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2016年5月B定期(ネーメ・ヤルヴィ指揮)

2016年05月30日 | N響公演の感想(~2016)
5月26日(木)ネーメ・ヤルヴィ指揮 NHK交響楽団
《2016年5月Bプロ》 サントリーホール


【曲目】
1. シューベルト/交響曲 第7番 ロ短調 D.759「未完成」
2. プロコフィエフ/交響曲 第6番 変ホ短調 Op.111


名匠ネーメ・ヤルヴィが指揮台に立ったN響の5月B定期は、シューベルトの「未完成」とプロコフィエフの6番という対照的な2つのシンフォニーが並んだ。

「未完成」は速めのテンポで、前へ前へと推し進める静かな力が感じられた。フレーズの扱いもそのテンポに相応しく、スポーティーとも言える精悍な表現力を持ち、音は凝縮され、研ぎ澄まされている。演奏全体が動的で能動的。ただこれは、この79歳になる名匠がゆっくりとした足取りでステージに現れ、静かに棒を下ろしたときに期待した、深淵で香り高い、円熟の境地のような演奏とは様子がかなり異なり、共感できるものは少なかった。

以前ヤルヴィの指揮で聴いた演奏を思い出していれば、ヤルヴィはシューベルトよりもむしろ後半のプロコフィエフでこそ本領を発揮することを予想できただろう。果たしてそのプロコフィエフの交響曲は、ヤルヴィの厳しく、アグレッシブな持ち味が十分に発揮された。多層的で複雑な構造がキチンと整理され、見通しが効いた鮮やかでシャープな音像を、力強く浮かび上がらせた。引き締まった輝かしいN響サウンドも全開。N響の「巧さ」を活かし、機能美と活力溢れる演奏を引き出していた。

ネーメ・ヤルヴィ指揮 NHK交響楽団 2014.4.24 サントリーホール

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