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お勧め商品&レビュー

お勧めの商品や製品、使用感想や一般レビューを紹介します。

エレコムのハイレゾ対応イヤホン第二弾「EHP-CH3000」レビュー

2015年06月21日 | オーディオ製品







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このドライバーは「前置ネオジウムマグネット」で磁力のロスを減らして動きの速さを引き上げているが、その速い動きを受けても変形しないだけの振動板剛性があってこそ、力強い低音といった効果が発揮されるわけだ。

ドライバー、ボールピース、マグネットを同軸上に配置する音孔構造「Magnetic Turbo Axial Port」も引き続き搭載。

外装の素材は、ドライバーケースとハウジングが高剛性アルミ素材とのこと。実物を見たところカーキの部分がプラスチック系素材、ドライバーを収納している本体とケーブルとの接合周りのアーム部分がアルミのようだ。プラスチック系素材の部分はマット仕上げ。

■見た目に反した正統派サウンド

さてそれで肝心の音なのだが、EHP-CH2000の印象から極端な変節はない。「低重心だが低域過多ではなく、高域も派手にせずしっとりとした落ち着きのある音調」という方向性を、この見た目にして、しっかり推し進めている。

相対性理論「たまたまニュータウン(2DK SESSION)」冒頭のバスドラムの柔軟性を備えてどしんとした重量感はこの曲の雰囲気にも合っており、この曲を聴き込んでいる方にも納得できるであろう感触だ。ベースも同じく柔軟性と量感を豊かに備える。

ハイハットシンバルなど高域は、低域の充実と相対的に見ると存在感が少し弱くはなるが、しかしこちらの感触も柔軟で良好。粒子感や質感の柔らかなきめ細かさは特筆にも値する。例えばこの曲のやくしまるさんや「こきゅうとす」での花澤香菜さんの声は、ふわっと柔らかくほぐれながらも息遣いのシャープな成分も生かしてあり、実に見事だ。

他の楽器の音色も、例えば特にエレクトリックギターのクリーントーンの滑らかな艶は素晴らしい。TM NETWORK「Beyond The Time」やTECHNOBOYS P.G.「SHaVaDaVa in AMAZING♪(OUT OF LOGIC)」等でそれを聴くことができる。

TECHNOBOYS P.G.「SHaVaDaVa in AMAZING♪(OUT OF LOGIC)」はベースのかっこよさも際立つ曲なのだが、その重量感はここでも改めて心地よい。重みはあるのだがもったりとはしないので、曲の躍動感を落とすこともない。

TM NETWORK「Beyond The Time」では空間とそこに広がる粒子も豊かに感じられ、宇宙の情景を自然と思い浮かべられる。

空間性や豊かな粒子感というところでは、Hoff Ensemble「Dronning Fjellrose」の再生も見事だった。教会でのオフマイク録音でその場の響きをたっぷり生かしてある作品だが、その雰囲気も柔らかく濃く再現される。

ということでこのイヤホン、僕の期待通りに「見た目に反しての高品位サウンド」だった。見た目は個性派がいいけど、音は落ち着いた正統派がいいという方にぴったりだ。

また見た目にはこだわるけれど音は特に強い好みがあるわけではないという方に向けて「だったらこれが『いい音』ですよ」と正統派のサウンドを推してくる姿勢にも好感を持てる。

ルックスには少し驚かされたがその音で安心納得。外面の個性は主張するが内面の節度に変わりはない好イヤホンだ。


Fidelioシリーズに待望のNCヘッドホンが登場。フィリップス「NC1」を試聴する

2015年06月21日 | オーディオ製品









Fidelio NC1
ハウジングの上部に目をやると、ドライバーの背圧を逃がすポートも設けられている。この穴のおかげで密閉型ヘッドホンらしからぬ、抜けの良い中高域と切れ味鋭く躍動感あふれる低域が再現される。再生周波数帯域は7Hz〜25kHzと、「Fidelio M2BT)」とほぼ同じ範囲をカバーする。インピーダンスは16Ω、感度は107dB。

■エネルギーの引き出し方が上手なヘッドホン

Fidelio NC1のサウンドは、PonoPlayerを使ってハイレゾの音源をリファレンスに試聴してみた。

ジャズ・ギタリスト、小沼ようすけのアルバム『GNJ』から、冒頭の楽曲「Jungle」では解像表現力の高さを実感。ギターの音色はエネルギーを前面に押し出す。余韻の階調感もきめ細かく滑らか。ベースラインは輪郭が太く、量感もどっしりとしているが足も速い。ディティールの情報量が豊富なので、特に弦楽器の表情は色彩が鮮やかで変化にも富んでいる。パーカッションは細かな音の粒まではっきりと象る。自然な透明感が心地良く、音楽を聴く脳に安らぎを与えてくれる。

ボーカル曲との相性の良さ、心地良いリスニング感はFidelioのMシリーズに通じるものがある。生命力に満ちていて、余韻も伸び伸びとしてふくよかだ。ジェーン・モンハイトやノラ・ジョーンズなど女性ボーカルの艶めかしさにはうっとりとさせられた。声に余計な色を付けたような不自然さがないから、余計に真に迫るものが感じられるのだろう。

アコースティックセッションの楽曲はボーカルとバンドの楽器とのセパレーションも良好。鳴っている音の位置関係を立体的に把握できる。ピアノやアコースティックギターなど、生楽器の艶ときめ細やかなタッチの余韻にも注目したい。バランスはフラットだが、各帯域の音の旨みを色鮮やかに引き出す。朝日を浴びているような、心地良く鋭気がみなぎるサウンド。

