Haru S.の部屋

都内のピアノ教室です。ピアノレッスンのことを綴った真面目なことしか書いていない、でも少し役立つかもしれないブログ。

コロンと回転

2024年04月24日 | レッスン

 

 

 

上の楽譜は海外版ねこふんじゃった

のような曲です。

 

実際はねこふんじゃったより

ずっと正しいピアノ技術を身に付けられ

さらに、楽しい曲でもあります。

 

上と下はどちらも同じ曲です。

ひとつはアメリカの楽譜、

もうひとつはドイツの楽譜です。

どちらも子ども用の導入テキストです。

 

この曲は音符を読んで弾くためには作られていません。

黒鍵が多いので、読むとなると

臨時記号、調号の多さで即刻くじけてしまいます。

 

 

画像の下にある楽譜の部分は

手をゲンコツにしてコロンと転がして弾きます。

 

このコロンがピアノを弾くテクニックではよく使われます。

手を回転させる動きは鍵盤楽器では基本奏法のひとつです。

 

昔の日本はこの技術が浸透しておらず、

とにかく指を鍛え、上下にはっきりと動かし、指で弾く、

が基本だと思われていました。

 

この奏法は力みから音が固くなり、

音が鳴りにくく、表情の乏しい音を生みます。

海外ではこれが日本人の音と呼ばれていました。

日本人の音は聞くとすぐわかると。

 

また、この奏法は手を傷め負傷する事態を招きます。

 

現在は奏法が改善されてきましたので、

海外で通用するピアニストの多くは日本の奏法では弾いておりません。

 

しかし、一般のピアノ学習者を指導するピアノ講師の間では

このことが認知されていないのが現状です。

 

趣味のかたの方がピアノ講師よりも

現代のピアノ奏法について勉強され、詳しい場合があります。

講師の人柄や相性もとても大事なことです。

しかし、ピアノ講師だから全員正しいことを教えられると思わず、

講師が本当に学ぶことを続けている人なのかを

見る目も持ってほしいと思います。

 

 

回転のテクニックは様々な曲に現れます。

正しく弾けると、倍音で音が広がり

花が咲くように華やかになります。

 

大人の生徒さんにもこの曲は好評です。

回転の動きが上手く呑み込めていない時に

少しするだけでコツがつかめます。

 

この曲を通して弾いた動画があります。

私が使っている「不思議な音の国」の著者イリーナ先生と生徒さんの演奏です。

変奏になっていて、本によって順番が異なります。

自分で作っても楽しいです。

 

アメリカの教本に載っている歌詞は

I love cof-fee,I love tee

I love cof-fee,I love tee

Don't you see,Don't you see

I love cof-fee,I love tee

 

 

 

 

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