ニュース#153
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太陽系の外側、特に海王星の軌道の外側には小天体がたくさん集まっていて、
カイパーベルトと呼ばれるょ。観測技術が発達してきたから、最近はたくさんのカイパーベルト天体が発見されてるんだ。その中には、その周りを回る衛星を持つものもいくつか発見されてるんだ。最近衛星を持つカイパーベルト天体、
仮符号2005EO304がラ・パルマの大口径チェレンコフ望遠鏡MAGICで発見されたょ。
2005EO304の軌道は海王星よりも外側にあって、
軌道長半径は43.84
AU(値はこれからの観測で変わると思うけど)。カイパーベルト天体の中でも一番数が多い
キュビワノCubewano族っていうグループに分類されるょ。軌道長半径が41AUよりも大きく
離心率が0.15より小さい天体、つまり太陽系の一番外側の方にあって軌道がほぼ円である天体のグループをキュビワノ族っていうんだ。
2005EO304とその衛星の間の距離は85000kmもあって、衛星が一回りするのに7年もかかると考えられてるんだ。
(エッジワース)カイパーベルト: 彗星とは、ほうき星っても呼ばれる、美しい尾を持つ天体だょ。彗星の本体は主に氷でできた小さな天体で、太陽に近づいたときに太陽からの放射によって氷が蒸発して美しい尾となるんだ。
彗星も地球などと同じように太陽の周りを回っているょ。でも地球と違って軌道が長い楕円であるために、太陽にうんと近づいたりずーっと太陽から離れたりを繰り返しているんだ。彗星には短周期彗星と長周期彗星っていう2種類があるょ。周期が百数十年以下のものを短周期彗星と呼ぶんだ。
短周期彗星の軌道はまた、黄道面(地球の軌道面で、他の惑星の軌道もその近くを通る)の近くを通っている。そんなわけで、海王星の外側には短周期彗星のもとになる氷でできた天体がたくさんあって、それが何かのきっかけで太陽の近くへと落ちてきたのが短周期彗星ではないかと考えられるようになった。この太陽系の外側の方に広がる氷の天体からなる小惑星帯をエッジワース・カイパー・ベルトと呼ぶんだ。
1992年になって初めて実際にエッジワース・カイパー・ベルト天体(EKBO)と考えられる天体が発見され、その後ものすごい数のEKBOが発見されているょ。
仮符号: まず、衛星らしい天体が発見されて認められると、仮符号っていう番号がつけられるんだ。
その後、衛星であることが確かめられると、国際天文学連合(IAU)で話し合われて新しい名前が決まるんだ。その時に衛星には通し番号がつけられるょ。
軌道長半径: 惑星や小惑星などの天体の軌道は円または楕円(彗星では放物線や双曲線であることも)なんだ。楕円には2本の対称軸があって、そのうち長い方の軸(長軸)の楕円によって切り取られる部分の半分の長さを軌道長半径っていうんだ。ちなみに惑星などの場合、楕円の焦点にちょうど太陽が位置しているんだ。また、軌道長半径は太陽からの平均距離に等しいょ。
AU: 天文単位。長さの単位の一つで、およそ地球と太陽の平均距離。=149597870km
キュビワノCubewano族 カイパーベルト天体の中でも最も数が多いグループ。軌道長半径が41AUよりも大きく離心率が0.15より小さい天体、つまり太陽系の一番外側の方にあって軌道がほぼ円である天体のグループをキュビワノ族っていうんだ。その他にも、より内側の冥王星軌道近くにあるプルーティノ族、さらに内側の海王星軌道より内側にあるケンタウルス族など、いくつかの族があるょ。
離心率 多くの天体の軌道は楕円だょ。その楕円の中心が焦点(太陽の位置)からどれだけ離れているかを表しているんだ。つまり軌道の形を表すものだょ。離心率が0なら円。0<離心率<1なら楕円で、1に近づけば近づくほど細長い楕円になるんだ。離心率が1なら放物線、1より大きいときは双曲線になるょ。一度太陽の近くにやってきたら2度と帰ってこないような彗星の軌道の離心率は1より大きくなるんだ。