ピアノコンチェルトは、ピアノが奏でる主旋律がオーケストラに埋没して滲んでしまうことなく、センターで力強く煌めきながら主張する。ひとつひとつの音の粒立ちがよく、長音のサスティーンはきりっとして伸びやかだ。オーケストラは縦横いっぱいにスケールが広がり、合奏の一体感も色濃く反映される。それでいてS/Nもよくディティールが鮮明に描写される。ピアニッシモで展開する木管楽器のソロは細かい抑揚まで浮かび上がる。張り詰めた冷たい空気までも蘇えらせるような緊張感も良い。

エレクトロ系の音源はダフト・パンクのアルバムでチェックした。低域は量感とエネルギーが充実しているけれど、解像度や透明感もまったく損なわれていない。骨太なのに瑞々しく繊細な一面も見せる。ボーカルの高域が非常にクリアで、余韻の伸びやかさも秀逸。色んな楽器の音が重なり合ってくるパートもレイヤーの分かれがよく、音が混じり合ってフォーカスがボヤけてしまうことがない。リズムのアタックは立ち上がりも鋭く、音像の立体感にも富む。緻密に描かれる立体的なサウンドスケープに引き込まれ、気が付けばそこに意識を集中させて耳を澄ましてみたくなるサウンドだ。

リファレンスのプレーヤーをiPhoneに変えて音楽を聴いてみても、エネルギーの引き出し方が上手なヘッドホンというインプレッションは変わらない。ノイズキャンセリングの効果が高いので、過度にボリュームを上げなくてもボーカルを中心とした中低域の厚みと力強さ、高域の艶とディティールがナチュラルに再現される。心地良い音楽の一体感に包まれる手応えが味わえた。サウンド、ポータビリティともにスマホによるリスニングにも最適なヘッドホンだ。

全体にNC機能をオンにした方が、中低域がわずかに力強さとタイトさを増して、全体のメリハリが高まるようだが、自然なリスニング感とバランスの良さはNC機能のオン・オフに影響を受けることがない。オーディオヘッドホンとしての自然な音楽再現を優先しながら、機能性にも磨きをかけたFidelioらしさが光るノイズキャンセリングヘッドホンだ。

フィリップスのLightning直結ヘッドホン“Fidelio”「M2L」をレビュー - デジタル伝送で音質強化

2015年05月29日 | オーディオ製品







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ナチュラルで心地よいフィリップスらしいサウンドを聴かせてくれる

そしてサウンドだが、冒頭で述べたように聴き始めてすぐに、さすがフィリップスと感心せてくれるサウンドだ。いたずらに解像感を押し出したり、空間の広がり感を強調するのではなく、実にナチュラルで心地の良い音を聴かせてくれる。一方で、フラットでプレーンな方向性なのかといえばそうではなく、フィリップスらしさをしっかりと楽しませてくれる。

雰囲気としてはややウォームで、そして帯域バランスとしてはやや低重心。その「やや」の具合が絶妙で、無色にならない心地よさを演出しつつも、過剰演出には全くならず自然に感じられる。

相対性理論「たまたまニュータウン (2DK SESSION)」
<iframe allowfullscreen="" frameborder="0" height="315" src="http://www.youtube.com/embed/jO4C_m-c8eo" width="560"></iframe>


冒頭のバスドラムは胴や部屋の豊かな響きを捉えて生かした録音とミックスで、その再現はこの曲の頭の雰囲気作りの鍵になる。本機はその響きを想像以上にしっかり深く出してくれる。ベースも落ち着いた厚みや適度な太さで、中低域全体、そして音楽全体のバランスもよい。ベースの柔軟な弾力、アタックを強調することなくかといってぼんやりすることのない穏やかな存在感も好ましい。

低域の響きに対して「想像以上に」という感想になったのは、本機が比較的コンパクトな部類のヘッドホンだからだ。小型ヘッドホンでも低音を強調することは難しくないが、しかし強調せず自然にしっかりと出すというのは簡単ではない。そこをこのヘッドホンは巧くやり遂げている。

高域側もほどよく暖かく柔らかなウォーム系なので、シャープさとか情報量とかは強くは出さない。声の質感も繊細に描き出しすぎず穏やかな心地よさだ。空間表現も、すっきり系の音ではないのでわかりやすい見通しのよさとかにはならないが、コンパクトな密閉型ヘッドホンとしては十分以上の水準は確保している。

TM NETWORK「Beyond The Time」
<iframe allowfullscreen="" frameborder="0" height="315" src="http://www.youtube.com/embed/UPwETetBFDs" width="560"></iframe>


は主題歌となった作品の主な舞台である宇宙をまさにイメージさせる空間性が光る作品だ。その宇宙をこのヘッドホンは、透明とか真空ではなく、何か暖かな粒子で満たされた空間と感じさせてくれる。硬質な音調ではないのでベースのソリッドな音色やバキッとしたキレは控えめだ。しかし滑らかながらも不足は感じさせないアタックで、自然に気持ち良くまとめてくれる。

また特にギターは、カッティングのぱきっとした感触はやや薄まるが、音色の艶やフェードインやサステインの滑らかさに強みを発揮する。こちらはこちらで魅力的だ。声の表現の自然さも、もちろん良好だ。

M2Lは穏やかなウォームさを持ち味とすることもあり、喜多村英梨さん「掌 -show-」のようなヘヴィ&ハードエッジでプログレッシブなメタルサウンドとは相性がもう一歩かもしれないが、それ以外の楽曲においては、オールラウンドな対応力も見せてくれた。

Lightning対応をいちはやく実現したことに加えて、そのサウンドも見事。音の程よい個性と「Lightning専用」という最新鋭の仕様を持つ本機は、他では得られない満足を与えてくれるだろう。

