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お勧め商品&レビュー

お勧めの商品や製品、使用感想や一般レビューを紹介します。

AKGの新シリーズ N60NC気になるそのサウンドをチェック!

2015年07月23日 | オーディオ製品
AKG









■ノイズキャンセル対応のトラベルヘッドホン「N60NC」も登場

続いて「N60NC」だ。AKGには従来K490NCとK495NCというノイズキャンセル対応ヘッドホンがラインナップされていたが、N60NCはその両モデルをリプレイスする機種という位置づけになる。

まず、N60NCの性能の顔となるのが、従来モデルより進化したアクティブノイズキャンセル機能だ。フィードバックとフィードフォワードの両方式を駆使した方式によるもので、内蔵バッテリーによる30時間の連続再生に対応。電池が切れても通常の音楽リスニングには利用できる使い勝手の良い仕様だ。内蔵バッテリーの充電は片方が本機のピンジャックに接続する2.5mmのピンプラグ、他方がUSB端子となっている本機専用のケーブルを用いるところもユニークなところだ。ちなみに、音楽プレーヤーやスマートフォンと接続する際には、同じ端子に付属の2.5mm-3.5mmのケーブルを繋ぐかたちとなる。

実機を手にしてみると、アルミニウムを採用したブラックカラーの筐体の美しいデザインは勿論のこと、オンイヤー型ヘッドホンとして最小クラスに折りたためるコンパクトな携帯性に目を引かれる。ネック部の先から自由に可動して装着時にも快適に使える構造は3D-Axis2構造と呼ばれるもので、収納時にはユニット部がそのままバンドの内側に収まる。付属ポーチはちょうど半円型の形状というのも、折り畳んだ際のコンパクトさを実感させる。

こちらも最終試作機を入手し、試聴してみた。宇多田ヒカルの『Automatic』を聴くと、本機はナチュラル志向のサウンドに硬質な低域再生を加えたタイプだと分かる。特に女性ボーカルの声の帯域を肉厚なサウンドでカバーするため、聴き疲れせずにじっくり聴ける。ナチュラル志向のサウンドゆえにジャズやクラシックにも十分マッチ。外出先で聴く際にも、周囲の空間を自然に音楽で満たしてくれるタイプ。傾向としては「Yシリーズ」のような現代的なサウンドというよりは、K490NCやK495NCの系譜に近い特性を持ったモデルだと感じた。

本機のノイズキャンセル機能は、本体に取り付けられたスイッチによるオンオフの切り替えで有効にできる。気になるその効果は、室内の空調のファン音は十分にキャンセルできるのはもちろん、地下鉄車内の走行音も低音をほぼ消し去り静寂を作り出すほど。また、ノイズキャンセルをONにしても音質への影響がないことも、サウンド重視のヘッドホン好きとして評価したいポイントだ。

AKGの新シリーズ N20

2015年07月23日 | オーディオ製品
AKG









AKG N20








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AKG N20U
N20/N20Uの違いはケーブル部に取り付けられた3ボタンリモコンの有無。リモコン搭載機「N20U」のリモコンは、iOSとAndroid/Windows Phoneへの対応をボタン操作で切り替えられるという、他機種にない特徴も持っている。

今回はN20の最終試作機を先行して聴くことができた。本機もやはり若者向けの「Yシリーズ」を継承した重低音サウンド。例えば宇多田ヒカルの『Automatic』では、カナル型イヤホンとしては驚くほどの、空間的に震動を奮わせるような低音を気持ち良く響かせる。空間再現についてもスカっと抜けよく鳴らし、シンバルの金属音も確かな存在感を持たせつつシャープに聴かせるタイプだ。

藍井エイルの『IGNITE』を聴いても、ボーカルをピシャリと立てながらもダイナミックに音楽を響かせ、演習的に響かせる低音のエネルギーで押し切る。ジャズやクラシックの音源には低音がボリュームたっぷりで派手目に聞こえがちだが、現代的な音源を思い切り愉しんで聴くならそのポテンシャルは相当のものだ。

Dynamic Motionの新境地!新イヤホン「DM100」は解像感と音場表現を両立

2015年07月23日 | オーディオ製品
Dynamic Motion







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■“Balanced Dynamic Driver”でBAドライバーのような繊細なサウンドを再現

