2006年1月から「最新ニュース」コーナーはこちらのブログに移転します。
ニュース#168(1)
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ニュース用語集:英数字~あ行 か行~た行 な行~ん
探査機ディープ・インパクトによる観測結果
彗星への旅路
この画像はディープ・インパクトが初めて撮影したテンペル第1彗星だょ(画像はNASA/JPL/UMD提供)。ディープ・インパクトに取り付けられている望遠鏡の一つ、中解像度観測装置(MRI)で撮影されたんだ。このときはまだ彗星まで6500万kmも離れていて、彗星の明るさは11等。人間の目の限界は6等なんだけど、それよりも100倍暗いょ。中心の核はまだ小さすぎて見えないけれど、その周りに広がるガスが見えるねぇ。太陽の熱によって核から蒸発したガスが噴出してコマ(彗星の周囲を包む大気)になるんだ。
上の画像は6月15日にディープ・インパクトが撮影したテンペル第1彗星(画像はNASA/JPL-Caltech/UMD提供)。右側は暗い部分を見やすくする処理(対数表示)をしたものだょ。彗星の核を包む大気、コマが見えるねぇ。このときはまだ、彗星から1690万km離れていたょ。
上の動画は、5月1日から7月2日までにディープ・インパクトのMRIが撮影したテンペル第1彗星だょ(元の画像:NASA/JPL-Caltech/UMD/C. Crockett提供)。左が前半、右が後半だょ。彗星に接近するにつれて彗星がどんどん明るく見えてきてるね。注意して見ると彗星は大きな爆発を3回起こしているんだ。各望遠鏡にとっては、ディープ・インパクトの衝突を前にした予行演習になったょ。
これは3回の爆発の場面だけを切り取ったものだょ。彗星が明るくなって、吐き出されたガスが広がっていくのがわかるねぇ。爆発はそれぞれ6月14日、6月22日、7月2日に起こったんだ。6月22日の爆発は激しくて、14日のより6倍も明るく、地上の望遠鏡からも観測されたょ。探査機に取り付けられてる分光計を使った観測では、この爆発で水蒸気の量が倍になり、炭化水素などを含むその他のガスの量も倍以上に増えたことがわかったょ。彗星の核で起こった爆発によって、それらの物質が核から放出されたんだ。この爆発で6月に起こった2回の爆発は彗星の上の方で起こったのに対して、7月2日の爆発は右下の方で起こってるね。爆発は同じ場所で起こるとは限らないんだ。今回のように、たくさんの望遠鏡によって爆発が何度も観測されるのは珍しいことだょ。今回はディープ・インパクトの衝突が近いとあって、世界中の望遠鏡や宇宙望遠鏡が注目してたから、突然起こる彗星自身の爆発が詳しく観測されたんだ。
衝突機が捉えた核の表面
衝突前日の7月3日、ディープ・インパクト探査機は4回目の軌道修正をしたょ。衝突機をうまく彗星に衝突させるための準備なんだ。その6時間後、いよいよ衝突機を分離!秒速約35cmで衝突機は親機から放たれ、彗星の核への衝突を目指したんだ。上の2つの画像は衝突直前まで衝突機が撮影し続けたテンペル第1彗星の核(元の画像:NASA/JPL-Caltech/UMD 提供)。画像データは衝突機から親機へと送信されたんだ。地面すれすれから撮影された画像には、これまでよくわかっていなかった彗星の核の地表が写っていたょ。
衝突機は確実に彗星の核に衝突するために、3回軌道修正を行ったょ。でも秒速10万kmで彗星に接近する衝突機を動かすには、地球から命令を送ったのでは遅すぎるんだ。衝突機の画像からどこに衝突するかを選び、どんな風に軌道を修正すればよいか計算し、命令を送るには時間がかかり過ぎるよね。そこで、この衝突機には、自分でどこに衝突するかを判断して自分で軌道を修正する能力があるんだ。上の図は、衝突機の進行方向が軌道修正によってどのように変わったかを表しているょ。この図が示しているように、最初衝突機は核から少し外れたところに向かってたんだ。1回目の修正(ITM-1)が行われたけれど、今度もまた核から外れてしまっていたょ。このままでは衝突は失敗しちゃう!でもさすが衝突機はすごいねぇ。2回目の修正で見事に核へと向かう軌道に乗り、3回目の修正でさらによい衝突目標へと進路を微調整したょ。
(続きは現在編集中)
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ニュース用語集:英数字~あ行 か行~た行 な行~ん
探査機ディープ・インパクトによる観測結果
彗星への旅路
この画像はディープ・インパクトが初めて撮影したテンペル第1彗星だょ(画像はNASA/JPL/UMD提供)。ディープ・インパクトに取り付けられている望遠鏡の一つ、中解像度観測装置(MRI)で撮影されたんだ。このときはまだ彗星まで6500万kmも離れていて、彗星の明るさは11等。人間の目の限界は6等なんだけど、それよりも100倍暗いょ。中心の核はまだ小さすぎて見えないけれど、その周りに広がるガスが見えるねぇ。太陽の熱によって核から蒸発したガスが噴出してコマ(彗星の周囲を包む大気)になるんだ。
上の画像は6月15日にディープ・インパクトが撮影したテンペル第1彗星(画像はNASA/JPL-Caltech/UMD提供)。右側は暗い部分を見やすくする処理(対数表示)をしたものだょ。彗星の核を包む大気、コマが見えるねぇ。このときはまだ、彗星から1690万km離れていたょ。
上の動画は、5月1日から7月2日までにディープ・インパクトのMRIが撮影したテンペル第1彗星だょ(元の画像:NASA/JPL-Caltech/UMD/C. Crockett提供)。左が前半、右が後半だょ。彗星に接近するにつれて彗星がどんどん明るく見えてきてるね。注意して見ると彗星は大きな爆発を3回起こしているんだ。各望遠鏡にとっては、ディープ・インパクトの衝突を前にした予行演習になったょ。
これは3回の爆発の場面だけを切り取ったものだょ。彗星が明るくなって、吐き出されたガスが広がっていくのがわかるねぇ。爆発はそれぞれ6月14日、6月22日、7月2日に起こったんだ。6月22日の爆発は激しくて、14日のより6倍も明るく、地上の望遠鏡からも観測されたょ。探査機に取り付けられてる分光計を使った観測では、この爆発で水蒸気の量が倍になり、炭化水素などを含むその他のガスの量も倍以上に増えたことがわかったょ。彗星の核で起こった爆発によって、それらの物質が核から放出されたんだ。この爆発で6月に起こった2回の爆発は彗星の上の方で起こったのに対して、7月2日の爆発は右下の方で起こってるね。爆発は同じ場所で起こるとは限らないんだ。今回のように、たくさんの望遠鏡によって爆発が何度も観測されるのは珍しいことだょ。今回はディープ・インパクトの衝突が近いとあって、世界中の望遠鏡や宇宙望遠鏡が注目してたから、突然起こる彗星自身の爆発が詳しく観測されたんだ。
衝突機が捉えた核の表面
衝突前日の7月3日、ディープ・インパクト探査機は4回目の軌道修正をしたょ。衝突機をうまく彗星に衝突させるための準備なんだ。その6時間後、いよいよ衝突機を分離!秒速約35cmで衝突機は親機から放たれ、彗星の核への衝突を目指したんだ。上の2つの画像は衝突直前まで衝突機が撮影し続けたテンペル第1彗星の核(元の画像:NASA/JPL-Caltech/UMD 提供)。画像データは衝突機から親機へと送信されたんだ。地面すれすれから撮影された画像には、これまでよくわかっていなかった彗星の核の地表が写っていたょ。
衝突機は確実に彗星の核に衝突するために、3回軌道修正を行ったょ。でも秒速10万kmで彗星に接近する衝突機を動かすには、地球から命令を送ったのでは遅すぎるんだ。衝突機の画像からどこに衝突するかを選び、どんな風に軌道を修正すればよいか計算し、命令を送るには時間がかかり過ぎるよね。そこで、この衝突機には、自分でどこに衝突するかを判断して自分で軌道を修正する能力があるんだ。上の図は、衝突機の進行方向が軌道修正によってどのように変わったかを表しているょ。この図が示しているように、最初衝突機は核から少し外れたところに向かってたんだ。1回目の修正(ITM-1)が行われたけれど、今度もまた核から外れてしまっていたょ。このままでは衝突は失敗しちゃう!でもさすが衝突機はすごいねぇ。2回目の修正で見事に核へと向かう軌道に乗り、3回目の修正でさらによい衝突目標へと進路を微調整したょ。
(続きは現在編集中)
ニュース#168
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ニュース用語集:英数字~あ行 か行~た行 な行~ん
7月4日、NASAが打ち上げた彗星探査機ディープ・インパクトから切り離された子機インパクターが、見事テンペル第1彗星の核に衝突したょ。ディープ・インパクトからの観測で、テンペル第1彗星の核の様子が詳しくわかってきたょ。さらに、衝突で巻き上がったちりやガスを、様々な地上や宇宙空間にある望遠鏡が観測し、核がどんな物質でできているのかが分析されたんだ。ここではその成果を紹介するね。
