お山(産)歩雑記

お山を愛する絵描きの雑記帳かつ2010年7月生まれの歩美&2012年8月生まれの竜之介の一姫二太郎育児奮闘記

日本三大美林~木曽ヒノキ

2008-11-02 21:41:04 | Weblog
虫刺されアレルギーが体中を蹂躙しておりますが、金・土は職場の若手有志の勉強会(兼飲み会)で長野県木曽方面へ行ってまいりました。
この業界にいるのに、お恥ずかしながら木曽ヒノキを見るのは初めてで、かなりわくわくしながらの参加です。

まず1日目金曜日は、塩尻市にて柳沢林業さんの見学。
我々若手の勉強会に、わざわざ間伐現場を紹介して下さった社長さんの心意気に大感謝。
さらにたとえ契約にない内容でも、少しでも山を良くしようとする作業方針に熱いものを感じました。
最近流行の一般競争入札で、こういった心意気の高い業者さんが、ただ安いだけの業者さんに追い出されてしまわないことを心から願います。
作業現場で生き生きと働く女性・原さんとの出会いも貴重でした。

そして2日目、信州大学の植木先生案内の下、赤木自然休養林の木曽ヒノキ林へ。
お恥ずかしながら今まで知らなかったのですが、実は木曽ヒノキって人間が植えたものでなく、天然更新した(自然に生まれた)ものだったんですね。

約300年の乱伐により生じた裸地。
その後尾張徳川家により施された禁伐政策。
他の広葉樹が生育できないポドゾル土壌。
台風の被害を受けにくい盆地の地形。

様々な要素が絶妙にかかわりあって生まれた40m級のヒノキが延々と広がる千本平や奥千本は、正に圧巻でした。

感動を与えてくれる森というのは、何か一つの要素が狂っただけで生まれなかったり、消滅してしまったりする、本当に繊細なものなんですね。
そして、その要素は自然によるものだけでなく、一見負の要素と思われる「乱伐」という人為的行為も含まれているのだということに、改めてお山を相手にするときは一筋縄ではいかないのだと思い知らされた一日でした。


余談ですがちなみに夜の飲み会の終焉時間は明け方3時半。
お山を相手にする人間を相手にするときも、やはり一筋縄ではいかないようで…