幻想小説周辺の 覚書

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読書レビュー 三体Ⅱ

2022-07-30 14:18:00 | 書評 読書忘備録
三体Ⅱ 黒暗森林 :
THE DARK FOREST 下 
劉慈欣:Liu Cixin
邦訳:大森望 立原透耶 上原かおり 泊功 
装画:富安健一郎(株式会社INEI陰翳)
   早川書房デザイン室

この作品の読後感は、暗黒森林じゃなくて黒暗(くろ餡みたい・・)森林、とか茶化している御仁にっとては、(it’s mine )、本書の終盤でようやく開示される黒暗森林理論に結構なショックを受けるかもしれない・・ 







昨今の人権絶対尊重主義とかSDGSエコロジーとかボランティア共生とかセーフティネットとか・・・・いくらでも出てくる出てくるが、
いわゆる耳障りの良い、ポリティカルコレクトネスばっちりの御言葉の数々。
実は上っ面だけの張りぼて単語であり、逆に彼らの内面深層の邪悪で無慈悲な実体を隠蔽欺瞞するための標榜に過ぎないことが見透かされてくるだろう。

果たして、これから読む貴方が、読了後にどのように感じるか、は貴方次第。
だが、ほとんどの人が間違いなく、本書上下巻の興奮歓喜の読書体験の果てに一抹の


寂しさ、現実の無常感を味わっていたとしたら、その源泉はこの黒暗森林理論なのだろうと思う。

映画レビュー ジョジョの奇妙な冒険

2022-07-29 22:54:32 | 映画レビュー
『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』
監督:三池崇史 
原作とアニメがあれだけ高評価を確定されている現在
ナゼ実写版で映画化を作る必要があるのか?
という疑問に対しては答えがある程度わかっているのだが
この作品は自分とはやや解釈に差があるようだ。
静止絵と書き文字のセリフが動いたら、どんなにかスバラしい物に
なるだろう?という夢はアニメで達成できている。
では映画では何を切り取るのか? が今回のテーマであるはずだよね。

すると、その場合出てくる一つの答えは、スターウォーズや
アベンジャーズ的な画面一杯、情報量一杯に詰め込まれ展開される
群像アクションだと思うのですよ。



圧倒的なスピードと質感、動きと変化、純粋に映像を観るだけで
味わえる快感。
そこを押さえないと映画化は単に大きなスクリーンにちょっと長めの
TVドラマを投影しただけ、と思うのです。

ジョジョ第4部の心理戦を含めたタイマン型バトルの多いストーリー構成は
この面から明らかに映画化に不向きで、この第4部はどちらかといえば
役者の魅力とセリフ回しの畳み掛けの妙に拠るテレビの連ドラに相応しい。
で映画化といえばやはり第2部の戦闘潮流が相応しい、と思うので
ありました。






映画レビュー 幸せのレシピ

2022-07-28 21:17:00 | 映画レビュー
@映画の部屋から。@
[幸せのレシピ] 監督スコットヒックス
途中でリメイク版だとやっとこさ気付いた間抜けな自分ですが、画面のカッコ良さ、アクター達の動きの決まり具合とカメラワークは流石です。いちいち絵になりますね~🎵
ゼタジョーンズお嬢もこの映画では完璧主義ながらライフスタイルに無器用な女性シェフをおっちょこちょいなシーンをちりばめながら魅力たっぷりに演じてます。
子役のアビゲイルも笑ったり泣いたりパンケーキ焼いたり焼きもち妬いたりと忙しいし、イタリア~ンで腕利きで無精髭の笑い顔が無敵なアーロンエッカートなんか御姉様達はイチコロなんでは無いでしょうか?
悪人もいないし皆がタイトル通り幸せになれるハッピーな映画です。(*^▽^)/★*☆♪