オーディオ用導体

2015年05月24日 | オーディオ製品
■PC-Triple C
「PC-Triple C」の特徴は大きく2つある。

1つは、使用している素材だ。使われているのはOFC(無酸素銅/酸化物を含まない純度の高い銅)だが、通常のOFCではなく、独自の鋳造方法を用いて、不純物が付着した数ミクロン単位の極微な異物までも除去した古河電工の高純度無酸素銅を使っている。これはPCOCCで使われてた素材よりも、さらに純度が高いものだという。

「世間一般で言われているOFCには大きな不純物が含まれている事がありますが、我々が使っているのはミクロン単位の異物を全部取り除いたOFCです。銅というのは、内部に異物があると、そこに他の不純物が付着してしまいます。それを取り除く事で、銅の結晶構造における純度をアップさせたものです。あえて不純物を入れて異物を付着させ、銅結晶の純度を上げるという方法もありますが、純度が上がったとしても、異物が結晶粒界に残っていてはならない、それを取り除かなければいけないというのが我々の基本的な考え方。

不純物が少ないと何が良いのか、芥田氏によれば、ケーブルで使う導体にするために、銅素材を引き伸ばす際に、より細く引き伸ばせるという。飴細工などを想像するとわかりやすいが、引き伸ばした際に、内部に異物が入っていると、そこで破断してしまう。つまり“細引きできる事 = 異物が少ない証拠”だという。「通常のOFCでは、0.05mm径くらいまでしか細引きできませんが、我々が使っているOFCでは、0.015mm程度まで引く事ができます」(芥田氏)。

使っている素材に加え、もう1つの特徴が、特殊な加工方法である「定角連続移送鍛造法」を用いている事だ。

鍵となる“定角連続移送鍛造法”とは?
一度に強い力で叩くと、当然ながら結晶はグシャッと潰れてしまう。しかし、試行錯誤の末に導き出した力のかけ方&回数で叩く事で、結晶構造が横に“寝る”カタチになる。こうする事で、結晶粒界に阻害されず、信号が流れやすくなるというわけだ。

また、細く引き伸ばす際にも、良い影響があると芥田氏は言う。「例えば鉄などを引き伸ばすと、ある程度の細さになると、表面がボコボコになります。これは内部の結晶粒が飛び出してしまうためです。そうすると、細引きはできません。こうならないように、叩いて結晶を横にできるのではないかというアイデアが浮かび、ある機械に細工をして、叩いてみる事にしました。どの程度まで叩けばいいのか、やり過ぎると潰れてしまうので、試行錯誤しながらその加減を探っていきました」という。













鍛造処理をする前の導体断面 一定方向に連続鍛造していく事で、結晶と粒界が横方向に伸延されているのがわかる 50%(Sq比)まで鍛造した後の断面。結晶構造と粒界が細分化され、横方向に綺麗に並んでいるのがわかる。この状態になると電流がスムーズに流れるという


定角連続移送鍛造法を用いた銅の結晶粒界は、言わばパイ生地が層になった「ミルフィーユ」のような状態だ。ここからさらにケーブル細線へ伸延加工を施し、使用される導体の太さにより、特定の温度、時間管理により焼鈍(アニール処理)される。この工程により、銅結晶の結晶同士が融着。連続した結晶へと変化していく。矢口社長はこれを「言わばバームクーヘンのような状態」と表現する。

このような状態になる事で、単結晶のPCOCCと理論上は変わらないほどの導電特性を実現できるとする。1.3mm径のアニール材の状態で、導電率は101.5 IACS%。純度は99.996%以上だ。

伸線後の導体断面。結晶同士が融着し、連続した結晶のように変化しているのがわかる

PC-Triple CにはPCOCCを超える利点も
ここまでは、PCOCCに匹敵する導電特性を実現するための工夫だ。だが、矢口社長はPCOCCを超える“PC-Triple Cならではの利点”もあるという。

「PCOCCの単結晶と、PC-Triple Cの構造は違いますが、長手方向に信号が流れる能力としては同程度と考えています。一方で、PCOCCのような単結晶の場合、“ケーブル自体の振動”を吸収する余地が、導体に無いという問題があります。そのため、PCOCCはハイ上がりの音だと言われてきました。しかし、PC-Triple Cには、融着しても結晶粒界は存在しているため、導体の震動を結晶粒界が吸収してくれるという考え方もあります」(矢口社長)。

つまり、PCOCCよりも、PC-Triple Cは、導体自体の音が素直なサウンドである可能性があるわけだ。

「PCOCCでは、例えば中央の導体に6Nを使い、外側にPCOCCを巻いて2層にしたケーブルを作り、中低域を真ん中の6Nで通し、高い音を表皮効果を使ってPCOCCで通す事で、ワイドレンジな音を出すといった、ケーブル設計のテクニックがあります。そういったケーブル設計時の使いこなしも、PC-Triple Cでは変わってくるでしょう。とはいえ、PC-Triple Cがどのような音なのかは、オーディオファンの皆さんに判断して欲しいと考えています。電気的な事だけで語れないのが、ケーブルの面白いところですから」。


■PCOCC アズキャスト
完全なる単結晶の高純度無酸素銅。
鋳造され、機械的及び熱的ストレスを受けずに製造された、裸線です。


■PCOCC
「Pure Cupper Ohno Continuous Casting Process」の略。「単結晶状高純度無酸素銅」と訳される事も多い。これまで製造してきた古河電工では、「一方向性凝固組織の特徴を持つ高純度銅線」
“Ohno”とは、開発者の大野篤美教授の名前。

通常、銅は細かな結晶が集まって構成されているが、特殊な鋳造を行なう事で、“単結晶”にしているのが特徴となる。これにより、信号が伝送される方向に結晶粒界(結晶と結晶の境目)が無く、導電特性が優れた、信号が流れやすい素材になる。結晶と結晶の境目が無いので、不純物が入り込みにくいというのも利点の1つ。

