やぎのブログ(日記編)

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フォーマルハウトに隠れた惑星?

2005-08-24 23:02:16 | 最新ニュース
ニュース#164

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 NASAのハッブル宇宙望遠鏡が、南の空に輝く1等星フォーマルハウトの周りを取り囲む塵のリングを、詳しく観測したょ。フォーマルハウトのリングの中心がずれているのは、未発見の惑星の重力の影響を受けているためらしいことが分かったんだ。

 フォーマルハウトはみなみのうお座α星でHD 216956という番号がついてるょ。地球から約25光年離れていて、太陽の約2倍の重さの恒星なんだ。南の空に光る1等星だょ。

 このフォーマルハウトには以前から塵のリングが発見されてるょ。1983年、NASAの赤外線天文衛星(IRAS)が発見したんだ。塵のリング(または円盤)はけんびきょう座AUやがか座β星などでも発見されてるけれど、これらの恒星は誕生してからまだ数千万年しかたっていない若い星で、ちり円盤の中ではちりが集まって大きく成長し惑星が生まれていると考えられているょ。これに対してフォーマルハウトは誕生してから2億年で、若いけれども惑星はすでに成長してしまってるはずなんだ。このフォーマルハウトのリングはもしかすると太陽系の外側に広がる小惑星帯、カイパーベルトに似ているのかも知れないょ。カイパーベルト天体(KBO)は、惑星の重力によって太陽系の外側へと弾き飛ばされてしまった小さな天体なんだ。

 過去にもマウナケアのサブミリ波望遠鏡やスピッツァー宇宙望遠鏡、カリフォルニア工科大学のサブミリ波観測所などによって、フォーマルハウトのリングが観測されているんだ。赤外線による観測で温度を測定したところ、リングの一方の端は温度がより高く、反対側は低くなっていることがわかったょ。これはリングが正確な円じゃなくて、楕円形であるせいで、恒星により近い部分が温められてより高温になっているからだろうって予想されていたんだ。

 今回ハッブル宇宙望遠鏡が、このリングを可視光線で詳しく観測したょ。下はその画像(NASA/ESA/P. Kalas and J. Graham (University of California)/M. Clampin (NASA's Goddard Space Flight Center)提供)。ハッブルに搭載されてるACS(Advanced Camera for Surveys')コロナグラフという観測機器で撮影されたんだ。これは、恒星の明るい光を覆って隠してしまうことができるょ。画像中央の黒い部分が隠された部分なんだ。明るい光が邪魔をする心配がないから、暗いリングを詳しく観測できるってわけ。一部の漏れた光が放射状に見えているけれど、これはノイズだから気にしないでぃぃょ。フォーマルハウトのリングは大きく範囲が広いから、一度に全体を撮影できないんだ。そこで何枚かの画像を貼り合わせた画像になってるょ。



 下側の画像を見てね。そうするとリングの中心が、フォーマルハウトの位置(白い点)からずれているのが分かるねぇ。これまで考えられていたように、リングは正確な円じゃなくて、少し中心からずれた楕円形だったんだ。どのくらいずれているかというと、フォーマルハウトからリングの中心までの距離はなんと約15AU(約22億km)!これは太陽から海王星までの距離の約半分なんだ。なぜリングは中心からずれてるんだろう?

 それは多分、リングの内側に惑星があるからだょ。惑星の軌道が楕円形だから、その重力に影響されてリングも楕円形になっているってわけ。実際にコンピューターでシミュレーションしても、惑星があるとすればこのようなリングの形を説明することができるんだ。

 内側に惑星があるっていう根拠はそれだけじゃないょ。この画像を見ると、リングの半径は133AU(約199億km)もあるのに、その割りに幅が狭く、25AU(約37億km)しかないんだ。また、リングの内縁はくっきりしているねぇ。もし惑星があるとすると、その惑星の重力によってリングを作っている粒子が束ねられているためだと考えられるんだ。惑星の重力の影響を受けているから、リングの粒子はこのような狭い範囲にしか存在できないんだね。

 予想される惑星はまだ発見されていないょ。リングに影響を与えるだけの大型の惑星のはずだけど、多分恒星から遠く離れているから発見しにくいんだ。今のところ、フォーマルハウトから50~70AU(75億~105億km)程離れたところにあると考えられているょ。将来打ち上げられる宇宙望遠鏡によって、惑星が発見されるかも知れないね。

 下にフォーマルハウトとその惑星(推定)のデータを載せておくょ。

名称   Fomalhaut (α PsA, HD 216956) 
赤経 (h m s) 22 57 39 
赤緯 (°′″) -29 37 20 
距離  (パーセク)  7.7 
スペクトル型     A3V 
実視等級     1.16 
質量  (太陽質量)  2 


