お山(産)歩雑記

お山を愛する絵描きの雑記帳かつ2010年7月生まれの歩美&2012年8月生まれの竜之介の一姫二太郎育児奮闘記

2007年8月24~26日 

2007-08-29 01:54:27 | Weblog
南アルプス最南端の光岳(てかりだけ・2591m)に行ってきました!!
植物などの詳しい報告は、後日ギャラリーに掲載する(予定)として、まずは行軍報告をしたいと思います。

8月24日(金)
薄明るくなってきた、明け方5時、いよいよ2泊3日の行軍スタート。
今回の目標地である光岳への登り口まで、まずは林道を11km歩かなくてはならない。
出発の直前まで、林道はトレッキングシューズで歩いて、登山の際は地下足袋に履き替えようと計画していたが、この行軍の案内人であるAさんに「そんなに荷物を増やしてどうする!」と一括され、ALL地下足袋にて行動することとなった。
今回私の荷物は10kgちょっと。
愛すべきウイスキーも、ビンではなく小さなスキットルに詰め替えて軽量化を図ったけれども(おい)、まだ削る部分があったか…
この最初の林道歩きがむった~りとボディブローのように足に効くが、無理せず、ゆっくりと周りの景色を楽しみ、4時間程かけて登り口の吊橋まで到着。
ここはまだまだ、ゴールではなくスタート地点。
気を引き締めなおして、高低差約1,500mの登山口に立つ。

登り口最初の試練は、ヒルの襲撃。
吊橋をわたった直後にそびえるガレ地の急斜面では、ヒルが首をふりふり待ち構えている。
「とにかく、やつらのいなくなる標高まで、止まらずに登りぬける!」
力強いAさんの言葉に、一同気合を入れて行動開始。
吊橋をわたってすぐに、何度も現場で泣かされたヒルがうようよ足元に見える。
「うっひゃ~!!」
と心の声を上げつつ、慎重かつ素早く足を運ぶ。
ここでヘタに転ぼうものなら、首筋やわき腹に食いつかれかねない。
30分後、約250mの標高差を、一人の犠牲者も無くクリア。
一山登ったかのような達成感に満たされたが、どっこい登山は始まったばかりであった。

その後もしばらく登りが続いく。
ヒルの恐怖から開放されて、周りの木々を観察する余裕もでき、地下足袋の調子も上々。
調子に乗って、パーティ最速のEさんにくっついてがしがし進んでいたら、ふいにEさんがつぶやいた。
「あ、クマだ。」
「えっ?」
私の鈍い動体視力では、はっきりと確認できなかったが、確かに右手前方、黒い影が走りぬけた。
「俺、クマ寄せ付けやすいんだよね…。」
「そういうことは早く言ってくださいぃぃぃ!」
慌てて荷物から笛を取り出し、ピーピーと鳴らす。
普段野鳥が逃げるからと、クマ鈴を持たなかったのが仇になってしまった。

その後、急な登りと、なだらかな登りを繰り返す。通称「5段登り」を一気に駆け上がり(Eさん、鬼軍曹に見えました。私が勝手についてっただけですが。)
美味しい朴葉寿司をほおばったあたりで、出発前から懸案事項だった右股関節が痛み始めた。
早朝のマラソンと、日中の業務(主に山歩き)で痛めて、医者に少しは労わってあげなさいと呆れられた右股関節。
ここ1週間、なるべく無理をかけないように気を使ってきた右股関節。
それでも、中途に治った気になって、変なストレッチでまた痛めてしまった右股関節…
ここまで来れたんだ、もう少しもってくれ~!!
標高2,418mの百叉沢の頭へ続く約40分の急斜面は、最初の10分は何とか両足で登り、次の10分は、ストックを持った両手と左足で登り、最後の20分は痛みが心地よくなり始めて、Mっ気全開で登り切った。
よく頑張った、右股関節!