■PCOCC-A
Pure Cupper Ohno Continuous Casting Annealing treatment
単結晶状高純度無酸素銅を加熱(アニール処理)し、多結晶化した導体。簡単に言うと不純物の少ない無酸素銅。

PCUHD
高純度無酸素銅線
「PCUHD®」は、Pure Copper Ultra High Drawabilityの略称であり、厳選した原材料を 用い、介在物/不純物の混入を厳しく管理した工程にて鋳造した無酸素銅素材です。

特長
耐火物を一切使用しない鋳造工程と熱間押出・圧延工程を通さない後加工工程の組み合わせにより、 介在物・不純物を排除した量産可能な素材です。4N(銅純度99.99%)グレードの素材でありながら、「高い柔軟性」と「極細線まで加工可能な伸線性」という特徴を有します。
不純物の中で特に混入しやすい酸素についても、工程内でガスバーナーを使用せず、装置内部を不活性ガスで充填することにより、一般的な無酸素銅線の規格を下回る5ppm以下に抑えることに成功しています。

適用分野
音響用ケーブル、音響機器内配線材
含有する酸素量を抑えることにより、「電気信号伝達を阻害する素材内のボイド(気泡)/酸化物」の生成が少なくなります。
半導体接続導体用素材
介在物が少ないことで、狭ピッチ接続時に求められる極細線への加工性に優れます。

■C1011(102SSC)
C1011は無酸素銅の中でも最も高純度で、成分の規定が他の純銅とは一線を画す電子管用のものになります。不純物の種類も純銅とは異なり、明確に物質が指定されています。いわゆる4N(フォーナイン)、99.99%以上の純度が要求されるもので、機械的性質等の特性試験内容として、引張強さや伸び、曲げ、硬さ、結晶粒度、導電率のほか、水素脆性や酸化膜剥離性についても項目があります。

無酸素の名にふさわしく、酸素含有量が0.001%以下と規定されており、水素脆性も起こさず、高い導電率を持つ純銅です。もっとも、大気中で加熱されると、酸素が銅の内部に入ってしまうため、注意が必要です。規格上、形状は板、条、管、棒、線について定められています。

■タフピッチ銅 C1100
純銅の中では無酸素銅ほどの純度はありませんが、高い導電率と熱伝導率を誇ります。ただ、600℃以上に加熱すると水素が材料内部に残っている酸素と反応して、水蒸気を作り出し、これが材料に亀裂を生じさせる「水素脆性」があります。還元雰囲気での高温加熱や溶接、はんだ、ろう接には向きません。

展延性や絞り加工性、耐食性、耐侯性に優れた純銅で、Cu純度は99.90%以上です。ただ600℃以上に加熱すると、酸素と水素が反応して銅内部で水蒸気となり、亀裂を生じさせる水素脆化を起こすため、還元雰囲気で高温加熱するような使い方には向いていません。

オーディオテクニカから登場・新導体PCUHD採用リケーブルを試す

2015年05月24日 | オーディオ製品
オーディオテクニカから登場・新導体PCUHD採用リケーブルを試す










【送料無料】オーディオテクニカ ARTLINK ステレオミニケーブル φ3.5mm 0.7m AT-EA1100/0.14
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はじめに触れるべきは新導体素材「PCUHD」だろう。これは「Pure Copper Ultra High Drawability」の頭字語で、古河電気工業が去年初夏に発売開始した無酸素銅素材だ。同社プレスリリースからの情報をピックアップすると、

●耐火物を一切使用しない鋳造工程と熱間押出・圧延工程を通さない後加工工程の
組み合わせで介在物・不純物を排除
●高い柔軟性
●極細線まで加工可能な伸線性
●適用分野:音響用ケーブル、音響機器内配線材
●電気信号伝達を阻害する素材内のボイド(気泡)/酸化物」の生成が少なくなります

とのこと。なるほど魅力的。

オーディオテクニカはこのPCUHDを採用し、銀メッキ軟導線とOFCと組み合わせて全体のバランスを調整。衝撃に対してほとんど反発しない「ハネナイト」素材も取り入れたメタルプラグに外来ノイズの侵入を低減する「チタン配合シース」という、同社お得意のパッケージングでケーブルとして仕上げた。

特に「ハネナイト」はポータブル用途でこそ、その威力をさらに発揮すると期待できる。細さや柔軟性も確保されており、0.13mタイプをプレーヤーとポタアンの接続に使う際にも曲がりに無理はない。

手元に届いたのは0.13mタイプ。Astell&Kern「AK100MK2」から最新ポタアンOPPO「HA-2」という接続で、いわゆるおまけ付属品レベルのケーブルと比較してみた。ヘッドホンは「ATH-MSR7」を使用。

バスドラムを筆頭に太鼓の芯が硬質に輪郭が明瞭になって、その周囲に広がる響きも感じやすくなる。ハイハットシンバルの質感、手触りのようなところのも感じやすい。ギターのクリーン~クランチ、微かに歪みが混じる音色のその歪み具合ならではの透明感や艶も変化がわかりやすい。

そのシンバルやギターの感触の変化とも共通してボーカルも、ざらつきや刺さりをぼかすのではなくそれを生かし、その手触りをより整えて心地よいものとして引き出してくれる。例えばやくしまるえつこさんや花澤香菜さんのようにシャープな息の成分にも持ち味があり、それを荒く出してしまう再生環境だと残念になってしまう声質や歌い方の歌い手さんとも相性がよい。