NASAはテンペル第1彗星(9P/Tempel 1)へ向けて、彗星探査機ディープ・インパクトを1月13日に打ち上げたょ。下の図はテンペル第1彗星とディープ・インパクトの軌道。(探査機ディープ・インパクトとテンペル第1彗星について詳しくはニュース#92を見てね)彗星に到着する直前の7月3日、ディープ・インパクトは子機のインパクターの切り離しに成功!アニメーションはその様子をCGで再現したものだょ(画像:Maas Digital提供)。
衝突は地球からは離れたところで起こるから、インパクターを地球からリアルタイムでコントロールすることはできないよねぇ。そこでインパクターには、どこに衝突するのが一番いいかを判断して、そこに向かって進むっていう能力があるんだ!すごぃネ!7月4日インパクターは軌道を少しずつ自分で変えながら、見事に核に衝突したょ。
衝突の前後、ディープ・インパクトは彗星を近くから観測し続け、衝突の様子を間近で観察したょ。インパクターも衝突の直前まで核表面の画像を撮影し続け、表面の詳しい様子がわかってきたんだ。さらに衝突で巻き上げられたちりや水蒸気を、地上の望遠鏡や宇宙望遠鏡などが観測し、その成分などが測定されたょ。これらの結果を合わせることによって、彗星の核がどんな物質でできているのか、どのような構造をしているのかなどが分かってくるはず!ここではこれまでの観測結果を4部に分けて紹介するょ。
第1部 ディープ・インパクト探査機による観測結果
第2部 宇宙望遠鏡が観測したディープ・インパクト
第3部 地上の望遠鏡が観測したディープ・インパクト
第4部 他の彗星探査
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7月4日、NASAが打ち上げた彗星探査機ディープ・インパクトから切り離された子機インパクターが、見事テンペル第1彗星の核に衝突したょ。ディープ・インパクトからの観測で、テンペル第1彗星の核の様子が詳しくわかってきたょ。さらに、衝突で巻き上がったちりやガスを、様々な地上や宇宙空間にある望遠鏡が観測し、核がどんな物質でできているのかが分析されたんだ。ここではその成果を紹介するね。
NASAはテンペル第1彗星(9P/Tempel 1)へ向けて、彗星探査機ディープ・インパクトを1月13日に打ち上げたょ。下の図はテンペル第1彗星とディープ・インパクトの軌道。(探査機ディープ・インパクトとテンペル第1彗星について詳しくはニュース#92を見てね)彗星に到着する直前の7月3日、ディープ・インパクトは子機のインパクターの切り離しに成功!アニメーションはその様子をCGで再現したものだょ(画像:Maas Digital提供)。
衝突は地球からは離れたところで起こるから、インパクターを地球からリアルタイムでコントロールすることはできないよねぇ。そこでインパクターには、どこに衝突するのが一番いいかを判断して、そこに向かって進むっていう能力があるんだ!すごぃネ!7月4日インパクターは軌道を少しずつ自分で変えながら、見事に核に衝突したょ。
衝突の前後、ディープ・インパクトは彗星を近くから観測し続け、衝突の様子を間近で観察したょ。インパクターも衝突の直前まで核表面の画像を撮影し続け、表面の詳しい様子がわかってきたんだ。さらに衝突で巻き上げられたちりや水蒸気を、地上の望遠鏡や宇宙望遠鏡などが観測し、その成分などが測定されたょ。これらの結果を合わせることによって、彗星の核がどんな物質でできているのか、どのような構造をしているのかなどが分かってくるはず!ここではこれまでの観測結果を4部に分けて紹介するょ。
第1部 ディープ・インパクト探査機による観測結果
第2部 宇宙望遠鏡が観測したディープ・インパクト
第3部 地上の望遠鏡が観測したディープ・インパクト
第4部 他の彗星探査
最新ニュースの編集も随分遅れているので、より新しい情報がほしいという方のために、まだ取り上げていないニュースを紹介します。専門用語も多く、多くは英語です。時間をみて一つずつ易しく解説していきたいと思います。
はやぶさ、リアクションホイール3台中2台が故障(10/4) □ □
小惑星2002XD58、Kastel、Lundiaに衛星
はやぶさ、ゲートポシションからイトカワを観測(9/22-10/3) □ ■
第10惑星ゼナに衛星発見、名前はガブリエル(?) □
カッシーニがテティス、ハイペリオンに相次ぎ接近(9/29) □
初期宇宙に既に存在していた巨大銀河(9/27) □ □
マンモスを滅ぼしたのは超新星爆発?(9/23) □ ■
銀河が無数にあった初期宇宙(9/22) □
チャンドラがティコの超新星残骸を撮影(9/22) □
NASAが再び月へ(9/22) □
マーズ・エクスプレス、運用期間23ヶ月延長(9/22) □
れいめい、オーロラのファーストライトに成功(9/22) □
イトカワの代表的地形の命名(9/22) □
アンドロメダ銀河の中心構造(9/20) □
タイタンのレーダー観測で液体が流れた跡を発見(9/16) □
フレアが引き起こしたオーロラ(9/16) □
ディープ・インパクトの観測結果から明らかになってきた彗星の起源(9/15) □ □
月のクレーターの起源は小惑星(9/15) □
イトカワのカラー画像(9/15) □
はやぶさ、イトカワに到着(9/5-14) □ □ □ □ □ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
様々なクエーサーのホスト銀河(9/14) □ □
ようこう、南アジア上空に落下し消滅(9/13) □
マーズ・リコナイサンス・オービターの高解像度カメラが月を撮影(9/12-13) □
すばる望遠鏡が、最遠のγ線バーストを観測(9/12) □
セレスの表面が明らかに、水の氷のマントル存在か(9/7) □
土星のリングにおける新発見(9/6) □
はやぶさ、イトカワへ接近中(8/15-9/2) □ □ □ □ □ □
小惑星アタミに衛星
SALTファーストライト(9/1) □ ■
ハッブルが海王星の大気を撮影(9/1) □
小惑星2002RG79に衛星
すばる望遠鏡が大質量原始星の円盤(8/31) □
マーズ・リコナイサンス・オービター(8/30) □
エンセラダスの「虎の縞模様」は非常に若い地形(8/30) □
きらり、れいめいを打ち上げ(8/24-25) □ □ □
生まれたてのブラックホールを発見(8/18) □ □
すざく観測開始(7/27-8/17) □ □ □ □
銀河系は棒渦巻銀河(8/16) □
マーズ・リコナイサンス・オービター打ち上げ成功(8/12) □ ■
小惑星シルヴィアに2つ目の衛星発見(8/11) □
メッセンジャー、地球スイングバイに成功(8/2-26) □ □ ■
ミマス・フライバイ(8/5) □
超巨大ブラックホール周囲のガスの流れを観測(8/4) □
ちりに隠されていたクエーサー(8/3) □ ■
衛星を持つ大型カイパーベルト天体2003EL61発見 □ □
ついに発見、第10惑星2003UB313(7/29-9/15) □ □ ■ ■
活動的なエンセラダス(7/26-29) □ □
太陽はもっと多くのネオンを含んでいるかもしれない(7/27) □ □
カッシーニが捉えた土星からの電波放射(7/25) □
すばるが最遠の宇宙を観測(7/21) □
ミリ秒パルサー誕生のメカニズム(7/19) □ ■
小惑星1994XDに衛星
すざく打ち上げ成功(7/10-13) □ □ ■ □
ディープ・インパクト(7/2-8) □ □ □
はやぶさ、リアクションホイール3台中2台が故障(10/4) □ □
小惑星2002XD58、Kastel、Lundiaに衛星
はやぶさ、ゲートポシションからイトカワを観測(9/22-10/3) □ ■
第10惑星ゼナに衛星発見、名前はガブリエル(?) □
カッシーニがテティス、ハイペリオンに相次ぎ接近(9/29) □
初期宇宙に既に存在していた巨大銀河(9/27) □ □
マンモスを滅ぼしたのは超新星爆発?(9/23) □ ■
銀河が無数にあった初期宇宙(9/22) □
チャンドラがティコの超新星残骸を撮影(9/22) □
NASAが再び月へ(9/22) □
マーズ・エクスプレス、運用期間23ヶ月延長(9/22) □
れいめい、オーロラのファーストライトに成功(9/22) □
イトカワの代表的地形の命名(9/22) □
アンドロメダ銀河の中心構造(9/20) □
タイタンのレーダー観測で液体が流れた跡を発見(9/16) □
フレアが引き起こしたオーロラ(9/16) □
ディープ・インパクトの観測結果から明らかになってきた彗星の起源(9/15) □ □
月のクレーターの起源は小惑星(9/15) □
