3月4日（金）
東京オペラシティコンサートホールﾀｹﾐﾂﾒﾓﾘｱﾙ
【曲目】
1.Comp:福丸光詩／「土の器」Ⅱ Cor.4：7 室内楽のために
2.デザンクロ／トランペットとオーケストラのための「祈祷、呪詛と踊り」
Tp:藤井虹太郎
3.メンデルスゾーン／ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64～第2・3楽章
Vn:中野りな
4.ワーグナー／歌劇「ローエングリン」～エルザの夢「寂しい日々に神に祈った」
ワーグナー／歌劇「タンホイザー」～「おごそかなこの広間よ」
S:船越亜弥
5.ドビュッシー／第1狂詩曲
Cl:亀居優斗
6.リスト／ピアノ協奏曲第2番イ長調 S125
Pf:谷 昂登
板倉康明指揮 東京シンフォニエッタ(1)
岩村 力指揮 東京フィルハーモニー交響楽団(2～6)
オペラシティで毎年行われている音コン受賞者演奏会を久しぶりに聴いた。出演したのは去年の音コンで1位を受賞した若き逸材たち。
作曲部門で1位となった福丸光詩さんの作品は、音たちが緩やかな風にたなびいて、それぞれ呼吸して奏でる「歌」が、どこかで繋がって調和を感じさせるデリケートな音楽。もう少し刺激や押しが欲しいとも思うが、限られた時間で繰り広げられる音の芸術として高い完成度を感じた。板倉康明／東京シンフォニエッタの演奏も透明で繊細で素晴らしかった。
トランペット部門を制した藤井虹太郎さんは、デザンクロの曲を演奏した。野太く雄々しく輝かしい響きで、アグレッシブな攻めの姿勢のトランペットは堂々としていて頼もしかった。弱音になっても音がやせ細ることなく太さを失わないのはいいが、繊細で柔らかな肌触りもほしい気がした。
ヴァイオリン部門で1位を制したのは、高校生の中野りなさん。薄いピンクのドレスを着たお人形さんのような姿からは想像できないワイルドな演奏が、メンコンの穏やかな楽章からいきなり始まった。宝石の原石の輝きを思わせる逞しい魅力。ひとつひとつのフレーズに独特の個性と主張があり、明確な全体像を作り出す。伸びのある音がパワフルに浮き立ち、オケと堂々と渡り合った。バルトークやショスタコなど弾いても凄い演奏が聴けそう。ずっと注目していきたい楽しみな逸材だ！
声楽部門の1位、ソプラノの船越亜弥さんは、艶のある美しい声と豊かな声量、おおらかな表現力を持ち、熱いハートが直に伝わる貫禄の歌唱を聴かせた。芯が強くてスケールの大きなワーグナーだったが、歌ったアリアはどちらも短くて、もう少し色々な曲を長く聴きたかった。
クラリネット部門で1位となった亀居優斗さんの演奏は、完成度が高く表現力も表情も多彩。美しく柔らかな肌触りの音色はこれぞクラリネットという音。高音のアルティッシモ音域での張りのある音色からは強い主張が感じられた。長い呼吸で大胆かつ巧みな歌い回しを駆使し、柔軟に動き回る雄弁な演奏。亀居さんのクラリネット、もっとじっくり聴いてみたい… と思ったら、5月のリサイタルのチラシが入っていた。要チェック！
ピアノ部門の覇者は谷昴登さん。磨かれた音色が映え、明快で颯爽とした演奏を華やかに繰り広げた。パワフルな掴みで音楽全体を捉え、伸びやかでありながら重心の低い腰の座った演奏からは貫禄さえ漂わせていた。ただ、今夜の演奏だけではこのピアニストならではの個性が伝わって来なかった。文句なしの合格点を獲得したうえで、個性的な「匂い」を醸成すれば、更に聴き手の心を掴めるだろう。
作曲部門以外で演奏した岩村力／東フィルは大変良いサポートとエスコートを聴かせた。一昨日はマスクを着けていない楽員も多かったが、今夜は管以外全員マスク姿、どうしたんだろう？
6人の出場者のなかでとりわけ印象に残ったのは、ヴァイオリンの中野さんとクラリネットの亀居さん。とくに音楽キャリアのスタート地点に立つ中野さんは、これからの益々の変化（進化）も楽しみ。
第78回日本音楽コンクール受賞者発表演奏会 2010.3.9 タケミツメモリアル
その感染対策、本気？？？
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最新アップロード：「Andiamo in Italia！ ～イターリアへ行こう！」