全体の帯域バランスは高域側に少しシフトした気はするが、しかし低域のクリアさも増しているのでそちらが存在感を弱めることはない。よいバランスだ。

リケーブルに用いてもケーブルを通る信号は同じ(プレーヤーからのヘッドホン出力)なので、今回のテストに近い傾向を得られると期待できる。

比較的手頃な価格の安心のオーテククオリティ。ケーブルにちょっと凝ってみる最初のアイテムとしてこれはよさそうだ。

OFCを採用したオーディオテクニカの高音質USBケーブルを検証

2015年05月24日 | オーディオ製品
オーディオテクニカ
「AT-EUS1000mr」(USB Type A - USB MicroB端子)







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リファレンスに使ったのは、オーディオテクニカのポータブルヘッドホンアンプ「ATH-PHA100」とイヤホン「ATH-CKR10」。ATH-PHA100とPCの接続に用いるケーブルを、ATH-PHA100の付属品と「AT-EUS1000hc」で差し替えて、ハイレゾ音源で音質比較を試みた。なお試聴に使った再生ソフトはfoobar2000。

SHANTIのジャズナンバー『BORN TO SING』では、音質重視の線材らしい音質差が現れた。AT-EUS1000hcだと、中高域の表現力に優れ、ボーカルやアコースティックギターのアタック音をシャープに出すようになり、高域のシンバルの響きも鮮明さを増す。音空間の奥行きと空間のスケール感もより広く表現し、特に音場表現の明瞭さを特長とする。低音は量よりむしろタイトに引き締め音情報を引き出すタイプで、DaftPunkの『Randome Access Memories』でも低音の制止と付帯音を抑えておりリズムの刻みも正確だ。

宇多田ヒカルの『Automatic』では冒頭部の高域がよりクリアに伸び、よりピュアな信号伝送をしている事が分かる。なお、iPhone 6とアップル純正の「Lightning - USBカメラアダプタ」を経由して接続し、HF Playerのアプリで再生することで、ハイレゾ音源として接続・伝送できる事も確認できた。

続いてOTGケーブル「AT-EUS1000otg」(USB MicroB端子 to USB MicroB端子)







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で、Xperia Z3 CompactとATH-PHA100の接続を検証した。つなぐだけで外付けのUSBヘッドホンアンプとして認識。スマホの「ミュージック」アプリからハイレゾ音源の再生・出力ができる。厚みあるパワフルで安定感あるサウンドは好印象だ。

最後に、同じくUSB OTG接続のケーブルで、USB Type AとmicroB端子の変換アダプター「AT-EUS1000hc」だ。







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既にPCをソースに、USB-typeB端子を備えた据え置き型USB-DACを使ってハイレゾを楽しんでいる方は多いのでは? 「AT-EUS1000hc」を使えば、そのシステムを活かしてハイレゾ対応スマホをソースにすることもできる。スマホにAT-EUS1000hcを接続し、USB-typeA to typeBケーブルで据え置き型DACと接続するかたちだ。

定評あるOFC導線を採用し、モバイルユーザーに使いやすい短いケーブルもラインナップする”アートリンク”シリーズの新3モデル。音質面で信頼できる定番ケーブルの誕生だ。

パロット Zik2.0

2015年05月06日 | オーディオ製品
パロット









Zik2.0
イヤーカップに搭載したタッチパッドコントローラーやアクティブNC機能、モバイルアプリによるサウンドのカスタマイズ機能など、デジモノ好きのハートをがっちりと掴んだ“元祖・全部入り”と呼べるヘッドホンだ。

本機ではNC機能がアナログからフルデジタルにアップデートされ、特に新搭載の「Adaptive Noise Cancelling」技術は、本体に内蔵する8基のマイクのうち、6基をNC用に使い、周辺環境に合わせて効果のレベルが調節できるという画期的な機能になる。
本体には合計8基のマイクを搭載する
電源ボタンと端子部
NC効果の調整はBluetoothでヘッドホンとペアリングしたスマホ・タブレットに、専用アプリ「Parrot Zik 2.0」をインストールしてコントロールする。例えば電車や地下鉄など、周囲の騒音レベルが高い場所で音楽を聴く際にはNC効果を高めるなどの設定ができる

そして、オフィスで仕事をするときなど周りの音にも注意を払いながら音楽を聴きたいときには、同社の特許技術である「ストリートモード」が便利。NC機能を効かせながら周辺の音がヘッドホンでモニターできるという機能だ。その原理はヘッドホンに内蔵されている6つのマイクで周囲の音を拾って、デジタル処理によって音楽信号とバランスを取るというものだ。

ハンズフリー通話は2基のマイクと骨伝導センサーを併用することで低周波数帯域の声が特に聴き取りやすくなっている。ペアリングしたスマホに着信があると、NC機能は自動的にストリートモードに切り替わって、自分の声もマイクで拾いながら通話ができる。SiriやGoogle Voiceと連携して、スマホの電話帳に登録されている友人の名前を発声して自動でダイアルできたり、着信時にコールのあった相手の名前を読み上げてくれたり、ハンズフリー通話の使い勝手を全体的に高める仕様がふんだんに盛り込まれている。

操作の面で大きな特徴になるのは、右側のイヤーカップに搭載するタッチパッドコントローラーだ。音楽再生のコントロールや音声認識の起動、通話機能などをヘッドホンを装着したままでも軽快に行える。もうひとつのセンサー技術を活かした機能には、ヘッドホンを頭に装着すると自動で音楽の再生・一時停止操作ができる「プレゼンスセンサー」もある。反対に、本体に搭載するボタンは電源のオン・オフぐらいだ。

本体の質量は270gと、初代機よりも軽くなった。本体のアルミフレームと柔らかな合皮の質感を活かした、プロダクトデザイナーのフィリップ・スタルク氏によるミニマルな本体デザインも質感が高い。パッドのクッションを厚くしながら本体を薄型に設計しているので、装着感は上がっている。ただ筆者は頭が大きいので、ヘッドバンドの寸法を長めに設定してもギリギリのサイズだったので、もう少し長さ調節にゆとりを設けて欲しかった。