イトカワのカラー画像(9/15) □
はやぶさ、イトカワに到着(9/5-14) □ □ □ □ □ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
様々なクエーサーのホスト銀河(9/14) □ □
ようこう、南アジア上空に落下し消滅(9/13) □
マーズ・リコナイサンス・オービターの高解像度カメラが月を撮影(9/12-13) □
すばる望遠鏡が、最遠のγ線バーストを観測(9/12) □
セレスの表面が明らかに、水の氷のマントル存在か(9/7) □
土星のリングにおける新発見(9/6) □
はやぶさ、イトカワへ接近中(8/15-9/2) □ □ □ □ □ □
小惑星アタミに衛星
SALTファーストライト(9/1) □ ■
ハッブルが海王星の大気を撮影(9/1) □
小惑星2002RG79に衛星
すばる望遠鏡が大質量原始星の円盤(8/31) □
マーズ・リコナイサンス・オービター(8/30) □
エンセラダスの「虎の縞模様」は非常に若い地形(8/30) □
きらり、れいめいを打ち上げ(8/24-25) □ □ □
生まれたてのブラックホールを発見(8/18) □ □
すざく観測開始(7/27-8/17) □ □ □ □
銀河系は棒渦巻銀河(8/16) □
マーズ・リコナイサンス・オービター打ち上げ成功(8/12) □ ■
小惑星シルヴィアに2つ目の衛星発見(8/11) □
メッセンジャー、地球スイングバイに成功(8/2-26) □ □ ■
ミマス・フライバイ(8/5) □
超巨大ブラックホール周囲のガスの流れを観測(8/4) □
ちりに隠されていたクエーサー(8/3) □ ■
衛星を持つ大型カイパーベルト天体2003EL61発見 □ □
ついに発見、第10惑星2003UB313(7/29-9/15) □ □ ■ ■
活動的なエンセラダス(7/26-29) □ □
太陽はもっと多くのネオンを含んでいるかもしれない(7/27) □ □
カッシーニが捉えた土星からの電波放射(7/25) □
すばるが最遠の宇宙を観測(7/21) □
ミリ秒パルサー誕生のメカニズム(7/19) □ ■
小惑星1994XDに衛星
すざく打ち上げ成功(7/10-13) □ □ ■ □
ディープ・インパクト(7/2-8) □ □ □
ニュース#167
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ニュース用語集:英数字~あ行 か行~た行 な行~ん
日米共同観測チームが、すばる望遠鏡を使って発見した惑星が、巨大な核を持つガス惑星であることを発見したょ。惑星の大きさは土星より少し小さいけれど、その核の大きさは木星の核よりもはるかに大きかったんだ!巨大ガス惑星がどのようにしてできたのかを知るヒントになりそうだょ。
惑星はN2Kプロジェクトっていう観測チームが発見したょ。N2Kは、日本、アメリカ、チリの天文学者が集まって、太陽系外の惑星を探そうっていうプロジェクトなんだ。惑星探しには、すばる望遠鏡、ケック望遠鏡、マゼラン望遠鏡などの口径8m以上の大型望遠鏡を使ってるょ。新たに2000個の恒星を観測して(N2Kはnew 2 kiloの意味)、ドップラーシフト法を使って数十個のホット・ジュピターを発見する計画なんだ。ホット・ジュピターっていうのは、恒星のすぐ近くを回る巨大ガス惑星のことで、木星や土星のような太陽系の巨大ガス惑星とは違って温度がとっても高いょ。まずはそのドップラーシフト法について簡単に説明しておこうね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
オリンピックにハンマー投げっていう種目があるよね?重い球にひもがついてて、選手はそのひもを持って振り回し重い球を遠くまで投げるんだ。ハンマー投げのように重いものを振り回すと、振り回している人間も大きく揺さぶられるょね。球が重いほど遠心力が強く、球が外側へ飛んでいこうとして、人間を引っ張るからなんだ。
これと同じことが恒星とその周りを回る惑星の間でも起こってるょ。恒星と惑星の間には重力(万有引力)がはたらいているから、惑星の公転に合わせて、恒星もわずかに揺さぶられるんだ。万有引力は重さ(質量)に比例し距離の二乗に反比例するから、惑星が重く恒星に近いほど強くなり、恒星の振動も大きくなるんだ。
でも恒星の振動はわずかで、それを直接望遠鏡で観測することはできないょ。そこで光のドップラー効果っていう性質を利用するんだ。近づいてくる物質から出る光の波長は縮み、近づく速度が速いほど大きく波長が縮むんだ。逆に遠ざかる物質から出る光の波長は延びるょ。つまり恒星が振動して地球の方向に近づくときには波長が短くなり、地球から遠ざかる方向へ動くときには波長が長くなるってわけ。恒星の光の波長のわずかな変化を捉えれば、恒星の振動の大きさや周期がわかり、そこから惑星の軌道や重さ(質量)が計算されるんだ。このようにして惑星を発見する方法がドップラーシフト法だょ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2004年7・8月、このドップラーシフト法により、すばる望遠鏡を使った観測から恒星HD149026が惑星を持っていることが発見されたょ。さらにすばる望遠鏡とケック望遠鏡の観測データから、惑星の質量と軌道が計算されたんだ。その結果、惑星HD149026bの質量は土星くらいだってことがわかったょ。
その後、アリゾナ・フェアボーン天文台で、この惑星が恒星の前を通る恒星面通過が起こっていることが発見されたょ。惑星の軌道を真横から見ると、惑星が恒星の前を通り過ぎ、そのとき惑星に遮られて恒星が少し暗くなるんだ。惑星の直径が大きいほど、恒星の明るさはより暗くなるはず。だから逆に、惑星が前を通過したときに恒星がどのくらい暗くなるかを測定すれば、惑星の直径が計算できるんだ!その結果、HD149026bの直径は土星よりも一回り小さいことがわかったんだ。となると、惑星の密度(質量÷体積)は土星よりもかなり大きいことになるよねぇ。だとすると、この惑星の内部構造は、木星や土星とは少し違うはず。
木星や土星などの巨大ガス惑星は、ほとんど水素やヘリウムのガスからできているんだ。下の図(やぎが独自に作成)を見てね。中央に氷や岩石からできた核があるんだけど、その上に水素とヘリウムからなるガスが分厚く集まっているんだ。核に近いところでは、水素やヘリウムが押しつぶされて金属状態になっているょ。ほとんど水素やヘリウムのようなとっても軽い物質でできているから、密度も小さいんだ。
でもHD149026bは普通の巨大ガス惑星よりもちょっぴり密度が大きい。これは、軽い水素やヘリウム以外の、もっと重い物質がたくさん含まれてるからなんだ。つまり、中心の核の部分が普通より大きいってこと。計算した結果、HD149026bの核の質量は地球70個分もあることがわかったんだ!下の図は、HD149026bと木星の内部構造を比べたものだょ。核の大きさが全然違うよねぇ。
巨大ガス惑星はどのようにしてできたんだろう?惑星ができる前の太陽系は、ガスやちりが集まって原始惑星系円盤ができていたんだ。そのちりやガスが集まって惑星ができていったょ。巨大ガス惑星ができるメカニズムとして、2つの考え方があるんだ。一つは、ガス円盤内のガスが集まって巨大ガス惑星が直接作られ、中に含まれる重い物質が沈んでいって核ができたっていう考え。もう一つは、まず氷や岩石からなる核ができた後、その重力で周りのガスを集めて巨大ガス惑星に成長したっていう考え。巨大な核を持つHD149026bが発見されたことで、どうやら2番目のガス集積モデルが正しいらしいことがわかったょ。つまり、核ができてからガスが集まって巨大ガス惑星になったと考えれば、集めたガスの量が少なかったために核の割合が大きくなったと説明できるってわけ。
それにしてもどのようにこんなに大きな核が作られたんだろう?これまでの考えでは、コアは地球30個分の質量までしか成長できないはずなんだ。限界ぎりぎりの地球35個分の質量の核を持つ2つの巨大ガス惑星が、互いに衝突して合体してできたって考える人もいるょ。
下の図はHD149026bの想像図。恒星に近いためにかなり高温で、夜側の部分も1200℃もあり、熱で赤く輝いてるらしいょ。表面のガスの流れの模様はコンピュータ・シミュレーションで計算した結果を基にしたものなんだ。恒星にあまりに近いから、ガスが少しずつ剥ぎ取られているかもしれないょ。
最新ニュース目次 ニュース画像庫
ニュース用語集:英数字~あ行 か行~た行 な行~ん
日米共同観測チームが、すばる望遠鏡を使って発見した惑星が、巨大な核を持つガス惑星であることを発見したょ。惑星の大きさは土星より少し小さいけれど、その核の大きさは木星の核よりもはるかに大きかったんだ!巨大ガス惑星がどのようにしてできたのかを知るヒントになりそうだょ。
