11月16日(木)ユッカ・ペッカ・サラステ 指揮 NHK交響楽団
《2023年11月Bプロ》 サントリーホール
【曲目】
1.シベリウス/交響詩「タピオラ」Op.112
2.ストラヴィンスキー/ヴァイオリン協奏曲ニ調
【アンコール】
♪ ハールラ/クーシスト編/舟歌
Vn:ペッカ・クーシスト
3.シベリウス/交響曲第1番ホ短調 Op.39


11月のN響定期は各チクルスにそれぞれ別の指揮者が立ち、Bプロの指揮台にはフィンランドの名匠、ユッカ=ペッカ・サラステが上った。サラステの指揮を聴くのは初めてだ。
サラステは最初の「タピオラ」からいきなりN響から濃厚な独特の響きを引き出した。弦楽合奏の豊かで深い熱がこもった響きは、大きな洞窟の中で聴いているようで、サントリーホールの響きが一段と豊かになったように感じた。この独特の響きと熱いパッションで演奏会全体が貫かれることになる。
続いてクーシストをソリストに迎えてストラヴィンスキーのヴァイオリンコンチェルト。クーシストは音楽を大きく捉えながら、柔軟で繊細な歌を奏でた。細部まで細やかな表情を湛え、落ち着きのある瑞々しいヴァイオリンだ。清澄な空気に支配された中間楽章は、ベルクの静謐なコンチェルトを思わせた。アンコールでもそんなクーシストの透明な感性が生き、美しい世界を描いていた。
今夜のコンサートの白眉は、しかし何といっても後半のシベリウスの1番で、文句無しの圧巻の名演となった。冒頭から何かに取りつかれたような緊迫感に支配され、高いテンションで貫かれていた。オケ全体が大きく深く呼吸しながら、心の底から溢れ出る大切な歌を熱く歌い上げていった。エネルギーを溜めて、それを一気に放出する様子は、均整の取れた美しく隆々とした肉体の動きを思わせ、サラステの棒の冴えを感じさせる。荒波を次々と乗り越えて勇ましく進む船のように、エネルギー全開でグイグイと進んで行くスリリングでダイナミックな演奏に、ワクワクドキドキが止まらない。N響の気合いがストレートに肌に伝わって来る。
ワイルドではあっても粗削りにはならず、極上の美しいサウンドを高らかに響かせるところはN響ならでは。管楽器陣のソロも見事だったし、ハープの音がくっきりと浮き立って聴こえた。また、今夜のティンパニの音には特別な味わいを感じた。サラステ指揮のN響で、シベリウスの他の交響曲も聴きたくなった。また是非N響に来てもらいたい。
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続いてクーシストをソリストに迎えてストラヴィンスキーのヴァイオリンコンチェルト。クーシストは音楽を大きく捉えながら、柔軟で繊細な歌を奏でた。細部まで細やかな表情を湛え、落ち着きのある瑞々しいヴァイオリンだ。清澄な空気に支配された中間楽章は、ベルクの静謐なコンチェルトを思わせた。アンコールでもそんなクーシストの透明な感性が生き、美しい世界を描いていた。
今夜のコンサートの白眉は、しかし何といっても後半のシベリウスの1番で、文句無しの圧巻の名演となった。冒頭から何かに取りつかれたような緊迫感に支配され、高いテンションで貫かれていた。オケ全体が大きく深く呼吸しながら、心の底から溢れ出る大切な歌を熱く歌い上げていった。エネルギーを溜めて、それを一気に放出する様子は、均整の取れた美しく隆々とした肉体の動きを思わせ、サラステの棒の冴えを感じさせる。荒波を次々と乗り越えて勇ましく進む船のように、エネルギー全開でグイグイと進んで行くスリリングでダイナミックな演奏に、ワクワクドキドキが止まらない。N響の気合いがストレートに肌に伝わって来る。
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