リスニングスタイルはワイヤレスとNCを互い違いにオン・オフしながら使えるし、ワイヤードリスニングもできる。ただ一方で、NC機能のオペレーションはアプリ経由でしかできない。例えば今回、先の2モデルを試聴する際に使ったウォークマン「NW-A16」はプラットフォームがAndoridではないので、パロットの専用アプリをインストールできない。ヘッドホンがマルチポイント接続にも対応していないので、独自OSのポータブルオーディオプレーヤーと組み合わせる場合は、ノイズキャンセリング機能が使えなくなる。本機に関してはiOS/Androidスマートフォン、タブレットとの組み合わせで真価を発揮するヘッドホンであると言えそうだ。

バッテリーの最大連続再生時間はBT/NCオン時で約6時間と、他の機種に比べると少し短めだが、バッテリーパックがハウジングの蓋を開けて簡単に行えるようになっているので、予備のバッテリーが用意されればバッテリー切れの不安も軽くなるはずだ。

Bluetoothの高音質オーディオコーデックはAACをサポート。aptXは非対応になる。本機はスマートフォン「Xperia 2」で音質をチェックした。アプリを使って設定できるEQと音場カスタム設定の機能はオフにしている。

音質
中低域のタイトさと量感のバランスの良さは本機の持ち味だと思う。余韻が自然に広がり、空気感はドライに再現される。高域については余韻成分の広がりが若干淡泊に感じられる面もあるが、ニュートラルなバランスにまとまっている。無闇に特定の帯域を強調する感じがないのは好印象だ。

女性ボーカルはNC効果の効き目が高く、声の微細なニュアンスがキャッチできる。NC効果を高めておけば外出先でも音楽リスニングにどっぷりと集中できる環境がつくれる。NC効果は最大からストリートモードまでリニアに変化して、オフにしても音づくりのバランスに変化がない。基本がフラットな味付けなので、アプリのイコライザー機能を活用して自分の好みの音設定を追い込んで使うのも楽しいと思う。カスタム設定を保存して、特定のアーティストや音楽ジャンルに関連づけられる機能などには、パロットのソフトウェア開発技術の高さを実感させられる。

プレーンな音づくりのヘッドホンに、イコライザーやノイズキャンセリングなど色々な味付けを加えて自分好みにカスタマイズできる楽しさを実感してこそ、満足度が高まってくるヘッドホンだと思う。モバイルを中心に音楽リスニングを楽しむユーザーにはうってつけと言える。イノベーティブなスピリットに溢れるヘッドホンだ。

デノン AH-GC20

2015年05月06日 | オーディオ製品
デノン







デュアル・アクティブ・ノイズキャンセリング方式採用 ワイヤレスBluetoothヘッドホン (AHGC20)...

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AH-GC20

コントロールボタンをハウジング外側のサイドフレームに搭載する点は一般的なワイヤレスヘッドホンと同じだが、NCやワイヤレス機能のオン・オフを音声ガイダンスでも知らせてくれるので、ヘッドホンを装着したまま操作がしやすかった。ハンズフリー通話は「CVC(Clear Voice Capture)」の搭載により、ノイズを除去しながらよりクリアな音声通話ができる。

Bluetoothとノイズキャンセリング機能はどちらか一方だけをオンにしたり、両方をオフにしてワイヤードリスニングに切り替えることもできる。街歩きをしながら音楽を聴きたい時にはNC機能はオフを選んでおけばより安心だ。

Bluetoothの高音質コーデックはaptXとAACをサポートしているが、通常のaptXよりもさらに低遅延性能が高い「aptX Low Latency(aptX LL)」もサポートした点が注目だ。例えばゲームや動画など、映像と音声のシビアなリップシンクが求められるコンテンツを楽しむ時に効果を発揮するだろう。

バッテリーの最大連続再生時間はワイヤレス/NCオン時で約20時間と、今回取材した3機種の中で最もタフだ。

その他の便利は、本機とソニーはマルチペアリング/マルチポイント接続に対応しているので、例えばスマホとポータブルオーディオプレーヤーを2台同時にペアリングしておけば、プレーヤーで音楽を聴きながらスマホの着信にも応答ができる。

本機のために開発した40mmドライバーを搭載。ハウジングの素材には、同社“MUSIC MANIAC”シリーズ「AH-MM300」などのヘッドホンにも採用されている、強化プラスチックにグラスファイバーを混合した「GFRP」を採用している。軽さも備える素材なので、本体の質量も約275gと軽量だ。イヤーカップを支えるアームはアルミのダイキャスト製造によるパーツを使うなど、マテリアルにもこだわっているので、ルックスの高級感も高い。

音づくりの部分では、振動板の後方に放射される音圧の一部を音響フィルターを通過させながら放射することで、振動板前後の音圧バランスを最適化するデノン独自の「アコースティックオプティマイザー」を内蔵する。ソニーのビートレスポンスコントロールと同様に、ハウジングの上部側面に大小2つの穴を設けて余分な音圧を放射することで、タイトで切れ味の良い低域再生を可能にしている。

本機のサウンドもソニーの“ウォークマン”「NW-A16」にaptX接続した状態でチェックした。







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音質
低音の強靱さと豊かな量感が特徴的だ。ロックはバスドラの音色が深々と沈み、エレキベースのグルーブラインも実に骨太だ。低域は音色も豊かで彩りに富んでいる。エレクトロ系のダンスナンバーを聴くと、低域のエネルギーがぐいぐいと引き出されて壮大なスケールの音場が広がる。打ち込みは重鈍ではなく、余韻成分の広がりも瞬速。奥行方向への広がりは懐が深い。低域がクリアな中高域のサウンドに覆い被さってくることがなく、見晴らしが確保される。ボーカルの定位感、エネルギーの伝播力が損なわれることもない。