惑星はN2Kプロジェクトっていう観測チームが発見したょ。N2Kは、日本、アメリカ、チリの天文学者が集まって、太陽系外の惑星を探そうっていうプロジェクトなんだ。惑星探しには、すばる望遠鏡、ケック望遠鏡、マゼラン望遠鏡などの口径8m以上の大型望遠鏡を使ってるょ。新たに2000個の恒星を観測して(N2Kはnew 2 kiloの意味)、ドップラーシフト法を使って数十個のホット・ジュピターを発見する計画なんだ。ホット・ジュピターっていうのは、恒星のすぐ近くを回る巨大ガス惑星のことで、木星や土星のような太陽系の巨大ガス惑星とは違って温度がとっても高いょ。まずはそのドップラーシフト法について簡単に説明しておこうね。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
オリンピックにハンマー投げっていう種目があるよね?重い球にひもがついてて、選手はそのひもを持って振り回し重い球を遠くまで投げるんだ。ハンマー投げのように重いものを振り回すと、振り回している人間も大きく揺さぶられるょね。球が重いほど遠心力が強く、球が外側へ飛んでいこうとして、人間を引っ張るからなんだ。
これと同じことが恒星とその周りを回る惑星の間でも起こってるょ。恒星と惑星の間には重力(万有引力)がはたらいているから、惑星の公転に合わせて、恒星もわずかに揺さぶられるんだ。万有引力は重さ(質量)に比例し距離の二乗に反比例するから、惑星が重く恒星に近いほど強くなり、恒星の振動も大きくなるんだ。
でも恒星の振動はわずかで、それを直接望遠鏡で観測することはできないょ。そこで光のドップラー効果っていう性質を利用するんだ。近づいてくる物質から出る光の波長は縮み、近づく速度が速いほど大きく波長が縮むんだ。逆に遠ざかる物質から出る光の波長は延びるょ。つまり恒星が振動して地球の方向に近づくときには波長が短くなり、地球から遠ざかる方向へ動くときには波長が長くなるってわけ。恒星の光の波長のわずかな変化を捉えれば、恒星の振動の大きさや周期がわかり、そこから惑星の軌道や重さ(質量)が計算されるんだ。このようにして惑星を発見する方法がドップラーシフト法だょ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2004年7・8月、このドップラーシフト法により、すばる望遠鏡を使った観測から恒星HD149026が惑星を持っていることが発見されたょ。さらにすばる望遠鏡とケック望遠鏡の観測データから、惑星の質量と軌道が計算されたんだ。その結果、惑星HD149026bの質量は土星くらいだってことがわかったょ。
その後、アリゾナ・フェアボーン天文台で、この惑星が恒星の前を通る恒星面通過が起こっていることが発見されたょ。惑星の軌道を真横から見ると、惑星が恒星の前を通り過ぎ、そのとき惑星に遮られて恒星が少し暗くなるんだ。惑星の直径が大きいほど、恒星の明るさはより暗くなるはず。だから逆に、惑星が前を通過したときに恒星がどのくらい暗くなるかを測定すれば、惑星の直径が計算できるんだ!その結果、HD149026bの直径は土星よりも一回り小さいことがわかったんだ。となると、惑星の密度(質量÷体積)は土星よりもかなり大きいことになるよねぇ。だとすると、この惑星の内部構造は、木星や土星とは少し違うはず。
木星や土星などの巨大ガス惑星は、ほとんど水素やヘリウムのガスからできているんだ。下の図(やぎが独自に作成)を見てね。中央に氷や岩石からできた核があるんだけど、その上に水素とヘリウムからなるガスが分厚く集まっているんだ。核に近いところでは、水素やヘリウムが押しつぶされて金属状態になっているょ。ほとんど水素やヘリウムのようなとっても軽い物質でできているから、密度も小さいんだ。
でもHD149026bは普通の巨大ガス惑星よりもちょっぴり密度が大きい。これは、軽い水素やヘリウム以外の、もっと重い物質がたくさん含まれてるからなんだ。つまり、中心の核の部分が普通より大きいってこと。計算した結果、HD149026bの核の質量は地球70個分もあることがわかったんだ!下の図は、HD149026bと木星の内部構造を比べたものだょ。核の大きさが全然違うよねぇ。
巨大ガス惑星はどのようにしてできたんだろう?惑星ができる前の太陽系は、ガスやちりが集まって原始惑星系円盤ができていたんだ。そのちりやガスが集まって惑星ができていったょ。巨大ガス惑星ができるメカニズムとして、2つの考え方があるんだ。一つは、ガス円盤内のガスが集まって巨大ガス惑星が直接作られ、中に含まれる重い物質が沈んでいって核ができたっていう考え。もう一つは、まず氷や岩石からなる核ができた後、その重力で周りのガスを集めて巨大ガス惑星に成長したっていう考え。巨大な核を持つHD149026bが発見されたことで、どうやら2番目のガス集積モデルが正しいらしいことがわかったょ。つまり、核ができてからガスが集まって巨大ガス惑星になったと考えれば、集めたガスの量が少なかったために核の割合が大きくなったと説明できるってわけ。
それにしてもどのようにこんなに大きな核が作られたんだろう?これまでの考えでは、コアは地球30個分の質量までしか成長できないはずなんだ。限界ぎりぎりの地球35個分の質量の核を持つ2つの巨大ガス惑星が、互いに衝突して合体してできたって考える人もいるょ。
下の図はHD149026bの想像図。恒星に近いためにかなり高温で、夜側の部分も1200℃もあり、熱で赤く輝いてるらしいょ。表面のガスの流れの模様はコンピュータ・シミュレーションで計算した結果を基にしたものなんだ。恒星にあまりに近いから、ガスが少しずつ剥ぎ取られているかもしれないょ。
中心恒星データ | ||
名称 | HD149026 | |
赤経 | (h m s) | 16 30 29 |
赤緯 | (°′″) | +38 20 50 |
距離 | (パーセク) | 78.9±6.6 |
スペクトル型 | G0IV | |
実視等級 | 8.15 | |
質量 | (太陽質量) | 1.3±0.1 |
鉄含有率 | (Fe/H) | 0.36±0.05 |
惑星データ | ||
名称 | HD 149026 b | |
質量 | (木星質量) | 0.36±0.03 |
直径 | (木星直径) | 0.725±0.03 |
軌道長半径 | (AU) | 0.042 |
公転周期 | (日) | 2.8766 |
離心率 | 0 | |
昇交点経度 | (°) | 0 |
軌道傾斜角 | (°) | 85.3 |
恒星面通過時 | (ユリウス日 2.450.000) | 3530.751 |
ニュース#166
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ニュース用語集:英数字~あ行 か行~た行 な行~ん
土星とその衛星の探査を進めるNASAの土星探査機カッシーニが、土星最大の衛星タイタンに湖のような地形を発見したょ。これまでの探査ではかつて大量の液体がタイタンの地表を覆ってたらしいっていう証拠が見つかってたけど、今は広い海のようなものはなくなってるみたい。今回湖に似た地形が発見された南極地方はメタンの雲がたくさん発生している場所で、もしかしたら今でも大気と地形の間をメタンが大循環してるかもしれないんだ。
タイタンは土星最大の衛星で、分厚い大気を持ってるんだ。大きさは月くらいなのに、地表の気圧はなんと1.5気圧(つまり地球の約1.5倍)!!その大気の主な成分は窒素で、その他にメタンなどの有機物を含んでるんだ。タイタンの気圧と気温では、メタンが液体として存在できることから、タイタンでは液体メタンの雨が降り、地表にはその海ができてるかもしれないって言われてたんだ。実際には、カッシーニの観測によるとこの予想は当たってもいなかったけど外れてもいなかったょ。つまり今は広い海が見当たらないけれど、昔はどうやらあったみたいなんだ。
下の画像は月日にカッシーニが撮影したものだょ(NASA/JPL/Space Science Institute提供)。瓢箪みたいな形の暗い斑は、長さ234km、幅73km。縁は滑らかで、本当に湖みたいに見えるねぇ。このような地形はこれまで発見されたことはなかったから、科学者達は興奮してるんだ。下の動画では、明るい雲が大気の流れに乗って移動しているのがわかるねぇ。湖から蒸発したメタンがこういう雲を作ってるのかもしれないょ。そして、それがまたメタンの雨になって地上に降り、湖を作っているのかもしれない。
でもまだこれが湖だとわかったわけじゃないょ。もう既に干上がった湖で、底に沈んだ暗い物質がこのような暗い斑点として残っているのかもしれない。そうではなくて火山のカルデラかもしれないって言う人もいるょ。本当に湖なら太陽の光を湖面が反射するはず。カッシーニがその反射をうまく観測できる場所を通らないといけないねぇ。とにかくこれからのカッシーニの探査が楽しみ!