名称   Fomalhaut b (α PsA b, HD 216956 b) 
軌道長半径 (AU) 22 57 39 
離心率   0.1 
軌道傾斜角  (°)  66 


 光年 光が1年間に進む距離で、約9.460528348兆kmだょ。他の恒星や銀河などの天体までの距離を表すのに使われるんだ。

 カイパーベルト 彗星とは、ほうき星っても呼ばれる、美しい尾を持つ天体だょ。彗星の本体は主に氷でできた小さな天体で、太陽に近づいたときに太陽からの放射によって氷が蒸発して美しい尾となるんだ。
 彗星も地球などと同じように太陽の周りを回っているょ。でも地球と違って軌道が長い楕円であるために、太陽にうんと近づいたりずーっと太陽から離れたりを繰り返しているんだ。彗星には短周期彗星と長周期彗星っていう2種類があるょ。周期が百数十年以下のものを短周期彗星と呼ぶんだ。
 短周期彗星の軌道はまた、黄道面(地球の軌道面で、他の惑星の軌道もその近くを通る)の近くを通っている。そんなわけで、海王星の外側には短周期彗星のもとになる氷でできた天体がたくさんあって、それが何かのきっかけで太陽の近くへと落ちてきたのが短周期彗星ではないかと考えられるようになった。この太陽系の外側の方に広がる氷の天体からなる小惑星帯をエッジワース・カイパー・ベルトと呼ぶんだ。
 1992年になって初めて実際にエッジワース・カイパー・ベルト天体(EKBO)と考えられる天体が発見され、その後ものすごい数のEKBOが発見されているょ。

 赤外線 光(電磁波)の一種。目には見えない光だょ。赤外線は可視光線(目に見える光)より波長が長くてエネルギーも低い。光は波となって伝わっていくんだけど、その波の間隔を波長っていうんだ。

 AU 天文単位。長さの単位の一つで、およそ地球と太陽の平均距離。=149597870km

タイタンT6フライバイ画像その4

2005-08-24 13:08:06 | オリジナル画像
No.81 2005/8/24作成

8月22日にNASAの土星探査機カッシーニが土星の衛星タイタンに再び接近したときに撮影された画像です。
タイタンには分厚い大気があるため、可視光線で地表を見ることはできませんが、大気を通り抜ける赤外線で地表を覗くことができます。
いくつかの波長の画像を合わせて処理を加え、地表の明暗の模様がよりはっきり見えるようにしてみました。
この画像は狭角カメラで撮影された画像で、今回撮影された中でも最も解像度の高い画像の一つです。

元の画像:NASA/JPL提供

タイタンT6フライバイ画像その3

2005-08-24 13:06:04 | オリジナル画像
No.80 2005/8/24作成

8月22日にNASAの土星探査機カッシーニが土星の衛星タイタンに再び接近したときに撮影された画像です。
タイタンには分厚い大気があるため、可視光線で地表を見ることはできませんが、大気を通り抜ける赤外線で地表を覗くことができます。
いくつかの波長の画像を合わせて処理を加え、地表の明暗の模様がよりはっきり見えるようにしてみました。

元の画像:NASA/JPL提供

タイタンT6フライバイ画像その2

2005-08-24 13:02:04 | オリジナル画像
No.79 2005/8/24作成

8月22日にNASAの土星探査機カッシーニが土星の衛星タイタンに再び接近したときに撮影された画像です。
タイタンには分厚い大気があるため、可視光線で地表を見ることはできませんが、大気を通り抜ける赤外線で地表を覗くことができます。
いくつかの波長の画像を合わせて処理を加え、地表の明暗の模様がよりはっきり見えるようにしてみました。
春のタイタンフライバイで撮影されたのとほぼ同じ地域です。
この画像の上の方には、ドーナツ状の明るい模様が見えますが、これは衝突クレーターです。
タイタン表面にはクレーターがほとんど見当たりません。

元の画像:NASA/JPL提供

タイタンT6フライバイ画像その1

2005-08-24 13:00:58 | オリジナル画像
No.78 2005/8/24作成

8月22日にNASAの土星探査機カッシーニが土星の衛星タイタンに再び接近したときに撮影された画像です。
タイタンには分厚い大気があるため、可視光線で地表を見ることはできませんが、大気を通り抜ける赤外線で地表を覗くことができます。
いくつかの波長の画像を合わせて処理を加え、地表の明暗の模様がよりはっきり見えるようにしてみました。
春のタイタンフライバイで撮影されたのとほぼ同じ地域です。

元の画像:NASA/JPL提供