さて、まずは「DM100」の搭載する“Balanced Dynamic Driver”についての疑問を少し調べてみた。同社の提供する製品資料によるとバランスド・アーマチュア型ドライバーのような繊細なサウンドと高解像度、そしてダイナミック型ドライバーのようなナチュラルでシームレスな帯域バランスを実現とするとのこと。構造上はダイナミックドライバー1発であり、同ブランドが「DM008」「DM008P」で培ってきた構成の延長線上にあるといえる。

その構造の秘密は、振動板に組み込まれた波紋状のサスペンションだ。ドライバーユニットの剛性を高めることでユニットの振動ロスを低減し、正確な駆動を実現するというもの。ドライバーユニットに直接手を入れてのイヤホン開発ができたのは、ユニットベンダーである同社の持つ開発力があってのことであるのは言うまでもない。

ドライバーユニットばかりに注目の集まる本機だが、「DM008」「DM008P」と比べると筐体構造にも大きく手が加えられている。コンピューター・シミュレーションによりデザインされたという筐体は、背面にエアフローを配しており、見た目にも小振りで扱いやすくなった。特殊なコーティングを施したケーブルも細くて取り回しが良く、タッチノイズを低減し、しなやかで絡まりにくい新型となっている。「DM008」「DM008P」はやや大柄な筐体で音質チューニング最優先といった風貌だったが、「DM100」はよりいっそう洗練されたデザインで、耳へのフィット感も優しくなっているように思える。
なおスペック上の再生周波数帯域は20Hz~20kHzまでカバーし、インピーダンスは24Ω(±15%)。

■ハイまで美しく伸びる鮮烈なサウンド。分解能と空間性を両立させる

まず宇多田ヒカルの「Automatic」(96kHz/24bit)を試聴してみると、ハイまで美しく伸びる鮮烈なサウンドで、高域までのキレの良さと共に微細音の再現性にフォーカスしたサウンドである。特に中域までは骨太な指向を持ったDM008やDM008Pのサウンドに対して、DM100は徹底して高分解能に突っ走り、ボーカルを急峻に立てる。同時に、空間的な見通しの良さは特筆もので、広がり・奥行きともに大きく、360度音に囲まれるかのような情報量を持つ。

DaftPunkの「Give Life Back to Music」では、量的に押さえつつも制動の効いた低音のリズミカルな刻みの鋭さが印象的で、同時にハイの金属音も美しく、そしてシャープに伸びる。低音に振り過ぎず、正確に音情報を再現しつつも、音楽的に聴いていて楽しいサウンドというのは、なかなか他にない味を持っている。

アニソンからは藍井エイルの「IGNITE」(96kHz/24bit)を聴く。特徴的で伸びやかなボーカルを余裕たっぷりに鳴らしつつも、冒頭のピアノ、そしてバックバンドの音の分離までキレイに鳴らす。特に「IGNITE」を聴き込んでいて気付いたのは、高域~中域から低域とすべての帯域で音分離が良く埋もれないので、今まで気付かなかったギターリフに気付いた。音を隅々まで鳴らし尽くし、かつクセがないというのはアニソンにもピタリとマッチする。

■イヤーピースを「Form Tip」に交換することで音質の変化を楽しめる

それでは、クラシカルな音源はどうだろうか。ジャズからSHANTIの「Born to Sing」(96kHz/24bit)を聴くと、ボーカルの響きは想像以上に美しくシャープで、空間のなかで実在感を持って鳴らしてくれる。特にDM100の持つ低域のゴリゴリとした質感の良さが改めて体感できる上に、リズムを刻むシンバルのサウンドまでシャープに響かせる。カラヤン指揮の「ヴィヴァルディ『四季 春』第一楽章」では弦楽器の音のサウンドの刻みが美しく、またホールの広がりも自然に伝わるのだ。