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土星とその衛星の探査を進めるNASAの土星探査機カッシーニが、土星最大の衛星タイタンに湖のような地形を発見したょ。これまでの探査ではかつて大量の液体がタイタンの地表を覆ってたらしいっていう証拠が見つかってたけど、今は広い海のようなものはなくなってるみたい。今回湖に似た地形が発見された南極地方はメタンの雲がたくさん発生している場所で、もしかしたら今でも大気と地形の間をメタンが大循環してるかもしれないんだ。
タイタンは土星最大の衛星で、分厚い大気を持ってるんだ。大きさは月くらいなのに、地表の気圧はなんと1.5気圧(つまり地球の約1.5倍)!!その大気の主な成分は窒素で、その他にメタンなどの有機物を含んでるんだ。タイタンの気圧と気温では、メタンが液体として存在できることから、タイタンでは液体メタンの雨が降り、地表にはその海ができてるかもしれないって言われてたんだ。実際には、カッシーニの観測によるとこの予想は当たってもいなかったけど外れてもいなかったょ。つまり今は広い海が見当たらないけれど、昔はどうやらあったみたいなんだ。
下の画像は月日にカッシーニが撮影したものだょ(NASA/JPL/Space Science Institute提供)。瓢箪みたいな形の暗い斑は、長さ234km、幅73km。縁は滑らかで、本当に湖みたいに見えるねぇ。このような地形はこれまで発見されたことはなかったから、科学者達は興奮してるんだ。下の動画では、明るい雲が大気の流れに乗って移動しているのがわかるねぇ。湖から蒸発したメタンがこういう雲を作ってるのかもしれないょ。そして、それがまたメタンの雨になって地上に降り、湖を作っているのかもしれない。
でもまだこれが湖だとわかったわけじゃないょ。もう既に干上がった湖で、底に沈んだ暗い物質がこのような暗い斑点として残っているのかもしれない。そうではなくて火山のカルデラかもしれないって言う人もいるょ。本当に湖なら太陽の光を湖面が反射するはず。カッシーニがその反射をうまく観測できる場所を通らないといけないねぇ。とにかくこれからのカッシーニの探査が楽しみ!
ニュース#165
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ニュース用語集:英数字~あ行 か行~た行 な行~ん
NASAのチャンドラX線天文衛星を使って、土星からやってくるX線が観測されたょ。土星ではオーロラに伴うX線の発生は見られず、太陽からのX線を土星全体が鏡のように反射していることがわかったんだ。また土星のリングの中でも特にBリングの東側から特に強いX線が出ていることもわかったょ。
下にある上段の2つの画像は、土星が発するX線を捉えたものだょ(NASA/MSFC/CXC/A.Bhardwaj et al提供)。土星本体やリングの範囲が線で示されているけれど、X線は土星全体から均一に出ているように見えるねぇ。このX線はどのように発生しているんだろう?
下段の2つの画像はアメリカ海洋大気監視静止気象衛星の一つであるGEOS-12が太陽の活動をX線で撮影したものだょ(NOAA/SEC提供)。太陽表面ではたまにフレアと呼ばれる爆発現象が起こるんだ。右側はそのフレアが起こった瞬間の画像だょ。フレアが起こると太陽からのX線や太陽風(電気を帯びた粒子の流れ)が強くなるんだ。上段の土星のX線画像のうち、左側は太陽がフレアを起こす前の画像で、右側は後の画像だょ。太陽からのX線を土星の大気が反射しているために、フレアが起こって太陽からのX線の量が増えると、土星からやってくるX線も増えるってわけ。こんな風に土星は太陽からのX線を反射する鏡になっているんだ。土星は、太陽からやってくるX線のうち数千分の1を反射しているょ。
このようなX線の反射は木星でも見つかっているんだ。木星の方が太陽に近いし、大きさも大きいから、土星よりも強くX線を反射しているょ。逆にこうした木星や土星による反射を観測すれば太陽の活動の様子を知ることができるよねぇ。木星や土星が地球から見て太陽をはさんで反対側にあるとき、地球からは見えない太陽の裏側の活動の様子を、木星や土星が教えてくれるってわけ。
土星では、他の惑星で見られるようなオーロラに伴うX線の発生は見られないょ。オーロラは太陽風が磁力線に沿って北極や南極に流れ込み、大気と衝突して光る現象なんだけど、地球などではこのとき光と一緒にX線が発生するんだ。土星にもオーロラがあるのになぜX線が発生していないのか、不思議だねぇ。
土星自体だけじゃなく、リングもX線を出してるんだ。リングは氷の粒が集まってできてるんだけど、太陽からのX線が水分子に含まれる酸素原子に当たってX線が発生してるってわけ。下の画像もチャンドラX線天文衛星がX線で捉えた画像だょ(NASA/MSFC/CXC/A.Bhardwaj et al提供)。さらにその下の画像は、ハッブル宇宙望遠鏡が可視光線で撮影した土星の画像(NASA/ESA/STScI/AURA提供)の上にX線画像を重ねたもの。
ハッブルの可視光線画像で、リングを観察してみよー。土星のリングの間に太い隙間(黒い帯の部分)があるよね?これがカッシーニの隙間。このカッシーニの隙間より内側の部分をBリング、外側の部分をAリングっていうんだ。更にBリングの内側にとっても暗いリングが見えるよねぇ?それはCリングと呼ばれてるょ。
さて、X線画像と比べてみると、X線は特にBリングで強いみたいだねぇ。下の画像では左側で特にX線が強いみたい。これらの画像ではリングは時計回りに回ってるょ。つまり、リングの左側の部分は、土星の陰から現れたばかり。言い換えれば朝を迎えた部分なんだ。なぜBリングの朝側でX線が強いんだろう?
