みなさん一生懸命に写真撮影されていました。
チケット代お高いですし、もちろん写真に収めたい気持ちはわかります。
だけど、あれだけ素敵な舞台を見せてくださった俳優さんたちに、
まずは感謝と称賛の拍手を贈るのが先なのではないのかな・・・。
アイドルソンジェの舞台、という以上の見事な出来のミュージカルには
観る側もそれにふさわしい行いで礼を尽くすべきじゃないかな・・・。
そう思いました。
そしてこうも思いました。
そうしたファンの行いが、“アイドル、ソンジェ”が一人の“役者、ソンジェ”として
確かな評価を得る一助となるのではないかな・・・。