DM100の実機を試聴していて気付いたのだが、本機がForm Tipタイプのイヤーチップを同梱しているのも見逃せないポイント。試しにイヤーチップを交換して上記の試聴曲をすべて聴き比べてみると、例えば「Automatic」ではボーカルの立ち上がりの良さや音分離はそのままに重低音の厚みを増し、「Give Life Back to Music」ではまた音の密度感を増す。「IGNITE」でも低音の空気の振動するようなパワー感が現れ、SHANTIの「Born to Sing」(96kHz/24bit)ではアコースティックギターが情緒的に響くようになった。カラヤンの「ヴィヴァルディ~」もより音の厚みを増すダイナミック志向になる。このForm Tipを付けた際のサウンドは、DM008と同様の方向性のサウンドをクオリティアップさせたという印象で、シリーズ通してのファンならなお楽しめるに違いない。

最後に、手持ちのiPhone 6とXperia Z3 Compactを利用してスマホとの相性も確認してみたところ、イヤホンとしての”鳴らしやすさ”も良好で、スマホの音もしっかりと良く鳴らしてくれる。

ハイコスパな “全部入り” Bluetoothスピーカー TREK Flex

2015年07月23日 | オーディオ製品
TDK







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本機の特徴を短時間でわかりやすく知りたい! という方は、以下の動画をまずはご覧ください。

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さて、TREK Flexの大きな特徴は、その円筒形のスタイリング。円筒形スピーカーの多くが「横置き縦置き両方で使える」特徴を備えるが、それは本機も同様だ。

また本機にはフックで吊り下げるループ部分も用意されており、こちらも柔軟な設置に利用できる。

そして、縦でも横でもリスナーとスピーカーがどんな位置関係でも大きく崩れないサウンドを実現するために採用されているのが「サウンドリフレクター」という仕組み。

本機のドライバーユニットは円筒の両端に外向きに設置されているのだが、そのドライバーに対して蓋のような形で設置されているのがサウンドリフレクター。その蓋の裏側、ドライバーから発せられた音がぶつかる部分の形状が工夫してあり、ぶつかってきた音を全周囲に拡散する。するといわゆる無指向性のスピーカーということになり、リスニング位置が多少変わっても音が大きく変わってしまうことはなくなる。

そしてBluetoothスピーカーでポータブルモデルとなると、普遍的とも言える課題が、低音域の再現性をいかに確保するかだ。多くのモデルが様々な手法でそこに対処しているが、本機の場合はふたつの手法を併用している。

ひとつはパッシブラジエーター。メインのドライバーが生み出す空気振動にパッシブラジエーターが共振し、あらかじめ調整された低音域を増強する効果を生み出す。巧く設計すれば、アクティブに動作するサブウーファーを追加するよりも省スペースかつ低コストで十分な効果を得られる手法だ。

もうひとつは「MaxxBass」システム。小型スピーカーでの再生は難しい低音を、音響心理学を応用した処理によって擬似的に再生させる技術だという。「聴こえている帯域の音に処理を加えることで実際には聴こえていない低域の存在感を強調する、バーチャルな低音再生技術」といった理解でよいだろう。

外向きに配置されたスピーカーと、その音を反射するサウンドリフレクターを外側に搭載。横方向に出た音を360度に拡散する

■1万円程度ながら高い防水&耐衝撃性能を備える

オーディオ的な重要ポイントの説明を終えたところで、他のポイントも押さえておこう。

まずはこちらも肝心の防水&耐衝撃。防水については、国際電気標準会議防塵・防水保護等級IP65というものをクリアしている。水に沈めることまでは想定しないが水しぶき程度なら全く問題ないレベルだ。

本体底部のカバーを開けると充電用のUSB端子やAUX IN端子などが現れる

耐衝撃性については外部衝撃保護等級IK07に対応。「40cmの高さから500gの物体がこれの上に落ちてきた衝撃に対する強さを持つ」という、正直その基準がわかりにくい規格ではあるが、とはいえ丈夫さの目安にはなり、本機の頑丈さを規格として保証している。

ここで改めて注目なのが、この製品の実売1万円ちょい程度というお値段。シンプルな話だが、防水や耐衝撃仕様とすると設計も難しくなるし、製造するにもコストがかかる。そこをこの製品は、様々な工夫を積み重ねてこの価格帯に抑えているのだ。防水&耐衝撃なBluetoothスピーカーが欲しかったんだけれど予算的に…と悩んでいた方はぜひチェックしてみてほしい。