専門家の人たちはこんな風に考えてるょ。土星にも地球と同じように隕石がやってくるんだけど、リングの朝側の部分は隕石群がやってくる方向と逆向きに動いてるから、他の部分よりも隕石と衝突しやすいんだ。特にBリングはAリングやCリングよりもたくさんの氷の粒子からできてるしね。リングの粒子と隕石が衝突すると細かい氷が雲のように舞い上がって、それが太陽からX線を受けて自らX線を発しているみたい。この雲は1時間くらいで消えてなくなっちゃうょ。そのためBリングの朝側で特にX線が強いんだ。
1979年に土星に接近したNASAの惑星探査機ボイジャー1号・2号は、このBリングに「スポーク」っていう不思議な模様があることを発見したょ。下の画像に写っている白いぼんやりした模様がスポークだょ(NASA/JPL提供)。このスポークも夜~朝側でよく見られ、すぐに消えてしまうんだ。どうやら隕石との衝突でできた模様がスポークの正体らしいょ。ところで現在土星を探査してるNASAの土星探査機カッシーニは、不思議なことにまだスポークを確認してないんだ。ボイジャーが土星を調べていた頃は、ちょうど隕石群が数多くやってくる時期だったのかもねぇ。
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ニュース用語集:英数字~あ行 か行~た行 な行~ん
NASAのチャンドラX線天文衛星を使って、土星からやってくるX線が観測されたょ。土星ではオーロラに伴うX線の発生は見られず、太陽からのX線を土星全体が鏡のように反射していることがわかったんだ。また土星のリングの中でも特にBリングの東側から特に強いX線が出ていることもわかったょ。
下にある上段の2つの画像は、土星が発するX線を捉えたものだょ(NASA/MSFC/CXC/A.Bhardwaj et al提供)。土星本体やリングの範囲が線で示されているけれど、X線は土星全体から均一に出ているように見えるねぇ。このX線はどのように発生しているんだろう?
下段の2つの画像はアメリカ海洋大気監視静止気象衛星の一つであるGEOS-12が太陽の活動をX線で撮影したものだょ(NOAA/SEC提供)。太陽表面ではたまにフレアと呼ばれる爆発現象が起こるんだ。右側はそのフレアが起こった瞬間の画像だょ。フレアが起こると太陽からのX線や太陽風(電気を帯びた粒子の流れ)が強くなるんだ。上段の土星のX線画像のうち、左側は太陽がフレアを起こす前の画像で、右側は後の画像だょ。太陽からのX線を土星の大気が反射しているために、フレアが起こって太陽からのX線の量が増えると、土星からやってくるX線も増えるってわけ。こんな風に土星は太陽からのX線を反射する鏡になっているんだ。土星は、太陽からやってくるX線のうち数千分の1を反射しているょ。
このようなX線の反射は木星でも見つかっているんだ。木星の方が太陽に近いし、大きさも大きいから、土星よりも強くX線を反射しているょ。逆にこうした木星や土星による反射を観測すれば太陽の活動の様子を知ることができるよねぇ。木星や土星が地球から見て太陽をはさんで反対側にあるとき、地球からは見えない太陽の裏側の活動の様子を、木星や土星が教えてくれるってわけ。
土星では、他の惑星で見られるようなオーロラに伴うX線の発生は見られないょ。オーロラは太陽風が磁力線に沿って北極や南極に流れ込み、大気と衝突して光る現象なんだけど、地球などではこのとき光と一緒にX線が発生するんだ。土星にもオーロラがあるのになぜX線が発生していないのか、不思議だねぇ。
土星自体だけじゃなく、リングもX線を出してるんだ。リングは氷の粒が集まってできてるんだけど、太陽からのX線が水分子に含まれる酸素原子に当たってX線が発生してるってわけ。下の画像もチャンドラX線天文衛星がX線で捉えた画像だょ(NASA/MSFC/CXC/A.Bhardwaj et al提供)。さらにその下の画像は、ハッブル宇宙望遠鏡が可視光線で撮影した土星の画像(NASA/ESA/STScI/AURA提供)の上にX線画像を重ねたもの。
ハッブルの可視光線画像で、リングを観察してみよー。土星のリングの間に太い隙間(黒い帯の部分)があるよね?これがカッシーニの隙間。このカッシーニの隙間より内側の部分をBリング、外側の部分をAリングっていうんだ。更にBリングの内側にとっても暗いリングが見えるよねぇ?それはCリングと呼ばれてるょ。
さて、X線画像と比べてみると、X線は特にBリングで強いみたいだねぇ。下の画像では左側で特にX線が強いみたい。これらの画像ではリングは時計回りに回ってるょ。つまり、リングの左側の部分は、土星の陰から現れたばかり。言い換えれば朝を迎えた部分なんだ。なぜBリングの朝側でX線が強いんだろう?
専門家の人たちはこんな風に考えてるょ。土星にも地球と同じように隕石がやってくるんだけど、リングの朝側の部分は隕石群がやってくる方向と逆向きに動いてるから、他の部分よりも隕石と衝突しやすいんだ。特にBリングはAリングやCリングよりもたくさんの氷の粒子からできてるしね。リングの粒子と隕石が衝突すると細かい氷が雲のように舞い上がって、それが太陽からX線を受けて自らX線を発しているみたい。この雲は1時間くらいで消えてなくなっちゃうょ。そのためBリングの朝側で特にX線が強いんだ。
1979年に土星に接近したNASAの惑星探査機ボイジャー1号・2号は、このBリングに「スポーク」っていう不思議な模様があることを発見したょ。下の画像に写っている白いぼんやりした模様がスポークだょ(NASA/JPL提供)。このスポークも夜~朝側でよく見られ、すぐに消えてしまうんだ。どうやら隕石との衝突でできた模様がスポークの正体らしいょ。ところで現在土星を探査してるNASAの土星探査機カッシーニは、不思議なことにまだスポークを確認してないんだ。ボイジャーが土星を調べていた頃は、ちょうど隕石群が数多くやってくる時期だったのかもねぇ。
ニュース用語集です。五十音順だょ。な行~ん
パイオニア10号 1972年3月3日に打ち上げられたNASAの木星探査機だょ(下のイラスト:NASA提供)。1973年に初めて木星に接近し、木星の重力を利用して太陽系からの脱出への旅を一番早く始めたんだ。地球外知的生命へのメッセージが書かれた板が取り付けられているょ。
パイオニア11号 1973年4月6日に打ち上げられたNASAの惑星探査機で(下のイラスト:NASA提供)、1974年に木星に、1979年に土星に接近したょ。パイオニア10号と同様、メッセージが書かれた板が取り付けられてるんだ。
波長: 光は波となって伝わっていくんだけど、その波の間隔を波長っていうんだ。
パン: パンは土星のエンケの隙間を公転する小さな衛星だょ。1990年、ボイジャーの画像からM. Showalterらによって発見されたんだ。大きさは25km。
反射率: 当たった光の強さに対する反射される光の強さの割合。つまり、どのくらい光を反射するかってこと。光を全部吸収しちゃう真っ黒なものの反射率は0だし、光を全部反射しちゃう真っ白なものの反射率は1になるんだ。
光のドップラー効果: 光のドップラー効果は、光を出す天体が近づく(または遠ざかる)速度が速ければ速いほど、光の波長が短くなる(または長くなる)現象だょ。つまり光の波長がどれだけずれているかを測定すれば、天体の近づいてくる(または遠ざかっていく)速度が計算できるんだ。
ブラックホール: ブラックホールっていうのは“潰れた天体”なんだ。全ての質量は、中心にある特異点っていう一点に集まっているんだ。ブラックホールに近づいた物質は全てこの特異点に引き寄せられていって、最後にはその物質も潰れてしまい、点になっちゃうわけ。ものすごい重力のせいで特異点からある決まった距離よりも近くに近づくと、光さえも外に出て行くことができない。そのためにブラックホール(黒い穴)って呼ばれるんだ。
小型のブラックホールは結構ありふれた存在で、太陽の30倍以上の質量を持つ重い恒星が死んだ後にできるんだ。このような重い星は明るく光るためにすぐに核融合反応の燃料を使い果たしてしまって、超新星爆発っていう巨大な爆発を起こして死んでしまうょ。星の中心部ではそれまで星を支えてきた核融合反応が止まってしまい、収縮するんだ。このとき太陽の30倍もある重い星では、自分の重さに耐えられずに限りなく潰れていって、最後には特異点っていう一点になってしまう。これがブラックホールだょ。このようなブラックホールの大きさ(光が外へ出ることができない範囲)はせいぜい5~6km。なのに質量は太陽の10倍近くもあるんだ!!!!
