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火星にもあったオーロラ

2005-08-03 02:18:45 | 最新ニュース
ニュース#162

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 北極や南極で見られる、夜空にゆらめく光のカーテン、オーロラ。そのオーロラが火星にもあることを、ヨーロッパの火星探査機マーズ・エクスプレスが発見したょ。でも地球のオーロラとはちょっと違った特徴を持っているんだ。

 あの美しいオーロラはどのようにして発光しているんだろう?

 まず何が光ってるのかっていうと、大気なんだ。だから当然、大気のない月や水星ではオーロラは見られないよね。じゃあなぜ大気が光るのか?それは宇宙空間からやってくる電気を帯びた粒子が大気分子と衝突するからなんだ。これらの粒子は主に太陽からやってくる太陽風だょ。宇宙からやってくるそれらの粒子はとてもエネルギーが高く、衝突すると大気分子は高いエネルギーを得て、そのエネルギーで光を出すんだ。これがオーロラだょ。

 地球ではオーロラは北極や南極の近くでしか見られないよね?これは地球には強い磁場があるからなんだ。ちょうどコイルに電流を流すと磁場が発生する電磁石と同じ仕組みで、地球内部の物質の対流によって地球全体が一つの巨大な磁石のようになってるんだ。電気を帯びた粒子はN極(南極)とS極(北極)とを結ぶ磁力線に沿って流れるんだ。だから粒子は北極と南極に集まってくる。そのために北極と南極の近くではオーロラが見られるってわけ。逆に言うと、北極と南極以外の地域では地球の磁場によってそのようなエネルギーの高い粒子の侵入が防がれてるんだね。

 木星や土星、天王星、海王星などでも地球と同じような仕組みでオーロラが発生してるょ。(ただし海王星では北極・南極とN極・S極が大きくずれているょ。)

 地球のような大きな磁場を持たない金星でも、オーロラが観測されてるょ。でも、磁場がないからあちこちにオーロラが現れるんだ。その大きさや形、明るさもまちまち。地球で見られるオーロラとはだいぶ違うね。

 火星はどうなんだろう?火星には地球のような大きな磁場はないょ。ただし大昔には強い磁場があったらしいんだ。1997年から観測を続けてるNASAの火星探査機マース・グローバル・サーベイヤー(MGS)が、火星の地殻に小さな磁場の塊を発見したょ。これは昔の磁場の名残じゃないかって考えられてるんだ。言ってみれば、火星は地球と金星の中間みたいな感じだね。

 そんな火星でオーロラと見られる大気中の光が観測されたょ。2004年8月11日、ヨーロッパ宇宙機構(ESA)の火星探査機マース・エクスプレスがSPICAM観測装置(SPectroscopy for the Investigations and the Characteristics of the Atmosphere on Mars)を使って観測したんだ。場所は火星の南半球にあるキムメリア大地。光は幅30km、高さ8kmくらいだったょ。下の画像はオーロラが観測された辺りの地域の画像だょ(NASA/ESA提供)。



 MGSが観測した火星の地殻の磁場の分布を重ね合わせてみよう。するとマース・エクスプレスが観測したオーロラの位置と、MGSが観測した地殻の小さな磁場の位置がぴったり一致するんだ!(下の画像:NASA/MGS提供)地殻の中にある磁場の塊に向かって磁力線が集まっており、それに沿って流れてきた電気を帯びた粒子がオーロラを発生させているようなんだ。地表近くの小さな領域に磁力線が集まっているために、オーロラはごく限られた場所に集まって発生するわけ。このようなタイプのオーロラは他の惑星などでは見られないょ。



 マース・エクスプレス (下の左側のイラスト、NASA/JPL提供)2003年6月2日に打ち上げられたESAの初の火星探査機だょ。火星の周りを回る周回機と、火星表面に着陸する着陸機ビーグル2からなるんだ。ビーグル2は通信が途絶えてしまい、失敗に終わったょ。でも周回機は2003年12月26日に火星を回る軌道に入ってから、火星の探査を続けているんだ。太陽風が火星の大気の深いところにまで入り込んでいることを発見し、それが火星の水や大気が大量に宇宙空間へ逃げた原因と考えられるようになったょ。その他、火星の火山活動が比較的最近まで続いていたこと、火星の地下に氷が残されているらしいことなどを発見しているんだ。

 太陽風 太陽から吹き出る電気を帯びた粒子の流れだょ。秒速500kmで流れているんだ。太陽の活動が活発になると太陽風も活発になるんだ。この太陽風が地球の北極や南極で大気と衝突し光る現象がオーロラだょ。

 分子 物質は、空気も水も岩も、小さな目に見えない分子がたくさん集まってできてるんだ。分子は原子からできているょ。

 磁場 磁力がはたらく場を磁場っていうんだ。ちょうどコイルを流れる電流が磁場を作るように、星の内部で起こる物質の対流が磁場を作り出しているんだ。

 磁力線 磁場の方向(磁力の方向)をつなげた線。N極から出てS極に集まるょ。

 マース・グローバル・サーベイヤー(MGS) (下の右側のイラスト、NASA/JPL提供)1996年11月7日に打ち上げられたNASAの火星探査機だょ。重さは767kg。1997年9月12日に火星に到着してから7年半以上も活動してるんだ!1999年3月からは、カメラやレーダーを使って火星の地図を作って、MERの着陸地点を決めるときなどにも役立ったんだ。その他、火星に大量の水があったことを示す地形を発見したり、火星の内部の活動が調べられたり、火星の衛星フォボスの表面が厚い砂埃で覆われてることを発見したりしてきたょ。これからもガンバ!

 地殻 地球などの岩石惑星の内部のうち、一番外側の部分だょ。

 

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