Bluetooth接続はNFCによるペアリングにも対応。本機側の操作ボタンでの再生操作、内蔵マイクを使ってのハンズフリー通話などにも対応する。バッテリー持続時間は最大8時間だ。なおボタン操作はiPhoneのリモコンに準じており、再生ボタンのダブルプッシュで曲送り、トリプルプッシュで曲戻しとなっている。

■驚きを感じるほどのボーカル表現力

最初に挙げておきたいポイントはボーカルのクリアさ。やくしまるえつこさんや花澤香菜さんといった女性ボーカルを聴いたときに、失礼ながら期待を超えた驚きを感じてしまった。低域再現の強化が強調されていたので、中高域についてはさほど注力していないのかと思い込んでいたのが、良い意味で裏切られた。

非常に好印象なボーカル表現。ぼやけることなくやや硬質なクリアさで息遣いまで感じさせつつ、硬すぎたり鋭すぎたりして聴きにくいことはない。

また同じく中高域の良好さのおかげで、ハイハットシンバルのピシッとした抜けやクリーントーンのギターの滑らかな艶といったところも感じられる。

低域は相対性理論「たまたまニュータウン (2DK session)」冒頭のバスドラムとベースを聴くと、その高いクオリティがよくわかる。サイズという制約があるので、大きなスピーカーでしか鳴らないような低域までは出ないが、出ている範囲の低域表現が良質なのだ。

バスドラムもベースも、実音以上に膨らませないタイトな太さにまとめられており、ドライブ感が明確に伝わってくる。低音をもう少し緩めれば量感は出しやすいが、そうはしないことでリズムを引き締めている。喜多村英梨さん「掌-show-」のような高密度メタル曲でもバスドラムやベースが潰れずにアタックが明確だ。

加えて実音の下の方の、バスドラムの胴やベースのスピーカーキャビネットの震えが生み出すような、超低域が部屋を揺らす空気感のようなものも、実際にその音域までは出ていないと想像されるのだが、感じることができる。ここは「MaxxBass」システムの活躍だろうか。

ひとりで聴く場合も、自分の移動とともに音を携えることができるし、大勢で聴く場合には、全員に同じように良い音を届けてくれる。

定番スタイルとなった=激戦区となっている円筒形&防水耐衝撃。さすがそこに新たに参入するだけの実力を備えたモデルだ。

高い音場表現力まで獲得した MOMENTUM On-Ear G

2015年07月23日 | オーディオ製品







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コーネリアス『Sensuous』の1曲目(FLAC 96/24)で聴き比べると、最初の風鈴の一音からして、ベールが一つ剥がれたようなクリアさが感じられる。その後に続くギターの音色も、違う楽器かと思えるほどの違いに驚く。第2世代機ではギターの弦をつまびく指を視覚的にイメージできるほど深みのある音色を聴かせるが、旧機種では、あくまで第2世代機と比較した場合の話ではあるが、やや平板な音に聴こえてしまうのだ。








コーネリアス「Sensuous」

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その後、様々な音源で聴き比べても最初の印象は変わらなかった。より正確な音再現が可能になり、リアルな音色が楽しめるようになっただけでなく、オンイヤーながら高い音場表現力まで獲得している。

レベッカ「フレンズ-revive-」(FLAC 96/24)や宇多田ヒカル「First Love」(FLAC 96/24)など女性ボーカルを聴いても、旧機種では再現が難しかった細かな抑揚のテクニックまで表現できるため、新たな発見がいくつもあり、聴いていてとにかく楽しい。

音質が劇的進化。ゼンハイザー MOMENTUM

2015年07月23日 | オーディオ製品
ゼンハイザー







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■高解像なサウンドに進化した「MOMENTUM G」

もともと優れたデザインであるだけに、外観上の変更は極力抑えながら、折りたたみ可能という新たなフィーチャーを加えた第2世代のMOMENTUM。だが、実際に音を聴いてみると、折りたたみ可能という機能の向上よりも、そのサウンドが劇的に進化していることに驚かされた。