クラシックギターのソロ演奏では、ギターのボディの共鳴がふわっと広がりながら、トレモロの繊細な旋律も輪郭を明快に捉えることができる。中高域とのつながりもスムーズで、響き成分が充実していることも特徴だ。一体感に恵まれたバランスの良い演奏だ。

肉厚なイヤーパッドのおかげで、装着感が心地良いだけでなくパッシブのNC効果も高い。充実した低域の再現性にも結び付いている。特にノイズキャンセリング機能をオンにした方が、全体に低域の情報量がグンと増えて、音に豊かな厚みが加わるのでしっくりと来る感覚を得たが、インドアの静かな場所でクラシックやボーカルを聴く際にはオン・オフを使い分けても良いと思う。

本体のデザインは2012年に発売された初代のデノン“GLOBE CRUISER”シリーズから大きく様変わりして、高級ヘッドホンとしての質感もかなり高い。デノンが国内のレザー加工専業メーカーと一緒に開発した人工皮革がイヤーパッドやヘッドバンドに使われている。肌触りが心地良いだけでなく、経年劣化に対する耐性も高い素材なので、長く使い込んでも外観を美しいまま保てることもオーナーにとっては安心感につながる。本体はヒンジの部分も折り曲げて、付属のキャリングケースに入れてコンパクトに持ち運ぶことができる。メインの一台としてバリバリ活用してもいいヘッドホンだと思う。

ソニー MDR-ZX770BN

2015年05月06日 | オーディオ製品
ソニー









MDR-ZX770BN
ソニーではLDACを「Bluetooth全般の高音質化技術」と位置付けながら、特にハイレゾ対応の上位機種でなくても搭載していく考えを示しているが、本機の場合は開発のリソースやタイミングなど諸事情により見送られたのだろう。

リスニングスタイルはワイヤレスとノイズキャンセリングを互い違いにオン・オフできるし、ケーブルをつないでワイヤードで聴くこともできる。バッテリーの最大連続再生時間はBT/NCオン時で約13時間と、飛行機で東京からヨーロッパに向かう便なら1度のフル充電で十分にまかなえる。プラスチックのメインフレームを使った本体は約245gと軽く作られている。イヤーパッドのクッション性は高いが、ヘッドバンドのクッションはやや硬めに感じられた。ヒンジが柔軟に動くので、側圧は強すぎず全体の装着感は悪くなかった。

音質面では、40mm口径のネオジウムマグネット採用ドライバーを搭載。ソニーの主力ヘッドホンが共有する「ビートレスポンスコントロール」により、低域の過渡特性を高めながらスピーディーで正確なリズムを再現できることも特徴だ。

本機のサウンドはソニーの“ウォークマン”「NW-A16」







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をリファレンスに、aptX接続で確かめた。低域はスピード感と透明な切れ味が心地良い。ロックのボーカルでは細かいニュアンスの再現力が高いことも確かめられた。中低域の充実ぶりに比べて、高域の線はやや細めに感じられたが、ドラムスの高域はバシッと突き抜ける鋭いアタックが心地良く、トータルのバランスが取れている。

音質
ジャズギターのカッティングは音の粒立ちが良く、切れ味も鋭い。中域がクリアで音の輪郭がはっきりと描かれるので、ディティールの彫りも深くなる。余韻成分がやや淡泊に聴こえたが、余分な色づけが無いぶん印象は良かった。ジャズピアノの音色もピュアに再現される。中低域の音色がどっしとしていて、エネルギーの引き出し方が上手い。高域とのつながりもスムーズだ。女性ボーカルは微妙に移り変わる声のニュアンスを丁寧に引き出す。余韻があっさりとしているぶん無駄な飾り気がなく、ボーカリストの個性も見えやすかった。

音の印象を総括すると、バランスはわずかに中低域寄りに感じられるものの、まとまりが良くクールなイメージだ。ロック・ポップスやダンス系、リズムの展開を楽しみたいジャズの楽曲などがよくフィットしたように思う。ルックスはカジュアル&アクティブ系に見えるが、サウンドは大人の上品さを備えている。

NC効果はとても自然にかかる。「AIノイズキャンセリング」の機能によって、使う環境ごとにNC効果を最適なバランスに整えられるが、NC効果の強弱を変えてもサウンドのバランスに影響を与えないよう作り込まれている。価格も手ごろ(実売15,800円前後)なので、NCヘッドホンの入門機として、とても良い選択肢の一つになると思う。本体は軽量で取り回しも良いが、本体がフラットスタイルになるだけでなく、ヒンジも折り畳んでもう一段階コンパクトに変形ができたら、さらにポータビリティが上がってよかったと思う。

iBassoのハイレゾ対応カードサイズポタアン「D Zero MK2」の実力を徹底検証

2015年04月23日 | オーディオ製品
iBasso







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「D Zero MK2」最大の特徴は、内蔵USB-DAC機能が前機種の48kHz/16bit対応から、96kHz/24bit、つまりハイレゾ対応へと進化したこと。実物を前にすると、カードサイズで薄く、しかも連続10時間駆動可能なポータブルアンプがハイレゾにまで対応したというインパクトはかなり大きい。

