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紀尾井ホール室内管弦楽団(指揮 & Pf:オッターヴィオ・ダントーネ/A:デルフィーヌ・ガルー)

2023年11月24日 | pocknのコンサート感想録2023
11月17日(金)オッターヴィオ・ダントーネ 指揮 紀尾井ホール室内管弦楽団/A:デルフィーヌ・ガルー
~第137回定期演奏会~
紀尾井ホール


【曲目】
♪ ヘンデル/歌劇『アルチーナ』HWV34~序曲、ガヴォット、サラバンド、アッラ・ブレーヴェ、アリア「復讐してやりたい」
♪ ヘンデル/歌劇『ジューリオ・チェーザレ』~アリア「花咲く心地よい草原で」
♪ ヘンデル/歌劇『リナルド』~アリア「風よ、暴風よ、貸したまえ」
♪ ポルポラ/ダントーネ編/ピアノ協奏曲ト長調(原曲:チェロ協奏曲)
♪ ヴィヴァルディ/歌劇『テンペのドリッラ』~シンフォニア
♪ ヴィヴァルディ/歌劇『救われたアンドロメダ』~アリア「太陽はしばしば」
♪ ヴィヴァルディ/歌劇『狂えるオルランド』~アリア「真っ暗な深淵の世界に」
♪ グルック/歌劇『パリーデとエレーナ』~アリア「甘い恋の美しき面影が」
♪ ハイドン/交響曲第81番ト長調 Hob.I:81
【アンコール】
♪ ヘンデル/歌劇『リナルド』~アリア「風よ、暴風よ、貸したまえ」
♪ ヘンデル/歌劇『アルチーナ』HWV34~アリア「復讐してやりたい」

指揮者のダントーネも、コントラルトのガル―も未知のアーティストだったが、バロックオペラのアリアを散りばめたブログラムでの紀尾井ホール室内管弦楽団の演奏会ということで興味を持った。

演奏会に出かける決め手となったのはバロックオペラの歌が並ぶプログラムだったが、ガル―の歌は、僕が座った2階正面の奥まで声を届けるのが厳しかった。激しく熱いコロラトゥーラを的確に決め、切り込んだ鋭い表現もなかなかのものとは思ったが、室内オーケストラをバックに紀尾井ホール程度のキャパのホールであれば、きちんと声を隅々まで届けることも歌い手の大切な条件だと思う。PAを使ってくれればもっと楽しめたのかも知れないとさえ思った。一方、聴衆の受けはとても良く、ガル―の歌に沢山のブラボーも飛んでいたので、場所によってはもっとちゃんと聴こえたのかも知れない。

歌の方はちょっと期待外れだったが、ダントーネ指揮の紀尾井ホール室内管弦楽団の演奏は、オケ単独の曲だけでなく、ガル―の歌との共演の場面でも大いに楽しめた。キレと冴えがあり、歌のバックであっても単なる伴奏に留まらず、ガル―との当意即妙のやり取りで生き生きと弾けていた。敏捷でノリが良く、デリケートさも具えている。

そんななか、殊のほか絶品だったのがハイドンのシンフォニー。思索的とも云える深みを湛え、優美に歌い、全体はキリッと引き締まり焦点が定まり、無駄のないアンサンブルでハイドンの魅力を伝えてくれた。このコンサートでの注目の作曲家とされたポルポラだが、ダントーネがピアノの弾き振りでやったコンチェルトは、ロマンチックで詩情もありキレイな曲だとは思ったものの、決まった音域を行ったり来たりの繰り返しが多くて光るものはあまり感じられなかった。

盛大な拍手に応えてガルーが再び登場し、プログラムに入っていたアリアを2曲再演。抜群のアンサンブルのオケをバックに、ガルーも高揚した歌を聴かせた。

紀尾井ホール室内管弦楽団(指揮:ジョナサン・コーエン/Vn:青木尚佳) 2022.4.22 紀尾井ホール
阪 哲朗 指揮 紀尾井ホール室内管弦楽団 2022.2.11 紀尾井ホール

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