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東京オペラシティコンサートホールﾀｹﾐﾂﾒﾓﾘｱﾙ
【曲目】
1.Comp:福丸光詩／「土の器」Ⅱ Cor.4：7 室内楽のために
2.デザンクロ／トランペットとオーケストラのための「祈祷、呪詛と踊り」
Tp:藤井虹太郎
3.メンデルスゾーン／ヴァイオリン協奏曲ホ短調 Op.64～第2・3楽章
Vn:中野りな
4.ワーグナー／歌劇「ローエングリン」～エルザの夢「寂しい日々に神に祈った」
ワーグナー／歌劇「タンホイザー」～「おごそかなこの広間よ」
S:船越亜弥
5.ドビュッシー／第1狂詩曲
Cl:亀居優斗
6.リスト／ピアノ協奏曲第2番イ長調 S125
Pf:谷 昂登
板倉康明指揮 東京シンフォニエッタ(1)
岩村 力指揮 東京フィルハーモニー交響楽団(2～6)
オペラシティで毎年行われている音コン受賞者演奏会を久しぶりに聴いた。出演したのは去年の音コンで1位を受賞した若き逸材たち。
作曲部門で1位となった福丸光詩さんの作品は、音たちが緩やかな風にたなびいて、それぞれ呼吸して奏でる「歌」が、どこかで繋がって調和を感じさせるデリケートな音楽。もう少し刺激や押しが欲しいとも思うが、限られた時間で繰り広げられる音の芸術として高い完成度を感じた。板倉康明／東京シンフォニエッタの演奏も透明で繊細で素晴らしかった。
トランペット部門を制した藤井虹太郎さんは、デザンクロの曲を演奏した。野太く雄々しく輝かしい響きで、アグレッシブな攻めの姿勢のトランペットは堂々としていて頼もしかった。弱音になっても音がやせ細ることなく太さを失わないのはいいが、繊細で柔らかな肌触りもほしい気がした。
ヴァイオリン部門で1位を制したのは、高校生の中野りなさん。薄いピンクのドレスを着たお人形さんのような姿からは想像できないワイルドな演奏が、メンコンの穏やかな楽章からいきなり始まった。宝石の原石の輝きを思わせる逞しい魅力。ひとつひとつのフレーズに独特の個性と主張があり、明確な全体像を作り出す。伸びのある音がパワフルに浮き立ち、オケと堂々と渡り合った。バルトークやショスタコなど弾いても凄い演奏が聴けそう。ずっと注目していきたい楽しみな逸材だ！
声楽部門の1位、ソプラノの船越亜弥さんは、艶のある美しい声と豊かな声量、おおらかな表現力を持ち、熱いハートが直に伝わる貫禄の歌唱を聴かせた。芯が強くてスケールの大きなワーグナーだったが、歌ったアリアはどちらも短くて、もう少し色々な曲を長く聴きたかった。
クラリネット部門で1位となった亀居優斗さんの演奏は、完成度が高く表現力も表情も多彩。美しく柔らかな肌触りの音色はこれぞクラリネットという音。高音のアルティッシモ音域での張りのある音色からは強い主張が感じられた。長い呼吸で大胆かつ巧みな歌い回しを駆使し、柔軟に動き回る雄弁な演奏。亀居さんのクラリネット、もっとじっくり聴いてみたい… と思ったら、5月のリサイタルのチラシが入っていた。要チェック！
ピアノ部門の覇者は谷昴登さん。磨かれた音色が映え、明快で颯爽とした演奏を華やかに繰り広げた。パワフルな掴みで音楽全体を捉え、伸びやかでありながら重心の低い腰の座った演奏からは貫禄さえ漂わせていた。ただ、今夜の演奏だけではこのピアニストならではの個性が伝わって来なかった。文句なしの合格点を獲得したうえで、個性的な「匂い」を醸成すれば、更に聴き手の心を掴めるだろう。
作曲部門以外で演奏した岩村力／東フィルは大変良いサポートとエスコートを聴かせた。一昨日はマスクを着けていない楽員も多かったが、今夜は管以外全員マスク姿、どうしたんだろう？
6人の出場者のなかでとりわけ印象に残ったのは、ヴァイオリンの中野さんとクラリネットの亀居さん。とくに音楽キャリアのスタート地点に立つ中野さんは、これからの益々の変化（進化）も楽しみ。
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その感染対策、本気？？？
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