さぁ、ここまで来れば、ゴールは目前。
無事到着できそうと水で喉を潤していると、直後に到着した皆様より、
「あっ!飲んじゃったのか!」
とのお声。
そういえば、案内人Aさんより、
「百叉沢の頭を越えたら、旨いビールを飲むために、ゴールの山小屋まで水分は取らない。」
とアドバイスされていたのだ。
私以外の4人は、汗をたっぷりかいても、決して水分を取ろうとしない。
うわぁ!のんべぇとして失格だ。
100万円の味のビールが、50万円まで値下がりだぁ。
そしてその後、少しでも汗をかこうとがしがし歩き、さらに痛めるけられる右股関節…あわれ。

それから約1時間後、日本最南端のハイマツ群落を抜けた先左手に、真っ白な光岩が、右手に立派な山小屋が見えた。
林道をスタートしてから約10時間、本日のゴール地点だ。
山小屋に到着すると、経営者のHご夫婦が、すぐにビールを用意してくださった。
涙が出るほど旨い。
その後なんと、Kさんの荷物の中からは、私の故郷・北海道は富良野の最高級ワインとチーズ・生ハムが登場。
流石、山歩き長期経験者は装備が違う。
素晴らしい景色と達成感に包まれながら、皆で至福のひと時を味わった。

私も次回は、15kgの荷物を背負えるようになって、色々な山頂到達グッツをもって来ようと、決意も新たに1日目の夜はふけていった。


8月25日
昨日の疲れがまだ足に残っているが、本日は光岳山頂付近の植生調査。
木本は色々と勉強したが、草本はまだまだ勉強不足(木本もだけど)。
KさんやTさんに教えてもらいながら、メモと写真で記録をとっていく。
夏の花の時期は少し過ぎてしまっていたが、それでも人がなかなか踏み入れない場所に、高山植物たちは可憐な花を咲かせている。

きのこを見ているときにも毎回思うが、どうして植物や菌類は、子孫を残すための器官である花や子実体(きのこ)を、これほど芸術的かつ個性的に作り上げるのだろう。
物言わぬ生き物達が、力強く生きて子孫を残そうとする意思がそこに凝縮されている。

8月26日
あっという間に濃密な2日間が終了し、最終日は帰る1日だ。
早朝には、懐中電灯をもって、すぐ隣のイザルガ岳まで赴き、御来光を眺めた。
到着が早かったため、最初の10分は朝焼けに浮かぶ富士山、雲海に漂う南アルプスの山々を幸運にも独り占めできた。
やがて日も昇り、大変お世話になった山小屋のH夫妻に別れを告げ、帰宅の徒に付く。
行きの登りでは、到着する事で精一杯だったが、帰りは余裕があるので、標高を下がりながらの簡単な植生調査を行った。
データを取っていくと、標高によってモミ属、トウヒ属の種が入れ替わり、ある一定地点から広葉樹が出現するのがよくわかる(人為による影響もあるが)。

調査を終了し、何とか林道も抜けて、全員無事下山。
この3日間は、本当に濃厚な勉強ができた日々だった。
この幸運な機会に感謝して、今後しばらくは、今回の調査で得た情報をまとめる作業に入る。

8月14日(木)

2007-08-15 22:08:33 | Weblog
本日は富士山まで出張。
現地に向かう途中、ものすごい立派な洞のあるウダイカンバ巨木に遭遇した。
高さ3m位の位置に、80cm位の洞の入り口が見える。
洞は木の根元まで深さがあり、根元の隙間から覗いたところ、内部にはたたみ半畳以上のスペースがありそうだ。
入り口の上にはたっぷりと葉が茂っているので、雨水も入り込まない。

「私がクマだったら、間違いなくここで冬眠するよ~。」
などと、同僚と話しながら木の裏側に回ると。
「あ。」
案の定、がっつり熊の爪痕が洞の入り口に向かって付いていた。
しかもなかなか新しい。

今年の秋にはここにセンサーカメラを仕掛けよう。
うまくいけば、一冬冬眠中のクマを観察できそうだ。


8月11日(土)

2007-08-12 23:04:12 | Weblog
世間様はお盆休みでうきうきしていますが、こちらは暦どおり出勤予定。
それでも、周りの皆様が、夏休みだ!と高揚している雰囲気に触れると、「あぁ夏なんだなぁ」としみじみ実感。
そんな中、本日は大学時代の先輩達に招かれて、旦那様と共に名古屋まで行って来ました。

しかし!考えてみればお盆帰省ラッシュの真っ最中。
列車の中で、本でも読みながら(+酒でも飲みながら)のんびり行けばいいよね~。
と、はなっから在来線で向かうことを計画していた我々は、大荷物抱えた家族連れの帰省客に揉まれまくることになってしまった。
静岡で列車に乗った段階で、周りの客より、「~時に乗り換えて名古屋に着くのは…」とか「広島行ったら…」とかいう台詞が聞こえてきて、乗り換えても乗り換えても、同じ顔ぶれに出会う。
うぅむ!皆新幹線使おうよ!!