まずはアラウンドイヤータイプのMOMENTUM Gから聴いていこう。従来のMOMENTUMは、良い意味で柔らかい音が持ち味の一つだったが、第2世代機は一転して高解像なサウンドに進化した。周波数特性16Hz~22kHz、インピーダンス18Ωという数値は旧機種と同様であり、ここまで音が変わるというのが不思議なほどだ(音圧レベルは旧機種が110dB、新機種が113dBと若干変化している)。

たとえばコーネリアス『攻殻機動隊ARISE』O.S.T.から「GHOST IN THE SHELL ARISE」(FLAC 96/24)を再生すると、作り込まれた音の一つ一つが粒立ちよく、きれいに分離しており、細かなディテールまで視界良く見渡せる。

低域から高域までしっかり伸び、弱音までしっかり拾う解像感を持ちながら、耳障りな印象は微塵もない。柴田淳「青春の影」(FLAC 96/24)では、潤いのあるボーカルやピアノの音色などもリアルに表現する懐の深さも併せ持ち、バランスがとてもよいのだ。

低域の表現力はどうかというと、これもハイレベル。マイケル・ジャクソン「Billie Jean」のベースやルー・リード「Walk on the Wild Side」のウッドベースなどを聴いたが、タイトな低域で表現力に富み、音楽の重要な支柱である低音を過不足無く再現する。

密閉型でありながら、豊かな音場表現性能も備える。テイラー・スウィフトの「Welcome To New York」(FLAC 44.1/24)を聴くと、サビの部分の彼女のボーカルのエコーがとても美しく表現され、音楽全体が奥深い立体感を持って眼前に浮かんでくる。音楽の魅力を十全に伝える高いパフォーマンスを備えていることがよくわかる。

スタイリッシュな外観から「オシャレヘッドホン」として括られることも多い本機だが、このサウンドは紛れもなく本物だ。

フィリップス F1

2015年06月30日 | オーディオ製品







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フィリップス F1
■ハイレゾ音源を使って試聴

ではハイレゾアルバムをF1で再生して試聴インプレッションを綴ってみたい。登場するのは次の3タイトル。高田漣『コーヒーブルース~高田渡を歌う~』(96kHz/24bit)、原田知世『恋愛小説』(96kHz/24bit)、パンチブラザーズ『The Phosphorescent Blues』(96kHz/24bit)。なお、プレーヤーはAstell&Kernの「AK120II」を使用している。

日本フォークシーンの開拓者であり、かつ独特な存在でもあった高田渡。彼の息子で弦楽器のマルチプレーヤーとして、近年八面六臂の活躍を見せる高田漣が、父ゆかりの楽曲をカバーしたのが『コーヒーブルース~高田渡を歌う~』である。

F1は、父親であり偉大なミュージシャンに対する想いのこもった楽曲たちを、温かなトーンで表現した。作品の内容と音質とがシンクロしたかのようである。また、ヴィンテージのマイクやレコーダーなどを用いて一発録音されたそうで、それは特にボーカルの柔和さに現れている。アコースティックギターやスライドギターの抑揚やうねりも感じさせ、高域は耳を刺激しない。

原田知世は女優としての活動はもちろんのこと、ミュージシャンとしてのキャリアも長い。高田漣とはバンド、pupaのメンバー同士でもある。『恋愛小説』は伊藤ゴローのプロデュースや編曲による、洋楽のカバー集。

2曲目のソウル風味で味付けされたノラ・ジョーンズの「ドント・ノー・ホワイ」はアルバムのハイライトのひとつだ。原田のボーカルはクリアで、リズム隊には重みがあり音楽を引き締めている。それに、ホーンセクションはしなやかさを伴って伝わってきた。

続くレナード・コーエンの「イン・マイ・シークレット・ライフ」は、翳りのある歌声と余韻たっぷりのソプラノサックスやウッドベースが、寂しげな雰囲気を織り上げている。本機は音場の密度の高さも感じさせてくれる。その上、このテイストは音量を絞っても味わえる。