DACチップにはウォルフソンのWM8740をモノラルモードで2個搭載し、L/R個別処理という、このサイズながらオーディオ的なアプローチの行われた贅沢過ぎる設計。アンプ部もICヘッドホンアンプを利用せずオペアンプとバッファーで構成した本格仕様となっており、音響設計からオーディオ水準で作り込まれたものだ。周波数特性はDAC部が17Hz~20kHz(±1.0dB)、アンプ部が17Hz~100kHz(±1.0dB)で、SN比はDACが108dB、アンプ部が102dB。公式サイトにもその仕様の詳細が公開されている。

端子類は、3.5㎜ステレオミニのイヤホン出力とAUX IN/OUT端子、デジタル接続用のMicroUSB端子(充電兼用)を装備。加えて、Hi/Loのゲイン切り替えと、指で触れて回しやすいアナログボリュームを備えている。
イヤホンジャックやボリューム調整部
USB端子のほかゲイン切り替えスイッチなども装備

■中域の解像感と空間再現に優れた正統派高音質
宇多田ヒカルの『Utada Hikaru SINGLE COLLECTION』(96kHz/24bit)では、音数の多い楽曲も中域を弾けるような粒立ちの良さで鳴らす。そして同時に、空間の見通しよくスケール感を出す。特に耳元で囁くようなコーラスの位置感と立体感が素晴らしい。低音はアタック感を持たせつつナチュラルな情報量でまとめる。

Daft Punkの『Random Access Memories』(88.2kHz/24bit)でも音のセパレーションの良さ、そしてエフェクトがかけられて音空間上方に配置されるサウンドの位置感は圧倒的に優秀。低音はボリュームももった厚みで音楽的には十分だろう。

クラシックより『カラヤン~ザ・ベスト・オブ・マエストロ~アビイ・ロード・スタジオ新リマスターによる』(96kHz/24bit)では高域まで繊細な美音でしなやかに伸ばしつつ、その余韻まで鳴らす。

また、ジャズよりSHANTIの『Born to Sing』では、空間を高解像に描写するような見通しの良さと同時に楽器のセパレーションが良く、埋もれていた微細音に発見のあるようなサウンドだ。

「D Zero MK2」と前機種である「D Zero SE」を差し替えて聴き比べてみると、「D Zero SE」の音は高域のキレ、そして低域はボリューム感を重視したダイナミックな志向であったのに対して、「D Zero MK2」が得意とするのは中域の解像感と鮮度の高さ、そして空間の奥行きを見通すスケール感だ。

■アニソンはどう鳴らすか?

次に、各種アニソンも聴いてみた。まず、春菜るなの『Candy Lips』(96kHz/24bit)より『春色シグナル』を聞くと、ボーカルの声色の立ち上がりと瑞々しい響きとアタックが鮮度の高いサウンドで伝わり心地良く、特に音数の多い間奏部もセパレートが明確。『Startear』でもピアノとオーケストラの入る間奏部では中域の音の艶やと、クリアに伸びる高域、そしてコーラスまでの鳴らし分けが見事。

アニメ「艦隊これくしょん -艦これ-」のEDテーマである西沢幸奏の『吹雪』(48kHz/24bit)は、冒頭のオーケストラの音数の多さを音源そのままに再現する。特にエレギのエネルギー感がダイレクトに届き、音の中の音の描き分けの巧みさが発揮できた。

同じくOPテーマのAKINO from bless4『海色』(48kHz/24bit)は、CD音源で聞くとキツさも感じさせる楽曲だが、音の歯切れ良さと重低音のパワフルさを伝える。なお『海色』に限っては高域と低域をより派手に響かせる前機種の「D Zero SE」の方がマッチするように感じた。このあたりは好みによっても変わってくるだろう。

このようにアニソンの一部曲では「Z-ZERO SE」のほうが相性のよい曲もあったが、それ以外の曲では何より音の情報量の差が大きく「D Zero MK2」が数枚上手。カードサイズの薄型デザインでありながら音のセパレーションを明瞭に出す、高音質の基礎を丁寧に作り込んだモデルといった印象だ。

なお試聴にはAKGの「K712 PRO」やオーディオテクニカ「ATH-IM02」「ATH-CKR10」を使用した。「K712 PRO」はインピーダンスが120Ωのためアンプにある程度の駆動力が求められるヘッドホンでもあるが、「D Zero MK2」ではHi/Loゲイン切り替えの「Lo」で十分駆動できていた。

■他機種にない利用シーンも思い浮かぶ傑作モデル

この「D Zero MK2」のカードサイズは筆者としても大のお気に入り。極論すればイヤホンに付属するリモコンが大きくなった程度で、いとも簡単にポケットにも納まってしまう。これぞまさに“ポータブル”ヘッドホンアンプと言えるサイズが魅力的だ。

また、「D Zero MK2」のカード型ボディを見て閃いたのが、これなら手帳型のiPhoneケースに収容できてしまうということ。iPhone本体と「D Zero MK2」とを手帳型iPhoneケースに収めて持ち歩く、というのは“ポタアン”環境としては非常にシンプルだ。

なお、Androidのスマートフォンと直結できるUSB OTGケーブルも標準で付属。筆者の常用しているXperia Z3 CompactのMicroUSB端子と接続してみると、Xperia標準の「Walkman」アプリからあっさりとハイレゾ音源出力に成功した。これならすぐに使えて日常的に持ち歩く用途にとても良い。

また、iPhone/iPadとの接続はApple製Lightning-USBカメラアダプタを経由してUSBケーブルで接続できる。iPhone 6ではオンキヨーの「HF Player」と組み合わせることでハイレゾ再生に成功した。


長々と「D Zero MK2」の実力を検証してみたが、これほど小型化したサイズの制約もある中でハイレゾに対応し、中域の解像感、そして音のセパレーションの良さといった正統派高音質サウンドを実現した点はお見事。スマホと組み合わせて気軽に使うなど、他機種にない利用シーンも思い浮かぶ傑作モデルだ。