それでも、たどり着いた名古屋では、素敵な先輩達と、美味しいジンギスカン、サッポロクラシックビール、日本ハム(!)に大感激。
とっても幸せな夏の一日を過ごさせていただきました。
Yさんご夫婦に感謝☆です。

しこたま飲んだ帰りは、これまた深夜特急のムーンライトながら。
新幹線は高すぎると思います。

8月9日(木)

2007-08-10 07:26:52 | Weblog
毎日暑い日が続いていますが、本日は暑さに加えて雲ひとつ無いピーカン照り。
そんな中、標高2000mの現場へ向かう。
標高が高くても、空から照りつける日光は容赦なく肌を焼く。
このままだと、ウエディングドレスを着る9月下旬には、見事なモノクロ花嫁になりそうだ。痩せて見えて良いか…

お盆も近づいて、お山では夏独特の鮮やかな花が咲き誇っていた。
オレンジ色のクルマユリ、濃い紫のヤナギラン、鮮やか黄色のマルバダケブキ、キオン。
真っ青な空をバックに花の色もいっそう冴える。
今年は日照不足のせいか、花芽が膨らまないものが多い。
南アルプスでは、花期が例年の10日遅れ位とのこと。
空にはブーメランのようなアマツバメたちが飛び交い、夏だなぁと実感した1日だった。

そして、海抜2000mから0mまで降りた際の気温差にグロッキー…

8月6日(月)

2007-08-07 22:22:32 | Weblog
本日の現場は崩れかけの急峻な岩場。
ちょっと気を抜くと、足元の土砂と一緒に、自分まで滑り落ちそうになる。
午前中歩き回って、ようやく遅めのお昼ご飯。
食べ終わってトイレタイムで岩陰に入ったら、頭の上からザーッと小石が降ってきた。
慌ててその場を離れ、上を見上げると、絶壁の上にカモシカが1頭。
どうやら私達が下で昼食をとっていたために、降りる事ができず、どんどん絶壁の上に登って行ったらしい。
降りれなかった恨みとばかりに、上から砂利を落とすカモシカ。
つぶらな目をしてるくせに、侮れない。

そして夜は平日月曜から自宅居酒屋。
日中にたっぷり汗をかいただけに、最初のビールの旨いこと☆
しかし、最近来客続きだったので、箱買いしたビールとチューハイ、4リッターのブラックニッカ(命の水)が同時に尽きてしまった。
次のお給料日まで、我慢できるかしら?
いや、できないだろう。(反語)

近況報告

2007-08-05 19:17:38 | Weblog
夏バテ気味にてしばしブログストップ。
本日ついにエアコンを購入して、ようやく部屋の中で生活できるようになりました。
道産子の私としては、暑くてエアコンを買うという行為にかなりの抵抗がありました。
外での暑さはある程度「しかたない」と耐えられるのですが、部屋の中の暑さは、閉塞感も伴って、全ての気力をダウンさせます。
熱中症になるんじゃないかってくらい汗をかきかき、
シャワーは1日3回(朝、夕、晩)水代も馬鹿になりません。
お酒を飲むと、暑いのがどうでもよくなるので、このところ毎晩深酒。
私の場合、夏バテとアル中が連動して引き起こされる模様。

そんな生活も、エアコンが着てくれたお陰でようやくおさらばできそうです。
ビバ!文明の利器!!

近況を報告すると、

3週前の週末には、北海道より妹が来静しました。
台風4号と共に…
バケツをひっくり返したような雨の中、どこに行く事もできず、びしょぬれになりながら、市内を観光。夜はお約束の深酒とビデオ鑑賞(なぜ?)。
帰りの新幹線の特急代金が、全額返ってきたと喜んで帰っていきました(彼女の列車は遅れてなかったのに)。
今度は天気の良い日に来ておくれ。

2週前の週末には、予備校時代からの友人が自宅居酒屋に来てくれました。
二人で盛り上がって、ビール500缶4本、ワイン2本空けました(旦那様は途中で撃沈)
楽しかったなぁ。
またのご来店をお待ちしております☆

先週の週末は、旦那様の弟夫婦が、神戸より来てくれました。
天気も上々で、1日目は河岸の市でマグロ丼、日本平、安倍川花火大会、
2日目は三島大社、御殿場アウトレット、うな重と、盛りだくさんに楽しみました。
皆飲める口だったので、大いに飲みました。
ぎゅっと濃縮された夏休みみたいで楽しかったです。

明日からは、2日に1回くらいのペースでブログを再開したいと思います。
エアコンよありがとう。