またまた野増の魚屋の店先で、うまそうなサンマを大量に干していた。一度前を通り過ぎてしまったけど、やっぱり欲しくなってUターンして戻る。「どれでも好きなの選んで!」と魚屋のおじさん、お言葉に甘えてお店の裏の方に干してあるでかいサンマを取りに行く。適当に集めてビニール袋に詰めていると、「えぇ~、勝手に取っても大丈夫なんですか?」って心配な職場仲間のKさん(島暮らし半年未満)・・・
サンマのお代(なんと一匹たった60円)を払っていると、おばぁちゃんに声を掛けられたぴらにあ。「アンタたち、町の方へ行くの?」って、「いや、反対の方ですけど・・・」と答えると、「そりゃぁ助かった、よかったら乗せてよ!」って。聞くと、10Kmほど先の差木地集落に帰りたいけど、なぜかバスに乗れないんだと言うおばぁちゃん。ぴらにあたちも差木地のもう少し先まで行くし、旅は道連れだから乗っちゃいなよおばぁちゃん。・・・という訳で、いきなり3人の珍道中が始まった。
車に乗るなり楽しそうに話し続けるおばあちゃん。以下、島弁丸出しのおばあちゃんの話は半分程度しか理解できず(たぶんKさんには全く意味不明)、事実誤認の部分もあるかもしれませんけど。・・・で、病院の帰りと思われるおばぁちゃん、なぜか町でお金を使い果たしてバスに乗れず、やっと野増集落まで歩いてきたらしい。ぴらにあがサンマを買った『う○そう魚店』の前で待っていれば、誰か知ってる人が通ると待っていたけど、一向に待ち人来たらず・・・。途方に暮れていた所にぴらにあたちが現れて、藁をもつかむ気持ちで声を掛けたんだとか。「いや~、ホントに助かったよ!」って車から降りて、差木地の坂を上がって行った・・・
そのおばぁちゃんに限らず、島の人はあまりお金を持たずに行動することが多い。知り合いの高校生も、「雨が降ってきてもバスに乗れないから、家に電話して迎えに来てもらう」と言っていたっけ。「家族が留守だったらどうするの?」と聞くと、「一周道路に出て、家族か親戚の人の車が通るのを待つ!」とおばぁちゃんと同じ考えだった。「それもダメなら、知り合いの人が運転している大島バスを探す!」って。「料金はどうするの?」って聞いたら、「ムフフ・・・」と笑っていた。いきなりのスコールの時なんか、バスの方から止まってくれるコト(人道的配慮?)もあるとかないとか。お金の持ち合わせが無くても、どうにか移動できちゃう島の暮らし・・・