一方、太陽系を含む2000億個の恒星が集まってできている銀河系の中心部には、これとは比べ物にならないくらい巨大なブラックホールがあるょ。質量は何と太陽数百万個分!!!!その周囲には、ブラックホールに飲み込まれようとしているガスが膠着円盤っていう円盤を作っていて、秒速700kmっていうものすごい速さで回転しながら吸い込まれているんだ。
フレア: 太陽の大気中(彩層と呼ばれるガスの層)で発生する爆発現象だょ。フレアが発生すると、太陽が出す電気を帯びた粒子の集まりである太陽風も強くなるんだ。強い太陽風が地球にやってくると人工衛星との通信などに異常が起こるょ。フレアは、太陽の活動が活発なときに発生するんだ。磁力線が曲げられ、交わったところで大量のエネルギーが発生して爆発を起こすみたい。
プロメテウス: プロメテウスは土星のFリングの近くを公転する小さな衛星だょ。1980年、ボイジャーの画像からS. Collinsらによって発見されたんだ。大きさは140×100×74kmでラグビーボールのようないびつな形の衛星だょ。表面は小天体の衝突によってできたクレーターで覆われているんだ。プロメテウスは土星のFリングの近くを、時には横切りながら回っているんだ。
分子 物質は、空気も水も岩も、小さな目に見えない分子がたくさん集まってできてるんだ。分子は原子からできているょ。
ボイジャー1号 1977年9月5日に打ち上げられたNASAの惑星探査機だょ(下のイラスト:NASA提供)。1979年3月に木星に接近し、リングの存在を確かめたんだ。木星の衛星エウロパの縞模様で覆われた氷の表面や、イオの火山活動を発見したょ。その後1980年11月には土星に接近し、その衛星タイタンに大気があることを確かめたんだ。その後海王星軌道より外側へ飛び出したボイジャー1号は、1990年に太陽系を振り返って太陽系全体を撮影したょ。その後は太陽系の外側へ向けて現在も旅を続けてるんだ。いつか出会うかも知れない地球外知的生命へのメッセージとしてレコードが積まれているょ。
ボイジャー2号 NASAの惑星探査機だょ(下のイラスト:NASA提供)。1977年8月20日、打ち上げが延期された1号より早く打ち上げられたんだ。1979年7月に木星に、1981年8月に土星に接近し、探査を行ったんだ。その後さらに1986年1月には天王星に、1989年8月には海王星に接近し、たくさんの新しい衛星を発見したょ。また、海王星の探査では海王星のリングや衛星トリトンの火山活動などを発見したんだ。1号とは別の方向へ向けて、太陽系の外の世界へと航行を続けているょ。1号と同様、レコードが積まれているょ。
マグネター 強力な磁場を持った活動的なパルサーの一種だょ。パルサーとは、高速で回転しながら電波などを出している中性子星なんだ。地球から見るとこの電波が規則的に点滅してるように見えることから、パルサーというんだ。
マース・エクスプレス (下のイラスト、NASA/JPL提供)2003年6月2日に打ち上げられたESAの初の火星探査機だょ。火星の周りを回る周回機と、火星表面に着陸する着陸機ビーグル2からなるんだ。ビーグル2は通信が途絶えてしまい、失敗に終わったょ。でも周回機は2003年12月26日に火星を回る軌道に入ってから、火星の探査を続けているんだ。太陽風が火星の大気の深いところにまで入り込んでいることを発見し、それが火星の水や大気が大量に宇宙空間へ逃げた原因と考えられるようになったょ。その他、火星の火山活動が比較的最近まで続いていたこと、火星の地下に氷が残されているらしいことなどを発見しているんだ。
マーズ・エクスプロレーション・ローバー(MER): (下のイラスト、NASA/JPL提供)2003年6・7月に打ち上げられた2機のNASAの火星探査機だょ。2004年1月に2機とも着陸を果たしたんだ。スピリットって名付けられた探査機はグセフ・クレーターの中に、オポチュニティーって名付けられた探査機はメリディアニ平原に、それぞれ着陸したんだ。何度か計画が延長されて今でも探査を続けているょ。車輪がついていて自由に動き回ることができるんだ。これまで、火星に大量の水があった証拠など、色々な発見をしてるょ。
マーズ・クライメイト・オービター(MCO): (下のイラスト、NASA/JPL提供)1998年12月11日に打ち上げられたNASAの火星探査機だょ。重さは629kg。MCOの目的は火星の気象観測と、地上のマーズ・ポーラー・ランダー(MPL)との交信。1993年に行方不明になったマーズ・オブザーバーが積んでいた大気サウンダーと、カラーのカメラなどを積んでいたんだ。ところが1999年9月23日、火星に到着したものの軌道が低すぎて火星大気圏に突入し、燃え尽きてしまったみたいなんだ。
マーズ・グローバル・サーベイヤー(MGS): (下のイラスト、NASA/JPL提供)1996年11月7日に打ち上げられたNASAの火星探査機だょ。重さは767kg。1997年9月12日に火星に到着してから7年半以上も活動してるんだ!1999年3月からは、カメラやレーダーを使って火星の地図を作って、MERの着陸地点を決めるときなどにも役立ったんだ。その他、火星に大量の水があったことを示す地形を発見したり、火星の内部の活動が調べられたり、火星の衛星フォボスの表面が厚い砂埃で覆われてることを発見したりしてきたょ。これからもガンバ!
マーズ・ポーラー・ランダー(MPL): (下のイラスト、NASA/JPL提供)1999年1月3日に打ち上げられたNASAの火星探査機だょ。重さは576kg。南極にある南極冠の縁に着陸する予定だったんだ。南極冠っていうのは、南極のドライアイスでできた凍った地方だょ。ロボットアームを使って地面を掘って水の氷を探したりする予定だったんだ。その他、2機の小型探査機ディープ・スペース2(DS2)を積んでいたんだ。DS2は地面に突き刺さって新しい技術のテストを行い、火星の地面を調べる予定だったんだ。ところが1999年12月3日、火星到着直後通信が途絶えて、探査は失敗に終わったんだ。
有機物 炭素原子を骨組みとする化合物だょ。生物の体は主に水と有機化合物でできているんだ。ただし、二酸化炭素のような炭素の酸化物や、炭素のシアン化物、金属の炭素塩などは、有機化合物には含まれないんだ。有機化合物は炭素原子の他、水素原子や酸素原子、窒素原子などがよく含まれているょ。有機化合物以外の化合物を無機化合物っていうんだ。
離心率 多くの天体の軌道は楕円だょ。その楕円の中心が焦点(太陽の位置)からどれだけ離れているかを表しているんだ。つまり軌道の形を表すものだょ。離心率が0なら円。0<離心率<1なら楕円で、1に近づけば近づくほど細長い楕円になるんだ。離心率が1なら放物線、1より大きいときは双曲線になるょ。一度太陽の近くにやってきたら2度と帰ってこないような彗星の軌道の離心率は1より大きくなるんだ。
パイオニア10号 1972年3月3日に打ち上げられたNASAの木星探査機だょ(下のイラスト:NASA提供)。1973年に初めて木星に接近し、木星の重力を利用して太陽系からの脱出への旅を一番早く始めたんだ。地球外知的生命へのメッセージが書かれた板が取り付けられているょ。
パイオニア11号 1973年4月6日に打ち上げられたNASAの惑星探査機で(下のイラスト:NASA提供)、1974年に木星に、1979年に土星に接近したょ。パイオニア10号と同様、メッセージが書かれた板が取り付けられてるんだ。
波長: 光は波となって伝わっていくんだけど、その波の間隔を波長っていうんだ。
パン: パンは土星のエンケの隙間を公転する小さな衛星だょ。1990年、ボイジャーの画像からM. Showalterらによって発見されたんだ。大きさは25km。
反射率: 当たった光の強さに対する反射される光の強さの割合。つまり、どのくらい光を反射するかってこと。光を全部吸収しちゃう真っ黒なものの反射率は0だし、光を全部反射しちゃう真っ白なものの反射率は1になるんだ。
光のドップラー効果: 光のドップラー効果は、光を出す天体が近づく(または遠ざかる)速度が速ければ速いほど、光の波長が短くなる(または長くなる)現象だょ。つまり光の波長がどれだけずれているかを測定すれば、天体の近づいてくる(または遠ざかっていく)速度が計算できるんだ。
ブラックホール: ブラックホールっていうのは“潰れた天体”なんだ。全ての質量は、中心にある特異点っていう一点に集まっているんだ。ブラックホールに近づいた物質は全てこの特異点に引き寄せられていって、最後にはその物質も潰れてしまい、点になっちゃうわけ。ものすごい重力のせいで特異点からある決まった距離よりも近くに近づくと、光さえも外に出て行くことができない。そのためにブラックホール(黒い穴)って呼ばれるんだ。
小型のブラックホールは結構ありふれた存在で、太陽の30倍以上の質量を持つ重い恒星が死んだ後にできるんだ。このような重い星は明るく光るためにすぐに核融合反応の燃料を使い果たしてしまって、超新星爆発っていう巨大な爆発を起こして死んでしまうょ。星の中心部ではそれまで星を支えてきた核融合反応が止まってしまい、収縮するんだ。このとき太陽の30倍もある重い星では、自分の重さに耐えられずに限りなく潰れていって、最後には特異点っていう一点になってしまう。これがブラックホールだょ。このようなブラックホールの大きさ(光が外へ出ることができない範囲)はせいぜい5~6km。なのに質量は太陽の10倍近くもあるんだ!!!!