最後は、マンドリンやバンジョー、フィドルなどで構成されるアメリカの5人組バンド、パンチブラザーズの『Phosphorescent Blues』。タイトルにある“Phosphorescent”にlampを付けると蛍光灯という意味だから、青白く光るブルースということだろうか。ジャケットはベルギー出身のシュルレアリスト、ルネ・マグリットの作品から採られている。それはともかく、彼らが面白いのは、カントリーやブルーグラスで用いられる楽器を駆使して、オルタナティブロックにも通じる世界を創出していること。また、このアルバムではドビュッシーやスクリャービンの作品もカバー。実にユニークなアプローチでひとつの世界を作り上げているのだ。

F1で再生する「I Blew It Off」では、バンジョーやマンドリンの弦が弾かれる一瞬一瞬が立ち上がり素早く伝わってくる。ドラムスの迫力も十分で、厚みもある。ボーカルやベースは耳の中に直線的に届く。それはプレーヤーたちの腕の確かさまで感じさせるほどだ。しかも、音楽全体が散漫にならず、各パートが程よく調和し躍動している。

KEF Reference 5

2015年06月30日 | オーディオ製品







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Reference 5
低音が俊敏に立ち上がり隅々まで音場が見通せる♪
最上位のReference5は他のスピーカーと同一口径ながらウーファーが4基に増えているため、同時に動く空気の絶対量は相応に大きくなる。設置スペースにはそれなりの余裕がある方が良いのはもちろんだが、他の2つのスピーカーと同様、低音の立ち上がりは俊敏で、音が消えるときの制動も速いので、同サイズのフロア型スピーカーに比べるとハンドリングは良さそうだ。本誌試聴室の実質的な面積は20㎡程度なのだが、その小さな空間で大編成のオーケストラを聴いても低音が飽和することはなく、音場は隅々まで見通しが利く。

質感と量感の両立は多くのスピーカーが目指してきたテーマだが、それを高い次元で実現するのは簡単ではない。Referenceシリーズの革新性はまさにそこにある。

KEF Reference3

2015年06月30日 | オーディオ製品
KEF







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Reference3 
鮮鋭度の高い低音を支えに中高域が澄んだ音色を奏でる♪
Reference 3はキャビネットの容積に余裕が生まれ、ウーファーも2発に増えているが、それによって低音のアタックが緩む気配はない。ブックシェルフ型にも負けない鮮鋭度の高い低音を支えに中高域が澄んだ音色を奏でる例として、オルガン伴奏の合唱曲『アヴェ・ヴェルム・コルプス』を挙げておこう。キャビネットの共振が残るスピーカーでこの演奏を聴くと、足鍵盤で演奏されるベース音が特定の音程で制動できなくなり、前後の音に比べて音量が極端に大きくなったり、輪郭がにじんで異様に広がってしまうことがある。Reference3は低音の旋律に不自然な凸凹がなく、しかも全ての音色を正確に聴き取ることができる。澄んだヌケの良い低音はメロディの音域を邪魔せず、ハーモニーの基礎をしっかり支えてくれるのだ。

KEF Reference 1

2015年06月30日 | オーディオ製品







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Reference 1
外見からは想像できないほど力強く豊かな低音を繰り出す♪
ブックシェルフ型のReference 1はシンプルな3ウェイ構成でウーファーは1基のみ。朗々とした低音を引き出すのは無理があると思いがちだが、実際には外見からは想像できないほど力強く豊かな低音を繰り出してくる。しかも、量感の余裕に加えて、立ち上がりと立ち下がりがなまらず、鮮明な輪郭を描き出すことにも注目したい。キャビネットの不要共振を徹底して排除することで、量感を確保したままブレやにじみのない低音を引き出すことに成功したのだ。

ベースとヴォーカルのデュオ(ムジカ・ヌーダ)を本機で聴くと、ベースが鳴り続けているときにも声の余韻が消えていく様子が鮮明で、高音部が澄んだ響きを失わないことに気づく。ヴォーカルの音像は中央にピンポイントで定位し、イメージが広がりすぎたり、輪郭が曖昧になることがない。低域と中高域の干渉が少ないからこそ、同軸型ユニットならではのまとまりの良い定位が生きてくるのだ。Reference 1はシリーズのなかで一番コンパクトなスピーカーだが、駆動力に余裕のあるアンプを組み合わせ、堅固なスタンドに載せることさえ配慮すれば、低音の量感不足を感じる心配はない。