一方、太陽系を含む2000億個の恒星が集まってできている銀河系の中心部には、これとは比べ物にならないくらい巨大なブラックホールがあるょ。質量は何と太陽数百万個分!!!!その周囲には、ブラックホールに飲み込まれようとしているガスが膠着円盤っていう円盤を作っていて、秒速700kmっていうものすごい速さで回転しながら吸い込まれているんだ。
フレア: 太陽の大気中(彩層と呼ばれるガスの層)で発生する爆発現象だょ。フレアが発生すると、太陽が出す電気を帯びた粒子の集まりである太陽風も強くなるんだ。強い太陽風が地球にやってくると人工衛星との通信などに異常が起こるょ。フレアは、太陽の活動が活発なときに発生するんだ。磁力線が曲げられ、交わったところで大量のエネルギーが発生して爆発を起こすみたい。
プロメテウス: プロメテウスは土星のFリングの近くを公転する小さな衛星だょ。1980年、ボイジャーの画像からS. Collinsらによって発見されたんだ。大きさは140×100×74kmでラグビーボールのようないびつな形の衛星だょ。表面は小天体の衝突によってできたクレーターで覆われているんだ。プロメテウスは土星のFリングの近くを、時には横切りながら回っているんだ。
分子 物質は、空気も水も岩も、小さな目に見えない分子がたくさん集まってできてるんだ。分子は原子からできているょ。
ボイジャー1号 1977年9月5日に打ち上げられたNASAの惑星探査機だょ(下のイラスト:NASA提供)。1979年3月に木星に接近し、リングの存在を確かめたんだ。木星の衛星エウロパの縞模様で覆われた氷の表面や、イオの火山活動を発見したょ。その後1980年11月には土星に接近し、その衛星タイタンに大気があることを確かめたんだ。その後海王星軌道より外側へ飛び出したボイジャー1号は、1990年に太陽系を振り返って太陽系全体を撮影したょ。その後は太陽系の外側へ向けて現在も旅を続けてるんだ。いつか出会うかも知れない地球外知的生命へのメッセージとしてレコードが積まれているょ。
ボイジャー2号 NASAの惑星探査機だょ(下のイラスト:NASA提供)。1977年8月20日、打ち上げが延期された1号より早く打ち上げられたんだ。1979年7月に木星に、1981年8月に土星に接近し、探査を行ったんだ。その後さらに1986年1月には天王星に、1989年8月には海王星に接近し、たくさんの新しい衛星を発見したょ。また、海王星の探査では海王星のリングや衛星トリトンの火山活動などを発見したんだ。1号とは別の方向へ向けて、太陽系の外の世界へと航行を続けているょ。1号と同様、レコードが積まれているょ。
マグネター 強力な磁場を持った活動的なパルサーの一種だょ。パルサーとは、高速で回転しながら電波などを出している中性子星なんだ。地球から見るとこの電波が規則的に点滅してるように見えることから、パルサーというんだ。
マース・エクスプレス (下のイラスト、NASA/JPL提供)2003年6月2日に打ち上げられたESAの初の火星探査機だょ。火星の周りを回る周回機と、火星表面に着陸する着陸機ビーグル2からなるんだ。ビーグル2は通信が途絶えてしまい、失敗に終わったょ。でも周回機は2003年12月26日に火星を回る軌道に入ってから、火星の探査を続けているんだ。太陽風が火星の大気の深いところにまで入り込んでいることを発見し、それが火星の水や大気が大量に宇宙空間へ逃げた原因と考えられるようになったょ。その他、火星の火山活動が比較的最近まで続いていたこと、火星の地下に氷が残されているらしいことなどを発見しているんだ。
マーズ・エクスプロレーション・ローバー(MER): (下のイラスト、NASA/JPL提供)2003年6・7月に打ち上げられた2機のNASAの火星探査機だょ。2004年1月に2機とも着陸を果たしたんだ。スピリットって名付けられた探査機はグセフ・クレーターの中に、オポチュニティーって名付けられた探査機はメリディアニ平原に、それぞれ着陸したんだ。何度か計画が延長されて今でも探査を続けているょ。車輪がついていて自由に動き回ることができるんだ。これまで、火星に大量の水があった証拠など、色々な発見をしてるょ。
マーズ・クライメイト・オービター(MCO): (下のイラスト、NASA/JPL提供)1998年12月11日に打ち上げられたNASAの火星探査機だょ。重さは629kg。MCOの目的は火星の気象観測と、地上のマーズ・ポーラー・ランダー(MPL)との交信。1993年に行方不明になったマーズ・オブザーバーが積んでいた大気サウンダーと、カラーのカメラなどを積んでいたんだ。ところが1999年9月23日、火星に到着したものの軌道が低すぎて火星大気圏に突入し、燃え尽きてしまったみたいなんだ。
マーズ・グローバル・サーベイヤー(MGS): (下のイラスト、NASA/JPL提供)1996年11月7日に打ち上げられたNASAの火星探査機だょ。重さは767kg。1997年9月12日に火星に到着してから7年半以上も活動してるんだ!1999年3月からは、カメラやレーダーを使って火星の地図を作って、MERの着陸地点を決めるときなどにも役立ったんだ。その他、火星に大量の水があったことを示す地形を発見したり、火星の内部の活動が調べられたり、火星の衛星フォボスの表面が厚い砂埃で覆われてることを発見したりしてきたょ。これからもガンバ!
マーズ・ポーラー・ランダー(MPL): (下のイラスト、NASA/JPL提供)1999年1月3日に打ち上げられたNASAの火星探査機だょ。重さは576kg。南極にある南極冠の縁に着陸する予定だったんだ。南極冠っていうのは、南極のドライアイスでできた凍った地方だょ。ロボットアームを使って地面を掘って水の氷を探したりする予定だったんだ。その他、2機の小型探査機ディープ・スペース2(DS2)を積んでいたんだ。DS2は地面に突き刺さって新しい技術のテストを行い、火星の地面を調べる予定だったんだ。ところが1999年12月3日、火星到着直後通信が途絶えて、探査は失敗に終わったんだ。
有機物 炭素原子を骨組みとする化合物だょ。生物の体は主に水と有機化合物でできているんだ。ただし、二酸化炭素のような炭素の酸化物や、炭素のシアン化物、金属の炭素塩などは、有機化合物には含まれないんだ。有機化合物は炭素原子の他、水素原子や酸素原子、窒素原子などがよく含まれているょ。有機化合物以外の化合物を無機化合物っていうんだ。
離心率 多くの天体の軌道は楕円だょ。その楕円の中心が焦点(太陽の位置)からどれだけ離れているかを表しているんだ。つまり軌道の形を表すものだょ。離心率が0なら円。0<離心率<1なら楕円で、1に近づけば近づくほど細長い楕円になるんだ。離心率が1なら放物線、1より大きいときは双曲線になるょ。一度太陽の近くにやってきたら2度と帰ってこないような彗星の軌道の離心率は1より大きくなるんだ。